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先月(2017年6月)

横田紀子さんのレビュー一覧

投稿者:横田紀子

2 件中 1 件~ 2 件を表示

紙の本ヒトラー時代のデザイン

2000/11/08 17:50

デザインが語る黙示録的決意で死へ向かう意志の共有

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 第三帝国下のドイツで描かれたヒトラーのさまざまな肖像画からベルリンオリンピックや党大会、国防軍や親衛隊などのポスター、絵はがき、フランス国内向けのカレンダー、切手、偽造紙幣、ビラ、郵便貯金通帳、石炭配給カードなどの証明書、そして軍旗、勲章など、著者が長年にわたり集めてきた二百数十点を超えるコレクションを紹介している。
 とんでもないものもあった。ハーケンクロイツ、旭日旗、イタリア国旗を背景にした亡霊のような鎧武者が、海上で連合軍の軍艦をたたき切ろうとしている絵はがきである。しかし、本当に注目すべきは生活の隅々まで徹底的に浸透させたデザイン・プロパガンダ方法であり、そこに貫かれている第三帝国の「美意識」のようなものだろう。解説者はナチスの美学には死と滅びへの志向があるのは定説になっていると巻末で記している。確かにコレクションを眺めていると、戦意高揚というより黙示録的決意で死へ向かう意志の共有を促しているかのようだ。

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ポストITとしての重要な柱、ES細胞技術を分かり易く紹介

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 アメリカはポストITとしてバイオテクノロジーをあげている。その重要な柱がES細胞技術による製薬、移植ビジネスである。
 では、ES細胞とは何か。人間の受精卵は受精後約8週間で、特定の機能をもつ細胞へと分化していく。ES細胞はこれ以前の細胞の塊で、あらゆる組織や器官になる可能性をもち、無限に増殖していく。言ってしまえば胎児の素みたいなもの。この細胞を前にして、研究者の夢はひろがっていく。あらゆる臓器や組織がES細胞からつくれるのである。脳死者がいなくても臓器移植は可能になる、アルツハイマーの治療には健康な神経細胞を注入すればいい。そして、自分のES細胞から丸ごともう一人の自分をつくっておけばいくらでも移植はできる、頭のいい子供が産みたかったらノーベル受賞者のES細胞の神経細胞を移植すればいい……。もう引き返すことはできないのだ。
 本書は遺伝子技術の現状を紹介している。専門語が多く読みにくいところもあるが、それを飛ばして読んでも今、何が起こっているのかは伝わってくる。

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