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堀出 一郎さんのレビュー一覧

投稿者:堀出 一郎

3 件中 1 件~ 3 件を表示

米国の現代ビジネスに重要な役割を演じた著名人の事蹟をたどり,経営実戦,経営思想の核心を簡明に解説

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 おびただしく出版される経営書のなかから,実務家,学生・研究者の双方に役立つ良書を推薦せよといわれても,即答は困難である。ビジネスで活躍する実務家は,すぐに役立つ実務書(ハウツー書)を求めるだろう。一方,実務経験に乏しい学生・研究者は,実務書より,体系的な理論書を好むだろう。両者にふさわしい書物となれば,探し出すのが容易でない。本書は,そういう意味で,実務家,学生・研究者の双方に役立つマネジメント書として,貴重な良書である。是非とも一読を薦めたい。
 本書は,2部で構成される。第1部では,アメリカ企業の革新者(イノベーター)として,業界別に,電気のエジソン,鉄鋼のカーネギー,自動車のフォード,通信のベル,金融のモルガンなど,14人のイノベーターを取り上げる。各人ごとに,その生い立ちから業績をあげるに至るまでのプロセス,さらに,その経営成果を,簡潔な解説と評価により,手際よく取りまとめる。アカデミックな水準を維持しながらも,文体は平易で読みやすく,かつ,人物一代記としても,読み応えのある良書である。したがって,実務家には,自らの経験と照合しても納得できる実務参考書,一方,学生・研究者にも,経営史に残る著名なイノベーターの生い立ちと業績を知るための最良の参考文献といえよう。
 第1部が,業界別実務家中心の経営史であるのに対し,第2部は,現代マネジメント思想の先駆者を中心とする経営管理史(マネジメント理論史)である。科学的管理法のテイラー,組織論のバーナード,動機づけ理論のマズロー,リーダーシップ論のマグレガー,品質管理論のデミング,大御所ドラッカー,さらに,日本における産業能率研究の先駆者上野陽一,トヨタのジャスト・イン・システムの創始者大野耐一を含み,総勢16人に及ぶ著名なマネジメント思想家がきら星のごとく相並ぶ。
 したがって,読者は,人物史をたどりつつ,知らず知らずの間に,そのマネジメント思想の核心に触れることができる。どちらかといえば,理論よりも実践を優先する実務家にとって,人物分析は,何よりも経営上の最大関心事である。生気に乏しい経営理論書に比べ,実在人物中心の第2部は,実践本位の実務家にも,抵抗感なく手に取れる経営理論書といえよう。
 一方,学生・研究者にとっては,どうだろう。分野別に精選した人物史の通読により,能率,組織,動機づけ,リーダーシップ,品質,マネジメント思想など現代マネジメント理論の最重要課題を,体系的に学習できる。
 実務体験に乏しい研究者の手になる砂をかむような抽象的なテキストに欠ける臨場感を味わうことができる。同時に,現代ビジネスの創成発展に重要な役割を演じた革新的なマネジメントイノベーターの事蹟を通して,経営実践,経営思想の核心を習得できる最良のマネジメント書である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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第二次世界大戦の英雄パットン将軍に学ぶ強烈リーダーシップの教訓。無敵戦車軍団の秘密に迫る珠玉の語録

