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  3. 高山 博さんのレビュー一覧

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    3月のライオン(1)

    3月のライオン(1)

    羽海野 チカ(著),先崎 学 (将棋監修)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

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    はらぺこあおむし 改訂

    はらぺこあおむし 改訂

    エリック=カール (さく),もり ひさし (やく)

    5つ星のうち 4.5 レビュー詳細を見る

高山 博さんのレビュー一覧

投稿者:高山 博

168 件中 1 件~ 15 件を表示

変化する人間のこころを見つめ,こころが痛むとはどういうことかを改めて考える。心身の調和を探る

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 現代はストレス社会である。多くの人がストレスに悩まされ,心を病んでいる。仕事に追われ,しがらみに振り回される。育児では近隣の人達との関係が築けない,夫が育児に参加してくれないなど,育児ノイローゼになるケースもある。高齢化が進展し,話す人がいない状況。塞ぎ込んだり,逆にトラブルを起こす例など,精神的に不安定になっている。子どもにしても,受験競争の激化,いじめなど,心に多く問題を抱えている。
 文化や習慣の違いに馴染めない外国人も例外ではない。コミュニケーションが希薄化し,ギスギスすれば,必然的にストレスが増大する。様々な書物が出版されているが,ここで取り上げる本書は,臨床経験が豊富な著者による対処法であり,現代を生きる全ての人に発せられたメッセージ。こころが痛むとは何か,精神的に疲弊した時の対処法などを具体的に,かつ,丁寧に記し,示唆に富む。精神科医,カウンセラーは常に必携したい本。
 本書は10章構成で,まず,こころが痛むとはどういうことかについて考える。悔やんだり,羨望の眼差しであったり,心的外傷など,様々な場面で生じる。2章では自己愛に触れる。下手をすれば他人とのコミュニケーションが行えなくなる。3章はストレスを扱い,克服する過程などを描く。4章で再び,こころの痛みを取り上げる。心理学的な記述が多いが,苦痛を避けたり,乗り越えたりするプロセスを記す。
 5章では罪の意識,罪悪感について触れ,また,罪深い自分のこころを見つめる作業を行う。償い,苦悩がキーワードであり,ここで言う「罪」は英語のsinである。6章は母親のこころを眺め,母性とは何か,母親としてのアノミーを記す。7章においては心身のバランスに関係する事項を扱い,こころが痛むことで,体調にも影響する点を医学的に記述する。以下,ライフサイクルにおけるこころの変化,アイデンティティー,痛みを超えた地平線に見えるものを述べる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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見過ごされがちな甲状腺異常症候群の概要に触れ,心臓病などの各種疾患との関係を記し,治療法を解説

