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エーミールさんのレビュー一覧

投稿者:エーミール

93 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本狐笛のかなた

2004/07/07 15:01

夕暮れの野で小夜は、犬に追われている傷ついた子狐を助けた。小夜は12歳。夜名ノ里のはずれに綾野ばあさんと2人で暮している。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 これはいつの時代の話だろうか。武士の時代、忍者ならぬ呪者が活躍する頃のこと。春名ノ国と隣国湯来ノ国は親の代からの国境の水源地若桜野の領土争いを続けていた。湯来ノ国は呪者をさかんに使っていた。その呪者は、<あわい>(あの世とこの世の間)で生まれた人間とも狐ともつかない狐を孤笛を使って<使い魔>にして仕事をさせていた。主人公の小夜は両親を知らない。取り上げばばの綾野ばあさんと村はずれにひっそりくらしている。この小夜が、実は人の考えを読み取ってしまう<聞き耳>の才を母親から受け継いでいた。<あわい>にも入れる力を持っていた。ある日、小夜は野で追われている子狐をかばって助ける。そして、森ノ奥の隠れ屋敷に住む少年に出会いかくまってもらう。狐は<使い魔>だった。小夜と少年と狐の出会いがその後のそれぞれの運命を変えていく。
 どんどんひきこまれていって、途中ではやめたくなくて一気に読んでしまった。すっかり、この世界に入ってしまって<あわい>も<使い魔>も実際にあるかのような気がしてくるし、小夜や狐の野火、少年小春丸ばかりでなくそれぞれの登場人物の気持がしみこんでくるような切ない気持になった。
 読んだ後、なんともロマンティックな気分になる本だ。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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ピラミットのてっぺんから見渡しているような気持ちにさせてくれる壮大なファンタジー。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 古代エジプトを舞台にしたファンタジーなんて、これまであったでしょうか? それも児童文学で。世界七不思議の中で、たった一つ現存する、ピラミッドをテーマにしたファンタジーです。この作家は、巻頭に「用語解説」をつけなくてはならないほど当時の用語や風習を盛り込んで、史実とファンタジーを絶妙な配分で混ぜ合わせて物語を作り上げています。読み進むうちに、そこに生きて動いている人間を活き活きと感じ、ファンタジーの不思議さも自然の感覚のように受けとめているのに気がつくことでしょう。
 読んでいて最初のうちは、なかなか古代エジプトにワープできないのですが、読み進むうちに、セヌとその分身レッドのやりとりにもなれ、エジプトのあの土をふんでいるような気になってきます。そして最後には、ピラミッドのそびえるところに、光と風を受けて堂々とたっているような壮大な気分になりました。
 主人公はまわりの子どもたちより子どもっぽくひ弱な感じすらするセヌという男の子。レッドは、セヌの分身でカーといわれる有形の魂のこと。セヌとレッドの結び付きはほかの子どもの場合より特別強いという設定です。カーは、子供時代にはだれにでもついていて成長するにつれて分離してしまい、大人は寝ている時にしか自分のカーとは交流できないのです。カーとカーは交流することが出来ます。カーはこの物語ではその人間とそっくりな透き通った人間の姿をしていることになっています。この物語にはリオネットという気が強くて頭の良い女の子も出てきて、セヌとともに活躍します。
 クフ王のピラミッドの盗掘、つまり墓荒らし計画をすすめることが話のきっかけとなっているのですが、そんなみみっちいことで話がすすんでいくなんてという考えが頭にチラチラしたのですが、それがとんでもない思い違いで、と思った時には、ドーンとスケールの大きなところへ転がり出て国家的規模の陰謀へと結び付いて行くのですが、面白いこと面白いこと。ファンタジーって、やっぱり面白いなーと思いました。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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竜の騎士

