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リセさんのレビュー一覧

投稿者:リセ

5 件中 1 件~ 5 件を表示

小さな本の大きな愛

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本棚に並べてしまうと見過ごしてしまいそうになるほど小さな写真集。それなのに、ページをめくるたびに、たしかにそこはサバンナ。アフリカの大地、光、風、空気を感じさせてくれる不思議な空間。朝・昼・夜と移り変わる風景の中に、ごく自然に息づく命たち。カメラマン井上氏の動物への深い愛情と自然への畏怖の念を感じ取りながら、いつの間にか癒されてゆく私がいる。

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紙の本博士の愛した数式

2003/09/19 23:29

永遠の80分

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あなたは数学が好きですか? あなたは阪神タイガースが好きですか?

17年前の交通事故がきっかけでそれ以後の記憶力を失い、80分ごとにメモリが更新されていく数学博士。そこに家政婦として派遣されてきた私。10歳になるタイガースファンのわたしの息子。この3人を中心に静かな日常が語られていく。

博士は、当然ながら対人関係がつくれず、外出することもなく、雑誌の懸賞問題を解く日常を過ごしている。博士の興味は専ら人ではなく数字。「数字の中にこそ永遠の真実がある」というように…。

そんな博士だが、子供に対しては無償の愛情を示す。わたしの息子には「ルート」という愛称をつけてかわいがる。「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ」(本文38頁)。ルートもなぜか博士とウマがあう。わたし以上に博士に対する深い理解がある。

博士にとってもタイガースは特別な存在。博士の脳裏に克明に記憶された江夏の記録。小説の中の今は1992年。でも、博士の記憶の中では、タイガースのヒーローは今も江夏。縦縞のユニフォームを着た江夏以外はありえない絶対的な存在。

博士とわたしとルート。80分でクリアされてしまう関係でありながら、その関係が永遠に続くかのごとく錯覚してしまうのはなぜだろう。博士の口から語られる数式をわたしは数学として理解できなくても、人生の真実として悟っている。その美しい数式のとりこになっている。やがて80分の記憶すら壊れてゆく時がくる。それでも、わたしとルートは博士との友情を紡ぎつづける。

この物語には、もう一人出番は少ないが重要な人物がいる。私の雇い主。博士の義理の姉(未亡人)である。博士のことを「ギテイ(義弟)」と呼び、母屋に住み、極力わたしたちと距離をおこうとする。その痛々しいまでの他人行儀が何を意味するのかは、後々明らかになるので、読んでからのお楽しみとしよう。

縦糸に数学用語と公式、横糸に阪神タイガース1992年の闘いを織り込んだ、博士とわたしとルートの永遠の80分の物語。読み終えるのがもったいないと思えるような、静かで美しい時間をきっと体験するでしょう。

PS:博士、阪神タイガースは今年、日本一になるかもしれません。

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今、楽しい恋をしている人も、恋に悩んでいる人も、恋をしたいと思って人も…

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●美術館あるいは美術展巡りが趣味の私ですが、こんなに興味深い美術論
 (恋愛論)にはなかなかめぐりあうことができません。
●装丁も素敵です。カバーの窓から見える「クリムトの接吻」。もうこれだけで
 わくわくしてきました。驚いたのはカバーを取った時。本を裏返すとそこには
 「ロセッティのパンドラ」。とても得した気分になりました。
●「絵を見ることは恋をするのと似ている。ようは“感じるか、感じないか”
 だ」とおっしゃる著者のお考え、わたしもそう思います。好きな絵(画家)、
 苦手な絵(画家)、これも好みですが、苦手と思っていた画家の意外な一面を
 発見することもあります。初めて見た絵なのに、なぜかなつかしくなるような
 絵もあります。ずっとその絵の前から離れたくなくなる絵もあります。そんな
 絵に出会えたときは本当にしあわせです。
●恋も同じ。理由もなく胸に熱いものがこみあげてくるそんな瞬間が、ある日
 突然やってきます。理性ではなく、“one from the heart”です。最初から
 好きになるかもしれないし、会うたびに好きになってゆくのかもしれない。
 でも、知らなかった頃にはもう戻れない。あの絵に出会った時と同じように。
●画家にスポットのあたった本はたくさんあるけれど、モデルにスポットを
 あてるという発想がユニークです。18人の芸術家とそのモデルの関係を
 読めば読むほど、知れば知るほど、どんな天才も、絵筆をもっていない
 時はただの男。そして、彼らをとりまくモデルたちもただの女。恋に悩ん
 だり喜んだり、あるいは、傷つき、傷つけ、私達凡人となんら変わらない
 ということ。時にいとおしく、時にこっけいな存在です。
●絵が上手くても、恋が上手とは限らない。名声を手に入れても必ずしも
 ハッピーとは限らない。人生は終わってしまうまで(あるいは終わって
 しまっても)わからない。成功なのか、失敗なのか。だからこそ、人生は
 難しくもあり楽しいものなのかもしれませんが…。
●表紙にもなっている「クリムトの接吻」、この絵にはしびれます。完璧に
 ふたりだけの世界にひたっている男女。こんなふうに愛されたらどんなに
 しあわせでしょう。そして、クリムトとエミーリエの関係は永遠の理想かも
 しれません。単なる男女の関係ではなく、同士としてのつながり。結婚と
 いう形をとらず、甘いだけの関係でなく、ある意味常に緊張しつづける
 男女の関係。互いを認め合い、尊重しあうため、必要な距離感を保つと
 いうのは完全な大人同士でなければ成り立たない関係です。
●どんどんこの本にのめりこんでいってしまうのは、著者が、自分の人生を
 重ねるように丁寧に書いているからかもしれません。過去の恋、そのときの
 感情がリアルに伝わってきました。この本を読みながら、私もしばし昔の恋を
 思い出し、なつかしみ、でも、前を向いて歩いていこうと思いました。
●今、楽しい恋をしている人にも、恋に悩んでいる人にも、恋をしたいと思って
 いる人にも、ぜひ読んでいただきたい「恋愛の手引き書」です。

