サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. コアラさんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年3月)

投稿数順ランキング
先月(2017年3月)

  1. 1

    UP

  2. 2

    UP

  3. 3

    UP

    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

  4. 4

    UP

  5. 5

    UP

    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

コアラさんのレビュー一覧

投稿者:コアラ

12 件中 1 件~ 12 件を表示

実践的かつ効率的

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 本書のコンセプトとおり、効率的な学習ができます。CDをうまく活用すれば、会話で使えるボキャブラリーにまで練り上げることができると思います。学習しながら思ったことは、「受験生時代にこんなボキャ本があったらなあー」ということ。解説も親切でわかりやすい。
 掲載されている単語&構文も実践向き。実際に英語を使う現場で、「あっ、これDUOにあった!」という場面が何度もありました。また英文の内容も生活・友人・買い物・科学・医療・政治・経済・流通・ビジネスほか、様々なテーマ設定があり、飽きずに学べます。特に恋愛のパートは彼女にいいようにあしらわれるボブ君が滑稽で苦笑しながら覚えました。
 とは言え、いくら効率的で興味をそそるテーマ設定がしてあるといっても、基本的には学習書。その情報量は膨大です。おもしろくて、これを使えばスラスラと重要語句が覚えられるということはありません。最終的にこれが良書になるかどうかは、本人のモチベーションしだいだと思います。これはどんな学習書にも共通していることですが。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

不条理な男たちの戦い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 20年近く前、日本でプレーした元大物メジャーリーガーが、「地球の裏側に野球という名のベースボールとはまったく異質なスポーツがあった」というような言葉を去り際に残したとか。この本を読んだ今、まさにそれと同じ気分を感じている。これは選手の年俸総額は、メジャー・リーグで最下位付近にランクされながらも、毎年記録的な快進撃をつづけるオークランド・アスレチックスを舞台にしたお話。単なる野球の本ではなく、「イノベーションとは何か」を考えさせる秀逸なビジネス書でもあります。
 
 野球は筋書きのないドラマ。そこで繰り広げられる人間模様にまで感情移入して一喜一憂するのが大方のファン心理ではないか。しかし、この本の主人公、GMのビリー・ビーン(挫折した元メジャーリーガー)とその部下ポール・デポデスタ(ハーバード大出身)は、まるでウォール街のトレーダーのように、デスクトップ上でチームを編成していく。フィールドで起こるプレーは、すべて過去に起きていることであり、ある程度は予測可能。野手で重視すべき能力は出塁率と長打率、そしてそれらの重要度の比率は3:1であるという。盗塁とバントは認めない、守備力も重要でない。投手に対しても独自の基準を設ける。

 これは少しでも野球をかじったことのある人なら皆、血相を変えて否定するに違いない、「出塁率が重要なのはわかる、でも盗塁やバントは主導権を握るためにもっとも重要な戦略だし、ディフェンスはもっとも大事な要素だ」と。しかし彼らは、この「経験からくる主観に頼ることがいちばん危険」という。だからポールはGMでありながら試合を生で観戦しない、主観を醸成しないために。独自の基準で抽出したデータを信じ、スカウティングを進める。そしてその目で見てもパッとしない、給料の安い選手を次々と獲得し、彼らは(一部の人たちだけの)期待どおりに活躍をする。それはボールゲームというよりも、ボードゲームという感覚だ。

 当然、反撥が起こる。経験に頼る百戦錬磨のスカウトたちは不満を持ち、足を武器に確固たる地位を築いてきた一流選手はフロントを批判する。当たり前だろう、神聖なはずの野球文化が壊されようとしているのだから。しかし、伝統を壊し、革新者であるはずのビリーも矛盾を抱えている。彼も本当は過去の慣習に則った野球を愛しているのだから。断定はできないけれど、彼のキャリアと振る舞いがそう思わせる。不条理を抱えているのはチームスタッフや監督、コーチ、選手だけではなく、世間的には不条理な改革を進めるビリー自身も抱えている。これが新しいことを実行するときの痛みなのかもしれない。