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 近年,健康に対する関心が高まり,これに呼応し,一般向けに書かれた医学書の出版が相次いでいる。本書は甲状腺の機能に着目し,内分泌の中でも非常に重要な働きをしている点を述べる。あまりにも多くの疾患と関係する,と記述されているため,記述そのものが疑われがちになるが,甲状腺が新陳代謝などに大きく影響することは事実である。本書については,セカンドオピニオンとして位置付け,不調があれば専門医の診察を受けることが大事だ。ただ,体の機能を理解し,患者として出来得る事項が記されているので,参考になる。
 本書は甲状腺機能低下症に焦点を当て,様々な疾患を引き起こす点を述べている。17章構成で,甲状腺の役割,甲状腺機能の検査法,各種治療法,機能低下と各種疾患との関係(疲労,頭痛,偏頭痛,情緒と行動のトラブル,感染症,皮膚疾患,生理・不妊・出産のトラブル,高血圧,心臓発作,関節炎,糖尿病の諸症状,肺ガン・肺気腫など),日常生活での留意事項を詳述する。見落としがちな甲状腺の意外な側面に踏み込んだ1冊。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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自閉症の基本概念を整理し直し,関係障害臨床の考え方,実際の進め方などを解説。臨床医,関係者必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 分子生物学の進展で,自閉症に関する知見が集積されつつある。しかし,現実問題としては,自閉症の子どもを持った親,臨床に携わる人にとっては具体的な治療法や,自閉症児へどのように接したら良いのかを知りたいものである。自閉症に対する独自の考え方を打ち出した前著『自閉症の発達精神病理と治療』(岩崎学術出版社,1999年刊行)を発展させ,具体的な治療の流れ,母親の子どもに対する接し方について,臨床で扱った例を示しながら解説する。医学的な記述が見られるが,異分野の人にも配慮した記述となっている。医療や教育関係者,行政担当者,当事者である家族に薦めたい。
 「母親でも自閉症の子の行動は分かりにくい」というのは真実であろう。戸惑い,悲嘆に暮れる姿は想像に難くない。自閉症患者をモデルにしたドラマが放映されたことがあるが,そこでも周囲の人達の暗中模索の中での試行錯誤を描いている。ドラマ以上に,現実はもっと深刻だろう。だからこそ,両親をはじめ教育関係者,行政の担当者が正しい認識を持つ必要がある。「行動の分かりにくさを1つひとつ解きほぐしながら,母と子の情動を調整し,愛着とコミュニケーションを育む治療」を真剣に模索している,そんな医療スタッフ達の奮闘記である。両親は他人の子どもと比較し,少しでも遅れていたり,行動が落ち着かないなどの様子を感じた場合,焦燥感に駆られがちになる。こうした焦りは禁物のようである。「ゆったりとあたたかな治療過程がいつしか自閉症児とともに歩むよろこびをかもしだしていく」との根気強さが求められる。
 著者は「関係障害」を機軸に,自閉症児の内面に迫り,適切な治療を行う。功を奏するには家族や周囲の協力が不可欠であることを強調。母と子に対する息の長い臨床過程を綴る。関係障害臨床の考え方,実際の治療,児童の発達に応じたプログラム,他者との関係構築のプロセスを眺める。臨床のやり取りも紹介し,自閉症の理解を促そうとしている。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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リウマチの正しい知識を得ることをために,検査と診断,最新治療法,日常生活の留意点などを紹介

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 現在,わが国では慢性関節リウマチに悩む患者は100万人もいるとみられている。関節が痛い・はれる・動かない,との訴えを身近で聞くことが多い。本書は,リウマチの正しい認識を持ってもらうことを目的に書かれ,患者のQOL(生活の質)を高めることを目標に掲げる。
 関節が痛んだり,はれたりするなどの類似した症状が多くあるだけに,出来るだけ早い時期に専門医に診てもらうことが肝心である。5章構成で,まず,リウマチの定義,その中でも代表的な疾患である慢性関節リウマチに関して詳述する。2章ではリウマチの検査と診断について述べ,リウマチと間違えやすい疾患にも触れる。3章は治療の柱となる薬物療法の最新動向を紹介し,4章においてQOL向上のためのリハビリ,理学療法,運動療法,作業療法などを解説。最終章で日常生活における留意事項を記している。
 長い付き合いになりがちなだけに,上手に付き合うことが必要。食生活の注意点などが親切に説明してある。随所に挿入されたコラム,巻末の専門用語は,この疾患を理解するうえで役に立つ。
(C) ブッククレビュー社 2000

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医学用語に加え,従来の辞典には載っていないスラングを数多く取り上げ,言葉の意味,その背景を詳述

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 全米で大ヒットしているTV番組「ER」や,わが国でも,「救命病棟24時」というドラマが放映され,救急医学をはじめ,医療関係に関心が集まっている。また,「ナースのお仕事」シリーズも息が長く,看護婦を目指す人も増加していると聞く。医療の専門用語が出てくるので,理解するのは難しいが,そんななか,原書で医学関連の小説,ノンフィクション,雑誌や新聞記事を読みたい人向けに,ここで取り上げる辞典が刊行された。従来の辞典類とは異なり,医学の専門用語に加え,数多くの口語,スラングを収録している点で異色である。専門用語だけでコミュニケーションを行うには限界があり,留学を考えている医師や看護婦が読んでも有益であるものと思われる。
 米国のメディアで使われている用例を示しながら,解説。言葉の意味だけではなく,背景となる事項も記すなど,読む辞典としても活用できる。巻末には病名・病状・けがに関する用語,病院内の表示,医師やナースの種類,骨格図などを掲載し,実用的である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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がんの告知を受けた患者,家族の不安を解消するための情報源。胃がんの治療法の全貌を1冊に凝縮する

