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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

座敷犬さんのレビュー一覧

投稿者:座敷犬

3 件中 1 件~ 3 件を表示

ばかばかしくって胸に沁みるトークバトル

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ふと振り返れば、ぼくらは頭の中は疑問符でいっぱいだ。そして、そのほとんどは一見ものすごくくだらない。筑紫哲也のジャケットには、どうしてごっつい肘当てが付いているんだろう? ジャンボ尾崎みたいに後髪を伸ばした子どもたちが多いのはなぜだろう? 取るに足りないハテナ?がまるで水泡のように浮かんでは消えていく。あれ? と一瞬思っても、疑問として脳内のフィルターに引っかかることすらない。そう、人生の一大事ならいざ知らず、そんなくだらないことを丹念に追求するヒマはないし、もとより必要性を見出せないのである。

だがしかし、それを追求したらどうなるだろう? 生前のナンシー関、そしてリリーフランキー。当代きってのコラムニストであるこの2人の文章のスタートラインは、誰もが違和感を覚え、誰もが瞬時に忘れてしまう、そんな小さな疑問である。彼らは、田原俊彦に漂う悲哀感から、若い女性の水着からはみ出したグレーのブツブツから、そこに存在する本質を鮮やかに導き出し、人生の喜怒哀楽を語る。その手際はまるで求道者。読者はそれを読んではじめて、自分が違和感を抱いたことを思い出し、その理由をレクチャーされて、はたとひざを打って感心するのだ。

そんな2人のトークバトルが、おもしろくないはずはない。道ばたに落ちているような他愛もないネタを拾ってきては、職人を思わせる執念で論じ合う。そして見えないほどに天高く飛翔する結論は、しかし、事の発端がばかばかしいだけに、説得力に満ち、かつおもしろい。自分がこんな話を飲み屋でできたら、さぞかし気持ちいいだろうなぁ、ページをめくるごとにそんな思いが渦巻くこと請け合いの愉快な一冊だ。

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あなたの「とんち力」を測定します!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

突然ですが、クイズです。

残酷な王様のトビラ遊び。目の前に3つのトビラがあり、あなたはそのうちの一つを開かなくてはなりません。その向こう側はというと、一つのトビラには美女(あなたが女性の場合は美男ということで…)が手ぐすねをひいて待っているのですが、残り2つのトビラの先には腹をすかせたライオンが牙をむいています。まさに、天国か地獄か、確率は3分の1! さて、あなたがトビラCを選んだところ、王様はトビラAを開き、その向こうにライオンがいることを明かしました。これで3択から2択となったわけです。ここであなたに再考の余地が与えられます。Cに執心するか、それともBに転じるか。美女を獲得する確率を高めるにはどちらを選べばいいのでしょうか? それとも、どちらでも確率は同じなのでしょうか?

答えは、Bを選ぶと、Cを選んだときよりも美女が得られる確率は倍になる! なのだそうです。ん〜、不思議。どちらでも50%のような気がするんですが…。実際、これには、ほとんどの人が「どちらでも変わらない」と答えるとのことですが、その仕組みは確率論の「ベイズの定理」というものにより、解き明かされているそうです(詳しくは本書をご参照のこと)。ちなみに、この問題は「モンティ・ホール・ジレンマ」と呼ばれているそうですが、このモンティ・ホールというのは、同様のシチュエーションで参加者にトビラの向こうにある豪華商品を与えた、アメリカのテレビ番組の司会者の名前。その商品ゲットの確率を巡り、名だたる数学者を巻き込んで一大騒動を巻き起こしたそうです。

本書には、こうした数学的な問題をはじめ、哲学や論理学、社会科学など、まるで一休さんの「とんち」のような問題99問が収められています。いずれも学問研究の場で伝統的に取り扱われてきたものばかりということで、一筋縄では解けなかったのですが、ていねいな解説を読み進めているうちに、頭の中に一本ずつ、新しい思考回路が設けられていくような満足感がありました。問題形式になっており、一問ごとに頭をひねって考えることにより、論理を練り上げる力が鍛えられているというのが実感できましたね。「議論」に必要なロジカルセンスが身に付けられるという触れ込みも、なるほどたしかに! と強くうなずかされました。哲学や論理学に興味のある人はもちろん、奇問難問なにするものぞ! という人も、話し上手になりたい人も、きっと満足の行く一冊だと思います。

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「映画」を語る言葉が欲しい人へ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

話題のハリウッド大作に限らず、興味をそそられれば、どんなジャンルの映画でも観るし、たまには単館にも足を運ぶ。けど、小難しい映画評論を読むほど「通」ってわけでもない。本書は、そのような「けっこう映画好き」な人に読んでいただきたい一冊。世界各国の映画産業の現状や作品の動向、また著名監督の経歴や作風などが平易な文章で説明されており、映画を語るための基礎的な知識が得られる内容となっています。

とはいっても、事実を羅列しただけの教科書的な内容ではなく、ヨーロッパの映画祭で審査員も務めているという著者が、自身の経験や、作品に関する感想や好みについて端々で語っているのが特徴。熱を帯びた文章で、読み物としての満足感も高いです。また、タイトルのみ登場のものも含め、古今東西の200作品以上が引用されているので、観たことのある映画について語られることも多く、それが一層、理解を助けてくれました。

しかし、アメリカは軍事のみならず、映画界でも逆転不可能なほどに圧倒的スケールを誇っているんだなぁと、つくづく再認識させられました。アメリカ的か、非アメリカ的な映画かで分けたほうが話が早いほどに。もっとも、そのような映画のグローバル化に抗する動きも各地域で活発化し、低予算で質の高い作品が続々と生み出されているのも事実のようですが。また、「北野武、金獅子賞受賞か!?」なんてマスコミが一斉に大騒ぎするわりには、なぜか叶姉妹がパーティーに参加しているなど、すごいのかどうなのか、今いち不明だったカンヌやベルリン、ベネチアといった映画祭についても、その賞の意味や重みがよく分かりました!

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