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  3. 真壁しのさんのレビュー一覧

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先月(2017年1月)

真壁しのさんのレビュー一覧

投稿者:真壁しの

13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本メッセージ

2003/02/26 02:08

世界に突如大きくあいたもうけして埋まることのない穴

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

身近な人の死は
びっくりする。



もっと適切なような言葉とか一層悲しい言葉とか
伝えようはあるけれど
びっくり
が一番近い。
ある日突然SFやらなにやらの世界に放り込まれたみたいに
日常はとおく
離れる。



挿絵を書いている人が好きだったのだ。
それからきれいな言葉だと思ったのだ。
三作目だけど
面白かったら一作目を探せばいい。
そう思った。

*


きっと早くにいなくなってしまう人なので
すこしだけ覚悟しておこう。
あなたが行ってしまうときには
こういう風にふるまうんだよ。


その覚悟が
思いがけずより一層深く傷を穿つなんて
考えてもいなかった
考えたことなかったから

防ぎようもなく傷は大きくひらいてゆくのだ。




誰が癒した傷、というわけではなくて
その傷を洗ってくれたあなたも
消毒薬を塗ってくれた人も
大丈夫だよ、と 言ったあなた、も


ただ見ていたあなたも確かに
この傷を守っていてくれたのだ。


*

読み終わってひとしきり泣いて
夏の塩を探しに出かけた。

BLに興味、なんてなくてもかまわないので
これだけは読んで欲しい。
それくらいあたしはこの本が好きだ。

痛々しくちぎれた悲鳴に近い覚えがあったら
泣かせてくれると思う。
必要な涙を多分、くれる。

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紙の本海馬が耳から駆けてゆく 1

2003/02/12 00:07

「ほうふくぜっとう」?

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

腹を抱えてかつのたうつほどに面白いということですね。
抱腹絶倒。
そんな本読んだことある?

ネットで感想文を読んでいて同じ言葉に会うことがあります。
例えば「哂う伊右衛門はラブストーリーだ」とかね。
で、これですが。
「本屋で立ち読みをしていたら笑えて笑えてしょうがなくこのままでは怪しい人に見られてしまうのでもう買わざるをえなかった」
という感想を複数見ました。
なんということでしょう私もそうでしたッ!
やばい私怪しい人だ!とまあ。
ええ、ですからあまり電車内とかでの読書にもお勧めできません。

菅野さんの小説はその痛さが特徴だと思うのですが、
何処を切っても笑いしか出てこない金太郎飴なこの本、
何故か小説の根底にある「痛さ」「切なさ」の出所を見るような思いがすることもしばしば。
面白いものですね。


笑いをこらえると呼吸困難になります。
お気をつけてお読みください。
僕は2よりも1が好き。(聞いてない)

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雪のひとひら 新装版

2003/01/28 23:53

すべてのひとがこれを読んだならいいのに。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いずれ奪われるものならば、何故与えられたのか。
出会いは別れの為であったか。
そもこの命は何の故あって生まれたものか。
悲しみのためか、あるいは気まぐれとして?

生まれ舞い降り、世界の美しさに感嘆する雪のひとひら。
ひとりの女性の生涯になぞらえながら言葉で描かれる世界は、色彩に溢れてとても美しいもので、まるで世界の賛美のようです。
生まれてきたよろこびに満ち溢れたはじけるような前半と、
夫と子供と過ごす穏やかで幸せを湛えた中盤、
そして全てを失い孤独に苛まれる後半。

ラストシーンで雪のひとひらを待つのは、この上ない平安でした。
全ての答えはその平安の中にある。
そしてこの答えは、気づくことさえできれば誰も彼もをその平安へと導いてくれるはずです。
ともすればそれは気休めのようにも、奇麗事のようにも見えるかもしれない答えだけれど
真実そうではないのです。

少しマックス・ルケードに似ているけれど、これは大人のひとに読んで欲しいです。
でも言葉が美しいので、こどもに読みきかせをしてあげて欲しいとも思ったり。
ちなみに文庫版も出ています。文庫版は原マスミさんの挿画が素敵。