2004/07/07 15:08

竜の伝説がいまよみがえる!竜のパラダイス<空のはて>はどこにある?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ファンタジーも数々出ているけれど、なんだか同じような感じで、と思っている方も多いのでは?でも、この作品は一味違うファンタジーです。えっ!でも、竜がでてくるんでしょ?じゃあそう変わらないんじゃない?———いいえ、竜が出てくるファンタジーでも人間が主人公というのがほとんどだけど、これは、竜が主人公なんですもの。だから、動物ファンタジー?最初の部分は確かに動物ファンタジーによくある設定かもしれません。でも、竜って、単純に動物といっていいのかな?だめですよね。
 ともかく、竜、コボルト、ホムンクルス、バジリスク、……伝説の生き物が次々とでてきます。伝説の生き物ってこんなにいろいろいるのだと興味を持ってしまいます。人間ももちろん出てきますが。
 ストーリーとしては、本の帯などにも書かれていますが、簡単に言ってしまえば「自分の居場所を求める旅」といえるでしょう。竜たちが自分たちが安心していられる場所を探さなくてはならなくなって「旅」をすることになるのが発端。そこに伝説の生き物や竜たちのユートピア<空の果て>伝説が、竜にひかれるようにその姿を現し、竜にかかわってくるのです。読み進むほど、どんどんひきつけられていきますよ。
 作者フンケは、この作品で、チューリヒ児童文学賞、ハイデルベルク・ブレーメンなどのドイツ各市の児童文学賞を受賞しました。日本でも『どろぼうの神さま』が話題になり、フンケはこの作品で国際的に評判となりました。ドイツでの出版は『竜の騎士』の方が先、つまり今回の作品が第一作目なのだそうです。最初はイラストレーターとして児童文学にかかわったということで、挿絵も作者の手になるものなのもスゴイ。
 ストーリーを書いてしまうと読む楽しみを奪ってしまうので書けませんが、読み終わると「ああ、竜に会いたいなー」と思うことでしょう。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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11の声

2004/07/07 15:07

アメリカ北部の小さな町に住む11人がそれぞれの言葉で語り、一つの事件を浮き彫りにする。詩のような小説。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 小説の形式としてとても面白い。以前、有吉佐和子作の『悪女について』(だったと思うが)というのが、こういう形式で評判になったことがあったのを思い出す。一見地味だけれど、ドラマチックな構成だ。役を決めて読んでいったらどうだろうか。
 注目すべきは、この作品が11の声で浮かび上がらせたかったテーマの温かさだろう。
 いや、温かさと単純には言えないのかもしれない。でも、次第に、少しずつだけれど差別や偏見が考え直され、かたくなな心がゆるんでいくのがわかる。それには、アフリカ系アメリカ人の少女レアノラ・サッターの落ち着いた、その年齢とは思えないほどの考え方と勇気ある行動によることが多いのだけれど。
 小さな町にも様々な人が住んでいる。ひとりひとり、人間ってどうしてこんなに人様々というほど違うのだろうか。でも、いいこと悪いことは皆が同じようにわかっているはずと思う?それが大間違い。それはなんて悲しいことだろうか。でも、価値観の違いとして片付けられてしまうこともある。それを問題から目をそらさずに、こういう形式で、一見おだやかに、そしてあざやかに、考えさせるものとしてまとめあげたこの作品は、素晴らしい。
 現在のアメリカでも差別や偏見はなくなっていないが、この作品で1920年代の小さな町を舞台にしたのは、声高に訴えるというよりは、考えているうちにじわーっと伝わることを目指したからなのだろうか。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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あなたを不思議な空間へ誘うマジックショップシリーズ。不思議体験しますか?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 どこもかしこも知らないところなんてないと思っていた自分の住んでいる小さな町で、ふっと見たこともない歩いたこともない通りに出て、見たこともない入ったともない店を見つけたら、どうしますか? 入ってみますか? やめますか?
 このシリーズは、その不思議な店に引き込まれるように入ってしまった人(子ども)の物語なのです。その店というのは、イライヴズのマジックショップ、店主はおじいさん。店には、剥製のようなふくろうがいて不気味な低い声でホーと鳴き、行った人はそれがまるできめられていたことであるかのように、品物を買ってしまうのです。
 買った品物(生き物)との出あいが、さまざまな不思議な事件を引き起こすきっかけとなります。そう、あのマジックショップに行ったのが、不思議の始まりだったのです。
 第1弾の主人公ジェニファーは、イライヴズのマジックショップでヒキガエルを買います。そのヒキガエルは、言葉を話す不思議なヒキガエルでした。それもかなり口の悪いヒキガエルで、それがユーモアがあって、なかなか面白いのですが…。おまけに、このカエルにキスをされるとされたほうもカエルになってしまうという魔法のヒキガエルでした。このヒキガエルに生活をかきまわされて、ジェニファーは大変な目にあいます。そのなかで、自分がブスだと悩んでいたことや兄のいじわるや弟のやんちゃに困っていたことやクラスメートの美人でいじわるなシャーラがきらいだったことなどが、面白おかしく解消していきます。いっしょに大騒ぎして過ごして面白かったねーと思わず言いあってしまったときのような読後感の不思議で楽しい本です。
シリーズ第2弾の『ジェレミーとドラゴンの卵』も同時刊行。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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ストラヴァガンザとは、時空を超えて別の世界へ旅したり戻ったりすること。パラレルワールドの面白さを味わえます。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 長編ファンタジーです。3部作で、イギリスでは既に第2部は出ていて、第3部は2004年に出るのだそうです。
 ストーリーは、現代のイギリスのロンドンに住む15歳の重病の少年ルシアンが、父親が病床でメモするためにと持ってきてくれたマーブル模様の手帳の力で、16世紀のベネツィアそっくりのベレッツァという美しい都市へ時空を超えて行き来できるようになるというものです。しかも、ベレッツァにいる時、病気はすっかり治っていて心踊るような冒険をするのです。
 この第1部だけでも、ストーリー展開をしっかりと楽しませてもらえます。3部作であると知らなければ、これで終わりでも納得してしまうエンディングです。でも、あと2冊あるとすれば、それはまた、どうなっていくのだろうと楽しみでなりません。

