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やまむらみゆきさんのレビュー一覧

投稿者:やまむらみゆき

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サバイバルな戦場・迫真の戦闘描写

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 1巻から5巻までの展開は、時間にすれば一年数ヶ月といったところか。
 1巻の戦闘描写には息が詰まった。映画を見るような迫真性があった。
 一方では、相当に細かい戦闘描写や軍事知識を読むのが大変だった。2巻は、世界観を現しつつ、多彩な人物が登場し、いよいよ戦争という感じで終わる。3巻。一日の出来事で全体の七割近いページが費やされるという、戦地に出る前に伏線を可能な限り張り、展開させる意図が感じられた。反面、2巻にあった快調なテンポが削がれてしまった面もある。4巻。戦艦武蔵の戦いを中心に、恐ろしいほどの戦いと展開が続く。3巻で張られた伏線が生きてきて、特に米軍側の謀略と暗闘に頭が痛くなる。
 そして、この5巻である。
 ハワイの争奪戦は陸戦での決着に委ねられ、彼我ともにあらゆる手を使って戦う。
 そして、前線の将兵たちはバタバタと死んでいく。将軍たちですら例外ではない。ベタ金の高級軍人たちが次々と吹き飛ばされていく。情け容赦のかけらもない。その中で、生き残ろうと懸命にあがく人々の姿がひたすら描かれていく。その点で、カバー裏の著者の言葉は、意図したものを実現したと言える。
 最後に戦いは一つの決着を見るが……ゲーム・ノベル的な要素が若干ある感じがする。あるいは、いささか群像映画的というか、スティーブン・ハンターほど徹底した「個人としての行動」の突き抜けを達成できなかったのは弱い点だと思う。これは、基本的に個人の戦いではなく、群像の中の戦いを描いている関係から来る弱さかもしれない。
 その点は疑問もあるが、個人の復讐劇ではなく、前線の戦いとして本編を読む限り、かなり楽しめる作品だろう。要塞にこもる砲兵連隊長がなかなかいい。このシリーズには、全体を通してどこかに「父性と母性」へのこだわりと匂いが感じられるが、斜に構えた息子の未来を案じつつ倒れていく父の姿がいい。作者は、昔はパロディが目立ったが、この作品に関しては相当に抑制し、それに成功している。架空戦記というより、人間を描いた小説を書く、という意図は充分に伝わって来た。1巻では細かく描きすぎていて気になった戦闘描写も、5巻では適度に抑制しつつ迫力を出す手法を身につけつつあるようだ。この方法は、おそらく別ジャンルの小説を書くときにも使えるかもしれない。著者もそれを意図して様々な手法を試しているのかもしれない。
 ただ、本編の内容とは別に、表紙や帯はいささか気になった。
 戦記ユーザーを掘り起こすのであれば人物主体は回避すべきだろうし、冒険小説ユーザー狙いなら、帯と表紙、ともにもっと一考されるべくではないか? 基本的には良作だけに、こうした面における違和感はいささか気になる。
 第二シーズンがあると聞くが、その時の表紙と帯は、どうなるのだろうか。

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