誰かにこれを読んで欲しい。
だから誰かにこれを贈ろう。

そんなふうに思わせてくれる本でした。

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その男、明朗快活・春の風

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いやあもう。まずは南野ましろさんの挿絵を称えてみましょう。
ぴったりです。こういう顔でこういう表情してそうだよ!
挿絵のある小説では、絵が似合わなければそれはそれで気にしなければいいという人もいますがやっぱり邪魔な絵というのはあると思う。すっきりくるんとしたましろさんの絵は、好き嫌いわかれるところですがこれは合ってたと思うなあ。ドライブのシーンの挿絵なんか彼ちょいとかっこよかったぞと。

月村さんの本は初読です。これは面白かった。丁寧だなあと思いました。
主人公の憤懣、なかなか身に染みるところです。怒る気持ちもわかるしその後悔もわかるしね。
そこでそう言い返すのもわかるよ……言い返さないほうが楽なのにな。

ハリネズミのような彼に対して、もう一方はふわんふわんしたもんたみの。お嬢さんとは言わないがお姉さんでも変わりあんめえ(謎

ハリネズミにしてみれば刺しても刺しても手ごたえなくほわほわまとわり付いてくる暖かなものは得体が知れずにいらつくもの。でも刺されてるほうはなんにも感じてないわけじゃなくて、それを見せない術を、あるいはそれを意に介さない強さを持ってるわけなのでした。

とらえどころのないボケキャラが蓋を開けると大層な過去と大層な傷を持っていた。という設定はなかなかにありがちですが、キャラクターに馴染んでいるのでさほど気にもなりません。
というより、冗談粧して好きだよーん。をへらへら連発する、その表情の下であんたいったいどんだけ切ないのよ!と思うとそれだけで楽しめます。

ああ、そういえば一人称なんでした。一人称は甘くなりがちでそういうのが苦手なのですが、すっきりと読める一人称は嬉しゅうございましたよ。恋愛感情は顔を見せますが恋愛関係はほとんど描かれておりません(ほんとにな……)。けれど描かれた恋愛をきちっと楽しめるのです。書いてて気がついたけどこれちょっとすごいですな!!

らぶらぶえろえろが読みたい人にはちょっとね。友情のような恋を見たい人にもちょっとね。なんていうんでしょうね。でもよかったんだー……いやもうほんとに。


一人称ですので、主人公の見ていないところで一方が何を思いどこを見つめ思いを馳せるあまりにどんなポカをやらかしたかなんてことはこっちが勝手に想像するしかないわけで、そこもなんだかサービスのような気がしてしまうこの男。

こういうのをいい男、とか
言うんじゃないですかねお嬢さん。

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呟きのように宣言する抗い難い確信。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ひどく好きな本。

線の綺麗な絵なんですよね。表紙に惹かれて買って、中身を見たら絵が違う……というがっかりはこれに関してはいりません。さくさくした線で、なんかとてもきれいだ。この線でこの絵で、この話が語られていることがうれしい。透明感があるというんだろうかね。なんかすごくうれしくなってやまがたさんの本を探したけれども見つからなくてがっかり、という。もっとこのひとの書くものが見たい。

あるポイントを通じて複数のストーリーの世界がつながっている仕組み。あざとくなくていい。そのポイントである店のバイ夫婦がかっこいいやらかわいいやら。

表題作もすきなんだけどなんといっても巻頭の話がすごく好きだ。
深沢の言う、山下の「うれしそーなカオ」というのがとても好き。好きの他に言葉がないくらい好き。うれしそーなカオ、に、これほど則した表情もないよというくらい。そのうれしそうな顔がうれしい。

ノンケの男に最初から「気楽」だと思えるような行為かとちょっと思ったけどそこはBLで流せるところ、というか、気楽な相手だったんだろうなあ。その気楽さが山下には、うれしくもまたつらくもあるところ。切ないと言うことばは使われすぎて古びてしまったけれど、他になんと言えばいいだろう。

