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小暮日央さんのレビュー一覧

投稿者:小暮日央

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気持ちを伝えたいという素直なパワー

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 「絵てがみ」が流行っている。流行りまくっている。
 色々な場所で展覧会が開催され、TVのお便りコーナーでも寄せられる葉書のほとんどが「絵てがみ」である。まだ友人で「絵てがみ」教に改宗した奴はいない、が、そろそろ危ない気配の奴もいて「そのうち絵てがみかき始めたら笑ってください」と予防線をはってきた。別に「絵てがみ」に恨みはないのだけれど、「絵てがみ」にしたって、「メール」にしたって、まさに猫も杓子も、なんの疑いもなく流行ってしまうという状況が、私にはオリジナリティー貧困の日本人気質丸出しのように思えて、少し淋しい気がするのだ。 例えば家の庭にタンポポが咲いた。そんな日常の些細な喜びを近しい人に伝えたい、その気持ちを子どもじみていると言うのではない。むしろこんな世の中に、いじらしい愛すべき気持ちである。些細なことを「伝えたい」と思った時、若いモンは「メール」中高年は「絵てがみ」をつい習慣のようにやってしまう。急用や仕事の連絡事項以外のコミュニケーションなのだからもう少し自分らしさにこだわってみてもいいのではないかと、私などは思う。
 小倉ゆき子さんとファニー・ヴィオレさんは凄い。徹底的にこだわっている。作家さんなのだから当たり前なのか? そんなことはないだろう。メールでFAXで済ます人は多い。かく言う私もそうである。ただ言い訳をさせて頂ければ、とても好きな人に、布や写真や糸を使ったオリジナルのカードや、自分でつくった和紙に極細のペンで絵をかいたカードを、送ったことがある。この程度ではお二人の足元にも及ばないが、「てがみアート」を読んでそれを思い出し、とても懐かしく思った。この本は小倉さんとヴィオレさんが、手紙の域を越えた小作品を日本とフランスで交換しあった、沢山の「手紙型作品」集である。だが、いくら面白い作品であっても、そのようなものを送るのはやはり相手を選ぶ。シャレが通じない人にシャレを言っても無駄なように(笑)。小倉さんとヴィオレさんは、手作りを楽しいと思い、ちょっとした茶目っ気を笑いあえる、芸術家気質でセンスもぴったりの相性のいい人達のようである。この本に載っている沢山のオリジナル・手作り手紙は、制作にかなりの時間と労力とアイデアが注がれたものに違いなく、一つ一つ見ていくと気の遠くなるような手仕事の世界だ。が、ひょっとしたら器用なお二人にとっては、ほんの朝飯前なのかもしれない。小倉さんがおっしゃるには「何とか続けてこられたのは、彼女への信頼、友情、そしてなによりおたがいの好奇心の強さ」だそうである。私が少し変わったカードを送った人達からは、当然なことに作品で返事が送られてきたりはしない。私としてもそれを待っていたわけではないが、もしも面白い手紙型作品で返事がきたら、私もまた変なカードを制作したかも知れない。そんなゲーム感覚でこの文通も始まったのではないかと思う。やめられなくなってしまう二人遊び。例えばしりとり。言葉が出なくなるまで延々と遊び続け、でもなかなかやめようと言えない。お互いに対する興味、密やかなライバル意識、相手のもっといいものを引き出せるのではというような期待、尊敬。持ち駒が尽きてしまうかもというスリリングさ。だが、なんとなく自分から「やーめた」とは言えない。そうして夕方近くなるまで喉の渇きも気にせず友達と遊びあった。そんなハードで楽しい遊びの感覚が蘇った。この無邪気な二人の作家さん達は、いつかどちらかが「やーめた」と言うまでアイデアを駆使したセンスのいい作品をプレゼントしあうに違いない。私はこの作品集を見て、ものを作る喜びと、気持ちを伝えたいという素直なパワーと、大切な友達の存在を再確認することができた。

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