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服部 昌久さんのレビュー一覧

投稿者:服部 昌久

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紙の本昭和金融恐慌

2000/10/13 00:15

昭和金融恐慌時の破綻銀行処理の受け皿となった昭和銀行の実態を明らかにした労作。今後与える示唆は大きい

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 本書は「昭和2年の金融恐慌の過程で設立された昭和銀行の活動をできるだけくわしく解明することを目的」としたものである。しかし,単に昭和銀行の活動のみではなく,金融恐慌を日本経済システムの構造的変化を媒介する重要な環として位置付け,その中で破綻した個々の銀行が果たした役割を,これら銀行のオーナーであった大資本家層の活動とともに明らかにしている。
 このような視点から書かれた本書から学ぶことは多いが,評者にとって特に興味深かった点は,「 III 休業銀行・被合併銀行の破綻とその原因」であった。わが国の銀行は,明治の創成期より,財閥グループの金融の要となる「機関銀行」としてグループ企業とともに発展してきた歴史がある。これら財閥に関連するもの以外の銀行も,そのほとんどが大資本家をオーナーとして,彼ら一族の関与する企業・個人への資金供給に注力するもので,「機関銀行」そのものであった。
 そして,同じ機関銀行でも,三井,三菱のような一流財閥系のものは破綻を免れただけでなく,金融恐慌を機に規模を拡大させたが,二流財閥の設立した銀行は,融資したオーナーの同族企業の業績も不振で,貸出の固定化に悩まされ,破綻に至ったのである。
 近時の金融危機下での銀行破綻を見ると,特に地域金融機関については実質的なオーナー銀行的色彩が強く,同族企業への融資が多額に及ぶ例が多い。2000年8月には異業種の銀行参入のための免許審査・監督のためのガイドラインが示されたが,銀行法の空白を埋める意味はある。しかし,事業親会社が子銀行を,自己の経営戦略の一環として活用することは,たとえ子銀行から融資を受けていなくとも,子銀行の機関銀行化を意味するもので,昭和金融恐慌時と同じ危険性を内包することになる。金融システムの健全性を確保するために過去の教訓を生かすとすれば,先のガイドライン,さらに銀行法を改正し,銀行と事業会社との株式の所有・被所有関係を見直し,名実ともに機関銀行の発生の可能性を絶つべきであろう。
(C) ブックレビュー社 2000

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