しあわせは目の前にあっても手を伸ばさずにいれば手にはいらないし
となりにいてもそれをみとめずにいればそれが幸せのかたちをしていることに気がつかない。
もう気がついてもいいころあい。

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紙の本名前のない色

2003/01/28 00:19

この色は、彼の命のひとかけだ。

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とりあえずプロローグを読んでしまおう。
ほんの短い導入。
胸を締め付けられるような予感を感じさせる。
そして捉まる。
読者は、水窪に捉えられた藤野みたいだ。

榎田さんは、芸モノがすごくうまいな、と思う。
水窪は画、という自分の芸で生きるタイプの人間だ。
それは芸で生活するということではなしに、
芸で生きるということ。芸を生きるということ。
そして時にはそれに殺されそうになること。
あるいはその、測り知れない幸福に溺れること。

その命のようなよろこびを、
分かち合えるのが愛しい人ならどんなにいいか。

分かち合いたいと言ってくれるなら、それはどんなにか幸せなことか。
このいのちの一片が、きみにも喜びを与えるなら。


いつも魅力的な脇役が居るのがこの人の作品の見所だと思うのだけど、
今回は一人一人に裂かれる時間は短いのに
それでもみんなとてもかっこいい。
きっとこういうのを、しあわせ と言うのだ。

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紙の本放蕩長屋の猫

2003/01/26 20:39

イレギュラーここに極まれり。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本が異色なのはけして「恋のはじまりを書いていない」からでも、「熟年カップルのらぶらぶっぷりを書いていない」からでも、「てゆーか倦怠期?」だからでもない。
この男があまりにいいとこなしだからだ。このダメッぷりはいっそ清々しい。嘘。半端なく清々しくない。すごく嫌だ。
ダメな男との恋愛なんて珍しくもない。
こいつとはもうあかん。もうやめよう。
そんな風にして、それでもこの男でなければだめだと思うそのわけは、そんなダメダメな男に確かに自分が惚れている理由というものがあるから。

話も終盤に差し掛かるころ私は思った。
こんな最低なタチ見たことない。いったい彼がどんなかっこいいことをしてくれたら私はこの男をまひろちゃんのオトコとして幸せを願えるだろう。めちゃくちゃかっこいいこといっても多分君のダメ男っぷりは全然チャラにならない気がする。
そんな不安とそれにしても春ちゃんはかっこいいなあ一人称があたしなのって江戸っ子の証なんじゃないのそんなとこもツボですよしかも茶人猫好き年よりくさくてなんて素敵なのといううきうきを胸に読了はたして。


ゆーまは。
ゆーまは潔くダメ男を貫きとおしてくれた。かれには情も湧かないくらいだ。見事。
そしてそれを許してしまえる、まひろの幸せを願わせてくれる(あくまでもまひろのであるよ)
ところが流石榎田さんだと思わせていただきました。ゆーまのダメっぷりが許せてしまうのですよ。

素敵なキャラクタが多かったのでした。おんなのこもおいしかったですさっすがー。

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紙の本猫はいつでも甘やかされる

2003/03/02 23:59

「そんな声で鳴かれたんじゃァ、言うこと聞かないわけにいかないんだよ」。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

愛猫家ってそうなの。

放蕩長屋セカンド。前作で主人公まひろの彼氏を圧倒的に完膚なきまでに可哀相なくらいさしおいて(可哀相なことないけども/酷)大人気だった春ちゃんのおはなし。江戸っ子言葉さくれつ。なんでこう春ちゃんの言葉尻には色気がありまくるんですかね。無駄にいっぱいしゃべって欲しいです。粋を垂れ流してください。

