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先月(2017年6月)

香林さんのレビュー一覧

投稿者:香林

1 件中 1 件~ 1 件を表示

しょっぱいドライブ

2003/03/24 23:25

さようなら純文学

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ダメ人間をブンガクが描く時、胸を打つのは、負け犬の誇りを通じて描く、人間の尊厳なのではないだろうか。この作品に、果たしてそれがあるか。読者が見いだすのは、社会に対してふてぶてしく居直る、中年の影の兆した女性主人公だけかもしれない。

処女作の「裸」は、荒々しく新鮮な活力があったけれど、この受賞作は残念ながら期待はずれだった。確かに、以前の作品よりまとまってはいるだろうけれど、いろいろ勉強して、小賢しい文学的知恵をつけただけなのではないか。ユーモアもペーソスも薄っぺらで、微笑よりも弱々しい苦笑を誘う。
60代男性と30代女性との恋愛もどき、ということが、高齢化社会をにらんだ作品の売り方だが、淡い期待を抱いて手に取った戦前戦中世代のおじさまたちも、失望するのではないか。戦争と飢餓を経験してきた方達の中には、情けなく見えても、実は、この殺伐とした不況下に動揺しない精神的強靱さを隠し持っている人も多い。いくら老後生活が心配でも、若い女に「あんたも居直りゃいいんだよ」と今頃諭されたくないだろう。

人は希望があれば苦しむけれど、希望がなければ魂は死ぬ。魂のない作品に芥川賞を冠したことで、ますますジュンブンガクは、世間から見放されるかもしれない。弔意を抱かずにはいられない。

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