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 リーダーシップは,平常時・安定管理型と激動時・革新創造型に大別できる。いま,わが国の指導者に求められるリーダーシップはどちらだろう。いうまでもなく,後者,革新創造型リーダーだ。この激動の時代には,過去の経験,通念にとらわれず,創造的な現状破壊力を自在に発揮できる強力な革新創造型リーダーシップが強く求められる。
 さて,現状はどうだろう。たとえば,政治分野におけるリーダーシップ。派閥ボスの協議で選ばれた総理に負い目があるのは理解できる。しかし,その選んだ派閥のボスに振り回され,言いなり放題の総理。激動時に要請される革新創造型リーダーシップに欠ける最悪見本だ。
 一方,本書の主人公,パットン将軍は,異常といえるほど強烈なリーダーシップの持ち主だ。病院に部下を見舞い,部下の患者の一人に暴力を振るうという西部劇張りの人物。それにしても,恐ろしいほど激しいリーダーシップの持ち主であったことは,この一事に明白である。
 本書の解説・推薦は異色だ。推薦者の一人コーエン教授は,パットン将軍の指揮者としての才能を認めると同時に,その偉業を軍隊以外の組織に応用するに当たっての難点を危惧するが,総合点としては,軍人以外のすべての指導者にも役立つ指針と,本書を高く評価する。また,解説者日下公人さんも,最高指揮官に要求される政治的配慮の欠如を厳しく批判し,戦争から引き出される教訓を一面的に描き過ぎると指摘するが,パットン将軍の発揮する現場の英知に高い評点をあたえ,バブル崩壊後の悲観的な日本企業にとっては良薬と総括する。
 問題は本書のもつ同時代性だ。わが国の指導者にいま何が欠けるか。それは,いうまでもなく,政治,経済,教育など,すべての分野における強いリーダーシップだ。独裁,専制は,断固と排除すべきだが,バブル崩壊により自信を喪失した国民に必要なのは,進路を示し,未来に明るい希望のもてる革新創造型リーダーの出現だ。評者も,パットン将軍の政治的音痴は二の次におき,その強力なリーダーシップを高く評価する。ぜひ一読をお勧めする。
(C) ブッククレビュー社 2000

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企業倫理確立の最善策は,強力なリーダーシップの下で,「誠実さ」を備える企業組織を構築すること

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 日本経済を震撼させた一連の経済不祥事の嵐も,ようやくその勢いをひそめつつある。しかし,その根底に沈潜する根本原因が解明されない限り,今後も同じことが起こるだろう。過去にも同じような事件があった。1925年,いまから75年前,大蔵大臣,日本銀行総裁を歴任した井上準之助が,当時の金融不祥事について「日本の有識者,ことに銀行界の人が非常に態度が悪かったのです」と嘆いた話は有名だ。
 今回の不祥事でも堅実経営を自負する金融界の首脳が,そろって司直の裁きをうけた。トップ経営者といえば,一流大学の卒業生で,社会的にも尊敬されてしかるべき人物とみるのが世間の常識だ。もちろん,家庭でもよき父親,また,個人としても道徳的に欠点のない人物であろう。しかし,そういう立派な人物がいったん企業人になると,不祥事を引き起こす。なぜだろう。本書は,多彩にわたるハーバードのケースを駆使して,企業倫理確立のための有力な手がかりを提供する。
 著者のペイン教授は,企業倫理戦略への2つのアプローチ,すなわち,法律順守戦略と組織の「インテグリティ」戦略のうち,後者の重要性を強調する。「インテグリティ」は「誠実さ」と訳されるが,著者は「インテグリティ」を単に正直さだけに限定しない。自己管理,責任感,道徳的健全さ,原則への忠実さ,堅固な目的意識などの質の高さに関連する広い意味に拡張する。明確な目的,責任感,理想を抱く経営者が,いかにすれば自己管理の徹底した組織を構築できるかが中心テーマだ。
 著者は,企業組織に「インテグリティ」があれば,企業と個人の間にみられる「インテグリティ」のギャップは解消できると強調する。不祥事を企業組織自体の問題ととらえ,組織に「インテグリティ」があれば不祥事を防げると考えるのだ。個人主義思想の強い米国では,組織内の不祥事を防ぐために,まず組織内での個人の行動に対する規制を強化する。禁止事項,順守事項を枚挙し,組織内における個人の不正防止をはかる。しかし,ペイン教授の考え方は別だ。組織自体に不正への抑制力を高める仕組みを作る提案だ。早く言えば,「インテグリティ」をもつ組織風土への体質改善である。誰がその旗振りをするか。ほかでもない。強力なリーダーシップを発揮する経営者である。
 わが国でも,働く個人の道徳性はともかく,組織自体が不祥事を起こす。個人として道徳的に立派な人物が,企業人となれば,人格が変わり,企業のためなら,個人的に不正とみられることでも平気でやってのける。組織への忠実性が,個人の道徳観に優先するのだ。しかし,経営者が社会正義を尊重する精神の持ち主であれば,話は別だ。「インテグリティ」に強い企業に生まれ変ることができる。したがって,社会正義感の強い人物を経営者に据え,強力なリーダーシップの下で,「インテグリティ」を備える企業組織を構築すること,それがポイントである。ぜひ一読をお薦めしたい。

(C) ブックレビュー社 2000

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