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 毎年,大勢の人が悪性新生物,いわゆるがんで命を落としている。胃がんに罹患(りかん)するケースも多く,早期発見が重要となる。啓蒙書は多数,出版されているが,本書は,胃がん治療ガイドラインに沿って書かれたものである。
 4人の専門医によって執筆された本書は10章構成。まず,胃の構造とその機能を述べる。解剖学や生理学の知見を平易に記述している。2章では胃がんの発生と進行について記し,3章は胃がんの手術療法を詳述する。胃の切除方法と切除範囲,リンパ節郭清(かくせい=きれいにすること)と周辺臓器の合併切除,消化管の再建,早期胃がんの内視鏡治療,さらに手術の危険性にも言及する。4章において術後の経過と留意点について扱い,発熱や経口摂取,早期離床,食事のしかたなどを述べる。5章では胃がんの予後,6〜8章は化学療法に関する事項を取り上げ,臨床試験や補助化学療法を,9,10章でケアの重要性を指摘し,家族や看護婦の役割,コミュニケーションの行い方などを記している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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からだのしくみについて,解剖学と生理学の知見を1冊にまとめる。病理学の項目も含み,医学生必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 約60兆もの細胞で構成される人体のメカニズムは不可思議であり,現代の科学技術をもってしても解明されていない部分が多い。「ヒトゲノム解読」の概要が2000年6月に公表され,2003年にはその解読がほぼ終了する見込みであるが,こうした成果が得られれば得られただけ,新たな疑問が浮上する。人体,特に脳は未だに解明されず,多くの研究者が心血を注いでいる。解剖学や生理学も例外ではない。遺伝子レベルでの解明が進み,新たな謎が出てくる。その謎を追い,さらなる研究へと駆り立てる。
 この不可思議な人体。小宇宙とも表現されるように,興味が尽きない。関連書籍が多数刊行され,啓蒙書から専門書まで多種多様であるが,本書は実にユニークである。主な読者は医学生やパラメディカルの人であるが,通常,医学書であれば解剖学と生理学は別々に解説される。しかし,本書では1冊にまとめている。身体の構造・形態と機能の面から捉え,重要事項を漏らさず記述する。また,病理学関連の事項も盛り込むなど,非常に使いやすい。1項目当たり,見開き2頁で構成され,必要事項を平易に記すなど,一般の人にも分かりやすいものと思われる。
 8章で構成され,まず,細胞について取り上げる。細胞と組織,構造と働き,分化と分裂,血液などを解説する。2章では呼吸器を扱い,肺の構造としくみ,呼吸運動と調節のメカニズム,ガス交換のしくみ,気道の構造と働き,呼吸器系疾患などに触れる。3章は循環器を解説し,心臓,血管,リンパ系,高血圧,動脈硬化などを,4章において消化器を眺め,口腔,咽頭,胃,小腸,肝臓,胆道,膵臓,大腸,消化のしくみや各種疾患,5章では泌尿器・生殖器・内分泌器に関し,腎臓の働きや尿の性状など,6章は骨・筋肉に焦点を当て,コンパクトに述べる。7章も同様に,神経について記し,その機能や各種疾患に言及。最終章で感覚器を取り上げ,視覚,聴覚,平衡覚,嗅覚,味覚,さらに皮膚感覚,内臓感覚について,それぞれ丁寧に記述している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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「健康」の日本史