 この物語の舞台ベレッツァは、独特の雰囲気を持つ都市ベネツィアをモデルにしているのは明らかです。風景や建物などは、ベネツィアとそっくりです。が、ベレッツァは、その統治体制も独特で、女性のドゥチェッサ(女公主)が治めています。その微妙な類似が、パラレルワールドを複雑にしています。ただ、少年の現実の生活の場の描写は、家庭の両親や医者とのやりとりに限られているので、読者は、ストーリーの中で少年が行き来しているイギリスとべレッツァというパラレルワールドよりは、ベレッツァとベネツィアというパラレルワールドをごく自然に同時に思い浮かべながら読んでいるのではないでしょうか。それが、この作品の不思議さを深いものにし、厚みを持たせることにもなっています。
 
 この本の表紙は、イタリアのマーブル模様ですし、ベネツィアの仮面を思い起こさせる仮面になっているところなど凝っていて面白いと思います。
 この厚みとストーリー展開、それに主人公の15歳という年齢設定を考えてもYA以上向きの作品です。読み進むうちに、思わず知らずベネツィアという都市にも興味がつのってくることでしょう。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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魔術師と悪魔がどっさり出てきて、政治的権力争いがおどろおどろしく展開し、目の前で魔術師たちの争いが繰り広げられる新ファンタジー。

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 魔法の出てくるファンタジーなのだが、これまでになかった世界を創りあげている。あらすじは、次のようなもの。
 今や魔術の中心はプラハからロンドンへと移った。首相をはじめとして政府の要職は魔術師達が占めている。それに対する一般人の反対勢力もあるが、魔術師たちは、その強力な呪文で使い魔としての様々な種類の悪魔を妖霊界から呼び出して身を守っている。
 そういう中で、ひとりの魔術師見習である十二歳の男の子ナサニエルが、師匠に隠れてバーティミアスという悪魔を召喚する。ナサニエルは才能のある子だったが、そのむこうみずさによって、やがて政治的陰謀に巻き込まれていく。
 ナサニエルに召喚されたバーティミアスは、5010歳の中級レベルの魔神。なかなかしたたかなベテランの魔神で、皮肉なことを言いながらも主人の命令に従わない訳にはいかないのだ。だが、ナサニエルの大胆さと頑固さと善良さにバーティミアスの様子にも変化がでてくる。
 これは、「バーティミアス3部作」の第1部。イギリスでは大ヒット中だ。どっしりとした厚みがあり、読みでがあって、12歳の少年が活躍するのだが、どちらかというとYA向きだろう。活字はそんなに小さくはないしルビも多く付けてある。脚注という形で、バーティミアスの心の中のつぶやきを表現している。魔法の分野ではあるけれど、これまでになかった世界を創りあげていて面白い。登場人物の個性もはっきりと描かれている。世界21ヶ国で出版され、アメリカで映画化されるというのにもうなずける。
あなたは自分をこの物語の誰に沿わせて読んでいくのだろうか、ナサニエル? バーティミアス?

