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先月(2017年1月)

slothさんのレビュー一覧

投稿者:sloth

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本影との戦い 改版

2004/05/29 21:06

影との戦いが問いかけるもの

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一言でいえば、大人のためのファンタジーだろうか、その内容はとても深い。何
度も読み直したくなる本かもしれない。

あらすじは、若くして「大賢人」となる、ハイタカという魔法使いのまだ誰にも知られていない頃の物語である。彼は近所のまじない師に魔法に関する素質を見出され、そして、彼の村が襲われた時に彼は拙い魔法を使って村を守るのである。その後、正式に魔法使いの師匠について勉強し、やがては魔法使いの学院で学ぶようになる。彼は、優秀な生徒で、どんどんと自分の力を強めていく。しかし、自分の力にうぬぼれていたハイタカは、そりの合わないヒスイとの魔法のくらべで、死んだ人間の霊を呼び出した時に、恐ろしい影をも呼んでしまう。

この本のタイトルにもなっているように、この影との戦いがこの本のテーマである。恐ろしい影は、彼に付きまとうようになり、ハイタカの命を狙うのである。

この物語の中で、ハイタカはいろいろなことを学びながら、成長していく。彼は魔法について学んでいくのだが、魔法を学ぶためには世界をよりよく知らなければならないのだ。この世界を学んでいく姿勢が、私達の生きている現実の世界にもあてはまる。もちろん、現実の世界には、何もないところからパンを取り出したり、自分がハヤブサに変身する魔法はない。それでも、空を飛ぶことは飛行機でできるし、さまざまな薬を使って病気を治すこともできる。魔法を一種の力ととらえれば、同じような事は現実の世界で数多く行われている事である。大きな力を行使するには、それを使う人は世界の均衡を学ばなければならないという事においては、魔法の世界であれ、現実の社会であれ、変わらない。

こうした視点で物語を眺める時、なんとも魅力的な言葉がいくつも現れてくる。

例えば、師匠のオジオンはハイタカに次のように語る。「そなた、エボシグサの根や葉や花が四季の移り変わりにつれて、どう変わるか知っておるかな? それをちゃんと心得て、一目見ただけでも、においをかいだだけでも、種を見ただけでも、すぐにこれがエボシグサかどうか分かるようにならなくてはいかんぞ。そうなって初めて、その真の名を、その全存在を知ることができるようになるのだからな。用途などよりは大事なのはそちらのほうよ。」

本当に知るという事は、どういうことなのか、オジオンは教えてくれる。

物語の本筋である、影との戦いだが、最初は恐ろしい影から逃げつづけていたハイタカだったが、決心して、影との決着をつけるために影を追うようになる。そうする事で影との関係が微妙に変わってくるのである。ハイタカが逃げていたときには、絶大な力を発揮していた影だが、不思議なことにそこまでの力はなくなってくる。そして、友人のカラスノエンドウと一緒にさいはての海まで、影を追っていった彼はついに影と最後の対決をする。そこでハイタカは、自分が追ってきた自分自身の影と1つになる。彼の傷は癒え、自由になった。

この物語が発する問いかけ、「世界とは」「自分とは」「世界と自分の関係とは」に答えることは、誰もがよりよく生きるために避けては通れないものであると思う。

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紙の本もの食う人びと

2003/10/13 19:49

食べること=生きること

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

食べることから世界を眺めるという視点は、素晴らしいなあと思った。何故って、人間にとって食べることが、生きることなんだから。いやいや、人間だけじゃなくて、生き物はみんなそうだ。

食べるという根源的な行為では、嘘をつくことができない。偉い人も、普通の人も、富める人も、貧しい人も、日本人も、外国人も、みんなが食べることで命を繋いでいる。すごく当たり前のこと。でも、食べることがなかなかできない人も世界には沢山いるし、楽しい食だけではなく、悲しい食、つらい食もある。しかし、食べることを避けて通ることはできないのだ。

著者は「食」を求めて世界各地を巡る、バングラディッシュのダッカで残飯を食べる人々、禁断のジュゴンの肉、フィリピン先住民の失われた味、ミンダナオ島の残留日本人兵が犯した食人行為、炭鉱労働者と食べた世界一うまいというスープ、アドリア海のイワシ、飢餓と内戦に苦しむソマリアの光景、チェルノブイリの放射能に汚染されたものを食べざるえない人々、択捉のフキや魚スープ、従軍慰安婦の悲しい記憶と食など、どの話も心の深いところに引っかかるものがある。

辺見さんの秀逸な視点、そして筆力があればこそ、書くことができたのだと思う。見事に食というところから、人々の生活を切り取っている。

本を読んで自分を振り返ると、食べるという当たり前の行為(と思っている)を自分はもっと大切にしなければならないと思った。食べるということは、他の生き物の命をいただくということでもある。自分は、本当に食べられなくて死にそうになるという経験はしたことがない。そう、恵まれているのだ。そんな、自分の鈍い感性では食べるという神聖な行為がどこまで理解できているのか分からないが。でも、食べることができない日が来ないとはいえないのだ。今、自分が食べられるということに感謝する気持ち忘れないようにしたい。

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紙の本それでもあなたの道を行け

2003/03/27 00:18

美しく、自由な、癒される世界観!