2001/01/19 18:15

そもそも「健康」とは何か。このルーツを探る旅のガイドブック。健康を測るものさしなども考える

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 そもそも,「健康」とは何だろうか。自発的に行う健康維持も,実は半強制的ではないだろうか。歴史的に言えば,日本国内が戦乱続きで,常に備えている必要があったが,現在でも高齢化が進展する中,常に「健康」に気遣う必要がある。半強制的とは言わないまでも,日本人は横並びを好む場合が多く,健康ブームも広がりやすかった。ここで取り上げる本書は,「健康」の意味を問い直し,年表,史料を交えつつ,歴史的な経緯をひもときながら、健康ブームのルーツを探る。教養書として,すべての人に薦めたい1冊。
 本書は4章構成で,まず「健康」という概念はどこから来たのかを辿る。西洋医学の捉え方,福沢諭吉の健康観を紹介。2章では健康法は、そもそも誰を対象にしているのかを考察する。体操の起源,大衆化した背景を記す。3章は江戸から明治時代にかけて,からだはどのように変わったかを眺める。特に,養生と健康の関わりを述べる。最終章で健康を測ることに焦点を絞り,個人の体が社会的な資本になった経緯を綴っている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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糖尿病のフットケア

2001/01/10 21:15

糖尿病のフットケアに焦点を当て,診断,治療,予防法を解説。豊富な写真や図表含み,臨床医必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 現在,多くの日本人が糖尿病に罹患し,さまざまな合併症で苦しむ人も少なくない。一般的には眼疾患というイメージが強いが,糖尿病足病変も見落とすことはできない。ここで取り上げる本書は,糖尿病足病変に焦点を当てたもので,フットケアに関する専門書である。医師をはじめとする医療従事者が主な読者として想定されるが,健康教育の観点から保健体育の教師,健康指導を行うパラメディカルの人にも一読を薦める。
 本書は8章で構成され,まず,糖尿病足病変の基礎事項を眺め,発生機序,足病変の直接的誘因,治療対策を記述する。2章では糖尿病足病変をさらに細かく解説し,神経障害性のものと血管障害性に区別して記載する。また,足の変形,静脈瘤などについても言及。3章は家庭でのフットケアを取り上げ,応急処置,日常生活上の留意点,靴の選び方を述べる。4章で病院でのケア(診察,検査,履物の観察),以下,スキンケア,ネイルケアなどを記し,さらに糖尿病足潰瘍と壊疽の治療,予防策など総合的な観点で捉える。
(C) ブッククレビュー社 2000

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LDの基本的な意味を解説。つまずきの原因を探り,ゲームを中心とした教育例を提示する。関係者必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 近年,LD児という言葉がマスコミで取り上げられるようになり,一部の人達の間で関心の的になっている。ただ,わが国においては,LD教育は米国と比較して約30年の隔たりがあり,教育面でのLD児のサポートが急務である。学習が遅れているために様々な誤解を受け,偏見に苦しんでいる関係者も多いようである。そんな折り,本書が刊行された。『図説 LD児童の言語・コミュニケーション障害の理解と指導』の姉妹編の位置付けで執筆され,前著よりも具体性を前面に出し,実際の教育の進め方,教育プログラムの組み方などを重点的に解説している。
 また,聴覚機能,視空間機能,注意力,記憶力,言語学の中の語用論的能力,メタ認知機能などの障害を想定し,各障害に応じたLD児のサポートの在り方,プログラム作成などを考察。したがって,教育関係者必携の書である。
 本書は3章から成り,まず,LDの概略を述べる。LDの定義,分類,LDとADHD(注意欠陥多動性障害)との関係,LDと注意,記憶の問題,状況判断,聴覚的能力,視覚的能力,メタ認知といった基本事項を取り上げる。2章では児童のつまずきの原因を詳細に検討する。遊び,学習活動,生活の中といった具合に,場面別に考察し,その対処法を模索する。遊びの輪に入れない,ルールのあるゲームが出来ない,会話が苦手,学習の場においては宿題が出来ない,忘れ物が多い,行事が嫌い,集団行動に遅れをとる,日常生活ではすぐ迷子になる,電話応対が出来ない,危険が予知出来ないなど,行動における様々な事象を具体的に取り上げる。
 最終章では実践的なプログラムの例を紹介し,ゲームをしながら学習する,若しくは能力を高めることを目標に掲げる。言葉の学習の流れ,数の学習の流れ,注意と記憶の学習,気軽に参加する運動ゲームの課題を,各々について解説。平易な言葉で,ゲームを取り入れた学習の進め方を懇切丁寧に記している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本カウンセリングの枠組み