金髪猫・シュウの世界を見る視点の斜め加減はとってもやなかんじですがこういう切り離し方は誰しも覚えがあるのではないでしょうか。なのでだかなんだかわからんけども「かーこいつむかつくー」とは思いがたい。榎田さんの作品を読んでいるとしばしば出てくる傾き方であるのでまあ慣れもあるでしょうかね。エダジャンキーには安心なというか。それにしても彼の起こした問題は謹慎未満なこの対応でいいのか根津商高校……。
なんとはなしに榎田さんの世界では英語の音が生きる気がするのはファンの欲目でしょうか。弁護士を読んでるときにも感じたんだけども。

環さんは前作に輪をかけて素敵ないえねこっぷりです。作中もっとも権力があるのは彼女か。

千秋ちゃんもちらっと。どうやら孵化した模様です。もともとかわいくてかっこよくて、健気なところの素敵な子でしたが、今回ぐっと美しくなっています。というのは容姿の描写ではなくて。ああ、この言葉が春彦に投げられるさまを映像にしたいわ、というような。空気をきりっとさせる、芯のあるところを見せられた感じでしょうか。
この子をモノにする男ってどんなかしら、などと期待するも甲斐のないことを考えたり。

前作主人公、まひろもなかなか出張っております。ほわほわのわりに顔を見せる江戸っ子気質、なかなかいい男。そのいい男と修羅場を潜り抜けなんとか今も恋人であるところの伝説の男遊真についてはもう…この扱いが彼の読者からの応援の度合いとか猫シリーズ(長屋シリーズ? 微妙だ)における彼の立場とかを物語っているのかもしれないよ……。などとね。ああ、ちょっと不憫かも遊真。

濡れ場はそんなにきつくないです。なんどか導入は書かれているけどもきっちり書かれているところはほとんどない。わりとさっぱりしているかしら。私はそれより春ちゃんのしゃべり言葉がいっぱいあるのがうれしいので!きついえっちは読みたくないわー、ちう人にお勧めか。
ですがこれを読んでから放蕩長屋を読むのはお勧めできません。あとがきではああ書かれていますがさきにあちらを読みましょう。これは…精神衛生上、というか。いやほんとに。そのほうが春ちゃんのしあわせ度もますはずだし!! これ読んでからあっちを読むと多分後悔をね……すると思うんだ……。

あっちは濡れ場がけっこうしっかりしてると思うけれどもねというジレンマ。

ぶっちゃけ春彦口調とその壮絶な色気で満足な一冊……は個人的にだ。じゃなくて。
猫好きには環さんの活躍がもうちょっと欲しかったか。ちょっと型どおりのいい女が出てきたのも少々残念ではあったが、もっとかっこいい子がいるのでオッケー。江戸の男な春パパも下町親父のまひろパパもいませんでしたがシュウパパもほんのりいとしい。

懐きはじめた猫ってものはまったくもって可愛らしいもので。
他の愛玩動物に比べるとその色気というのも飛びぬけてある生き物なのです。
この二人の話、もうちょっと読みたいなあ。

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紙の本ロマンス作家は騙される

2003/02/26 01:02

君が君である故に選ぶ道は決まっていたか。

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東京弁、というものがある。
関東圏の標準語とはちょっと違って、でも標準語とどう違うのかといわれるとちょっと困る。
東京にきたことがない人でもしゃべったりしている。
何故ならみんなこれを使ってしゃべっているので意味はなんとなくわかるのだ。

というようなことを考えた。

串とか鯖とか、意味はわかるんだけどこれは標準語ではなくて標準語のように使われている方言なのではないかしら。パソコン用語として紹介するのはちょっと無理が……。串・鯖はまだしもチューボーはねえ…(苦笑)


ライトノベルにはしばしば優秀なPCおたくが出てくる。
機密に気軽にアクセスしたり(違法)改造したり(違法)小学生だったり(異常…)何者だお前は。という人がいる。
お隣さんがPCに詳しくても、「ああ、あのひともこういうことを……」とは、
あまり思わない。普通は。

