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小井土 有治さんのレビュー一覧

投稿者:小井土 有治

6 件中 1 件~ 6 件を表示

企業を活性化する「経営品質」の理念を応用して,行政の質の改善策と評価基準を提示

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 リンカーン流に皮肉をいえば,日本の行政は中央も地方も「官僚の,官僚による,官僚のための行政」かもしれない。公務員・行政は憲法で国民全体への奉仕者とされているのに,特定業界への利益代弁役になったり,主権者である国民,住民をないがしろにしたりしている例が少なくない。官僚(公務員)組織は自らのため肥大化したり,権限(規制)を強化したり,納税者負担を重くしたりしている。官僚が主役で国民,住民はわき役になっている。これでは本末転倒である。
 行政と政治の改革,つまり国民全体に良好なサービスを提供し,奉仕する仕組みをつくることが現在の日本の重要課題である。中央政府の省庁削減による新行政体制は,行政の簡素化,効率化とともに透明化,公平化を目指すものである。これは地方政府でも実現しなければならない課題である。知事など首長選挙での「住民の反乱」は,対住民サービス重視の行政への転換を求める現象である。
 行政は民間企業と異なって効率性は無視されてきたが,行政はコスト(税金支出)の軽減,対住民サービスの向上の視点が必要である。そのため効率性,能率も重要になる。本書は国民・住民の意識変化を踏まえて新しい行政モデルを考え,評価基準も提示しながら,住民のための「住民主導の行政経営」の実現を強く主張し,具体的提言をしている。
 基本は社会経済生産性本部の「経営品質」という考えであり,実際に推進しているのは自治体マネジメントセンターである。そのモデルは米国の顧客・住民本位経営の標準となるマルコム・ボルドリッジ国家品質賞(MB賞,1987年制定)である。行政経営品質には(1)住民・社会が決める品質(2)行政全体の品質(3)仕組みを継続的に改善する——があり,住民満足度の向上キーワードは分権・自立,公開・参画,簡素・効率である。これらが住民主導行政の基本との主張は納得できる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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自然環境も企業の利害関係者。企業の変革は自助努力では不十分と,企業をチェックする第三者機関設立を提唱

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 「従業員共同体」と言われたこともある日本企業が世界的なメガコンペティション(大競争)のなか壮絶なサバイバル競争を続けている局面で,重大課題として株主(ストックホルダー)への利益還元が浮上している。これまで株式の持ち合いや個人株主の経営への関心が余り強くなかったことなどから,経営者は企業の所有者である株主に対して十分な配慮をしなかった。そうしたことが,主要企業の株主総会が同日に集中したり,短時間で終了させる慣習につながった。ところが今,株主主権が叫ばれると一転して,パートナーだった従業員軽視ともとれる雇用削減中心の乱暴なリストラが横行しはじめている。企業のあり方,経営理念は大揺れである。
 企業のステイクホルダー(利害関係者)として脚光を浴びているのは株主だが,その範囲は取引企業,従業員,消費者,コミュニティー(地域社会),経営者と幅広い。これに加えて本書は「自然環境と政府」も挙げている。環境問題が重視されているとはいえ,「サイレント・ステイクホルダー」として自然環境を含めているのが注目点である。
 本書は,副題にあるようにビジネス・エシックス(経営倫理学)の立場からステイクホルダーの概念を明確にし,企業経営のあり方を論じている。「モラル・コミュニティとしての企業」「特殊なステイクホルダー」としての経営者の役割,環境など社会に責任を持つ「倫理的な投資」など興味ある問題を詳細に説明し,分析している。
 経済的成果だけでなく企業の社会的業績も企業評価(社会監査)の対象にすべきだ,というのが本書の主張である。新しいルールでの企業評価案として具体的な「評価指標」を提示している。特に自然環境への配慮では「人類以外の種の権利」「未来の世代の権利」などを挙げ,こうしたことの実践は企業の自助努力では不十分だとして,第三者機関を設置して企業行動をチェックすべきだと提言している。一読に値する。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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初代の伊藤博文から森首相まで,日本を動かした首相と政界の実力者たちの表と裏の顔

