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sammyさんのレビュー一覧

投稿者:sammy

紙の本さまよう刃

2009/01/04 18:12

やりきれなかった一冊

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

刊行時に購入していたものの重たいテーマそうだったので今まで積読本に。
しかし読み始めると思わず一気読みするほど面白かった一冊です。

まず本の帯に「裁く権利は誰にあるのか?」と書かれているのですが、私はこの本に関しては殺された娘の父親がとった行動は正しいと思っています。
きっと私でも父親と同じ行動をとる、もしくはこの本の中に登場したペンションに泊まっている家族の母親のように逃げ道を作った上で復讐を必ずすると思います。
この本では一人娘で彼女以外に家族のいない父親にとって、娘を失った後の世界なんて「無」でしかなく、そこへあのビデオを見た直後に犯人の一人が現れたならば、人であれば怒り狂い彼と同じ犯行をしてしまうだろうのではないでしょうか。
基本的に私は「少年法」なんて不用だと思っていますし、更正は「人」がするものであり、この本に登場するような少年達が何故赦され生き続けることができるのかしかも「更正」されるチャンスを与えられるのかも理不尽でならないのです。
殺された人は二度と戻ってこない、なのに彼らには別の名前が与えられ、名前や顔が晒されることなく守られ、どこかで生きていく。
その後の人生の中で笑うことも楽しむことも赦されるなんて被害者にとっては我慢ならないことだと思うのですよね。
確かに復讐を赦してしまうとこの世の中が狂ってしまうことは分かっていますが、現実に今まで起きた事件をみると再犯する可能性が高いことや、本当に彼らは「更正」したのか?と思うようなことばかりなので加害者を守るような法律が果たしてよいのかどうか疑問がわいてしまいます。

「手紙」では加害者の家族の視点から物語を書き、この「さまよう刃」では被害者の家族の視点から物語を書く。
毎回東野さんの本を読むと考えさせられることばかりなのですが、「もし、自分が」という立場で考えるとこの本の場合は犯人を裁く権利は遺族にあると思いたいです。

しかし東野さんは主人公に感情移入させるのが上手い方ですよね。
ついつい誰もが被害者の父・長峰に肩入れしたくなるのではないでしょうか。

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紙の本夜のピクニック

2008/10/27 19:37

恩田作品を読んでいつも思うのは「高校時代にし忘れた多くの事への後悔」。だからこそ今高校生の人におススメしたい本。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

恩田陸といえばやはり「学園もの」。
今まで色々と学園ものは出ているが、その中でもこの作品はかなり上位、人によってはトップクラスにくる作品なのではないだろうか。
それくらい素晴らしい。

恩田作品を読んでいつも思うのは「高校時代にし忘れた多くの事への後悔。」。
今回はその思いに直球でぶつけられたという感じだ。
貴子達の会話の中にふと自分の高校時代を重ね、懐かしさと心の奥底に少し痛みを感じた・・・。
きっと私はこの感じを味わいたいから恩田作品を読みつづけてしまうのだろう。


おそらく「図書室の海」の中にある「ピクニックの準備」を読んだ方はあの三人目の人物が誰なのか疑問に感じていただろう。
貴子と融、そして三人目の謎の人物。
物語が始る前から既に読者へ1つの謎を投げかけている部分が恩田さんらしい。
何より青春小説でありながら、ほんの少しだけホラー色とミステリ色を入れている部分も彼女らしい。
ただ歩くだけ、それだけなのにスパイスとしてこの2点があるので読者はいつの間にか主人公達と共にこの謎解きに参加し、そしていつしか「歩行祭」に自分も加わっている感覚に陥る。

さてこの作品、今までにないくらいの「青春小説」に仕上っている。
今までの恩田作品は中性的な人物が多かったせいかどこか「恋愛」とは掛け離れていた。
そういう部分では恩田作品に「憧れる」ことはあってもどこか登場人物が卓越し過ぎていて距離を感じていたのだが、だが今回は「恋愛」を強めに出したことと、今までの作品であまり登場しないキャラ(ちょっとイヤ
なタイプの女の子、だけどきっとこれが普通の子)も出てくることで逆に親しみが沸いたような気がする。

この作品、一応語り手の二人(貴子と融)が主人公なんでしょうが、その他の人物、忍や美和子、杏奈も彼女達以上に輝きを見せているんですよね。

これぞ恩田陸!とファンが絶賛しそうな1冊です。

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紙の本神様からひと言

2004/06/04 16:47

サラリーマンよこの本を読め!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回思ったのはやっぱり荻原浩の作品は味があるって事です。
会社のために只管頭を下げ続ける「ゴキブリハウス」こと「お客様苦情係」は日本のサラリーマンの姿をよく表してます。
どうしようもない古い体制、腹立たしい上司、不本意な異動、どれもこれも他人事とは思えない内容。
今の日本の企業のどこでも見れる姿なのではないでしょうか。
何だか妙に納得しちゃう部分が多かったです。

荻原さんの魅力はやはり登場人物のユーモアさ。
今回も涼平の先輩役・篠崎が良い味を出してます。
会社のお金で競艇に行ったり、毎日遅刻したり呆れる部分も多いのに苦情客退治の方法は天才的。
ヤクザ退治の場面なんて読んでいて笑わずにいれないんですよね。
他の面々も一風変わっていながら存在感がたっぷりで誰もが重要な役割を持ってるところもいいです。