今回は被害者と加害者と制裁を加えるものが、とてもリアルだ。
こういう害の被り方は、すごくありえる。
こういうことあってもぜんぜんおかしくないなあと思うと背中が粟立つ。
こういう害の及ぼし方もとても有り得る。
あの人がやっていた、なんて聞いても
信じたくないけど、でも誰がやってもおかしくないかしら、と片付けてしまいそうだ。
というか自分でやらない保証はない。やってやれないことはない。
制裁は正義ではないけれど
これもまた、今こういうことできる人は天才や秀才ではなくて
ちょっとできる人だ。
ちょっとできる人というのはいっぱいいる。
向こう三軒両隣くらいの頻度でもさしておどろかない(できない自分が悲しくはなるかもな……)
これを読んでる人にも「あー、できるなあ」と思っている人がいそうだ。



今の社会に警鐘を鳴らすことを目的とするとうるさくなるし、
ただのネタとして扱うならそれはただの言葉だ。

この出来事を自然と受け入れることができるのは、
彼ら人物が誰もそのキャラクターを基としてその思考の結果として行動する、ことがわかるから。

あなただから、こういうふうにするしかなかった。
(余談。中心に社会問題が組み込まれているのにうざくも薄っぺらくもない素敵な本がここにも。)

等身大でないのはカリスマ整体師の超絶技巧くらいかしら。融かされたいですねー……(何



榎田さん、なかなか小説内の小説はたどたどしい気がするのですが(笑)
ここに出てくる「彼女の爪」というのは、すごく気になるなあ。
純文かというとほんのり首をかしげるところですが、読みたいかと聞かれるとおもきし縦です。頷きます。
これはちょっといいですよ。
京極氏みたいなのを感じたり。

タッグ組んで、原案:榎田尤利/文:京極夏彦「彼女の爪」とかやってみませんかねえ。






無理か。(だがどうだ読んでみたいだろう!!)

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紙の本眠る探偵

2003/02/19 21:38

キーワードはバカ親…いや親バカか。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

冒頭からこの人を思い出さずにはいられない。
美しく奇矯な生活能力の欠如した眠る探偵。てゆーかどこが探偵。
知ってる人なら彼を思い出しますよね……。でも真音さんのほうが人間らしいです(にこり)

特殊なキャラクターではあるのだけれど、そういう意味で目新しい感じではなくて。知らない人なら新鮮に読めるでしょうか。

榎田さんの描くおじさんはいつでもかっこいい。
サブキャラクターですらない脇役がものすごく魅力的だったりしてしまう。
また、読者に相当女性キャラの疎んじられるジャンルであるこのBLにこれだけ女性を詰め込むのも榎田さんの特色だとおもうのですが、この本は特に女性の色が濃い気がしました。
いつもはその女性の書き方に、榎田さんはフェミニズム(崇拝じゃなく女権のほう)を、また他の作家さんなら当て馬や嫌われキャラ色を強く感じるのだけれど、これはとても普通。
ただ一キャラクターという感じがして、存在のしんしんとした在り方が不思議。つまらないということではなくて、とても興味を引かれたしなんだかとても安心して読むことができました。いってることもやってることも、他のBLで読むと「なにこの女むかつくー」で終わってしまうようなことなのだけどね。背景が見える気がする。かれらはたとえばわたしのとなりにいたあのひとや、あるいはわたしかもしれない。そんな、愛せない、でも切り離すこともできない距離にいる。

榎田さんのあのやけにかっこいい女性キャラがほしい人も安心です。います。
めちゃんこかっこいいです笑子さん。惚れそう。

真音が愛してやまないひと。
そのひとが誰であるのかを知ったとき、ひどくうれしかった。
そうあってくれたらいいなと、思っていたからね。

実用的(わあ嫌な言葉…)なBLだの濡れ場だのを期待するとがっかりするかも(無いわけではない。ばっちりありますよ)。ラブラブ甘甘でもなく。
また、トラウマなんかもいろいろわりと出てきますけど、それに胸を抉られたいのならそれもちょっと弱いかな。
全体にわりと軽く読めるのだけどギャグかというとそういうわけでもなく。

事後の真音ちゃんのだらしなさがとってもかわいかったです。
顔がよくなかったら簀巻きです。ああかわいい(ほんとに)
がつんがつんってアナタ!(笑)似合うっ!

