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田中 一実さんのレビュー一覧

投稿者:田中 一実

インターネットによる情報共有が「国家」という存在にどのような影響を与えるかを論究。話題も豊富

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「情報」と「国家」との関わりをインターネットを切り口に論じる。本書では「国家」形態を(1)独裁者や政府高官など一部の人々が情報を共有する「独占型情報国家」(2)メディアなどを通じて政府と国民の間で情報共有とフィードバックがある一般的な民主主義国家形態の「ガバメント型情報国家」(3)民主主義国家の特殊形態で政府内部の意思決定のみが国家の意思決定となるのでなく,政府の関与がなく自由な情報流通をベースにした情報共有者の自立的な意思決定も認める「ガバナンス型情報国家」の3種に分類。インターネットが3種の国家形態と国民の活動に与える影響を論じる。
 本書での話題は,電話網の発達が社会に与えた影響に始まりインターネットの創出と米国政府の対応,中国のインターネット事情と国民への影響,政府による情報コントロールにインターネットの力を使って対抗する市民パワーなど多岐。情報共有の発達で「ガバメント型情報国家」に限界が生じる点も言及。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本データウェアハウスがわかる本

2000/11/01 12:15

データウエアハウスに関する入門書。IT用語を知らない読者も理解できるよう、平易かつ適切に解説した本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 「データウエアハウス」というと、3〜4年前まで、「言葉は知っているけれど一部の大企業が利用する特別なシステム」という認識が一般的だった。ところが昨今のデータウエアハウスを巡る状況は一変した。データウエアハウスを構築するためのハードウエアの価格が低下すると同時に、構築/運用/活用のためのツール群がコンピューター・メーカーやソフトハウスが製品化するなど、比較的容易にデータウエアハウスが構築/利用できるようになってきたからだ。それ以上に各ユーザー企業が、自社の集めた情報を分析し、より戦略的な事業展開をしなければ業界内における競争から落後してしまう、という状況になってきたことが、データウエアハウスを構築/利用するユーザー企業の動きに拍車をかけている。もはや多くの企業がデータウエアハウスと無縁ではいられなくなっているのだ。
 しかし、システム部門やその関係者を対象としたデータウエアハウスの解説書は多く存在するが、IT(情報技術)の専門知識を持たない人を対象とした解説書は、まだ少ないのが現状だ。こうした数少ない一般的な入門書のひとつとして、本書を挙げることができよう。
 そもそもデータウエアハウスとは何か、これを活用すればどのようなことができるのか---など、ごく初歩的な点から説き起こし、一般的なデータウエアハウスの構造に関しても分かりやすく解説、さらにデータウエアハウスの構築手法に関しても言及している。非常に平易に書かれているが、用語の使い方や解説内容は非常に正確だ。データウエアハウスを初歩から理解しようとする人にとって、適切な入門書であると言えよう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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2001年〜2010年の日本経済を大胆に予測。日本経済の抱える問題点も明確にあぶり出す好著

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 実に挑発的なタイトルの本である。2001年前半現在,なお不透明感が漂う日本経済の10年先を予測しようというのだから。本当に10年先を予測できるのか,仮に予測したとしてそれがどんな意味を持つのか。半信半疑だったが,面白く読めた。何より3年〜10年先を予測する「中長期予測」の持つ意味と,その必要性を分かりやすく教えてくれるのが本書の優れたところだ。10年先の予測だから,部分的に机上の理論展開になるのは仕方がない。
 本書では7項目の「前提」を設けて,2001年以降2010年までの日本経済の動向を予測。その7項目は(1)IT(情報技術)インフラの整備や財政・年金・医療改革,労働市場の柔軟化など必要な構造改革が2005年頃までに十分進捗する(2)消費者不安がある程度解消し消費が正常化する(3)企業のフロンティア精神が高まり,2004年頃には1980年代と同様のレベルに復帰する(4)地価は1〜2年のうちに下げ止まり,以降は経済成長に応じた動きを示す(5)米国経済のハードランディングや大規模な国際金融危機はない(6)原油価格は1バレル22〜28USドルの範囲で推移する(7)地球環境問題による成長制約は見込まない。
 この7項目の前提をベースに,本書は実質GDPが2001〜2005年度で2.2%,2006〜2010年度には3.0%の伸びを予測。また2000年度には4.9%だった失業率が,2010年度には3.3%に低下するとしている。こうした数字は,いささか楽観的と見る向きもあろうが,本書は楽観的数字ばかりを並べたてているわけではなく,政府財政や年金などが破綻寸前の状況にあることを見据え,その回避策なども論じる。その過程で,日本経済の抱える問題点を改めて明確にあぶりだしている点が興味深く読めるし,日本経済を取り巻く欧米やアジアの経済動向にまで言及している。
 本書の予測数字をどう読むかは,読者の手にゆだねられる。しかし,本書が日本経済の進む道の,1つの方向性を明瞭に描いているのは確かである。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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企業活動とも無縁ではなくなったリサイクル問題について,関連法をベースに平易に解説する

