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ヒロ1958さんのレビュー一覧

投稿者:ヒロ1958

10 件中 1 件~ 10 件を表示

都市と自然との共生に福音

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「え~、銀座でハチミツなんて採れるの?」という好奇心から取り寄せた本。てっきり、都会でミツバチを飼う悪戦苦闘の騒動記のようなものかと思っていた。だが、その予想は見事に外れた。
 よくサラリーマンを働きバチに例えるが、本物の働きバチの実態はホントーに厳しい! 彼ら(正確には「彼女ら」か?)の寿命は30~40日程度。巣の掃除係からスタートし、幼虫の育児係や蜜の受け渡し係といった内勤を経て、最後の10~14日間はひたすら蜜集めに精を出す。ところが、越冬時の働きバチだけは寿命が約140日とかなり長い。なぜか? 彼らの役目は、羽の後ろの筋肉を震わせて熱を発生させて女王バチを守ること! ハチミツの蓄えが少なかった場合、外側の働きバチから順番に死んでいくことに……。読み進めるにつれて、ミツバチがどんどん愛おしくなる。
 私は幼少時にアシナガバチに刺されたことがある。それ以来、何となくハチは嫌いだった。志賀直哉の「城の崎にて」を読んでも、ハチの死骸を見て死後の静寂への親しみを抱く主人公に感情移入などできるわけもない。しかし、本書を読んだおかげで、ハチに対する見方はかなり変わった気がする。
 著者の田中氏は、生物学者でもなければ養蜂業者でもない。本人曰く、ほんの思いつきで始めた趣味のような養蜂を通して、ミツバチに惚れ込んだという人物だ。本書を読むとミツバチへの愛情が湧き上がってくる。それはきっと著者の想いが伝わってくるからに違いない。しかし、本書はミツバチへの愛情だけを語る本ではない。銀座といえば繁華街の代名詞。いわば日本きっての繁華街をモデルに、自然との共生にどう取り組むか、地域再生の原動力となる連帯感をどう育むかなど、現代の地域社会が抱える問題について考えさせてくれる、実に示唆に富む1冊でもあるのだ。
 まず立ち読みでいい(本屋の皆さん、ゴメンナサイ)。「あとがき」から読んでほしい。きっと本文も読みたくなるはずだ。(ただし、よっぽどの昆虫嫌いでなければの話。) 

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紙の本森の道楽 自分の森を探検する

2009/12/21 16:44

豊かな生き方とは

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 副題が「自分の森を探検する」。何だ、金持ちの道楽か、と思う方もいるかもしれない。が、さにあらず! これは、自分の森を手に入れた団塊の世代のごく普通のサラリーマン(たぶん)が「こんな生き方も楽しいよ」と自らの生き方を紹介した本なのだ。
 筆者が森の魅力に魅せられるようになったきっかけは、もともと山歩きが好きだったことと、奥さんが家庭菜園用に土地をほしがったことだそうだ。最初は畑ということで農地を探してみたが、とても手が出ない。そこで目をつけたのが雑木林。最初に360坪の雑木林を手に入れた。週末を利用して何と1人で開墾! 体を動かすのが嫌いな私にはまず絶対にできない。それだけは自信を持って言える。筆者は、その作業をするうちにさまざまな木々に興味を持ち始め、次第に森の魅力に取り憑かれる。筆者はその森で儲けようと思ったたわけではない。森の恵みを受けてはいるが、筆者にとっては森の手入れをすること自体が目的であり、生きがいなのだ。筆者曰く、「森で楽しむ」のではなく、「森を楽しむ」のだそうだ。
 50代半ばで早期退職し、合計6ヘクタールの森を入手。今では、奥さんと2人で森の手入れに勤しむ、充実した日々を送っているそうだ。夫婦仲のよいこと、全く羨ましい。どこかのプロゴルファーにも教えてあげたい本だ。

