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室田 堯さんのレビュー一覧

投稿者:室田 堯

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本ヤスケンの海

2003/05/28 23:41

最も早く読めて最も心に響く。村松評伝の最高傑作!

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こんなにわくわくする評伝読んだことがない。単なる一読者が「書評」というのもおこがましいが、思わず書いてしまいました。
著者の評伝を高く評価する安原氏自身が今回はその主人公だ。文芸誌「海」で出逢い、その二日目に主人公「ヤスケン」のセコンド役を決意したという著者が、共に編集者として転戦したデスマッチの記録。新しい文芸誌を模索する雑誌づくりのマット上で繰り広げられる数々の「タイトルマッチ」を、著者ならではの記憶から解きほぐし、セコンドの目線からしか見えない、驚くべきエピソードの数々で「ヤスケン」の天才ぶりを暴露していく。まるでリングのロープ下から手に汗握り観戦しているようだ。
その筆致は、例によって静かだが「大江健三郎事件」のくだりは圧巻だ。大江氏の「ヤスケン」に当てた手紙の全文を読むと心臓が早まってくる。「こんな手紙を公開しても良いの?」とも思うが、それを「ヤスケン」の天才の証明書としている著者の構えがたまらない。また、常に主人公「ヤスケン」にまつわる「勇猛果敢」「けんか腰」「毒舌」といった性格を裏側から見つめ直し、そういう形容に「照れ屋」「弱気」「甘えん坊」といった水面反射の逆像を与えることによって「天才ヤスケン」を画き上げていく。深い暖かみを湛えた評伝だった。

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人の生き方まで変える「物」をつくれ!

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この本は、著者も言っているように「物作りにもの申す」書である。
これはマツダのFFファミリア・カペラ、ユーノスロードスターなどの生みの親で知られる立花啓毅氏の発言だ。
著者は「日本から発進される「物」たちは、やがて世界から相手にされなくなる」と危惧する、それは作り手が少年時代から「物」に徹底的に触れることで感性(氏はこれを「情緒」という)を磨いていないからであり、また、日本の多くのクズ経営者たちが「物」に関する情緒を持ち合わせていないため、モノの心を理解できず、長く愛される物を商品として世に送り出せないのだという。
モノにはあるべき姿かたちや材料、色などがあり、良いモノは物の方からそれを使う人に語りかけてくるものだともいう。

テレビのワイドショーなどに毎回登場する「もの申す族」にうんざりしている私も、ついつり込まれて読んでしまったが、立花氏のしゃべりコトバの過激さを知る私は、この本の穏やかだが核心をついた語り口や、本質を見抜いた数々のエピソードは魅力的で説得力があり、一気に読破した。この数々のエピソードを正確に覚えているだけでも凄いが、「命を吹き込まれたモノだけが人の心に語りかけてくる」という筆者の生涯を貫いている強い信念が、これらすべてのエピソードから匂い立つ。
これから物づくりに賭ける若者にはもちろん、今の暮らしが「どこかおかしい」と感じる諸兄諸姉にも是非読んで欲しい本である。

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