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先月(2017年8月)

沈丁花さんのレビュー一覧

投稿者:沈丁花

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ジャーナリスト志望者、必読の書

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 「松井やより」という名を耳にすることは多かったが、ジャーナリストとしてここまで凄絶な人生を送った人だとは知らなかった。松井氏は、まだ女性記者のめずらしかった1961年に朝日新聞社に入社。それも、記者になりたかったからではなく、就職資料に「女子も可」とたまたま書いてあったからだという。
 入社後は、公害問題に始まり、買春観光(「買春」ということばは彼女の造語)、チャイルドレイバー、日本の開発によるアジアの自然破壊、慰安婦問題といった社会問題を精力的に取材し、常に弱者の立場にたった報道を行った。だが、身を粉にして取材して書いた記事は必ずしも紙面に載るとは限らなかった。現地の人の涙や無念を凝縮した記事は、小さな話題だと軽んじられて紙面に載らず、そのために数限りなくくやしい思いをしたという。
 松井氏が、自らが末期の肝臓ガンに冒されていることを知ったのは、死の2ヶ月前。その残された2ヶ月間にも、松井氏は絶望することなく、前向きに病と闘った。そして自分の夢だった「女たちの戦争と平和資料館」の設立を熱心に訴え、また仕事への思いと経験を後輩に引き継ぐべく、「松井やよりさんを囲む会」で熱弁をふるった。この本はその記録である。
 松井氏の生き様は多くの人の共感を呼び、その活動をたくさんの若い人たちが継いでいる。ここには、ジャーナリストとして、権力に媚びず、自分の使命と信ずることを力の及ぶ限り果たした一人の女性の姿がある。世界が共生していく21世紀にあって、世界をつなぐジャーナリズムのあるべき姿勢が語られている。すべての人、特にジャーナリストを目指す人、またジャーナリズムに身を置く人にとって、まさに必読の書である。

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