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先月(2017年6月)

白尾 直樹さんのレビュー一覧

投稿者:白尾 直樹

1 件中 1 件~ 1 件を表示

インターネットバブルの本質とIT革命が人間社会にもたらすインパクトを社会学的見地から分析

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 とかくインターネットやITというテーマを,技術の専門分野として取り扱う書籍が多いなかで,本書はIT革命とその本質を,鋭い洞察力と良識のあるジャーナリストの目でとらえ,インターネットバブルの実像が何であり,人と社会にどのような影響をもたらしたかについて,非常にわかりやすい理論展開を試みている。
 巻頭から終始一貫している検証方法は,IT及びインターネットに関する社会現象ともいえる代表的な出来事を7つの章にわたって具体的に取り上げ,現実的な観点からの解説を加えていることである。インターネットバブルはITと資本市場の原理が脈絡のない状態で結び付いた結果であり,新しい技術を考え出した人間そのものが虚業の魔力に翻弄(ほんろう)されてきた産物であると述べる。また,著者はITやインターネットの深淵(しんえん)にはそれを開発した人間そのものが見え隠れすると考えている。サイバースペースの中に無数に存在する情報の落し穴が人間の持つ心理的な弱さとオーバーラップして見えてくるという描写は,いかに技術が高度化しても人間の本性はそれほど変わらないのではないかと,いわば哲学的な奥行きすら感じさせる。
 確かにITは利便性向上や金儲けの手段として,我々の社会に大きな貢献とインパクトをもたらしており,今後もその流れは加速度を増して行くが,それを使いこなす人間が狂騒曲に踊らされているだけでは,かつて冷戦時代に核兵器を開発した人間が,自ら核兵器によって滅びるという悪夢と同じ結果になるのではなかろうか。そんな時代の中で,この本が技術的な専門書にはない普遍性をもっているのは,常に人間を中心にデジタル社会をとらえているからに他ならない。
 現在のEコマースが,試行錯誤の時代からあるべき姿への収束段階に差し掛かかりつつあるという表現を目にした時,『e-oooo戦略』なるものを発表して,ITを公共事業化して闇雲に突き進もうとしている,どこかの国のお偉い先生方にも,必須の教科書として是非ともお薦めしたいのが本書である。
 一つ残念な事は,この本の題名である『スーパー・スターがメディアから消える日』があまり適切ではないと思える点で,むしろ『インターネット時代の社会学』とか『IT狂騒時代を生きるヒント』といった題名の方が,著者が伝えたいメッセージが読者にダイレクトに伝わるのではないかと思える。
(C) ブッククレビュー社 2000

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