2001/01/07 18:16

カウンセラーの経験を踏まえ,カウンセリングの枠組み,カウンセラーの果たすべき役割を考える

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1960年代の前半に日本に入ってきたカウンセリング。この間,多くの関連書籍が出版されているが,ここで取り上げる本書は,わが国に入ってきた当初からカウンセラーとして活動していた著者による回顧と展望,カウンセリングの枠組みを再考したものである。
 カウンセリングが注目され,現在は,その役割が益々高まっている。それだけ精神的に傷ついた人が多いことの現れである。本書を読めば,人に接する場合,教科書どおりに進まないことが示されている。苦労の多い職業であるが故に,自分自身をも見つめる必要がある。どの事例,研究でも言えることだが,悪戦苦闘や失敗から得られることが多い。この紆余曲折の経緯を記していることで,本書の価値は一層高まった。これからカウンセラーをはじめとする心理職を目指す人に加え,既に第一線で活動している心理関係の実務者,さらに精神科の医師などにも薦めたい1冊である。
 本書は3部で構成され,全体で20章にまとめられている。まず第1部では著者のカウンセリング歴を振り返ると同時に,ロジァーズの理論などを紹介する。つまり,わが国にカウンセリングが導入され,今日に至るまでの流れを解説する。具体的には,臨床心理士に関する事項,カウンセリングを実施するうえで重要な位置付けにあるロジァーズが唱えた三原則(共感的理解,受容−無条件の積極的関心,純粋さ)などを取り上げる。第2部はカウンセリングの枠組みに関し,著者の経験に照らして述べられる。カウンセリングにおける「種の衝動」と「個の状況」,転移と逆転移,またカウンセリングと癒しとの関連についても紙幅を割く。おとぎ話や夢などのキーワードを入れつつ,カウンセリングの方向性を考える。第3部では数々の雑誌などに掲載された論稿を集めている。様々な読者に向けて発信する。いじめ問題,中学生の登校拒否,大人になりきれない若者の姿などを紹介,また「きれいごとで感性は育たない」といった問題提起もなされている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本免疫物語

2000/12/26 15:25

生命維持に不可欠な免疫系について,著者長年の研究成果を平易に記述。免疫の不思議に迫る。医学生必携

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 生命維持に不可欠な免疫を扱った書物は多数,刊行されている。医学書から一般向けまで幅広く,遺伝子工学から病理学,さらにはストレスの観点から記述されたものもある。本書は遺伝子工学,ストレス,老化,脳との関係など,様々なトピックスを盛り込んでいる。各頁の本文の欄外に記された用語は免疫学の基本タームであり,医学部の1,2回生が読む際には参考になる。また,著者長年の研究成果が紹介され,免疫学の全体像とともに,その奥深さが感じられる。実験方法や結果が詳しく書かれ,生涯,研究に打ち込んでいる姿が目に浮かぶ。その意味では臨床医,研究者が原点を見直すうえでも有用な書である。
 15章構成で,前半の1〜6章で免疫学の導入部とも言うべき基礎事項が書かれ,胸腺,B細胞,キメラ,リンパ球などをていねいに解説している。7〜11章ではウィルスとの関連で捉え,免疫系との攻防を描く。また,発がんウィルスに関しても言及。12,13章でストレスと免疫について考える。14章は老化,最終章でクローンに触れ,生物の営みを眺める。
(C) ブッククレビュー社 2000

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MRSAを考慮した抗菌薬の適正使用に関するガイドライン,ならびに薬物療法全般に関する指針を示す

