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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

のあ〜るさんのレビュー一覧

投稿者:のあ〜る

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本志ん朝の落語 1 男と女

2003/10/02 19:55

最後の江戸前落語を惜しむ

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江戸前落語の継承者である(とされる)落語家は、まだまだ大勢いる。しかし、古今亭志ん朝の死とともに、江戸前の落語は絶えてしまったと思っている人は、本当は多いのではないか。そこで、最後の継承者たる志ん朝の本である。
本書には「明烏」を初めとする12編の落語がおさめられており、それぞれの後に解説がついている。落語の内容だけではなく、文楽・志ん生・円生などの話との違いなど、短いながらも丁寧な説明がついていて、わかりやすい。
父に古今亭志ん生、兄に金原亭馬生といえば、最高の遺伝子をもっている。しかし、その遺伝子を生かすだけの人一倍の研鑚を積んでいたことは、本書におさめられている遺品のノートの写真を見るとわかる。このノートの写真を見るためだけにでも、買う価値のある本である。
テレビでも、CDでも、あるいは高座でも、志ん朝の落語を聞いたことがあれば、本書を読んでいると声が聞こえてくるようであり、それだけ上手く文字起こしされているということだろう。続刊が、本当に楽しみである。

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紙の本胡堂百話

2003/09/17 21:45

必ず楽しめる、豆知識の宝庫

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以前、テレビでやっていた銭形平次のドラマで、平次はなぜか一文銭ではなく四文銭を投げていた。十円玉ではなく五十円玉を投げているようなもので、ドラマっていい加減だなあと思っていた。しかし、原作でも平次は四文銭を投げていたのである。という話題は、トリビアの泉でやったことはあるだろうか?
このような話題が盛り沢山の、銭形平次の作者野村胡堂による随筆集である。とはいえ、時代小説の話題だけではない。胡堂は「あらえびす」の筆名でレコード批評を行ない、収入の大部分をレコードに費やしていた日本を代表する大コレクターであるし、時代小説の執筆のためもあり、古本を語らせても面白い。
モノを集める話だけではない。同郷の友人である石川啄木の思い出話は重要な文学史の史料であるし、新聞記者でもあった胡堂の思い出話は近代日本の貴重な証言でもある。とにかく様々な内容が含まれ、大衆作家の語り口は非常に読みやすい。
ムダ知識の集合かもしれないが、読んでいて引き込まれる面白さをもった本書は、随筆の面白さを教えてくれる。随筆初心者から達人まで、必ず楽しめる一冊である。

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紙の本野暮天先生講義録

2003/01/23 21:25

楽しく生きるための知恵

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今和次郎といえば、何といっても考現学の創始者である。この考現学の調査・研究の際の切り口のすごさは、『考現学入門』(ちくま文庫)からも読み取れる。
そこで、新刊の本書である。日経新聞の夕刊に連載したエッセイを、30年以上も後になって出版したものであるが、毎回毎回のテーマと、そこに込められている今のアイディアには驚かされ続ける。
本書から読み取れるのは、決して裕福ではない都市生活者の姿である。しかし、この都市生活者はタダ者ではない。学問のスタンスを失わずに、現代を楽しみながら生き抜く、偉大な野暮天先生の姿である。自分の身の回りにあるものを楽しく観察し続け、その楽しさを他人に伝える技術を持った職人でもある。
30年前のものではあるが、現代の「エッセイ」に、これほどの切り口があるだろうか、少し心配になる。いや、現代にもあるかどうかを見きわめるためにこそ、本書を読んでおきたい。読み始めれば、徹夜してでも一気に読み終えたくなるはずだ。

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しつこいまでの愛書家列伝

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国立国会図書館にある本の、蔵書印とその旧蔵者について書かれた本である。内容は、それだけなのだが、その数が約236人! それに藩校などの機関が加わるわけであるから、壮観だ。
ほとんどが江戸〜明治にかけての人であるが、江戸以前の人も、現代まで生きていた人も含む。全てを読み終えて、いかに本を集めていた人の多かったことか、ということに驚く。また、昔は本が貴重であったことを考えると、その執念には頭が下がる思いだ。
本棚から本が溢れて困ったなどと言っている現代人には、一服の清涼剤である。本を集めるのに、今よりももっと金がかかり、たかが本棚という小さなレベルではなく、膨大な量を集めた先人たち。まだ自分の病気は軽いと思え、また本を買いたくなることうけあいである。

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紙の本喜劇の殿様 益田太郎冠者伝

2002/12/25 03:20

読み物としても面白い、貴重な記録

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益田太郎冠者をテーマに新聞で連載小説を書こうとしていた獅子文六を担当していた著者は、その資料収集に協力し、レポートを執筆する。しかし、獅子文六の逝去とともに連載は中断され、著者のレポートのみが残されることとなった。著者はそのレポートをもとに、自ら益田太郎冠者の伝記を執筆したが、出版を見ずに逝去したのである。
太郎は、三井の大番頭で美術品の大コレクター、そして茶人の鈍翁益田孝の子であった。孝の後継者として実業家でもあった太郎は、帝国劇場を舞台に劇作家としても活躍していた。太郎は喜劇に重点を置き、現代の視点から見ても古びていない脚本を書き続けたが、その後帝劇から手を引く時が来る。
本書は、太郎の劇作家としての活躍を中心に、その生涯を詳細に描いている。貴重な資料をふんだんに使用し、本格的な評伝であるにもかかわらず、文章の退屈さはなく、読み物としても成功している。これほどの量の資料を収集する手間やその内容の濃さを考えると、専門書並みの値段がついていてもおかしくないにもかかわらず、手頃な値段であるのも嬉しい。また、近代演劇・芸能史の入門書としても有益であろう。
最後の渡辺保氏により書かれた、本書をめぐる著者とのやりとりや、本書出版の経緯についても、胸を打つものがある。

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女優の夜

2003/01/12 22:50

女優のあまりにも繊細な感覚

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深作欣二監督が亡くなった。その深作監督のガン宣言とほぼ前後して発行されたのが、深作監督と恋愛関係にあった荻野目慶子のこの自伝的小説である。
以前、荻野目はNHKの番組で、恋人の自殺について語っていた。しかし、その番組の内容自体よりも、語っている荻野目の持つ一種独特の迫力に圧倒されたのを憶えている。そしてその感覚は、本書を読み終えた後も感じている。
しかし、その波乱に満ちた人生で考えていることは、至極まっとうだ。例えば、「死には、お金がかかる。自殺を考えている人は、このこともきちんと把握しておくべきだと思う」といい、「心の痛みだけでなく、死の後処理は残された者に重い負担となるものだということを、意志を持って死に臨む人間は、知っておく必要があると思う」という発言の重さは、自殺について論じるさまざまな文章を超えているだろう。
本書を通じて流れているのは、あまりにも繊細な女優の感覚である。このような繊細さが、生きていく上で様々な障害となってきたことは、本書の中で語られ続けている。しかし、この繊細さから来る迫力を感じる限り、障害の一つ一つが荻野目の肥やしとなっているのであり、月並みではあるが大女優への道を歩ませているような気がしてならない。

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