 野球に「正しい」科学を採り入れる。約30年前に1人のマニアの心の中で始まった発想が、今となって確実にアメリカで結果を出している。しかしもちろん、いまだに否定する声のほうが大きい。「やはり野球は人間の血の通った筋書きのないドラマであってほしい、こんな冷たい野球科学は必要ない。でもこう思うのって、俺は前例がないことを受け入れられない人だってことなのかな?」−そんなことを思いながら読み進んでいたが、最終章の結びとエピローグに少しだけ救われたような気がしている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

英文法の道しるべ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 タイトルが軽く感じたので、最初は敬遠していたのですが、これが意外にためになる。英語の構造、ネイティブの言葉の選び方、そんなことが理解できます。
 現在完了、過去完了、仮定法、冠詞…、煩わしい、複雑と思っていた文法も平易に解説してくれ、実はとても便利な用法だったと気づかされます。
 今後も英語を使っていく上で、表現や文法に迷ったとき、たびたび開く本になる気がしています。いろいろなレベルの人によって、本書の読み方は異なると思いますが、初級者から、ある程度の自信がある人まで活用できるのではないでしょうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本真っ向勝負のスローカーブ

2003/12/07 12:14

個性派だから語れる野球観

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

130キロ前後のストレートと90キロ台のスローカーブ。
これを武器に筆者は176勝、2041奪三振の記録を残した。

野球ファンなら彼の魅力は充分にわかっている。
「でもなぜ、あの球をプロの打者が打てないの?」
彼を語るファンは必ずこのフレーズを口にする。
口の悪いファンなら「俺でも打てる!」くらいのことを言ってしまう。
しかし、これについては彼はあっさりと認めている。
「プロだから打てなかったのかもしれない。それが野球の醍醐味」と。
多分に謙遜が含まれているとは思うが。

今や全国レベルの高校球児なら140キロ台の速球を平気で投げる。
150キロの球を放っても勝てない投手はプロにもゴロゴロいる。
体力で明らかに劣る彼が、プロで一流投手として
生き抜いてきた秘訣が詰まっている。
謙虚にシンプルな語り口で。
これは天性の素質を持って生まれた超一流のスタープレイヤーには
真似のできない野球観だろう。
なぜなら、彼らはスタートラインからして高いレベルにあるのだから。
だから私は野球が好きでも、彼らが書いた本は読む気がしない。
しかし、星野氏に関しては話は別。
彼は素人ファンに多少なりとも近い目線を持った一流プレイヤーだから。

なぜ、カウント2−0から一球はずすのか?
そんな野球ファン永遠の疑問も、優しく紐解いてくれる。
そして、もちろんイチロー、松井、松坂、落合ら、超一流選手たちとの
交流についても素人野球ファンに比較的近い目線で書かれている。
そして上田監督、仰木監督といった名監督から学んだことについても。

野村克也氏に「俺の野球理論を覆した」と言わせしめた
プロフェッショナルとしての凄味が詰まっている。
私は彼を発掘したスカウトにもプロフェッショナルの凄味を
感じずにはいられない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本世に棲む日日 4