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 廃棄物処理での「リサイクル」の発想を抜きにして21世紀の社会は成り立たない。2000年5月に「廃棄物・リサイクルの憲法」とも言える「循環型社会形成推進基本法」が制定された。この基本法を基に2001年4月に「家電リサイクル法」と「グリーン購入法」が施行、6月以降の「食品リサイクル法」など諸法の順次施行と,もはやリサイクルとは無縁ではない企業での,リサイクルとの付き合い方などを平易に解説したのが本書。
 まず,循環型社会形成推進基本法制定の経緯からリサイクルの基本を説き起こす。そしてリサイクル関連法の解説,リサイクルの実際,ゼロエミッション(廃棄物を産業の原燃料に利用する仕組み)とコストダウン事業,リサイクルの問題点に言及。冷蔵庫,エアコン,洗濯機,パソコンなどの機器や資源に関するリサイクルの実際を,図を多用して非常に分かりやすく解説。土木・建築の廃材や食品などのほか,企業全体での対応策を提案。まとまりがよく,一読をお薦めする。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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一歩進んだ携帯電話の使い方ができる「iアプリ」開発に関する格好の入門書。基礎から応用まで学べる

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 携帯電話機は,単なる「電話機」の領域をはるかに超えた情報端末。音声通話のほか電子メールの送受信やWeb閲覧といった目的に,ごく当たり前のように使われているが,さらに一歩進んだ使い方が始まりつつある。NTTドコモがサービスを開始した「iアプリ」である。本書は,プログラムのダウンロードを端末で実行できる,いわば携帯電話を携帯型コンピューターに変身させる「iアプリ」の作り方を紹介。
 iアプリは、基本的にはJavaアプリケーション。ただ動作環境が携帯電話なので,プログラミングには様々な制約や作成上のコツがある。本書は,それらiアプリ作成のノウハウを,基礎から具体的で懇切丁寧に紹介。簡単な文字列の表示から動画画面の表示まで一通りの基礎が学べる。これからiアプリを作ろうというプログラマーに格好の入門書。iアプリ開発者養成のための教科書としても利用できる。読みこなすには,ある程度のJavaプログラミングの知識を持っている必要があるだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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ニューラル・ネットの基礎と応用を幅広く解説。初心者から上級者までレベルに応じて読むことができる

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 1980年代半ばから90年代前半にかけて,コンピューター業界で大きな話題となっていたニューラル(neural=神経系)・ネットワーク。一時の“ブーム”は下火になった。しかし実際には多くの電気製品やコンピューター・システムに組み込まれ,着実に実用化されているのだ。ゲーム・センターに置かれる業務用ゲーム機や携帯電話機といった身近なシステムから金融業務システムまで,至る所でニューラル・ネットワークを応用したシステムが動いている。
 本書はこのニューラル・ネットワークに関して,基礎から応用までを幅広く学習できるようにした,最新の“ガイドブック”である。まったくの初心者でも,また,すでにニューラル・ネットワークに関する知識を持ち,実際の業務やシステムにこの技術を応用しようとする技術者でも,本書の内容を取捨選択して読めるよう構成してある点が評価できる。
 大きく分けて「理論編」と「応用編」で構成する。理論編では,ニューラル・ネットワークを使ったコンピューティングの歴史,ニューラル・ネットワークの概念,ニューラル・ネットワークのモデルといった,ごく基礎的な解説に加え,最新のニューラル・ネットワーク理論を紹介する。ニューラル・ネットワークとはどのようなものなのかを知るうえで,必要最低限の基礎知識が得られるよう工夫してある。記述は平易,しかも正確で好感が持てる。大学教養程度の数学知識があれば,初心者でも十分に読みこなせる内容だ。
 続く応用編では,「最適配席問題」や「効率的な電車のダイヤ作成法」,「ミーティング・スケジューリング」といった具体的な27ケースへの応用法を解説している。これを実システムに適用することも可能だろうし,類似の問題を抱えている技術者にとっても大いに参考になる例題集であるといえよう。ただし,この応用編を読みこなしてニューラル・ネットワークを実システムに応用するとなると,ニューラル・ネットの基礎理論を完全に理解しておくなど,かなりの基礎知識が必要である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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「情報公開法」を利用した情報入手とその活用方法などを平易で正確に解説。一般の市民必読の入門書