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アメリカインディアンの智慧の言葉を収録している本である。彼らの思想、宗教、そしてライフスタイルはとても興味深い。彼らは全てのものに霊性が宿っているということを信じており、これは日本の八百万の神々という宗教観にも通じる部分があると思うが、もっと性善説的であり、全てを肯定してしまうような気持ち良さがあるような気がする。あるいは、日本人が置いてきてしまったものが、息づいているのかもしれない。

彼らの言葉は、心に深く響く(といっても、訳者の中沢新一氏が書いているように、彼らの言葉を英語に翻訳し、さらに日本語に翻訳しているために本来のニュアンスのおおくは失われてしまっているのだが…)。しかし、それでも彼らが伝えようとする、シンプルで力強く、気持ちよい世界観が確かな存在として感じられるのだ。

ここから読み取れるメッセージは、すごく単純に言ってしまえば、彼らの世界観ではまわりの世界に敬意を持って接すれば彼らを助けてくれるということである。そこに幸せがあり、生きるに値する生があるという。殺伐とした現在を世界を生きるものにとっては、ファンタジーのようだ。

だが、実は我々もそうした世界、すごく求めているのではないだろうか。例えば、世界で高く評価されているアニメーション作家の宮崎駿氏の世界(個人的にも大好きである)にすごく近いものがあるのではないかと思った。「ナウシカ」や「もののけ姫」の中で、村の長老が集まって大切なことを決めるようなシーンがある、私の中ではこうしたシーンがこの本を読んでオーバーラップしたのである。年寄りの体得してきた智慧を敬う文化、そうしたものに心地よさを感じるのである。多くの人が彼の映画に惹かれる理由の1つになっているように思うのだ。

現在、米・英国(残念ながら、日本も米国を支持している)により、イラク戦争が行われている。今後の世界にも多大な影響を与えるに違いない大きな出来事である。この本にあるような世界観(あるいは深い智慧)を真摯に実践することが、世界に求められているのではないだろうか。

「わたしたちの生き方では、政治の決め事はいつも七世代先の人たちとのことを念頭におきながら行われる。これからやってくる人々、まだ生まれていない世代の人々が私たちよりも悪い世界に暮らしたりすることのないように、できればもっと良い世界に生まれてこられるように心を配ることが私たちの仕事なのだ。私たちは母なる大地の上を歩くときに。いつも慎重に一歩一歩進むのは、これから生まれてくる世代の人々が、地面の下から私たちのことを見上げているからだ。私たちはそのことを片時たりと忘れない。」(オレン・ライオンズ 1990年 本書より抜粋)

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ディズニーという夢のようなサービス!!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ディズニーという会社がまさにマジックキングダム(魔法の王国)であり、ディズニーの夢のようなサービスが紹介されている。この本の通り(なかなか信じがたい部分もあるのだが…、どうやら本当のことらしい)であるなら「こういう会社があればなあ」というまさにそんな理想を体現しているというしかない。ディズニーランドは、遊びにくる人(ゲスト)にとっても、そこで働く人(キャスト)にとっても素晴らしい場所なのだ。

ディズニーが提供するサービスは、「いかにゲストに楽しんでもらうか」、その一言につきる。この課題は、単純だが、実践することはとても難しい。ディズニーはこれに常軌を逸するほど徹底して取り組んでおり、そこに妥協はない。

ストーリ-は、ディズニーランドでそのサービスについて研修するという形式で読みやすい。そして、研修に参加した人たちがツアーを通して驚くべきサービスについていろいろな発見をしていく。

例えば、「細部にこだわる」というポイントを取り上げてみると、メインストリートにあるヒッチングポストという馬の頭の形をした杭を毎晩!!塗り直しているのだという。これは1つの例に過ぎない。シンデレラの物語が描かれた壁画の忠実な再現、歴代の大統領の人形が着ている服は当時の製法で作られ、メリーゴーラウンドにはペンキでなく金箔が使われている。ゲストの目の届かないところまで本当に徹底しているのだ。

なぜ、本物の金箔を使わなければならないのか。誰もが抱くに違いないこの質問に対して「キャストの心構えが違ってきます。ゲストがいかに大切かそれを思い出させてくれるのが金箔なんです」という。このことは、ゲストに楽しんでもらうために最善を尽くすという姿勢をまさに象徴している。

ゲストから見える部分にいくらお金をかけても見えない部分で手を抜いていたら、そこで働くキャストのサービスも同じように見えないところでは手が抜かれてしまう。しかも、キャスト自身がそのことには気が付かないでいるかもしれない。キャストが「ディズニーランドと言ったって本物の魔法の国なんてないんだよ」と、そんなシラケた気持ちでいたなら本物のサービスは提供できるはずもない。一番難しいの自分の心を納得させることだからだ。

ディズニーランドを魔法の国にしているのは、ディズニーという会社が、そしてキャスト全員が、それを本当に信じて体現しようとしているからに他ならない。わーお!!