2003/03/23 22:47

快作!時勢に呼ばれた男たち

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 吉田松陰、高杉晋作、長州藩。この三者を主題にして、やがては明治維新にまで繋がる長州革命を、生々しく描いた物語。純粋に思想を究める吉田松陰。イリュージョン的な活躍をつづけた高杉晋作。そして時代の風向きに吹かれるまま迷走する長州藩。みな、時代が求めた必然であったとしか思えない。歴史のプロセスが持つ奇蹟性に感嘆します。
 「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…」-高杉晋作の墓碑に伊藤博文が刻んだように、高杉の活動は電撃性を帯びていた。28歳に足らない短い生涯を、まさに雷電のように、そして風雨のように走り抜けた。時代の寵児という言葉が、これほど当てはまる男もいないだろう。時勢は彼を優遇し、活躍の場を用意していたと言える。ただし、優遇措置と引き換えに、役割を早々と終わらせ、命の幕を降ろさせた。そうとしか思えないほどの、激烈な生涯を送った。
 変わって、吉田松陰。尊王攘夷の種を蒔いた男。高杉より一足早く生を受けたために、「猛の行動」を求道した彼の短い人生は、思想家として終わった。ならば、彼は時代に呼ばれた男ではなかったのだろうか。答えは否。彼もまた、時代が求めた必然であったと思う。彼が10年早く生まれていれば、その思想は別な形になっていたかもしれない。尊王攘夷思想の確立は、外圧による社会環境の変化と、彼の若々しい壮年の感性が、化学変化を起こした結果と言える。もし5年遅く生まれていれば、まだ未熟で、藩の狂騒に呑み込まれていただろう。そして何よりも、高杉晋作と出会わなかったのではないか。そう推察すると、やはり松陰もまた、時代に呼ばれていたとしか思えなくなる。
 人の運命の不思議さについて、精一杯の愛情を以って語られています。臨場感いっぱいの描写により、まるで幕末の激動期に立ち会わせてもらっているような錯覚を覚えました。登場人物の人物像だけでなく、時代背景、街並み、そして町人たちの日日の営みまでもが、色鮮やかに伝わり感動します。ときにはユーモラスに、そして、ときには息が詰りそうなくらいに重厚な筆致による快作です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本文明の衝突と21世紀の日本

2003/03/23 03:43

イラク攻撃が始まった今、改めて読みたい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 国際世論の同調なしに、アメリカによるイラク攻撃が始まった。テロ支援国家の潰滅という、イラク攻撃の大義名分は理解できるけど、ホントの理由は何なの?という人にお薦めです。
 正直、3年前、僕自身は数ページ読んで、この本を投げ出していました。「なんかタイトルがカッコいいな」というだけで、購入したことが原因です。ただニューヨーク・テロ事件のとき、本書のタイトルから想起して本書が気になり始め(でも、まだ読まない)、イラクへの攻撃ムードが高まった最近になり、意を決して(大げさ?)読みました。
 冷戦終結直後、世界はネットワークを緊密にしていくと見られていたとき、著者は文明の多極化が進み、その断層線に衝突が起こるとの理論を展開しました(有識者の間では相当なインパクトだったらしいです)。そして、その後の国際政治は、その理論通りに推移していきます。アフガン戦争を端緒に、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボでの紛争、そしてニューヨーク・テロ事件です。
 これら文明間の衝突で見逃せないのが、イスラム文明のアイデンティティが世界の覇権国たろうとするアメリカに挑む構図です。もしくは西欧文明を押し付けるアメリカに対して、文明の利益を守ろうとするイスラム世界と言ったほうが正確かもしれません。ニューヨークのテロでは国対国の戦争ではないと言われました。そして今度のイラク戦も、今のところ表面的には国と国の戦争ですが、実はアメリカはイスラム文明全体と戦っているかもしれないのです。本書を読むと、そう思わされます。世界でもっとも元気(若年層が多い)で信仰心(団結心)に厚く、人口の多い文明と戦うのだからとんでもないことです。信仰の名のもとに戦う(聖戦=ジハード)心境は、一般的な日本人には理解できないところでしょう。一極体制という覇権を守るために攻撃する、アメリカの心境も理解し難いものがありますが…。一極体制をアメリカが過信することについては、著者は警鐘を鳴らしています。
 今回、なぜイギリスはアメリカ(世界で唯一の超大国)を支持し、フランスは反対するのか。同じ西欧文明に属する国でも、態度が別れるのはなぜか。これはヨーロッパ地域における関係各国のパワーバランスに起因しているようです。パワーと文化の相互作用が、国際協調や紛争の要因になると定義しています。
 はっきり言って、僕にとっては難解でした。これでも随分と優しくなっているそうです。日本は世界でも類のない「固有の日本文明」であるとのくだりには、プチ・ナショナリズムを刺激されて喜んだりもしました。しかし中国という地域大国の再生により、日本は新たなパワーバランスを模索していく必要があるようです。
 とにかく難解で、世界の権威であるハンチントン氏に向かって「なに言ってるんだ、このオッサンは(失礼)」とツッコミを入れながら読みましたが、「世界ってこういうことなんだ」と思わせてくれるには充分な一冊でした。おそらく2度、3度と読めば、より理解が深まることでしょう。でも読み始めるには勇気がいるんだよなあ、この本…。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本世に棲む日日 2