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 2001年4月,「情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)」が施行された。この法律は,市民が国に対して情報公開の請求ができる権利を認めた法律である。一般市民が弁護士など専門家の手を借りずとも,必要な情報を自由に(一部制限のある情報もあるが),手軽に入手できるようにした,まさに「市民のための法律」。この法律を利用して,市民が必要とし行政機関が保有する情報をいかに入手し活用するかを解説したのが本書である。「法律」というと一般には堅苦しく難しいというイメージがどうしても付いて回る。しかし,本書は一般市民が容易に情報公開法を利用できるよう,平易な言葉で分かりやすく懇切丁寧に解説,正確で適切なガイド役を果たせるものになっている。優れた入門書である。
 本書が秀逸なのは,単に情報公開法の利用ガイドにとどまっていない点だろう。わざわざ情報公開法を利用しなくても入手できる情報は,インターネット上などいろいろなところにある。こうした身近でアプローチできる国や公共団体が提供している情報の入手方法も多数紹介しているほか,「生活情報Q&A」と題して,環境問題,医療事故問題,製品安全情報,取引被害情報などの入手・活用方法についても具体的に言及。それだけではなく,情報公開の実務や判例の現状と課題,そして情報公開法の易しい逐条解説まで掲載してあるし,「情報公開マップ」の項では,さまざまな情報収集機関の連絡先やWebサイトのURLを掲載して読者の便宜を図っている。本書全体を通じて,読者がこの新しい法律を身近なものに感じられるような工夫が随所にみられるところも,高く評価できよう。
 なお,本書を執筆したのは日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会のメンバーで,法律実務の第一線で活躍中の現役弁護士たちだ。そのため,本書は強い説得力と高い信頼性を持った内容に仕上がっている。是非とも多くの人に一読願いたい1冊である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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インターネット・データセンター利用に関する入門ガイドブック。解説はきわめて平易。

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 昨年ごろから,IT業界における一種の流行語にもなっているといえる「インターネット・データセンター(iDC)」。経済紙や産業紙,IT関連雑誌では,「iDC」という言葉を見ない日の方が珍しいくらいだ。しかし,企業の情報システム部門やそれに準じる専門家,ITベンダー/サービス・プロバイダー以外で,どれだけの人がiDCを正確に理解しているか,いささか疑問である。こうしたITの専門家を除けば「iDCという言葉や存在は知っているが,具体的にどのようにして実際の業務の中で利用したらよいのか」を正確に把握しているユーザーは,意外と少ないのではないだろうか。本書は,こうした「iDC初心者」を対象としたガイドブックである。
 iDCとはなにか,プロバイダー・カタログ,失敗しないiDCの選び方など,初心者にとって知っておくべきことを網羅している。特にどのプロバイダーがどのようなサービスを,どのくらいの価格で提供しているかを明らかにしている点がよい。ユーザーが自分のビジネスで利用するためのプロバイダーを探すのに,格好のガイドブックといえよう。本書全体を通じて,記述はきわめて平易だ。
 ただし,読者は本書はあくまでもガイドブックであること認識しておくことが必要だ。実際にiDCを利用するとなると,ビジネス・モデルや業務プロセスの変革が必要となることなど,通常の情報システム構築と同様の作業が必要になることを理解しておくべきだろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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コンピューターによりデータを可視化する「コンピュータ・ビジュアリゼーション」に関する,格好の入門書

