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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

てんとう虫号さんのレビュー一覧

投稿者:てんとう虫号

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本空飛ぶタイヤ

2007/02/12 23:34

映画化希望!!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

企業の勤め人なら誰しも目撃するであろう、おっさん達のしょうもない保身志向…にしても、ここまで極端に「社内の自分のコト」しか考えてない人が続々と出てくると、かえって爽快だ。さまざまな立場の企業人が、さまざまな立場なりに、社内の自分の都合を最優先に、傍からみたら「はああ?」な言動に突っ走る。対する中小運送業者社長の闘いを軸に進む小説だが、複数の視点で、主観を中心に語っていく文体が軽やかで、まったく暑苦しくない稀有な企業小説。過多な感情移入を避け、単なる正義の闘いに終わらず、人情に訴える湿っぽいドラマでもなく、多層的な読ませ方をする、超一級エンターテインメント小説といえる。
題材は誰しもすぐに想像のつく、某財閥系自動車会社の転落の物語だが、最後にフィクションならではの大どんでん返しが用意されていて、これまた脱帽の構成!
あんまり面白かったので、3年ぶりに書評を投稿してしまいました。
蛇足ながら、刑事さんの言葉遣いが…とても刑事ドラマ風で、爆笑もの。その辺の加速も◎。

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グッドラックららばい

2004/02/15 18:26

ジェットコースターみたい、「小気味いい」を体現した小説

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家出した母、残された父、娘ふたり。家族を核に、四方八方に生き方を探す必死な姿を描ききった、小気味いい小説!
設定から言って、モラルをぶっとばした、ヘンな人ばかり登場するように思えるが、そうでもない。それぞれの考え方、物事への向き合い方は、かなりリアリティーのある、そこらにいそうな姿勢で、説得力大です。家族が主題なのに、ぜんぜんみみっちくなっていません。できのいい大河ドラマをジェットコースターで駆け下りるみたいな勢いです。
私は姉妹の恋愛観をおもしろく読みましたが、読む人によって、焦点はわかれていろいろに楽しめると思います。
鈴木成一さんの装丁もカッコイイ。

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バレエの魔力

2003/10/19 22:25

バレエ上級者にもすすめたい入門書。

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日本にはびっくりするほどマニュアル本があって、舞台芸術に関しても、バレエ、オペラ、歌舞伎などなど、よくもまあというほど「入門書」があふれている。たいていは、マニアっぽい著者のひとりよがりで饒舌な力説に終始していて、げんなりさせられるものだ。が、この本はちょと違う。
「バレエを見たことのないおじさん向け」と何度も書いているのがちょっとハナにつくのだが、舞踊史の研究家として、裏付けのきちんとあることを、きちんと問題意識をもって書いているのがポイント。バレエ史やバレエ団の概要などもきちんとしているが、勝手に書いていそうな「白鳥の湖」解説など、抱腹絶倒モノだ。が、著者のユーモアあふれるコメントに、実はバレエの持つ本質的な問題、お約束、矛盾が隠れていそうなところ、バレエ上級者にも繰り帰し読んで、ときにはおざなりな観方、踊り方に猛省を促したいところだ。
軽いがあなどれない本。もちろん初心者のおじさんにもおすすめ。

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デザインって何?日常から深く問う一級本。

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トイレットペーパー、ゴキブリホイホイ、ティーバッグ。まさに“日常”をめぐるモノたちを題材に、“デザイン”とは何かを問う企画。例えば、「だんご3兄弟」の佐藤雅彦×出入国スタンプ、「ペプシマン」の大貫卓也×タバコのパッケージ、トンパ文字の浅葉克巳×郵便切手・消印−−多くの人には、今もっともトンガった仕事をしている、と受け止められているであろう一流クリエイターたちが真摯にモノと向き合い、生活と向き合う“デザイン”の作業が、説得力をもつ。