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自由で平和で公平なアメリカを望む!

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ブッシュの敵?であるマイケルムーアが書いているから信じられる。誰にでも書けるものではないし、書けても信憑性がない。ベストセラーとなった「アホで間抜けなアメリカ白人」、カンヌで特別賞を取ったドキュメンタリー映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」で得た実績、マイケルのブランドがあって初めて成立するのだろう(それでも、この手の本は注意して読まなければいけないが)。

ブッシュ政権、そしてアメリカの先行きがますます不安になる内容である。ブッシュ政権は必要以上に「テロリストの脅威」という恐怖を利用して世論をコントロールし、政権の権力拡大をもくろんでいるように見える。確かにさまざまなメディアを通じて、ブッシュ政権の言動に不自然な感じをうけることが少なくない。マイケルムーアが指摘するように、その権力の拡大が一部の富裕層の利権のためであったとするとそれはかなり恐ろしいことだ。

物事を批判する時(特に深刻な場合ほど)はついつい力が入りがちだが、彼はすごく自然体だ。マイケルムーア流のギャグやユーモアは分かりやすく、親しみやすい。各章のスタイルもすごく凝っていて、ブッシュ大統領への真面目な質問、ブッシュ政権のウソ、テロを防ぐ対策、50年後の孫との対話、そして神様も出てくるし、最後は次の大統領選挙でブッシュを落とすための方法と切り口もさまざま。自分のメッセージを届けたい(そのパワーの源はアメリカという国を本気で愛しているからだろうなあ)という強い思いが込められていることを感じる。

彼は本気でブッシュを落とすための方法を考えており、そのために対立候補は積極的に支援するし、ブッシュ政権を批判する内容になるだろう9.11がらみのドキュメンタリー映画を2004年11月の2ヶ月前に公開するらしい。

世界で一番強大な国となったアメリカの影響は、日本にも、そして他の国々にとってもとても大きい。アメリカの国民が願うであろう、どうか自由で、安全で、平和で、公平な国であって欲しいと思う。

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オープンで公正な議論を!

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この本は、ウイリアムズ・リバーズ・ピットという文筆家、政治アナリストが、元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッター氏に電話インタビューを行うという体裁になっている。

スコット・リッター氏は、91年から98年までUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の一員としてイラクで働き、2000年の大統領選ではブッシュ陣営を応援した共和党員としての経歴を持つ。リッター氏は、日本のニュース番組などにも出演しており、またアメリカでも積極的にメディアに出演してイラク戦争に反対する意思表示をしているようだ。彼のような経歴を持つ人物が、堂々と愛国主義の立場からイラク反戦を展開しているのが、アメリカの懐の深さを感じさせる。

彼の話は非常にわかりやすいのだ。素朴ともいえるイラク戦争に関する何故という問いに対して、明確な回答を打ち出している。それは、例えば、イラクは大量破壊兵器(核兵器、化学兵器、生物兵器など)を保有しているのか? アルカイダのテロに共謀した可能性? イラクに民主主義をもたらすというアメリカのイラク戦争に対する主張についてなどである。彼はとても具体的に、これらの問いに対して回答をしている。

その内容を簡単にいってしまえば、大量兵器の保有については非常に可能性が低く、アルカイダとの関連はありえず、民主主義を外部から強制することは非常に難しいということだ。彼の意見が絶対に正しいということではないが、彼がイラクの事情に精通していること、そしてその経験から知りえた情報を率直に述べようとする熱意がじんじんと伝わってくる。

とかく政治がからむ話というのは分かりにくいものが多い、それは説明をすればボロが出るから、なるべく説明をしないで済ませたいというようにもとれる。そのため、ややもすると水掛け論に落ちいってしまう。しかし、民主主義を実践しようと思うなら、それはおかしな姿勢である。本当は「知識あるものは,常に理解されるように努力する責任がある」(ピーター・ドラッカー)のではないだろうか。

スコット・リッター氏は、やみくもにイラク戦争に反対しているわけではない。彼が持ちえた情報を考察した結果、イラクを攻撃する正当な理由が見当たらないといっているのである。彼が望むものは、本書にある次の言葉に要約されると思う。

「私が国のためになしうる最大の貢献は、イラク政策についてもっと幅広い議論と対話を促すことです。もし、本当に戦争が必要だとしたら、それもしかたないのかも知れません。しかし、その決定は、少なくともオープンで公正な議論を通じ、確固とした事実に基づいてなされるべきです」。

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