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紙の本現代短歌の鑑賞101

2004/07/03 00:01

よくばりな私に…

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短歌を始めて4年。熱心な創作活動をしているわけではなく、昔習った古典文法を思い出しながら古語辞典とにらめっこしながら、思いつくまま気ままに作っているだけ。

いい歌を詠むには、いい歌をたくさん読むこと。そう聞いたことがある。短歌を始めるまでは、歌人といって思い浮かぶのは、与謝野晶子や若山牧水など教科書で習った“有名人”だけ。彼らは近代に分類される歌人。それでは現代は…?というと、思い浮かぶのは「俵万智」だけ。

個人の歌集は高価で入手しにくい。それに同じ歌人の歌をたくさん読むより、まずは多くの先人達の歌に触れてみたい。できれば効率よく…。なんて欲ばりなことを考えて探して見つけたこの本。

現代短歌の始まり、明治後期〜昭和四十年代生まれの歌人まで全101人。一人30首(多くは歌人の自選歌)。これまで知らなかった多くの歌人に出会うことができる1冊。下段には編著・小高氏の解説もある。姉妹本としてさらに歴史を遡った「近代短歌の鑑賞77」もある。この2冊をあわせて、これから短歌を学ぶ人には最適の入門書だと思う。

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紙の本旅の短篇集 春夏

2003/05/25 09:29

140分の世界旅行

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原田宗典さんの本を初めて読みました。
小旅行の道連れに、気軽に読める文庫本として選んだ中の1冊でした。

「本当はあなたといくはずたっだ旅」。
プロローグのこの一節に惹かれて買い求めました。

ショート・ショート・ストーリー。
見開き2ページで1話完結。
「春」「夏」「夜」「味」「恋」「妙」の6章からなる前編。

純情な(?)私は、著者の体験談かと読み始め、最初の数話は「不思議な体験してるなあ。でも異国ならありうるかもしれない…」と思い込んでいました。

でも、読み進むうちに、「??????」
そして、第1章を読み終えて…「やられた!」
だまされたと気づいた時にはもう手遅れ。“原田マジック”にかかっていました。

繰り返し巻き返し、ありそうでなさそうなお話を耳元で囁かれて(私にはそう聞こえた)ゆくうちに、「もう、いいよ!」って思いながらも、手がどんどんページをめくってゆきました。

たとえば、「愛の大きさ」を計る道具。
たとえば、いくら食べても大丈夫。「ウエスト自由自在ベルト」
たとえば、「未来を見るサングラス」
どれも使ってみたいような…でも、怖いような…。

あるときはブエノスアイレス。あるときはコート・ダジュール。
ケニア、中国、バンコク、ニューヨーク、パリ、ウィーン、……。

往復140分の船の中で読みふけり、しばし日常を忘れて不思議の国を世界旅行してきたような気分です。

もし、あなたが、しばし「今」を忘れたいのなら、この本を片手に、列車か船に飛び乗ってみてはどうでしょう?

PS:本の裏表紙に「原田宗典が空想の旅にいざなう幻想的で不可思議な物語」と書いていることを読み終わってから気づきました。(笑)

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