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本竜退治の騎士になる方法

2004/07/07 14:58

えっ何?竜退治の騎士になる方法なんてあるの?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 夕暮れの学校で起こった不思議な事件。ファンタジーと言えばファンタジーなのだが、舞台は学校で、6年生のぼく(康男)と幼なじみの優樹というとても身近な等身大の2人が主人公であるところが、この作者らしいところだ。
 この作者は子どもの気持ちがよくわかっていると、作品を読むたびに思う。会話も面白い。設定も面白い。
 ところで、なんで竜の騎士になる方法なんてのが急に出てきたのだろう。いえ、急にということはない。これまでの作品を読んでいれば、特に不思議はないのだ。学校を舞台にした不思議な話というのも、この作者らしいところなのだ。この作品も、岡田淳ワールドとでもいうような独特の世界だ。今回は、どういうわけか関西弁でかかれている。言葉遣いの面白さ、言葉へのこだわりも、この作者の魅力の一つなのだが、今回は、会話の声の大きさを指定してあるのも面白い。声に出して読んで見るとまた違うのだろうか。

 ストーリーは、夕暮れの学校に忘れ物を取りに行った6年生の2人が、竜退治の騎士にであうというもの。竜退治の騎士に興味を持った優樹が、竜退治になる方法を尋ねると、その人はなんと<トイレのスリッパをそろえること>といったのだ。これ以上言うと、読む楽しみをうばってしまうのでやめておく。このストーリー展開が独特で、それもまた、岡田淳ワールドとしか言いようのないものなのだ。よくよく考えると、教訓的なテーマも感じられるけれど、読んでどこまで考えるかは、それぞれの自由ということだろう。
 言葉遣いの面白さ、ストーリー展開の手品のような面白さ。読むととりこになってしまう独特の世界。さあ、あなたもどうぞ!

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本フラワー・ベイビー

2004/07/07 15:12

1993年カーネギー賞作品。男子校の4−Cクラスで、理科のプロジェクトとして、小麦袋でできたあかちゃんを3週間世話して育児日記をつけることになるが…。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 その男子校の4−Cクラスは、問題児ばかりを集めた落ちこぼれクラス。学年初めのサイエンスフェアのテーマを決めるのも、やる気のないこの子たちにはむずかしい。字もまともに読めない子もいるのだ。それでも偶然が重なって、小麦粉のはいっている袋を赤ん坊とみなして3週間世話をして育児日記をつけるという<フラワー・ベイビー>プロジェクトをやることに決まる。
 4−Cクラスの中で、サッカー選手で背が高く腕力もあって勉強嫌いのサイモン・マーティンは、小麦粉爆弾として使えるのを楽しみにそのプロジェクトを選んだつもりだったが、赤ん坊の世話のまねごとをしているうちに、自分が生まれてからたった6週間で家を出ていってしまったという父親の気持を考えるようになる。
 この作者には、離婚をあつかった作品が多いのだが、これもそうした家庭の子どもの気持をていねいに描いている。それと同時に、学校の先生たちの様子や学校のあり方も考えさせられる。いわゆる落ちこぼれの子にもいろいろなタイプがあって、なにかをきっかけとして自分を見つめたり、自分に自信が持てるようになったりすることもあるということ。人の生き方は、一様ではないのだということ。自分自身を見つめ考えていくところから、他者への思いやりを持てるようになっていくのだということ。そんなことをあれこれと考えてしまった。
 サイモンを中心に描いているが、クラスのそれぞれの子の育児日記を読む場面もあり、幼いところもあれば、ふてぶてしいところもあり、素直な面や真面目なところもあるその年頃の少年たちの揺れ動く心がよく描かれていて、面白い。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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あの絵本でおなじみのクラリス・ビーンが、面白い読み物になったよ!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 あれ? これって絵本じゃなかった? そうです。あの絵は印象的でしたものね。あの絵が挿し絵としてたっぷり入って、横書きのソフトカバーの読み物になりました。
 ストーリーがないんじゃないかって? それがなかなか面白いのですよ。学校にウィルバートン先生というきびしい先生がいるのだけれど、本についての研究発表という課題をだして賞品をだすというので、クラリスもけっこうはりきって取り組むというもの。クラリスと友達のベティ・ムーディはお気に入りのルビーという11歳の少女探偵が主人公の探偵小説「ルビー・レッドフォード」シリーズを取り上げようとはりきっちゃうのだけれど、ウィルバートン先生は気に入らないからいろいろ文句をいわれて大変。それでも、クラリスは頑張ってまとめるのです。「ルビー・レッドフォード」の文章もいっぱいでていて(このストーリーも作るのだから作者は大変ですね)、クラリスはルビーと自分の生活とを比べたりしています。クラリスは、このシリーズの本をおばあちゃんにもらってから「本の虫」になってしまったんですって。
 読みかけのときにはさんでおく紐(しおり)が、この本のは凝っていてクラリス・ビーンと書いてあるピンクのリボンなのですよ。
 なんだか、クラリス・ビーンのイメージをそのまま本にしたみたいな本です。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本春よこいこいホーホケキョ