そして苦情係としてお客の意見を聞くうちに知る会社の姿に憤りを感じた「ゴキブリハウス」のメンバーがとった行動。
途中で悲しい出来事も含みながらも乗り越えてした彼らの行動は、世の中のサラリーマンがしたいけれどもなかなか出来ない事だろうなと思いました。

世の中のサラリーマン達に是非読んでもらいたい一冊ですね。

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紙の本MISSING

2004/05/22 16:45

村上春樹が好きな人にオススメ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは文句なしに面白いですね。
この5作品、書かれているのが約1年ごとになっているのですがどんどん面白さが増してるような気がします。ただ「彼の棲む場所」はかなり村上春樹氏に影響受けてそうですが…。
さて、この中でどれが1番好きかと言われるとかなり悩みますね、正直どれも良かったので…。
老人が死ぬ間際に切望する願い、女子高生が本当に見ていたもの、輝きを失った瞳、何だかどれも心の中に強く残ってくるんですよね。

文章が美しい人っていますが、本多氏はまさしくその人。
実は文章が美しいからあまり思いませんがこの短編集は残酷な話が多いんですよね。
どれも途中までは美しい従姉妹であったり、生徒と先生の恋愛であったり、孫に騙されてあげた老人であったりと切なさ、優しさがあるのにラストで蹴落とされ現実を見せられます。
そういう部分が私好みだったりしますけど…。
そしてこの方の風景描写も上手いです。
「瑠璃」では夏のプールの匂いや眩しさ感じ、「蝉の証」では夏の蝉の大群の鳴き声を聞きいたような気になりました。

関係ないのですがこれってミステリなんですかね?
このミス10位だったみたいですが、どちらかと言えばこの喪失感は村上春樹だったり吉本ばななに
近い気がしました…。

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紙の本サンタクロースのせいにしよう

2004/05/22 16:23

カワイイ装丁と内容とはかなりギャップが…これも若竹さんらしいですね。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回は毒は少なめですが、1話1話が読んでいて「どうなるの? どうなるの?」と続きが気になって
一気に読んでしまった1冊です。
まるで柊子と夏見の会話の中に自分が参加してるみたいな気分になっちゃいました。
そして銀子さんが良い味を出しているんですよね、電車の中で読んでいて何度もプッと笑ってしまいました。
変わり者なんですが愛すべき変わり者。

好きだったのは表題の「サンタクロースのせいにしよう」です。
どうなるんだろう?と思っていたら偶然が偶然を呼びそんな事になっちゃうなんて。
私も彼女達と一緒に「そうそう、サンタクロースのせいにしようよ」と言いたくなりました。
しかしこういう近所団結って若竹さんの物語には多いですよね。

「死を言うなかれ」はふと加納朋子さんのアリスシリーズの一作を思い出しました。
あの中にも花泥棒の話がありましたよね? 確か…。
「虚構通信」はラストの1行が物語を引き締めるのですが何だかツライですね。
「子どものけんか」は物語より銀子さんの料理の様子が面白すぎました。

若竹さんにしては「ほのぼの」してるのですが、ちゃんと痛いところは痛いので毒のある話が苦手な方に
オススメの1冊です。
単行本は表紙がとてもカワイイんですよ。
内容とかなりギャップが…これも若竹さんらしいですね。

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紙の本GMO 下

2004/05/08 19:19

人間が欲望をむき出しにした時、実際にこの本の出来事は起こり得る得るだろう。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルの「GMO」とは「Genetically Modified Organisms(遺伝子組み換え作物)」のこと。
「遺伝子組み換え」少し前からよく耳にする言葉だが身近に感じることもなく遠い世界のことに感じていた。
いやどちらかと言えば「改良」による人間が生み出した「技」として良いものだと考えていた。
だがこの本を読んでGMOにより人間が作り出した世界のオゾマシサをまざまざと見せられた気がする。
カレイの遺伝子をもつジャガイモを口にしたいと思えるだろうか? 天敵の虫の遺伝子を持つイネから出来た米を口にできるだろうか?
人間の都合に合わせ改良を繰り返した結果そこに待ち受ける世界とはどんなものなのだろうか。
そしてこの本はそんな「食」への危機は序章ですらなく、その先の未知の禁忌の世界へ人が足を踏み入れようとする展開へとなっている。

GMOにより作られた食物は経済において独占することが可能なだけでなく、GM生物は生物兵器になる危険すら持っている。
そう過去に人は羽を持たないのに月へ辿り着いたように、今度は自らの手で生物さえも生み出していき、そしてそれを自分の欲望のままに使おうとするのだ。
また人はそのパンドラの匣を開けたがるものだという部分も妙に現実味を帯びていた。

物語の展開や内容も面白かったのだが勿体なかったのは人物に個性があまりなく主人公に惹かれる部分がなかったところ…。
スケールの大きさは群を抜いてるのだが、そのスケールの大きさに人の魅力がついていかなかったのかもしれない。
上巻はちょっと難しい話が多く読み難いが、下巻は息を呑む展開となっている。
社会派が好きな方にはオススメ、そしてGMOについて知りたい人にもオススメ。

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