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高校生の親と高校教師に読んでほしい本

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 最後の数ページはウルウルだった。
 著名なヴァイオリニストの母と二人暮らしの玲は、受かることを疑いもしなかった音大附属高校の受験に失敗し、新設女子高の普通科に進学。「ぼんやりの膜」で自分を包み、周囲と一線を画す玲。2年の秋、そんな彼女が校内合唱コンクールの指揮者に選ばれる。彼女なりにがんばるが惨憺たる結果に終わり、玲はまた「ぼんやりの膜」の中に戻る。しかしクラスメートたちの中では何かが少しずつ、だが確実に変わり始めていた。そして、玲の最も嫌いな校内マラソン大会、最後にグランドに戻ってきた玲の耳に聞こえてきたのは……。
 この小説は、玲を主人公としたdoで始まり、彼女のクラスメート5人の内面をそれぞれの視点から描き、最後のsiで再び玲を主人公とする物語として収斂させるという構成になっている。6人の少女の、クラスメートからは見えない面を描くことによって、ストーリーは豊かでふくらみのあるものに仕上がっている。
 説明ではなく、もっと描写がほしいという気もするが、ありきたりの話になりがちなストーリーをこれだけの作品に仕上げる力量は見事だ。特に「ぼんやりの膜」とは言いえて妙。不本意入学やらコンプレックスやらのニュアンスが実体として見えてくるようだ。
 「お受験」に象徴される一部の私立高校は別にして、少子化に加えてこの不況の中、私立高校に通う子どもたちが背負い込んでいるものは結構重い。現役の私立高校生にとってはちょっと避けたい本かもしれない。その分(と言うのも変だが)その親御さんたちに、そして私立高校の先生方にぜひ読んでほしい作品だ。

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哲学は胡散臭い学問じゃない!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昔から国語の教科書にも哲学者の文章はよく取り上げられていた。正直、読んでも何が言いたいのかよくわからなかった。内容が難しいわけではないのだが、総じてことばが難解だという印象が強い。
 その点、本書は実に平易なことばで書かれている。まず、ほとんど専門用語が使われていない。そして、「どうだ高尚だろう?」と言わんばかりの、例の漢文訓読調の言い回しが出てこない! おまけに活字が大きい!! さすがは同じ50代、老眼の辛さをよ~~くご存知で……。というわけで、とても読みやすい。
 しかし、だからといってレベルが低いのかというと決してそんなことはない。本書は「存在とは何か?」という哲学の最大のテーマに真っ正面から取り組んでいるのだ。おまけに、一見非実用的(?)なこの問題が実は、地球温暖化など、現代社会が抱える大問題の根底にあることまで解き明かしているのだから、全く恐れ入ってしまう。
 「哲学なんて何か役に立つの?」と哲学を胡散臭い学問だ思っている方にこそぜひオススメしたい1冊だ。

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紙の本虹色ほたる 永遠の夏休み

2008/02/03 00:01

昭和30年代・40年代に少年少女だったあなたへ

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昭和40年代、夏休みになると何人かのちびっ子たちが「田舎のおばあちゃん家」に遊びに来た。というより、仕事で忙しい母親や父親が、遠い実家に預けてよこすのだった。そうしたいとこたちの中で年長の私は、子守役を任されるのが夏休みの定番だった。この作品は、私自身の小学生時代を含めて、そうした「夏休みの思い出」をよみがえらせてくれる。
 個人的には、村の丘から眺める花火もシーンが印象に残っている。ストーリー展開は、やや(というより、かなり?)無理があるかもしれない。どちらかというと、SF的というか、(失礼な言い方を許していただくと)御都合主義的と言ってもいいだろう。しかし、それでもちゃんと感動させる作品に仕上がっている。大切なのは感動させる力があるかどうかだ。もっとも、小学生が読んで感動できるかどうかはちょっと保証できない。だが、70年代以前に小学生だった大人なら、感動すること間違いなしだ。
 私が子守をしたいとこたちも、今ではみな子の親となっている。最近はなかなか田舎にも遊びに来られないようだが(と言っている私自身、あまり実家に帰っていないのだが)、この本を読んで、ぜひ自分の子どもたちにも田舎の味を伝えてほしい、と思った次第である。私にとって『虹色ほたる』は、矢沢栄吉の「時間よとまれ」や井上陽水の「少年時代」と並んで、夏の終わりの感傷を呼び覚ます作品である。
 蛇足だが、映像化しやすい作品になっていると感じた。映画なり舞台なり、どなたかシナリオ化してはいただけないだろうか。本を読んで一人で感動するのもいいが、多くの人といっしょに感動してみたい、そんな気になる作品だから。

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ヒストリアン 1

2006/03/05 23:32

インディ・ジョーンズ的新ドラキュラ伝説

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 確かに面白い! 久々にワクワクしながら読んだ。地理の苦手な私には厄介な展開だったが、地図で確認する煩わしさを割り引いてもストーリー自体が面白かった。まさにインディ・ジョーンズ的冒険とアメリカ的親子愛の物語だ。
 しかし、欠点があるのも事実だ。一つは、こう言っては歴史学者の皆さんに怒られるだろうが、文字通り「ヒストリアン」のレベルに止まってしまったことだ。せっかく優秀な人類学者まで登場させておきながら……。もっと別の角度から吸血鬼伝説に肉薄していくのかと期待しただけに残念だ。その意味では、ライブラリアンとも言うべき影の主人公(これはネタバレ?)の方が一枚も二枚も上手のような気がする。また、冒頭の文章が2008年の日付になっているのはどんな意味があったのだろうか? 単なる誤植なのか? SF的にでかまわないから、それなりの謎解きや新解釈がほしかった。ともあれ、科学的に事件の解明がなされていないのは後味が悪い。
 エンディングは、続編へのプロローグを意識しているとしたらなかなかのものだ。もしも続編があるなら、科学的解明がなされることを期待したい。