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 本書は,コンピューターによってデータを可視化する「コンピューター・ビジュアリゼーション」に関する,格好の入門書である。基礎から応用に渡って過不足なく,非常に分かりやすく書かれている点が好ましい。
 「コンピューター・ビジュアリゼーション」と言うと,数年前までは構造や流体に関するコンピューター数値解析の結果をCG(コンピューター・グラフィックス)により可視化する,といった用途が一般的だった。それは理学系/工学系の研究者が扱ってきた領域だ。もちろん,今現在でもこれらの領域で,いっそう盛んにコンピュータ・ビジュアリゼーションが利用されてきていることは言うまでもない。
 しかし,ここにきて状況は激変しつつある。応用の範囲が拡大しているのだ。その一例が,データウエアハウスに蓄積したデータの解析である。マーケティング,販売管理/予測などのデータ解析に,コンピュータ・ビジュアリゼーションは必須のツールと化している。そのほか,ネットワークのトラフィック管理などの分野でも,コンピュータ・ビジュアリゼーションは広く使われ始めているのだ。もはや一部の理学/工学系研究者たちのためだけのものではない。極端な話,一般のオフィス業務にまでコンピュータ・ビジュアリゼーションが活用しはじめられているのである。
 さて本書は,こうしたコンピュータ・ビジュアリゼーションに関して,数学面からアプローチし,その基礎を解説しようとしている。2次元および3次元CGの基礎から説き起こして,「ボリューム・ビジュアリゼーション」「フロー・ビジュアリゼーション」「バイオメディカル・ビジュアリゼーション」「インフォメーション・ビジュアリゼーション」と,一般的に利用されている様々なビジュアリゼーションの手法に関して,非常に丁寧に解説を加えている。さらに「データベース技術とビジュアリゼーション技術」と題して,DBに蓄積されたデータ(情報)をいかにうまく可視化するか,に言及している点が,既存の同種の書籍と比較し,すぐれていると言えよう。「インフォメーション・ビジュアリゼーション」の章は,数式をまったく使わず,情報をどのように可視化するか,という方法論を短くまとめている。いわゆる一般のオフィス業務に携わる人たちが手元の情報を,どのように整理すべきか,にヒントを与える上でも参考になる。
 正味207ページと小ぶりだが,なかなか読み応えがあり,初心者には参考になる本だ。なお本書の冒頭ではコンピュータ・ビジュアリゼーションの発展経緯や,CGとの関連性が簡潔に述べられているのも,入門書としては好ましい。また後半以降では,3次元グラフィックス・インタフェースにも言及,さらに現在普及している「AVS/express」などビジュアリゼーションツール製品や表現言語などに関しても解説してある。
 本書を読むに当たっては,特段,コンピューターに関する知識は必要としていない。ただし,完全に読みこなすには大学教養程度の数学の知識が必要だ。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本画像処理工学

2001/01/19 18:15

画像処理工学の基礎を解説した本。大学工学部の教科書として利用できるようにした内容構成

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 画像処理工学の基礎を解説した。大学工学部の教科書として利用できるようにした内容構成。実際に名古屋大学工学部電子機械工学科の講義で扱った内容をベースに構成している。画像処理の基礎理論に関して,ほぼ万遍なく解説,教科書として過不足のない適切な内容となっている。
 画像処理技術は,計測,制御,認識などさまざまな分野で応用されている。本書は学習した内容を応用分野で活用できるよう,基礎理論を平易に解説することに徹底している。(1)序論,(2)画像の表現,(3)画像処理システム,(4)画像情報処理,(5)濃淡画像処理,(6)2値画像処理,(7)コンピュータグラフィックス,(8)画像認識,(9)3次元画像処理,(10)動画像処理,(11)画像処理の応用の10章で構成されている。各章とも数式および図表の使用は,教科書として適量であり適切。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ピアノ・デュオ作品事典