どのデザインも、洗練され、実用性をとことんまで突き詰められ、そして美しく、楽しい。クリエイターの仕事としての“デザイン”への問いかけであると同時に、なぜこういったデザインが製品化されていないのか考えると、デザインというものに対する、日本の企業ひいては社会に向けての鋭い問題提起になっていることにも気づかされる。

私は特に、限りなく汎用性をもつ田中一光デザインのゆうパックの梱包(+シンプルな送り状がすばらしい!)、日本独特の習慣ゆえにその美学と楽しさをめいっぱいに詰め込んだ永井和正デザインの年賀状に夢中になってしまった。

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村上春樹って何?の疑問がくっきり解ける充実の現代文学論。

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三浦雅士が好きで読んだ。つまり、私自身は村上春樹中毒でも柴田元幸中毒でもない。けれどもこの本を読むと、今、“村上春樹って何なんだ”という問いが、村上春樹以前の世代にも以後の世代にも、必然であることが納得させられる。
村上春樹によって“見出された”柴田元幸に突っ込んでいくことで、彼らとアメリカ文学が“くっついてしまった”状態を逆照射していく。特に柴田元幸へのロングインタビューは、今の著者にしかできない充実した内容。質問の角度も文体もユーモアと愛情に満ちていて、村上/柴田ファンにはよだれのでそうな楽しい文章だろう。二人とも説得力のある語り手だが、それでも名聞き手三浦のインタビューの方が、「翻訳夜話」の対話なんかよりずっとスリリングで面白いと思った(もちろん「翻訳夜話」はおもしろい本ですけど)。
村上作品への“彼岸/此岸”、“メランコリーの気分”といった考察にも著者独特の美学が表出していて、またチェーホフやらピナ・バウシュやらにまで及ぶ比較の例示が説得力をもつ。私は柴田元幸は翻訳家という認識しかなくて、幻想怪奇小説があることを知らなかったので、眼からウロコの発見だった。

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スパイたちの夏

2003/08/01 13:50

この夏、読みたい小説NO.1!

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老人スティーヴンが、少年の日に別れを告げた一夏の経験を回想する物語。少年スティーヴンの眼から見た町の日常、エリートのキース一家への憧憬といった繊細な描写に老スティーヴンの複雑な思いが重なる導入部から、謎とノスタルジーに満ち満ちている。
ふとした虚言からスパイごっこに熱中する少年、そのうち抜け出しようがなくなり、大人たちの世界に足を踏み入れてしまう混乱、親友との決別、異性との淡い交渉。物語が加速する中盤、そしてラストのやるせない解決と、一気に読ませる。大人たちが秘めた謎の世界は第二次大戦の大きな影に覆われており、ノスタルジーと興奮に留まらず、深い余韻を残す。
マイケル・フレインは哲学研究、ジャーナリストを経て文筆業に転じ、いまや英国演劇界随一の劇作家として、芝居の楽しさを知り尽くす存在。深く広範な知識と問題意識、観察眼に裏打ちされた本作品も、圧倒的な説得力と、超絶技巧的なストーリー構成で、読ませる。ヨーロッパの知性が結晶した、珠玉の傑作だ。フレインの翻訳は非常に少ないが、もっともっと翻訳してほしい。

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紙の本ルージュ

2004/01/31 12:56

ただの恋物語におわらない。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

柳美里初の恋愛小説。フツーの女の子が偶然モデルになってカタカナ職業のオトナ達との未知の世界で恋物語を展開するなんて、派手な設定でありえない夢物語とけなす向きがあるかもしれない。
が、そこは柳美里。恋愛小説を通して、優れた世代論になっているところが鋭い。おそらく、経済的な優位や、あるいは体制に対する反発を絶対の価値観として育った世代から見れば、この主人公のような、お金にもステイタスにもなびかず、個性を肯定されて育ち、ただ素直にいきたい、という世代は、ほとんどモンスターのような存在に違いないのだ。これから社会をになっていく、このモンスターのような若者たちは、何を考え、何に価値(=幸せ)を見出すのだろう…。
自分の身のうちのすべてを振り絞るようにして世の中を真摯に見続けてきた柳美里にしか書けない、新しい時代の小説という意味で、「著者初の恋愛小説」は、納得のでき。

