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先月(2017年2月)

日だまり猫さんのレビュー一覧

投稿者:日だまり猫

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紙の本新樹の言葉

2003/01/18 14:39

別れがこの世のすべてならば

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アルコール依存症に陥り、ひどい鬱を抱えた楽しさのひとかけらも見出せない日々。そんなぼろぼろの姿を目の当たりにし、枯木から木の葉がポロポロ落ちるように、友人が消えていく孤独感。それが一層酒をあおらせる脱出不能な負のスパイラル。窓の外には毒の沼地が広がっているように思え、すっかり家に引きこもっていたある日、ヒマにまかせて本棚の整理をしていると、一冊の文庫本が目に入った。こんなの買ったっけ? と思いつつ、片づけを中断し、それを開いた。執筆当時、著者は薬物中毒と自殺未遂の地獄から懸命に這い出そうとしていたという。そんな境遇に少なからず自分を重ね合わせずにはいられず、いつになく丹念に、そこに収められた随筆や随想、短編を読み進めた。誰と共有できるはずもない心の闇、底なし沼のような自己嫌悪感、その裏腹にある純潔への強い憧れ、死への希求、そしてあきらめの彼岸に漂うかすかな希望…。もちろん、この本を読んで、惨めな生活から脱出する糸口が見出せたわけではない。しかし、何に対して覚悟をし、この先を生きていかねばならないか、ぼんやりしていたその何かの目鼻がいささかはっきりしたように思った。同床異夢という。徹頭徹尾、人は孤独だ。ゆえに必然に別れは訪れる。それなら、別れがこの世のすべてなら、今この瞬間を抱きしめるより他にできることがあろうか。

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