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斎 真唯さんのレビュー一覧

投稿者:斎 真唯

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『女』を楽しんでいる女性

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

淫蕩にして奔放。計算高く、大胆。好奇心旺盛で、自分に向けられる男性の愛情を楽しんで弄ぶような小悪魔・主人公テレジアは、同性から見れば、まさに『女の敵』そのもの。
そんな女性がフランス革命の裏舞台で暗躍していたのかと思うと、ギロチンの血生臭さがつきまとっているくせに、どこか高潔な語られ方をする彼の時代により興味をそそられる。
顔も体もバッチリで、男の気を惹くことが大得意なこんな女、実際にいたら村八分にしてやりたいが、どうしてどうして、なぜか憎めない。そんな気になるのも、歴史の中で悪女に貶められた女性にスポットライトを当てるのがお好きな藤本ひとみ先生の筆の巧みによるのだろう。
貞操観念の欠片もないテレジアをなぜに憎めないかというと、この主人公テレジアは、『女』であることを愛して、とことん楽しんでいるのだ。突き詰めて言えば、女として、すべての人間が好きなのだろう。
浅はかに恋に酔い、戯れの域で留まるのかと思いきや、不意に豊かな情愛を見せる。気持ちのまったく残らない、別れ行く夫にさえ自分の全財産を差し出すし、悪戯に男性達に自分を巡っての決闘をさせたかと思いきや、途中で面倒になりつつ、自分に捧げられた熱い情熱に呑まれ、自身も情熱を捧げるまでに至る。肉体の快楽が大好物で、気に入れば誰にだって体を開くくせに、恋を失ったら真剣に涙する…およそ、男性には理解できない女心の矛盾のすべて、言うなれば、女の心の豊かさが、テレジアには隅々まで満ちている。
『女の中の女』だからこそ、男という男、冷徹な革命の寵児の心さえ動かし、同時に革命家ロベスピエールを恐怖させたのだろう。
自分の人生を心ゆくまで楽しみ、挫折しても逞しく気持ちを切り替えようとする潔さも彼女の魅力だ。作中で、彼女が口にした名台詞の一つ一つが、男女問わず『自分』を楽しめない人達への、ささやかなエールになり得ると思う。

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