2003/03/21 20:18

革命のはじまり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 複数の人が同じ意見を言っても、説得力に大きな差が生まれる。生活の中では、こんなことがよくある。それは意見を言う人の人柄に大きく左右されている。大げさに言えば、人間力の違い。吉田松陰が後々まで及ぼした影響力の源は、この点によるところもあるようだ。松陰の意見ならば、どんなに過激な意見でも、藩の高官は頭では理解する。政治家として実行はできなくても、理解は示す。 
 安政の大獄が間近に迫る。もちろん当人たちは知る由もない。当人たちとは吉田松陰以下、松下村塾の門人たちである。世には志士が表出し始め、にわかに幕末ムードが漂う。それでもまだ長州藩を取り巻くエピソードには、おおらかさが際立つ。それはまるで崩壊を確信できなかったバブル経済末期の雰囲気にも似ている。
 勤皇という理想に恭順する松陰のみが、どことなく浮かれた(終焉期ではあるが)太平の時代に、必死で前に進もうとしている。あどけない人柄と反するように、松陰の思想が激しさを増すのが悲壮に伝わる。そして久坂玄瑞を筆頭に、新鮮で純粋な志を持った若者たちが彼のもとに集う。
 各々が個性を磨き、助走を始める。まさに青春群像。その青春はスピードを上げて走り出す。松下村塾が開かれたのは3年足らず。彼らの交流は、決してすべてが濃いものではなかった。松陰は革命の着火剤として、その役割を終える。
 革命の着火剤に火がつく瞬間に、引き込まれていく思いがした。同時に、志という個人にとっての正義が貫徹できぬところに、歴史の冷淡さを実感する。
 それでもまだ、松陰は幸せだ。その思想を発展させる多くの同志に恵まれているのだから。彼の鋭敏すぎる志のバトンは、高杉晋作というスター選手に引き継がれる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本世に棲む日日 1

2003/03/21 17:34

歴史小説の旨みが凝縮

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 教科書でしか知らなかった吉田松陰に対する漠然としたイメージは、教師然とした堅物といったものだった。しかし読後の今、物語の瑞々しい描写によって、それは180度覆されている。著者と歴史小説の魅力に圧倒された気分がする。
 著者は彼のことを「ラジカル(根源的)な飛躍者」と表現している。今の言葉で言えば、「天然キャラの癒し系だけど、やることはデカい奴」といったところか。これまた最近の著名人で例えるなら、ドジャースの石井投手か。まったくもって畑違いの人選だけれども…。
 そんな松陰の日常(歴史的には非日常)をテーマに、幕末初期のフィルターを通して物語は進行する。そこには彼を前後上下左右のすべてから描き出し、半ば呆れつつも敬意を持って描写する。
 まるで彼がそこにいるかのような臨場感を持って迫ってくる。なるほど歴史小説とは、こういうものかと思い知らされた。とても当たり前のことを、否応なしに認識させられた。史実の集積に生命を吹き込むことにより、歴史が小説に変わる。それまで2次元だった知識が、3次元の物語になる。まさに歴史小説の役割と旨みを知り、目から鱗が落ちる思いがした。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

