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先月(2017年6月)

芦田清孝さんのレビュー一覧

投稿者:芦田清孝

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本新書百冊

2003/05/01 12:52

新書との運命的な出会い

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 月刊誌『東京人』の元編集者で、現在はフリーで活躍する坪内祐三は、
とくに明治・大正期の文学に造詣が深いが、『週刊SPA!』誌上で文芸批
評家の福田和也と連続対談を行ったり、同じく福田、作家の柳美里、エッ
セイストのリリー・フランキーと4人で新雑誌『en-taxi』を創刊したり
と、近年多彩な活動を行っている。そうしていま脂の乗った著者が、新創
刊の新潮新書のために書き下ろしたのが、この『新書百冊』だ。すでに
『週刊文春』での文庫に関する連載をまとめた『文庫本を狙え!』を公に
しており、これはいわばその新書版という側面もある。
 さて坪内祐三はいつものように、だが今回は大学生のころからの30年に
わたり、あたかも小林秀雄のごとくさまざまな新書との遭遇、そしてその
驚きを語る。が一方で、新書を論じる本書自体が新書であるという性格も
踏まえられ、新書のこれまでのおもな歩みがよくわかるように、全体とし
て啓蒙的な配慮もなされている。新書に作家の旅行記が充実していること
をはじめとして、改めて認識させられる点が多々あったが、とくに、著者
が親しいという山口昌男をめぐる記述は、本書でもっとも興味を引く部分
の一つだろう。山口はアフリカにフィールドワークに出かけるまえ、彼に
とっては不本意だったようだが、数冊の翻訳を手がけたことがある。その
訳書『黒いアフリカの歴史』(もちろん古書)を数年掛けてやっと手に入れ、
後日それを差し出してサインを求めたときに山口昌男が見せた表情とは。
それを読むだけでも、この新書を買う価値はあるだろう。
 山口昌男は本と「運命的な出会い方をする」。そう坪内祐三は書いてい
るが(128ページ)、そうした本との「運命的な出会い」を求めて、著者は書
店に通いつづける。『新書百冊』は、百冊の新書を通して顧みられたその記
録なのである。

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