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紙の本文学は別解で行こう

2003/09/21 13:46

19世紀パリに降り立ったかのように、文学の背景がクリアになる。

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文学が生まれるには、地理的、歴史的、社会的背景がある。そんなことはわかりきったことだと看過する前に、この本を開いてみよ! 著者の専門とする19世紀フランス文学が、別解(=新しい視点)から解きほぐされる。広範な知識と探究心に支えられ、ある時は作家の置かれた社会的地位に、またある時は小説の表舞台とウラ舞台の双方に、ぐんぐん迫っていく。19世紀のパリの裏道を歩いているかのようにバックグラウンドがリアルに見えてくる文章、それも有機的に作品世界に結び付けてしまう文章が、さすがの説得力だ。鹿島ガイドのタイムトリップは、今まで見過ごしていた扉が次々に開き、思わぬところにつながっていることを発見して「あっそうか!」と言い続けてしまうのだ。
私たちは、かなりの固定観念をもって、心にフタをして文学に接していることに気づかされる。別解=新しい視点をヒントに、おなじみの本ももう一度読み直したくなる、ありがたい本だ。

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紙の本輝く日の宮

2003/08/23 12:18

文学ゴコロをくすぐる究極の超絶技巧本。でも…

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源氏物語の失われた一章を追う美人国文学者の恋愛を軸に、泉鏡花、芭蕉など日本文学の宝石をちりばめ、全編を章ごとに異なる文体・形式で書き分けた、盛りだくさんの超絶技巧本。源氏、鏡花、芭蕉をめぐる考察(文学論)と国文学者の研究生活、恋愛の描写(現実)がないまぜに描かれる、というよりむしろ、現実の部分がすべて文学論の伏線となっていると解するのが正しいだろう。失われた一章の復元を試みた最終章にすべてが結実し、それゆえタイトルも「輝く日の宮」なのだ。
感服させられる趣向だ。が、趣向が優先しすぎて、現実の部分の展開にはまったくリアリティが感じられなかった。美人学者の家族とのやりとり、研究生活、他の学者との関係。出世を勝ち取ることになるビジネスマンとの出会い、ビジネス上の能力、通い婚のような二人の関係とそれをめぐる感情。現実に生きている人間が描ききれているとは思えない(例えば私にはずいぶん読み進めるまで、男が何歳くらいなのかぜんぜんわからなかった!)。
最終的には文学者が小説を書くストーリーゆえ、「小説」論のようなものも書き込まれているのだが、実際リアリティが感じられなかったので、この本を小説として読めば面白さはいまひとつ。何かそういうカテゴリーを超越した、文学を題材に凝った遊びをした究極の書物を読んだ、というのが実感。
和田誠の装丁・装画(!)もすばらしい。本好きにはたまらないぜいたく本だ。

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紙の本印刷に恋して

2003/08/09 21:39

印刷所の音・においまで感じさせる、職人芸への賛歌

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印刷に恋した著者が印刷に恋している職人さんたちを訪ね歩く探検記。丹念に書き込まれたイラストもあいまって、印刷所の音やにおいまで閉じ込めてしまったようなルポだ。
私たちが日々手にする印刷物の工程には、さまざまな職人さんがいて、技を追求している。「若い頃はね、きれいな女の人を見なさいって言われましたヨ」「夕焼け見ても、ああ、こんな色はだせないなあって思っちゃって」。こんな素晴らしい職人気質も、誰でもどこでもそこそこのプリントができてしまう昨今では、失われていってしまうのかと思うと切ない。読者まで印刷に恋させられてしまう本だ。これを読んだ後は、本や広告だけでなく、世界を見る眼がちょっと変わってしまう。

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