マイブルーヘヴン

2004/04/09 00:07

ブルーヘブンへの旅は自然体で

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

女性なら誰もが憧れたことのある華やかな女優の世界。
と、こんなことを書いても僕は男性なので推測でしかないのだけど。
これは、そんな憧れを抱かれる女優さんの鮮やかな転身のお話。

10代でデビューして、それなりに挫折を味わいながらも
女優としての地位を築いてきた高樹さん。
その過程では、ブランド品に囲まれたセレブな暮らしを送り、
バブリーな恋愛や不倫も経験。それでもやはり満たされないのか、
宗教や占いといった神秘的なものにも少し触れてみたり。
そして結婚→離婚。過去の彼女は「いかにも」な
ステレオタイプなイメージの私生活を持った女優でした。

ところが、ある男性との別れを機に、人生が変わり始めます。
それは自分の心に、実に素直に従った結果でした。
変わると言っても一気にではなく、戸惑いながらも
自分の気持ちに素直になろうとしていったことが、
彼女の望む方向へ進ませた。
そんな半生が素直に、自然体で綴られています。

ライブに感動して自分を表現する道を志した女の子が、
華やかな女優の世界を経てトップアスリートになり、
そして自然と共生する人生を選択した。
こういう選択ができたのも、一流の女優になる努力ができた
人だからできたのでしょう。
そんな彼女の今後の活動がとても楽しみです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

みなさん大まじめです

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 たかが野球、されど野球—昔、こんな言葉を元ジャイアンツの大投手が言っていたような…。野球好きなアメリカ人にとっても、やはり「たかがベースボール、されどベースボール」なんだよなあ…と実感します。ジャーナリスト、ライター、それから、あらゆるジャンルの学者さん。みーんな大まじめにMLBの魅力を様々な角度から語っています。
 何とも美しいのが数々のグラフィック。青々とした芝、牛皮のボール、グラブ。ルイスビル・スラッガーのロゴが刻印されたバット、もちろんダイヤモンドで躍動する選手たち、道具の匂いや選手たちの息遣いまでが聞こえてきそうな写真群には、まさに「ベースボール愛」が凝縮されています。
 全編通してコラムとそれにまつわる写真で構成されているので、どこから読んでも楽しめる。興味のあるテーマからパラパラとめくっていく感じで。名選手のこと、チーム名の由来、ルーツについて、熱心なファン、野球映画、野球界の人種問題…などなど、いろんな切り口に関して真摯にきわめて好意的に書き綴られている。
 個人的なお気に入りコラムは「数字が語る選手象」と「マイナーリーグこそ、米国の心」。前者は数字(成績)だけを見れば、その選手像について思いを巡らすことができるといったお話。確かにその通りで、打率.375、本塁打10本、40盗塁、出塁率.420—こんな数字を見ればおおよその選手のイメージが沸く。スマートで比較的若い長身の外野手だろう。あるいは身体は小さめだが縦横無尽な遊撃手か二塁手で打順は1番から3番のいずれかだろう。こんな選手は、少年はもちろん女性ファンの心も捉えるスター選手と考えられる。そんな楽しみ方ができるのも野球の魅力だよなとニヤついてしまった。「三塁打は0本だが、ホームランが44本だったら…。足の遅いアッパーカットの大男だろう」のくだりには思わず吹き出してしまった。
 沢村栄治に始まり野茂、イチローへとつづく日本野球との交流についても正確に寄稿されている。そして定番の「ベースボール」と「野球」の比較。しかし、ここででは、同じルールの異質なスポーツとしてではなく、野球を愛し、楽しむ姿勢に違いはなく、機微が異なるだけとまとめている。米国人選手が挑む日本の年間最多本塁打記録にちなんだ騒動も、正確に描写し、日本野球に対する深い理解が垣間見える。
 とにかく野球に対する愛情が伝わる一冊です。アメリカ映画に見る少年野球のシーンは必ず、子どもたちが天然芝の美しいグラウンドでプレーをしています。そんな豊かな野球文化のバックグラウンドがこの本に詰まっている気がしました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ホームレス作家