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 抗生物質をはじめとする薬剤が過剰に使われた場合,薬剤耐性菌の出現につながり,さらに効力のある薬剤開発,といった悪循環に陥る。また,さまざまな薬剤が開発され,相乗効果とは別に,飲み合わせが問題になる。薬剤性ショックを防止するためにも,医療スタッフ全員が薬剤に関する正しい知識を持つ必要がある。本書は,特に抗菌薬の適正使用に向けたマニュアルであり,関係者必携である。MRSAなどの最近のトピックスを盛り込む。
 本書は総論と各論部分に分け,ていねいに解説している。総論では抗菌薬耐性化,院内感染などの疫学,耐性誘導,抗菌薬の選択と投与計画など,種々の疾患の治療法に関係する項目が網羅されている。各論は臨床における注意事項を記し,特殊病態での抗菌薬療法(腎機能障害,血液透析時,肝障害,妊婦,MRSA感染症などでの特記事項を解説),ペニシリン系薬,セフェム系薬などの抗菌薬の特徴,副作用,相互作用,さらに疾患別に,HIV治療薬,抗結核薬,抗真菌薬の処方の留意点を記述し,全体的に内容が整理されている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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患者の意識が変化し,看護のあり方も変わりつつある。患者の出すサインをターミナルケアに生かす試み

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 近年,患者の権利が関心を集め,インフォームドコンセント,ターミナルケアなどのキーワードを踏まえ,患者が治療を受ける際の決定権が増大している。積極的な延命治療はしない,というケースが増え,ホスピスなどが注目されている。こうしたターミナルケアに関した書籍が数多く出版され,医療従事者から一般向けに至るまで多彩な書物が出回っている。
 ここで取り上げる本書もターミナルケアを扱っているが,類書と大きく異なる点は,通常では看護婦によって書かれるものが,ここでは医師,薬剤師,栄養士などの種々の医療スタッフが執筆陣に加わっていること,患者と接して得られた教訓を看護記録などから丹念に拾い,患者の立場に立脚している点,患者に接する際の心構えを自分なりの感想を含め,暖かい視点で描写していることなどである。読者の想定は医療従事者となっているが,記述が平易で,看護するうえでの留意点や反省点が具体的に述べられていることから,患者の家族が手元に置いても有効に活用できるものと思われる。
 本書は3部構成で,ターミナルケアの意味やキーワード,実際の看護で経験した事項を今後に生かすためのステップアップ・テクニック,第3部では患者に接して学んだ点を記述する。コンパクトにまとめられ,一気に読み進めることができるが,老若男女,さまざまな人生ドラマがあることに気付く。孤独な老人,小児病棟での闘病記,青年の望郷の念,どれもが読んでいて辛い。
 その中でも医療関係者は最善策を模索し続ける姿に共感を覚える。QOLの観点から,入浴介助は重要な位置付けであるが,ただ,お風呂に入れるだけではなく,一工夫する。季節感を出し,さくら湯(4月),ブナの若葉湯(5月),貝がら風呂(7月),ブナの紅葉湯(11月)といった具合に提案する。食事についても試行錯誤の例を示す。また,コミュニケーションの行い方など,基本事項も漏らさない。さらに口腔ケア,患者や家族との葛藤を盛り込むなど,類書にはあまり見られない記述が充実している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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クイズで読む不整脈

2000/12/01 21:15

看護で求められる不整脈に関する基礎的事項から,心電図の見方などをクイズ形式で記述。看護婦必携

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 医療技術の進歩に伴い,ICUやERなどでの治療行為が増大し,また,心臓関連の疾患が増加する中,看護婦が心電図に接する機会が多くなった。従来は専門医によって執筆された解説書が使われていたが,ここに看護で得た体験を踏まえた,看護婦による看護婦のための心電図に関する書物が出版された。こうした高度なモニター・チェック,バイタル・チェックは卒後教育で扱われるが,記述は簡潔に,しかも要点を押さえ,さらに理解度を試すためのクイズ形式の設問が掲載されているので,看護学生にとっても必要と思われる。
 本書は11章で構成され,心電図の見方,チェックにおける留意点,不整脈一般に関する知識をバランス良く盛り込む。まず,心電図の基礎事項を扱い,波形の読み方を中心に解説。以下,各症状別に,心室頻拍や心室細動・粗動,心房細動・心房粗動,WPW症候群,虚血性心疾患,薬物中毒などを取り上げる。また,術中の不整脈にも触れる。看護のポイント,理解を養う反復練習問題を掲載し,さらにニトログリセリンなどの薬剤にも言及する。
(C) ブッククレビュー社 2000

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