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紙の本あなたにもわかる相対性理論

2009/12/21 16:06

アインシュタインに見る「生きる力」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 TVでお馴染みの脳科学者・茂木健一郎氏が、尊敬(崇拝?)するアインシュタインについて熱く語った本、それが本書だ。
 もちろん、題名どおり相対性理論について書かれた本だが、相対性理論を素人にもわかるように解説している本はこれまでにも多々あった。しかし、本書はそうした解説ものとは、一味も二味も違うのだ。  
 茂木氏は、アインシュタインという人間を描くことによって、相対性理論とは何かについて語り、科学が本来持っているロマンについて語っている。その上で、アインシュタインの天才性は、物理や数学の才能にではなく、その生き方にあると主張する。そして、人間アインシュタインの魅力を、10の「アインシュタイン力(りょく)」として提示し、私たちにも実践できる「よりよく生きるヒント」として紹介しているのだ。
 「問いかけは根源的であるほど面白い」と茂木氏は言う。誰もが不変だと思い込んでいた時間や空間。それを、アインシュタインは「本当に不変なのか?」と根底から問い直した。アインシュタインが物理学の「常識」を覆した最大のポイントを、茂木氏はその問いにあると指摘する。まさに批判的思考そのものだ。
 活字離れと同様、青少年の理科離れが叫ばれて久しい。本書は、アインシュタインという20世紀を代表する天才の生き方を通して科学のロマンと感動を呼び覚ます1冊だ。できれば高校生や中学生に読んでほしい。

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「大人」も大変だ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 皆さんにお尋ねしたい。高校で受けた小説や詩の授業は楽しかっただろうか? それとも退屈だっただろうか?
 本書には「あの名作の“アブない”読み方!」などという、オジサン心を刺激するような副題が添えられている。しかし、間違ってもこれを真に受けてヘンな期待を抱いてはいけない。本書は、高校国語の教師用指導書がいかに道徳的かつ予定調和的な読み方を生徒に強要しているかを検証し、その指導書に基づいて展開される高校国語教育のあり方を批判するという、非常にお堅い本なのだ。
 本書で取り上げている教材は、『舞姫』・『こころ』・『羅生門』・「永訣の朝」・『山月記』という、まさに定番中の定番と言える5作品。全てではないにせよ、どれかは習っているはず。と言いつつ、私自身の記憶はというと、これが全くと言っていいほど、ない。古文や漢文の授業は結構印象に残っているのだが、現代文となると……。
 そんなことはさておき、本書を読んで納得できるところは多々あった。国語の授業で「ある特定の方向ばかりへ誘導してしまうと、その豊かな読みの可能性を奪ってしまう」という筆者の意見には大賛成だ。少なくとも文学作品の読解においては「たった一つの正解」などあるはずがない。個々の作品の読み方についても、なるほどと思わされたところがいくつもある。例えば、『舞姫』という作品は主人公の手記(もしくは手紙)として書かれた文章だという指摘。これは確かに重要で、決して客観的な描写などではないことを意識し、眉に唾を付けながら読まなければならないということである。豊太郎に丸め込まれることなく、エリスの立場も考えようというわけだ。
 また、唯一の長編である『こころ』については、抜粋という教科書ならではの制約に絡んでいくつか指摘されている。そもそも、抜粋という過程によって物語の持つ構造が見えなくなりがちだという事実。教科書に採られた一部分だけで完結させるような読み方に対しても批判している。「先生の遺書」である以上「先生」というフィルターを通した文章になっていることは『舞姫』と同様だ。が、筆者はさらに、『こころ』の「下」は主人公が「先生の遺書を書き写しながら引用しているという設定になっている」とも指摘する。こうした重層構造も見落としがちな点だ。もちろん、個人で読むときにここまで考える人が何人いるかは別問題。
 しかし、筆者の考えを全面的に受け入れているわけではない。『山月記』を読む際に、中島敦による時代へのメッセージについて考えるのはいい。だが、「安史の乱をはじめとする帝国の崩壊をめぐる戦争」という視点を抜きにしては「『山月記』を読んだということにはならない」というのは、どう考えても極論だ。筆者の言う「豊かな読みの可能性」の一つだとは思うが、それを必須条件だと決め付けるのはいかがなものか? 主人公・李徴の即興の詩に注目すべきだという意見には賛成だ。しかし、詩に云う「此夕」は、昨夕とも今夕とも解釈できるが、この詩を詠んでいる現在ではないはずだ。だから、この即興の詩が「虎の一吼え」だとする解釈は成り立たないし、まして、李徴の友人にとって「自分の存在自体を根源から脅かす虎の一吼えを聞かされた」という解釈にはなりようがない。ちょっとした解釈の相違かもしれないが……。
 それよりも気がかりなことがある。それは、現役教師の「報告」の末尾にある「教材による教育的効果と小説の多様な解釈及び批評、この二つがどう両立しうるかというのは、一教師としての私がこれから考え続けなければならない重要な問題だと思います。」という一文だ。この一文だけを取り上げても、私の不安は伝わりにくいかもしれない。しかし、この「教材による教育的効果」という語句の前に「生徒への教育的配慮」や「因果応報の物語という枠組み」という語句が置かれている文脈で捕らえてみてもらいたい。表現やストーリーを味わうはずの文学テクストが、そのうち道徳の教材みたいに扱われてしまうのではないか、と私は不安になってしまうのだ。
 本書のあとがきで「工夫次第で、様々な可能性が切り拓かれてくるはず」と述べ、そのためには「現在の高校の教育現場の現状を変えなければならない」と筆者は指摘している。しかし、センター試験がある限り、教育現場は変われないだろう。逆に私から筆者に問いたい。文学テクストが教育現場で「一人ひとりに開かれた言葉の運動の場」として生き続けるためには、何を、どのように変えなければならないのか、と。

