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先月(2017年6月)

池内 了さんのレビュー一覧

投稿者:池内 了

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フェルマーの最終定理

2000/10/21 00:18

日本経済新聞2000/3/5朝刊

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 一六〇一年生まれのピエール・フェルマーは、権謀術数の政界を生き抜いた有能な役人であったが、困った悪癖の持ち主であった。新しい数学の定理を発見しては、自分の証明をつけずに数学者に送りつけ、できるものなら証明してみろ、と挑発することだ。天才フェルマーが出した問題だから、容易には解けず、数学者はイライラを募らせるばかりであった。かのデカルトから「大法螺吹き」と呼ばれたくらいである。フェルマーにとって数学は趣味だったから、問題は示すが解法を示さず、数学者をからかうのが一種のストレス解消法であったのかもしれない。
 ある自然数の二乗は二つの自然数の二乗の和で表される、というピュタゴラスの定理はよく知られている。しからば、ピュタゴラスの定理で二乗を三乗にしてもやはり成り立つだろうか。もっと一般的なべき乗のときはどうだろうか。その疑問にとりつかれたフェルマーは、二乗より大きいべきの場合にはそのような関係を満たす自然数の組はないと予想し、「この命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」と、思わせぶりなメモを残した。これが「フェルマーの最終定理」の発端である。以来、三百年以上にわたって数学者を悩ませてきた。
 本書は、フェルマーの最終定理に関わる数学の歴史を幅広く俯瞰しながら、一九九五年にワイルズによって解決されるまでの足跡を詳しくたどったものである。フェルマーの最終定理を解く鍵は日本の数学者が提起した「谷山=志村予想」にあったが、そこに至るまでに実に多数の数学者が挑戦した。それだけに、本書には著名な数学者のほとんどが登場し、数多くの興味深いエピソードを交えて数論の歴史が描かれているから、数学が不得手な人でも楽しく読める好著である。さて、現代数学の粋を集めた証明に対し、地下のフェルマーはどんな採点をしているのだろうか。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000

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