ときにひょいとかっこよかったり、
不意にひどくいとしかったり、
思わぬところでやさしくされたり。

地球はぼくが回してる的探偵さんにいっしょに振り回されて見ましょう(笑)
れっつごー。

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紙の本ハードボイルド・ラブ・エッグ

2003/03/19 11:22

一日一度のあいしてる。

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このタイトルのかっこよさを見よ。
個人的見解オウイェー。

というわけでタイトル買いの一冊です。あと口絵だ(笑)。世間にこれほど内情の知れた関係もないでしょう作家と担当バナシ。ただし担当外。なんで人の担当作家(皇徳院光政。どうもみつまさと読んでしまう)の原稿のために俺が痛い思いとかいろんな思いをしなくてはいけないのかと世を儚みつつ愛されまくるけっこう不幸なひと(野原太陽くん)のおはなしです。惚れてるから幸せなのか。本編最終的には可哀相な気もしましたが結局番外編でのラストは幸せそうであったのでいいのでしょう。

文章も甘ったるくなくて読みやすい。ただし作家先生の言葉遣いはなかなかのものですがそれもまあ最初のうちだけです。慣れもある。早く慣れましょう。

ただ人の死を話に入れるのにこれだけ死の存在の薄い話もないな、と。
身近であるというだけでは人の死を悼む理由にもならないし、生活の中でどれだけ密着している存在であれ死んだがどうしたと思うことは事実あるのだが創作物としてそれはどうかな……と。
その「どってことなさ」がテーマなわけではなく、人の死からなる副産物を話の材料にするために便宜上この人には死んでいただきましたよという感じがして、不思議。死んだという単語が出てくるたびにああそうそうそうなんだったわよ、と思うような扱い。昆布で出汁とって出汁すてて昆布食ってるみたいな気分だ。
ネガティブなにおいのいっこもない感じはするので(外道や人非人はなんかいっぱいいますが)結構まじめに作品中の死を考えてしまう人でなければ軽い気持ちで読める一冊。

番外編ラストあたりのベッドシーンなかなかかわいらしいです。いったいいまどういう形なのかさっぱりわからなかったのは私があまり一生懸命脳内で組み立てなかったせいでしょう。ちょとかんがえてたんだけどね…。

最初作家先生かなり遠い世界の電波でお話されていたのでこのテンション続くと辛いなと思ったのですが大丈夫でした。慣れなのかトーンダウンなのか。つうか最初絶対に太陽を見ていなかった!
彼に目を向けて自分の愛を手渡すさまは見ていてなかなかしあわせでございました。
そう それはとてもだいじなこと。

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紙の本君の体温、僕の心音

2003/02/26 00:30

らぶらぶ。

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全二巻なのかな?
甘ったるい文章ではないのでとても読みやすかったです。
タイトルがとても綺麗。
ただでさえ大阪弁が好きなのでタチ君が大阪言葉なのが大層うれしく。
このままいくといずれは養子縁組、さらに子供(養子セカンド)までいただきそうならぶらぶっぷりです。

一巻を見てないのでなんともいえないのだがせっかく法医の人なのに
なんだか主婦みたいですね。
なんというのかな。外科(タチ)の愚痴とか苦労とかはまああるのだが
法医(ネコ)にもいろいろやりきれないことはあると思うのですよ。
でも玄関開けてここからが僕の人生、的なものをちょっと感じた。
それはネコのほうに(表題はネコ視点ですので)職場のにおいがまったくないから。
ネコのほうに被保護者かのような劣等感があって、瑣末なことでも劣っている自分を見せられたときに過敏なくらい反応してしまったりする痛々しさがあるのだけれど、これは自分はお前と対等であって庇護の下にあるんではないんだということを主張して見えた。

