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JOB HOPさんのレビュー一覧

投稿者:JOB HOP

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日本企業の置かれた現状が、豊富な資料による解説でよくわかる

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 この本は、一橋大学のMBAコースの学生がゼミのレポートとして分析を行った結果がベースとなっている。
 第一部では日本企業の戦略分析を行っており、2001年は一言で言えば「電機」の不振であったと言い切っている。2001年度の全産業ベースでの経常利益額が、前年度に比べ約6兆円の減益となる34兆円となっているが、じつにその約半分にあたる3兆円が電機セクターによるものだからである。そしてその原因は高付加価値化の失敗によるものであり、他の製造業も電機と同様に高付加価値化が、非製造業では効率化が、それぞれ今後の戦略の鍵となると述べている。
 また、国際競争力ランキングとして代表的なIMDの「国際競争力年鑑」についても、2001年の評価基準によれば、1.経済パフォーマンス、2.政府の効率性、3.産業の効率性、4.インフラストラクチャーの4分野から評価されているが、日本は2の政府の効率性に対する評価が低いためにランキングが低くなっている可能性があると述べている。このような内容を豊富な資料とともに考察を行っており、その説得力はかなり高いものがある。本職のエコノミストや経済評論家のコメント(彼らのコメントには裏づけの薄いものが少なくないと思う)に比べてもかなりハイレベルなものであるといえよう。
 そして、第二部では戦略的課題について述べており、多くの人が興味を持っているであろうテーマが例として挙げられている。具体的には、1.なぜ日本がDRAMとTFT液晶でアジアの国々に逆転されたか、2.中国とどのように付き合っていけばよいかという、近年しばしば話題にのぼるテーマと、3.事業の再構築、4.市場創造、5.雇用維持のジレンマ、という経営における永遠のテーマの二種類である。ここでも第一部と同様に豊富な資料で説明がされている。しかし個人的には、DRAMとTFT液晶についての章では韓国からの留学生が、中国に関する章では中国からの留学生が、それぞれ執筆をしており、彼らがどのように考えているかを理解できた点が非常に興味深かった。
 この本を読むことで、日本企業の現状が大まかにではあるが把握することができると思う。また、この本をまとめた伊丹教授によれば、今後も企業戦略白書を出版していきたいとのことであり、毎年読み続けることで、日本企業のおかれた環境の変化が手に取るようにわかるようになるだろう。

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