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先月(2017年5月)

伊藤剛さんのレビュー一覧

投稿者:伊藤剛

1 件中 1 件~ 1 件を表示

ヘンリー・ダーガー非現実の王国で

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 かねてより話題のヘンリー・J・ダーガーの作品集がついに刊行された。

 ダーガーはふつうの意味での画家ではない。
 81年の生涯の間、友人もなく、自室にひきこもり、15,000ージにも及ぶ「小説」と700枚もの「挿絵」を残した人物だ。彼の作品は死後、家主によって発見された。生前には読者はひとりもいなかったのである。

 彼の残した『非現実の王国で』は、子供軍と大人軍の戦争絵巻。主人公は「ヴィヴィアン・ガールズ」という美少女戦隊だ。

 彼女たちは勇敢に戦い、ときには敵につかまり、残虐に処刑される。なによりも特筆すべきは、彼女たちの裸体に幼いペニスが描き加えられていることだ。それを目にした者は、まず例外なく衝撃を受けるだろう。その衝撃は、彼を「アメリカを代表するアウトサイダー・アーティスト」とする美術関係者だけのものではない。

 たとえば美少女系の漫画やゲームのユーザーにしても同じだろう。これは我々がコミケの同人誌などで見慣れたものではないのか!? シカゴで孤独のうちに生涯を終えた、オタク文化とは無縁な人物からこうした表現が生まれたという事実に我々は慄然とする。そして「いまの日本に生まれていれば……」という思いとともに、私は彼の孤独に涙する。

 もちろん、彼が偉大なアーティストである(それは、この作品集を見れば瞬時で了解される筈だ)という認識のうえのことだ。この美しくも残虐な作品が、心のとても深いところにヒットするものであるのは、間違いのないことなのだから。
(伊藤剛・ライター)

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