大切なことを否定された、軽く見られたつらさではなく、自分を軽く見られたつらさ。
(この、「自分」ではなく「このことを大切に思う自分」を理解されたいんだ、という痛みはこれの二作目がおすすめかなあ。オール・スマイルだったか。)
一巻を読んだらわかるのかもしれませんが、彼はどうして今医者をやってるのかな、とほんのり考えてみたり。

正直に言えば、医者特有のエピソードというのがなかったのは物足りなかったでした。
医者でなくてはならないシーンはないかな。


番外編でその後の二人もあるのですが、こちらはタチ視点。
せっかくの関西弁が関東弁になってるのには違和感があるんでした。
まあ語りが関西弁って結構つらいものはあると思うんだけども。

で、らぶらぶです。番外編。ナチュラルに「仕事と家庭はわける」とか言ってしまうラブラブっぷり。

………らぶらぶーーーーー。


ネコの一人称は甘ったるくなりがちなので、そういうの苦手な私には読みやすくはありました。
楽しめたし。

気軽に読める一冊かも。

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紙の本その町で男はバスを降りた

2003/04/19 18:35

好き嫌いというものは誰しもあるもので。

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どんぶりなんかでたべたらもう!というくらい私はうにが好きだがこれ結構嫌いな人が多い。
午後の安らぎを演出する(であろう)ミルクティだが私は友人とふたりで「あんなもん人間の飲み物じゃねえよな!」と盛り上がったことがある。

そんな私にとってこの本は……ホヤ貝、だった。

あまりご存知ないのではないだろうか。珍味というやつだ。珍味って好きだ。
だがこれは一口で音をあげた。
半端ではなかった。なんつうか味が濃かった。
すごく、濃かった。
ああこれ、好きな人はものすごく好きなのねきっと。通の味なんだわ。私は通じゃなかったのだわ。凡人だったのだわ。凡人万歳。
そういう味だった。ここまでが長いがわかっていただけただろうか。
好きな人にはたまらないが苦手な人はほんとにあかんよ、と言う意味であるよ。

絵も台詞も流れも全部そうだね。好きと嫌いに分かれるでしょう。表紙の絵は私はわりと好きかな。でも本文内の絵はどちらかというと裏表紙の絵に近いと思う。もちっと線は細いけど。目線がなんか面白い。
すっきりした会話がいいという人はちょっとどうかな? なんか台詞の要所要所がたまにきらきらしてるというか。薔薇色というか。ベッドシーンは特にかな。「嘆くなり我が世のファンタジー」などは特にでしょうか。まあこの話のメインは飯島の台詞なので特別か。言葉攻め、っていうか…日常的に言葉攻めな男飯島…。電波? ちょとちがうか。
「哀愁とシューマイ」はするっと読めました。私はこの本の中では一番好きだ。
表題作は映画とは特にかぶりません。
「シークレットエージェントマン?」わりと定番かな…。駄目な男は愛想をつかされるものなのだね。ひとつの世界からその外を見せられてそちらに魅せられてゆくことで大人になったりとか世界を広げてゆく、そういうことを思いましたがべつにそういう話でもないか(微)
「チャキ」結局ケイゴもチャキもけっこういい男でいい友人で。友人でいてほしいと思ってしまうのだがどうだろうか。
「クリスマスだからってわけじゃないけど」もある種の定番ですね。予定調和にすっきり…するはずなのだがこのラストはある意味イレギュラーだろうか…。なんか不憫だな。でも幸せそうなのでいいか。

不条理でない吉田戦車……(どんなだ)
ああ、苦手と思っててもはまっちゃう人もわりといそうですね。

しかし子供のころカマンベールチーズのあまりのまずさに悶絶した私もいまではカマンベールどころかブルーチーズまで大好きだ。
苦手な方も手元において寝かせておけばいつかそのよさに気がついて幸せがやってくるということもある。

かも。

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