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 天皇主権の戦前と国民主権の戦後で大きな違いはあるが,日本の政治を動かした中心は,初代の伊藤博文から森喜朗首相までの55人の首相である。その周辺には首相以上の実力者群がいたし,現在もいる。有能な首相と,日本の運命に重大な暗い影を落とした首相など功罪は様々だが,その時代と背景が簡潔に要領よくまとめられている。政治を「職業」としている政治家の「表の顔」と「裏の顔」を知るのに最適の書である。活躍中の二世議員の親も登場する。1人につき3ページという配分なので気軽に読めるのがよい。
 本書の構成は「素顔の宰相」「実力者たち」「現代宰相論」の3章と歴代内閣総理大臣一覧。著者は朝日新聞政治部長も務めたベテランの政治ジャーナリストで,岸信介からは取材対象でもあったから,自分の耳目で確かめたものも多い。会ったこともない戦前の宰相たちは「闇の中を手さぐりで進むようなものだった」が,日本海軍を育てた山本権兵衛が,遊郭に売られてきたばかりの美少女に惚れて泥沼稼業から救い出そうと決意し,一夜ボートを漕いでこっそり連れ出し2年後に結婚した,というロマンスはうまく描けている。
 「平民宰相」の原敬が「普通選挙に反対した」というあたりは「本当かな」と疑問に思ったりするが,原は「主義として反対でない」が時期尚早論者だったという。ページの下欄に閣僚名簿があったり,落選議員や壮士と呼ばれた青年などの「院外団」などの解説があるのも参考になる。「歴代首相の苦闘のあとを歴史の中で追いながらいまの日本の政治を見ていると,その貧困さに思いをいたさざるを得なかった」というのには同感である。
 宰相論で紹介している古代ギリシャ・アテナイの宰相ペリクレスの「宰相の備えるべき資質」(なすべきことを見抜き言葉に出して説明しポリス(都市国家)を愛し金銭の誘惑に負けない)は現在でも通用する。
(C) ブッククレビュー社 2000

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日本を変えるには大企業,株式会社のあり方を変えなければならないとして,改革の方向,理念を展開

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 冷戦の終焉は20世紀を突き動かした社会主義イデオロギーの敗北であり,そこから「市場絶対主義とでもいうべき風潮が世界的に流行し」(本書),日本では規制緩和から推進され,中国では社会主義市場経済で改革・発展を図ろうとしている。著者は「市場経済の担い手が株式会社であることから,株式会社が絶対視され,株式資本主義が最も良い体制」という説に真っ向から疑問を投げかけ,「19世紀の古典的な株式会社と現実にある株式会社は似ても似つかない」と株式会社変質論を展開し,構造改革では大企業=株式会社のあり方を変えるべきだと主張している。
 著者は多くの企業論を発表しているが,日本の会社の終身雇用は従業員本位のものではなく,協力させるための手段であり,会社本位だと説く。また,法人による株式相互持合いは株式会社の原理に反し,株主の発言力の低下,株主軽視の経営になると主張する。 
 企業経営の問題点としては,第一に株式公開買付け(TOB)で会社が投機の対象になり,資本主義の基礎が崩れていくこと,第二に社内ベンチャー(子会社)が株式公開しても親会社が所有している全株式を放出しないこと,を挙げている。
 経営者の責任をあいまいにしかねない株式相互持合いは解消傾向にあるが,著者は株主資本主義にも問題が多いという。企業を活性化させるためのストック・オプションでは「自社の株価の動きが経営者の個人的利益に直接につながる。これこそまさに株価重視の経営,そして株主重視の経営になるというわけだ」と皮肉に解説。経営者によって「株価操作が行われるおそれがある」と問題点を指摘し,「株価が高くなることで経営者だけが儲かるというシステムはどう考えても公正なものとはいえない。それは資本主義の堕落という以外にない」と痛烈に批判している。
 株主重視が流行りの言葉のようになっているが,「株主とは誰のことか」という根本的な問いも重要である。現実的には個人株主には会社の所有者という意識がほとんどなく,株主主権でなく会社主権というのが著者の主張である。そこに無責任経営の素地があり,コーポレート・ガバナンスが必要になるが,大株主は持合いの相手企業のため責任追求は厳しくならないというわけである。
 書名に結びつく提案は従業員,労働組合によるLBO(相手企業の資産を担保に資金調達する企業買収)手法での会社買収,沈滞した共同組合の活性化,分社化は大企業からの完全独立化,反市場的な企業系列の解体,独占禁止法の強化,事業会社の株式所有の制限強化など多様である。「政官財の三位一体構造」批判に抵抗感のある読者もいようが,全体的に読みやすい文章である。 
 また,バブルなど内外の経済的な事象を随所で取り上げ,理論的にも多くの内外の学者の説を紹介しており,一般教養書としても活用できる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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テレワーキングと職業観

