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水野理瀬さんのレビュー一覧

投稿者:水野理瀬

紙の本蛇行する川のほとり 2

2003/04/15 15:49

回想と現実

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

3部作からなる蛇行する川のほとりの第二部です。
今回もまた謎は謎のまま、そして余韻と次回作への期待を残して終わっています。
一体誰が何を知っているのか、そして幼年時の出来事がどう関わっているのか…。

著者の「ネバーランド」と「木曜組曲」を合わせて割ったような物語です。
各々が秘密にしている過去、それが少しずつ浮上していっているところなどは恩田さん独特の文章だなぁと思います。
彼女の描く物語は回想からなっているものが多い上に、少年少女の視線から描いてあるので懐かしさやノスタルジックな雰囲気があります。
そういう部分が強調された1冊がこの蛇行する川のほとりのような気がします。

ただのミステリとは思えない、そんな1冊だと私は思いました。

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紙の本殺人の門

2003/10/08 11:40

意外な東野作品

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最近ではニュースで殺人事件を聞かない日の方が少ないです。
それだけ「殺人」という言葉は私達の中で日常化されています。
人が殺意を抱き、実行するまでの間に一体どんな心の変化があるのか、そして本当に人は簡単に殺人者となってしまうのか? また「殺人の門」は誰の目の前にも開いているのか?
この物語は主人公・和幸が人生を狂わせ続けた男・倉持に対して何度も殺意を抱きながら「殺人の門」をなかなかくぐれずにいる様子を書いたもの。
衝動的な殺意ではなく長い期間時間をかけて抱きつづけた殺意。
その殺意をついに実行に移すまでの心の動きや出来事を主人公が一人称で過去を語る形で書かれているので内容はかなり人の嫌な部分を書いています。

今までの東野作品だと読者はこの主人公の気持ちが理解出来、彼に同調するのでしょうが今回は違う方向から東野さんに責めてこられたという感じ。
殺人者を美化しないで書く、騙され続けた和幸を憐れに思わせず、和幸に対して同情も感情移入もできないように書いているのは東野さんの上手さですね。
まぁこれだけ何度も騙されてホイホイついていく和幸に同情しろというのも難しいでしょうが…。
そして殺意を抱かれる役の倉持にしても「白夜行」の雪穂達のように惹かれる部分がないのも素晴らしい。
私が思うこの作品のポイントは刑事の「殺人者の門はくぐらない方がよい」という言葉。
だからあえてこれだけ「どうしようもない」登場人物ばかりで固めた1冊になっているのかなと思いました。

東野さんの作品は読み終わった後で抱きしめたくなる本が多かったのに今回はあっさりと本を閉じて終わりました。
力作のはずなのに不思議?

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