2004/07/07 14:50

山の学校の1年生が春迎えの行事をします。それはそれは楽しい日。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 陽ざしも明るくなる頃、節分と立春がやってきます。これは、ある山の小さな小学校の1年生のお話です。モデルがあるようですが、はっきりとはかいてありません。節分に、しろいんげんに家族の顔を描いておじぞうさまにおそなえして「かぜかみおくり」とすることや、鬼のお面を作ってかぶって鬼宿にいってもちつきをしたりでんがくを食べたり、まめまきをしたりするとのこと。次の日の立春も楽しくて、前の日にもらった鬼の角にみたてたポップコーン用のコーンで、ポップコーンを作るのです。梅の枝にポップコーンをつけて梅の花にみたてたりもします。
 古い歴史のあるやりかたではないようですが、地域とむすびついた行事で、春を意識して迎えるこの子ども達は、楽しそうだし春を迎えることがこれでよりいっそう楽しくなるだろうなとおもいました。この子たちはいいなとうらやましくなりました。読むだけでも楽しいのですが、このアイデアを借りて遊ぶことも出来そうです。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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やったね、ジュリアス君

2004/07/07 15:10

ちょっと気弱な12歳のノッポの男の子ジュリアス。夏休みに母親の命令ではじめたフランス語の特訓とベビーシッターのアルバイトで大変!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 主人公ジュリアスは、なんともおだやかな男の子。なんだか母親が強くてジュリアスがかわいそうな気がしてくる。それでもジュリアスは母親をなんとか喜ばしたいと思っている。結果的には母親の「命令」がきっかけつくりとなって良かったのだけれど、こういう母親ってどうなのかなと、考えてしまう。
 この物語は、等身大も等身大という感じの男の子ジュリアスが主人公。変わった人が出たり変わったことがおこったりするわけではない。でも、日常的な地味な努力と自分で考え自分で工夫し努力するということの積み重ねが、丁寧に描かれていて、それはそれなりに、とても好ましいし面白い。
 ベビー・シッターのアルバイト先の3歳の男の子エジソンの様子も、その母親の反応も地味な描き方だけれど、こういうことってあるなと思ったりして、とても面白い。
 教育的といえば教育的なストーリーかもしれないが、母親のいいなりにものごとをすすめていってうまくいったわけではなく、ささやかだけれど、ジュリアスが自分の力で手に入れた成果は何物にも変えがたい。さわやかな気持ち良さが残るストーリーだ。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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再び氷河期を迎えた地球の苛酷な世界を生きる、少年ケルと仲間たちを描いた、近未来SF冒険ファンタジー。

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 独特な近未来を描いて見せてくれる作品です。三部作で、2は「STORM(雪嵐)」、3は「THAW(雪解け)」(両方とも仮題)という予告が出されています。