2001/01/16 18:16

ピアノ・デュオ(連弾と2台ピアノ曲)に関する,第一級の事典。世界的にも類を見ない資料

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 本書はピアノ・デュオ−−−−連弾と2台ピアノ曲−−−−に関する,第一級の事典である。世界的にも類を見ない,素晴らしい資料だ。ぜひともピアノ演奏者,学習者,教育者が手にしたい本である。
 1台のピアノを2人(あるいはそれ以上)で弾く「連弾」,そして2台のピアノを使ったピアノ2重奏(2台ピアノ曲)は,日本で,ピアノ独奏曲や他の室内楽曲と比較して,これまで音楽として不当に低い位置づけがなされていた。特に連弾は,家庭でのお遊び用や教育用の曲との認識が,演奏者にも聴衆にも評論家にも聴衆にも強く持たれてきた。ところがこの15年ほどで風向きが変わっている。連弾も2台ピアノ曲も,室内楽の重要な一分野であるとの理解が広まってきたのだ。この背景には連弾や2台ピアノ曲に関する演奏者や教育者,そして研究者たちの大変な努力があったことが貢献している。本書の著者も,連弾/2台ピアノ曲に関して音楽全体おける地位を高めるのに大変な力を入れた人物である。
 本書は,貴重なピアノ・デュオに関する資料である。もちろんいくつかの類書はある。そのうち何点かは重要な資料として世界中の演奏家や研究者に愛用されている。しかし本書は,それらが備えない決定的な要素を持っている。
 それは本書が単なるデータ集/楽曲解説辞書にとどまっていないことだ。本書で扱っている楽曲すべてを著者自身が自分で演奏し,演奏の難易度を把握,そして標準的な演奏時間まで算出しているのである。その上で楽曲を解説し,演奏上の注意点まで指摘している。労作であり,その記述は非常な説得力を持つ。著者自身が楽曲を演奏し分析,それを1冊の本にまとめている。これは単なる事典の領域を完全に超え,真摯(し)で立派な研究書にまで達しているのだ。それでいて記述は平易で分かりやすい。もちろん内容は非常に正確だ。楽譜の出版元に関する情報も,きちんと記載してある。
 楽曲の網羅性から見ても,申し分ない。世界最古の連弾曲と言われているThomas Tomkinsの曲からPierre BoulesやGyorgy Ligeti,そして現代日本の作品まで,幅広くカバーしている。Wolfgang Amadeus MozartやFranz Schubert,Johannes Brahmsのピアノ・デュオ作品に至っては完全に網羅/詳細に解説している。ごくわずかであるが著者の誤解や資料不足から,なかには誤った記述もある。しかし本書全体から見れば,それは些細なことだ。そうした誤りが本書の価値を低減させることは,全くない。
 なお著者は,同じ出版社から「お楽しみはピアノ・デュオ」(ISBN 4-393-93734-1)という本を出している。こちらはピアノ・デュオの歴史を踏まえた上での,楽しい解説書だ。作品事典と併せて読むことをお勧めしたい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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NMRの書

2001/01/07 18:16

NMR(核磁気共鳴)の原理に踏み込んだ解説書。学部レベルの量子力学や統計力学など修得した人が対象

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 本書はNMR(nuclear magnetic resonance:核磁気共鳴)の原理に深く踏み込んだ解説書である。内容は非常に高度で,大学学部レベルの量子力学や統計力学,NMRによる構造解析法を修得した人を読者対象としている。
 現在,NMRに関しては,非常に多くの解説書が出版されている。そうした現状の中で,著者のふとした疑問から生まれたのが本書である。『NMRスペクトルがBloch方程式で表現される磁化ベクトルの動きと,どのように関連しているのか?』,『スピンの物理的背景は?』,『化学シフト,スピン結合,磁気双極子相互作用など,スピンに関連する相互作用が,実際に測定されるNMRスペクトルとどのように関連しているのか?』−−−こうした学習者の疑問に対して,総括的に答えられる適切な解説書が見当たらないのではないか,というのが著者の疑問であり,本書執筆の原動力となっている。もちろん著者は,一般的なNMRの原理を学習し,NMR分光器を使いデータを集め,そのデータを元にして研究を進める上では,既存の著書で十分としている。それ以上の原理および応用技術に関する知識を得ようとする人に向けたのが本書である。
 本書は3部構成をとる。第1部『核スピンとNMR』,第2部『共鳴と緩和』および第3部『測定技術』だ。第1部では,量子力学とスピン,分子のなかのスピンなどに,第2部はコヒーレンス,2次元NMR,NMRにおける緩和などに,第3部ではNMRと超伝導磁場,シグナル検出,デジタル・サンプリング,コンピュータとデータ処理などに,それぞれ言及している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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『波動』という『物理現象』を視覚的シミュレーションを通じて学習できる