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若者に読書を勧めよう!

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「今どきの若い者は……」というのは、昔から年寄りの愚痴の定番だ。おそらくこの先もずっと使われるセリフだろう。しかし、本書をその手の愚痴と思ってはいけない。
 成績至上主義の中、熾烈な競争、山積する宿題と、子どもたちは残酷な扱いを受けている……こういう子どもに甘いアメリカの風潮に対して、筆者は真っ向から異を唱える。若者たちは「仲間が関心を抱いていること」にしか関心を持っていないと指摘し、さまざまなデータを基に、若者の知識不足を具体的に挙げていく。筆者が懸念しているのはアメリカの将来なのだ。いかにもアメリカ人という感じのすごい愛国心!
 民主主義の基本はそれを監視する市民の知識にかかっている。デジタル・メディアはアメリカ人の知的能力を低下させている。若者の無知無関心に手を拱いていてはいけない。まして、それを助長させるなど論外。パソコンやケータイのディスプレイに向き合う時間を減らし、本に向き合う時間を増やすよう、威厳のある大人として若者を導くべきだ……筆者の主張を要約するとこんなところか。
 しかし、これを対岸の火事と思ってはいけない。日本の若者も同じような症状に陥っているのだ。電車の中はもちろん、自転車に乗りながらもケータイとにらめっこ! ケータイ依存症は目に余る。たいした実績も能力もないのに、その自信はどこから沸いて来るんだ? ついそう言いたくなるような若者も少なくない。
 本書は昨年アメリカで大論争を巻き起こしたという。その「大論争」がどの程度のものだったかはともかく、ひとつの警告として日本でも真摯に受け止めるべき内容だ。

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紙の本エレンの宇宙

2009/12/19 17:38

理系が苦手な人にピッタリの、星と宇宙の物語

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「宇宙には『はじまり』があった。それがビッグバン」――ある理科の授業中、先生のその言葉に興味を示したのは、ある少女の中の1つの電子エレン。エレンはかすかな記憶を手繰り寄せ、宇宙の歴史をさかのぼる……童話風の語りとイラストによる、星と宇宙の物語。
 似たようなテーマの本はこれまでにいくつも書かれている。しかし、どうしても「お堅い本」になってしまう。この本は、一見子供向けだが、理系が苦手な大人にもちょうどいい。数字や化学式も出てはくるが、普通の教養書によくあるコムズカシイ注釈は出てこない。だから、ページをひっくり返す手間がなく、読んでいて疲れない。これが一番ありがたい!
 おまけに、「そんなの授業で習ってないぞ!」という知識も仕入れられる。例えばTVでおなじみの砂嵐。実は、あの中に宇宙誕生から38万年後の光がちょっぴり入っている、話のネタにちょうどいい。
 今年は世界天文年。「ビッグバン」だの「膨張する宇宙」だの、宇宙についての基礎知識を仕入れるのに本書はちょうどいい、オススメの一冊だ。

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