 地球は再び氷河期に入り、地上で暮らせなくなった人類は、人工的に環境を整えた地下の巨大な領地で生活しています。
 そこは、平和ではありましたが、オールマザーと呼ばれる全能の女神の支配のもとに統制され、個人の生活も全て決められたやりかたで統制されて秩序を保っています。
 でもケルは、外の世界が本当に存在するのか、知りたくてたまりません。やがて、反逆者といわれる、同じように「疑問」を持った人たちと出会い、苛酷な冒険の旅へ出かけることになります。
 以前、近未来をテーマとした児童文学でロイス・ローリー作『ザ・ギバー』というのを読んで非常に印象深く、興味深い作品だと思ったのですが、この作品は、その続きのように思えるところがあります。少年が主人公で、ある特殊な能力を持ち、現状の一見平和で統制のとれた生活に疑問を持ち、他の世界が存在するのではないかと考え、脱出をはかるというのは共通しています。ギバーの方は、脱出した後の世界についてはほとんど描かれていないのですが、こちらは、脱出した外の世界が今後の二、三部でも描かれるようですから、そちらを描くことに力がはいっているということでしょう。
 未来を描いているものの新天地を求めて新たに生活を築いていくわけで、原始の物語とも共通するところがあるのは、面白いところです。
 さて、三部まであるというこの物語の冒険によって見出されていく失われた地上の生活とは、いったいどんなものなのでしょうか。もういちど氷河期を迎える前までに地上で人類はどんな生活を築いていたのでしょうか。作者が描いてくれるそれらの生活を見せてもらえるのを期待して待つことにしましょう。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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あのプロイスラーが集めたドイツやそのまわりの地域の昔話です。今回は宝さがしに関するものを13話。

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 『おおどろぼうホッツェンプロッツ』『小さい魔女』などで親しまれているプロイスラーの昔話集と聞くと、ワー読んでみたいと思いますよね。原書は、1988年に出ているのですよ。そして、今回は第1巻で、どうやら第3巻まであるようです。13話にしぼってあって、1話ずつに、プロイスラーによる前置き?解説?のようなものがついています。それによって、13話になんとなくつながりができて、全体としては、今回は宝さがしがテーマになっています。
 昔話集もいろいろありますが、これはなんだかプロイスラーおじさんにお話をしてもらっているような雰囲気の本です。のんびりゆっくり、前置き?解説?の部分もまるごとお話してもらっている感じで読んでいくと、楽しそうです。
 プロイスラーの『クラバート』は魔法使いの修行をする話で、長編ですが、かなり昔話を織り込んであります。ミステリアスでちょっと怖い話でとても面白いのですが、今回のこのシリーズは、そうした作品とあわせて読んでみると、またいろいろな発見があるのではないでしょうか。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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紙の本ヘラジカがふってきた!

2004/07/07 14:59

クリスマス前のある晩、ぼくの家の屋根を破ってヘラジカが落ちてきた!

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 このタイトルを見て、ああ、サンタクロースのそりから落ちてきたのねとぴーんときた人もいるでしょう。でも待てよ、サンタクロースのそりを引くのはトナカイでしょ。トナカイとヘラジカってどう違うのなんて、急に調べ始めたりして…。それはともかく、このヘラジカ、ミスター・ムースという名前で、面白くてやさしい性格。それに言葉が話せて、いろいろなことをちゃんと説明してくれるから、「ぼく」とお姉ちゃんはもうミスター・ムースが大好きになっちゃう。
 「ぼく」の家族はなんとなくへんてこりんな家族なのだけれど、みな気は良くて、一方ミスタ・ムースもなんとなくへんてこりんなのだけれど、やっぱり気が良いのだ。サンタクロースも登場するのだけれど、サンタクロースってこんな人だったの? と思うくらいひねりのきいた人物で、ストーリー展開はわかっちゃうような気もするのだけれど、ほのぼのして楽しい話なのです。1995年に出版されて以来、クリスマスのたびに読まれている人気作品というのもうなずけます。絵もさりげないけれど、魅力的です。カラーの挿絵ですしね。のんびりと過ごすクリスマスに、こんな本を読むと、ホントにくつろいでいい気分になれますよ。

(エーミール/図書館の学校・児童書選書委員会)

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