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 『波動』という『物理現象』を視覚的シミュレーションを通じて学習できるようにした本。大学理工系教養課程の実習などに向く。Excelのマクロファイルを収録したCD-ROMを同梱する。プログラムを動作させパラメータを入力すれば波形がパソコン画面上に表示される仕組み。波動を定義する関数と実際の波形とを直裁的に結びつけて学習できる点が良い。もちろん波動の基礎を学ぶ上での解説もしっかりしている。ただし本書は,あくまでパソコンを使ったシミュレーションによる学習を目的としているため,波動に関する本格的な学習には,別途専門の教科書が必要となる。
 本書の利用に当たって,とりわけパソコンの詳しい知識は必要としない。Excelの基本操作ができれば十分だ。同梱のCD-ROMはWindows/Macintosh両対応のハイブリッド版。Windows環境の場合,95または98上で動作するExcel 97およびExcel 2000上でのマクロ動作が確認済み。MacintoshではExcel 98が動作すればOSのバージョンは問わず利用できる。なお,当然ながらExcel 98または2000をインストールしてあるパソコンを用意しておくことが前提だ。
(C) ブッククレビュー社 2000

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学校の音楽教育にコンピュータを活用した実践例を解説した本。読者対象は教育関係者

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 パソコンが学校教育の中で生かされ始めた。情報化教育の分野でパソコンを活用するのはもちろんだが,最近では一般教科−−−理科や社会科などにも浸透しつつある。特に,いわゆる『調べ学習』の分野におけるパソコン/インターネット利用は普及の兆しを見せている。こうした中で音楽の授業にもパソコンを活用しようとする動きは,ごく自然な流れと言えよう。本書を著した音楽教育者の研究会『ミュージック・テクノロジー教育 in 九州』は,1996年以来九州地区において,音楽教育におけるコンピュータ利用の実践例を発表し合い,『コンピュータと音楽教育の融合点』を研究し続けている。本書は同研究会での発表事例をベースに,1冊の本としてとりまとめたものだ。
 取り上げているのは,パソコンを活用しての小学校から高等学校までの音楽教育実践例。適用分野も,理論,創作,演奏,鑑賞と広範囲にわたる。それぞれの授業内容が詳細に述べられており,各先生方の工夫された授業が紙面で疑似体験できるほどの優れた内容だ。もちろんここで取り上げた授業内容を,そのまま別の学級に取り入れれば即座に効果が上がるというわけではない。あくまでも授業をする上でのヒントにすべきだろう。また,音楽教育でコンピュータ機器を使うことには賛否もあるだろう。しかし,これから音楽の授業でパソコンを活用しようとする先生方にとって,本書が授業構成を考える上での貴重な参考資料になることは間違いない。
 なお本書の冒頭で,授業で活用したコンピュータ機器や電子楽器に関しても解説してあり,コンピュータの基礎知識がなくても読みこなせるような工夫がなされている。また終章では学校内教育にとどまらず,家庭や地域での音楽教育にコンピュータ機器が有用であることに言及している点にも着目できる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本情報ネットワーク論

2001/01/07 18:16

ネットワーク技術に関して,一般読者を対象に平易な文章で解説した入門書

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 今日のようにインターネットが発達し,携帯電話が普及してくると,誰もがIT(情報技術)とは無縁でいられなくなってくる。その傾向が強まる一方なのは,もはや誰もが否定できない。一方でITのメリットを受けられない人々が生じつつあるのも事実である。
 そうした現状を踏まえて,本書はいわゆる専門家ではない人たちを対象にIT,特にネットワーク技術の基礎を解説し,誰もがネットワークに親しめるようにすることを意図して著されている。IT用語をかなりかみ砕いて説明し,まったくの『IT素人』でも気軽に読めるよう工夫してある。解説はとても平易だが,内容そのものは非常に正確。大学教養課程でのIT基礎論の講義や企業における情報化教育で利用できるほか,これからパソコンやインターネットを活用しようとする人たちの入門書としても有益だ。
 本書は,『情報通信とは』,『情報を正確に伝える技術』,『通信回線を効率よく使う技術』,『LAN』,『インターネットとこれからの情報通信』 の5章で構成する。各章ともそれぞれのトピックスごとに『Lesson』を設け,1つのLessonで1つの話題が修得できるよう工夫してある。Lessonは全部で16。これでネットワーク技術の基礎知識が,ひととおり学べる仕組みとした。単なる概念の解説ではなく,図を多用しての具体的な技術解説となっている点がよい。基礎用語の解説も充実しており,ITの入門書として評価できよう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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