2000/11/15 21:15

IT時代の情報技術者は仕事自体を目的としており,特定企業に高い帰属意識をもたない

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 日本の経済革命のスローガンは「IT(情報通信)革命」だが,労働分野で注目されているのは情報ネットワーク・システムや情報技術の発展を背景に成立した新しい職業領域のテレワークである。本書ではテレワークを「事業主体の所在地とは異なる場所で業務が行われる,業務の遂行あるいはその成果の事業主体への提供に関して種々の電子技術や通信技術の利用が必須,もしくは重要である」と定義づける。テレワークは通常の雇用労働者と異なる就業形態で,SOHO(small office home office)など在宅就労であるため,内職との間に明確な線引きをするのは困難だが,必要な技能,職業観に違いがある。
 本書の主題は職業観,集団帰属意志である。インターネット上に開設したホームページに質問を掲示し,インターネットを通じて回収した対象者の回答や先人の研究を分析した。数量的分析はしていないが,回答者は20歳台の女性が最も多く,仕事は文字入力,プログラマーが最も多い。テレワークに副業的に従事している個人も少なくないという。「仕事はどんな意味を持っているか」に対する回答には「生活の糧」との表現が多かった。その背景には,職業を何らかの目的のための手段ではなく職業それ自体を目的と考える職業観が存在するという。しかし文字入力のような比較的簡単な業務ならテレワークでもこうした職業観は生まれず,内職との区別は難しくなる。
 「会社勤務とテレワーク。どちらの仕事が好きか」ではほぼ同数の回答。テレワーク好きは能動的自我意識が高く,自分の専門を重視する。「会社勤めに飽き足りない」個人,テレワーク専従者は今後も続けたいという回答が多いが,副業派には「収入面での安定性と時間的ゆとりのある仕事をしたい」との声もあった。テレワークでは対人コミュニケーション減少が問題だが,テレワーク従事者が地域との関係を深める行動をとるとの予測は外れた。
(C) ブッククレビュー社 2000

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悲観論が優勢ななかでグローバル時代に生き残る企業経営と雇用維持の条件を多面的に探る

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 1980年代は日本経済にとって「失われた10年」といわれるが,「プラザ合意」を契機に日本企業が本格的にグローバル化を進めた時期でもある。「米国の傘」が取り払われたプラザ合意以降,円高が急速に進展し,日本企業は生産拠点を海外に移転した。中小企業も海外進出し,産業・技術の空洞化,国内雇用の減少が懸念された。現にバブル崩壊後は景気が低迷,雇用情勢も悪化している。日本経済は再び復活できるのか。日本企業は息を吹き返し,雇用は拡大できるのか。悲観論が優勢ななかで,本書は今後も「企業活動が国際化し,生産活動も,国内外で再編成される傾向」は不変であるとしたうえで,グローバル化の「積極面」を読み取るべきであると主張している。
 特に,日本企業が積極的に海外展開する時期は終わったのではなく,最近の「整理一色傾向」のなかでも優良企業は海外展開を持続し,成長企業は「国内でも海外でも雇用を増大させている」ことを強調しているのは注目に値する。それは,本書が連合のシンクタンクの連合総研と学者グループの合作になっているためである。労組は国内雇用の安定,拡大を主張しているが,企業の海外展開が雇用にどのような影響を及ぼすかには当然着目している。
 本書は,そうした視点からの調査,研究成果をまとめたものである。海外展開を「分業」の視点でも分析,評価しているが,「海外で生産できる企業は,国内でも技術開発投資に熱心であり,技能労働や技師への需要を拡大している可能性がある」と指摘している。
 本書は,日本企業のグローバル化を柱にアジアとの関係,産業調整,技術革新,経営行動,中小企業の国際化などを雇用と関連させて多面的に分析している。海外進出企業への「誠実な対応の積み重ねと長い時間が必要」というアドバイスは的を射ている。労組の主張が前面に出た宣伝色の濃いものとは異質の著作である。
(C) ブックレビュー社 2000

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