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湯元 健治さんのレビュー一覧

投稿者:湯元 健治

2 件中 1 件~ 2 件を表示

為替介入の不胎化・非不胎化,量的緩和論など金融政策を巡って12人の論客が激しい論争を展開!

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 98年夏場から99年初にかけての日本経済は,金融機関の破綻や株価の暴落,金融システム不安のまん延など,まさに金融恐慌に突入しかねない危険の淵に立たされていた。こうした中で,日銀の金融政策に対する激しい論争が巻き起こった。「日銀は,日本経済が未曾有の危機的状況にある中で何もしていない」という厳しい批判が生じ,為替介入の非不胎化政策,長期国債の買い切りオペ増額などの量的緩和や,日銀による国債引き受けといった調整インフレ論まで現れるに至った。
 こうした批判に対して,日銀は99年2月に日銀の金融政策史上,あるいは世界で初めての実験ともいえる「ゼロ金利政策」の採用に踏み切った。さらに,99年4月には「デフレ懸念の払拭が展望できるようになるまで,ゼロ金利を継続する」という異例のコミットメントを行った。ただし,景気の回復傾向が次第に明らかになる中で,日銀は今年の8月に政府・政財界の反対を押し切って,ゼロ金利政策の解除に踏み切っている。
 本書は,日銀の金融政策のあり方を巡る学者同士,あるいは学者と日銀の激しい論争の過程を収録・再現したものである。本書の編著者である岩田規久男学習院大学教授は,日銀に対して量的緩和策を促してきた急先鋒であり,本書の第七章で国債買い切りオペの増額の必要性を強調している。全体的に本書の内容は,極めて専門性が高く,技術的な論点も含まれており,金融政策に余り精通していない読者には難解な部分も少なくない。
 しかし,論争の本質を一言で言えば,マネーサプライを政策目標として金融政策を行うべきであると主張する「マネタリスト」と,金融政策を実務的観点から捉え,伝統的な金利操作によって金融政策を行ってきた日銀サイドの理論的戦いともいえる。ゼロ金利政策の採用と,前述した異例のコミットメントは,伝統的日銀理論の枠組みの中で,日銀としてできる最大限の政策であったといえよう。
 興味深いのは,日銀の政策委員の一人である中原伸之委員が「物価目標付きマネタリーベース・ターゲティング」を今なお主張している点であり,日銀の中では異例ともいえるマネタリスト的立場を採っていることである。日本経済が曲がりなりにも景気回復に転じ,ゼロ金利政策が解除されるに及んで,マネタリストの主張は,極端な量的緩和論や調整インフレ論は影を潜め,「インフレ・ターゲティング論」にシフトしつつあるように見える。
 しかし,デフレ下における「インフレ・ターゲティング」の採用は,世界的にもほとんど例がなく,日銀は現段階での採用に極めて慎重な立場を採っている。両陣営の熱い戦いは,まだ終わっていない。金融政策に関心のある学生や経営者はもとより,一般のサラリーマンにも金融政策の本質とは何かを理解する上で,ぜひとも一読を勧めたい好著である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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わが国資産運用サービス業の主役と期待される投資信託の成長に向けた課題を多面的に分析

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 本書は,今後のわが国資産運用サービス業の主役と期待される投資信託の成長に向けた課題を多面的に分析したものである。執筆者は大阪大学大学院国際公共政策研究科における投資信託寄付講座の運営に携わったキャンパス・エコノミスト,実務家,法学者にわたっており,広範な学際的問題を抱える投資信託の分析という目的に照らして,まずはベストに近い人選といえよう。
 序章では,個人金融資産の趨勢的劣化という事実から,投資信託への期待は高まっているが,そのためには投信がリスクを伴う市場商品であるという事実が理解されなければならないとし,投資家教育と投資家保護のための金融サービス法の導入が必要であることが強調される。
 第2章では,わが国の投信需要が推計され,最適な家計資産のアセットミックスでは資産の約20%が投信によって占められるべきだとしている。この数字は現状の約3%よりかなり高い。言い換えれば,現状の投信は家計の期待に十分答え切れていないわけだが,その背景について,第3章以降で制度,運用成果,海外比較,税制等の多面的アプローチに立ち,学問的にも精緻な実証分析が行われている。とりわけ,投信のパフォーマンス評価に関するサーベイ論文である第7章の内容は,多くの読者の興味を引くものであろう。
 各章の詳細な内容は実際に本書を手にとって確認していただきたいが,全体的な印象を述べれば,本書は資産運用サービス業としての投資信託ビジネスに対するほとんどわが国初の本格的研究書であり,今後のこの分野における類書に決定的な影響を与えるものとなろう,という点に集約される。金融・証券ビジネスに携わる関係者には正に必携の一冊といえよう。株でいかに儲けるかというハウツウ本に食傷気味の「賢明な個人投資家」を自負される一般読者にもぜひ一読をおすすめしたい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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