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土武士さんのレビュー一覧

投稿者:土武士

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紙の本学校が自由になる日

2003/01/21 07:25

リベラリズムという思想に裏打ちされた教育論

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ただの教育本と思うなかれ。

この本の最大の特徴はリベラリズムという思想に裏打ちされた教育論を論理的に打ち出している点である。そこにはロールズ(政治哲学)、デュルケム、ギデンズ(共に社会学)といった人達の功績をその礎にしているということである。

そこで説明される事はまず共同体的尊厳観という日本人の共同体内の規範を第一至上にする傾向から自律した個人に立脚して、社会の公正を担う「市民」として公共性を第一に行動出来る市民社会的尊厳観へという考え方を時代的文脈から推進。もちろんこれと絡めて著名な社会学者宮台真司氏の持論も登場。「郊外化」から来る崩壊した地域の空洞性を埋める「学校化社会」の話を中心に、他、学校、地域、家庭とは違う場所で居場所を見つけようとする「第四空間化」論、そのような場でまったり楽しめず、相変わらずな毎日が続く逆説的な不自由さが現代の地獄であるという「終わりなき日常」論、これらの説を語らすに至らせる、オウム問題、神戸小六殺人事件からなる少年犯罪問題といった具合だ。

そしていじめを主に研究する社会学者内藤朝雄氏から空気というノリの中で生きる日本人(=共同体的尊厳観に立脚)にとって、いじめの発生は必然的であり、学校という強制的に共生させるシステムが大問題なんだとする論文を載せ、その後リベラリズムの考え方からそうした集団を解体し、教育チケット(クーポン、バウチャー)と資格制度を利用した新たな完全選択学習世界を提案。これを下に、宮台氏と対談し、ロールズからなるリベラリズムを説明する、と共にブレア英とその知的バックボーンである社会学者ギデンズが提唱する、新自由主義と福祉国家主義という歴史を止揚したこれからの国家の姿である「第三の道」、「アクティブな市民社会」を提唱する。と、このような大枠になっている。また、こうした背景を下に、「学びの共同体」という佐藤学氏の論に異論を唱える本でもある。

この考え方は、少なくとも次に目指す社会を提示するものであるのは間違いないだろう。ただ、集団生活は成長過程において社会で生きる為の個人の在りかた、社会性、道徳、規範といったようなものを与える機能もあるわけであり、著者らは当然身に付くとしているが、果たしてどこまでそれが補えるのかは、実は論証されてはいない。そうかもしれないといった形で納得出来る程度のものでしかない。そうした点が一点あるものの、この本の改革は壮大ながらも、納得出来るものであり(納得は出来るのだ)、素晴らしいといえるのである。そうした教育に止まらない、社会の在りかたも説く示唆に富む本である。以上の歴史的に議論されてきた事柄をすべて詳細に収めることが出来るわけも無く、ある程度の前提がなければ難しいのかもしれない。同じく完全にこの中でそれらのことを論証するのも難しいため納得し切れないかも知れない。しかし、そういった背景を知る上での入門になりうることを踏まえまさにこれは読むべき書といえよう。絶対オススメ。

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宮台初心者にオススメの本??

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「初心者にオススメ」とかいうのが大体のレヴューである。
どういうことかといえば、一問一答形式で宮台真司氏がこれまでの研究の結果出してきた答えが書いてあるものである。2ページごとに。
当然2ページでこれまでの研究を網羅できるわけはなく、完全に納得のいく答えは得られません。他の著作を読まない限りは。
すなわち、宮台氏の論を知りたい人が何となく占いのごとく聞いて納得する本です。社会学やら研究やらの過程で、宮台真司という社会学者を学ぶ為に読んでも、論理的かつ実証的構成になっていない為、何も得られないといっても過言ではないかもしれません。
正直、書物というものから真実を学び取る、批判的精神とでいうべきものを持って読むほうが良いのではないかと思います。そういう意味では、明らかに他の著作を買うべきです。そしてそういう意味で入門編は何かといえば、「終わりなき日常を生きろ」や「まぼろしの郊外」でしょう。少なくとも大学生以上ならそうあるべきです。

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