2003/03/23 04:57

社会について考えた

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 収入のある身から、不本意にもホームレスへ転落する。本人による多少の過失と、たび重なる不運。誰にでも可能性のある現実が描かれている。
 著者がホームレスに至るまでの過程は、過失も手伝ったが、不運によるところが大きいと書かれている。しかし、果たしてそれだけであっただろうか? 行間から伝わる感覚は、「運が無かった」だけではないような気がしてならない。いくらでも回避する手立てが考えられたのではないだろうか。生死を彷徨う苛烈な体験をした著者に投げかけるにはドライすぎるかもしれないが、「努力不足」という言葉が頭に浮かぶ。読者に同情を誘おうとするアプローチが、そう思わせる。
 ただしホームレスの生活ぶり、心境の描写という点では、体験した者にしかできない描き方で、体験記として読めば秀逸だと思う。そういう意味では、第三者によるホームレスの描写には真似のできない迫力がある。
 著者は誇りある生活を取り戻そうという気力を失っていないため、社会性を完全に放棄した路上生活者とは明確に異なる。完璧なホームレスとは言いきれないだろう。しかし、本書に登場した妻子を隔離しようとするケースワーカーに象徴されるように、社会は結果のみを重視するという現実。社会性を失うことの容易さと、社会に復帰することの過酷さは、誰にでも当てはまるということを、身をもって教えてくれた。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

それで、どうすれば良いの?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 プロ野球界の危機的状況を検証している。スター選手のメジャー流出、金満球団のためだけにあるかのようなFA・ドラフト制度、マスコミの偏重報道などなど。そして、その結果招いた人気凋落。
 しかし、ここで述べられている問題点については、すでにいろいろなメディアが議論をしている。番記者しか知り得ない、裏話を交えての問題提起には興味をそそられるが、ではどうすれば良いのだという疑問が残る。より具体的な提案が欲しかった。確かに、各章の問題点に関して「珍案・奇案によるたたき台」を前提とした改革案を示している。なるほどと思わされる案もあるが、全般的に稚拙な感じが否めない。内輪の会議録を読まされた気分がした。
 「プロ野球への異見、直言」として関係者の寄稿が救いにはなっている。鈴木昌氏(Jリーグ・チェアマン)の意見は、抜群の切れ味だ。Jリーグの目的はサッカーをさかんにして、スタジアムに集まる人を増やすこと。プロ野球は利益に直結するスター作りをやっていると言う。どちらもビジネスなのだが、スタンスの違いは明らか。また、野球界が人気回復の切り札と期待する五輪チームの長嶋監督就任についても、誰もが違和感を覚えながら指摘できなかったことを、バッサリと斬っている。氏のほか、高塚猛氏(ダイエー球団・オーナー代行)、井箟重慶氏(元オリックス球団・代表)、古田敦也選手の意見は興味深い。欲を言えば、日本球界を経験した、MLBの監督の意見も読みたかった。私が知る限りでも複数いる。そして何よりもコミッショナーのビジョンが知りたい。
 マリナーズやヤンキースの野球帽を被る子どもたちは増えても、バッファローズやスワローズの帽子を被る子どもは減りつづけるのではないだろうか。なぜなら、一地域にチームが密集し、パイを奪い合って(独占されて?)いるから。野球人気の回復には、本拠地の分散がもっとも効果的で、根本的な解決策だと思う。そういった意味でも、ファイターズの札幌移転や横浜球団のファーム組織独立化に、もっと深く迫ってほしかった。発行元が日本経済新聞社だけに、マーケティング見地でのプロ野球論が希薄だったのが惜しまれる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

12 件中 1 件~ 12 件を表示