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國岡克知子さんのレビュー一覧

投稿者:國岡克知子

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本文壇アイドル論

2002/07/12 15:54

斎藤美奈子は名探偵だ!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『文壇アイドル論』を読了して最初に感じたのは「斎藤美奈子は名探偵だ」ということ。じつに明快に一人一人の作家がどのようにしてブランドイメージとしてできあがっていったのか、その謎が解きあかされていく。ここには1980年代にデビューした8人の作家(村上春樹、俵万智、吉本ばなな、林真理子、上野千鶴子、立花隆、村上龍、田中康夫)の登場から現在の評価までがズバリと記されている。それぞれの作家論には、次のような小見出しがついている。

* 村上春樹——ゲーム批評にあけくれて
* 俵万智——歌って踊れるJポップ
* 吉本ばなな——少女カルチャーの水脈
* 林真理子——シンデレラガールの憂鬱
* 上野千鶴子——バイリンギャルの敵討ち
* 立花隆——神話に化けたノンフィクション
* 村上龍——五分後のニュースショー
* 田中康夫——ブランドという名の思想

もっとくだけていうとこんなことかな?
村上春樹の小説はロールプレイングゲームだった。俵万智の『サラダ記念日』は「マッチョな男と待つ女」の古くさい世界。吉本ばなな——「これってコバルトじゃん」。林真理子——コピーライターから「成り上がり」、いまや文壇の重鎮(いじわるおばさん)。上野千鶴子——硬軟使いわけるちゃっかり教授。男にもなぜか好かれるフェミニスト。立花隆——いつのまにか、方法と方向を間違えちゃった「知の巨人」。村上龍——虚勢をはったコドモ。田中康夫——時代の先端を行き過ぎて、頭の悪いおじさんたちに誤解されちゃった、いまや話題の中心人物。
この本はどこから読んでも斎藤美奈子の推理は冴えわたっているが、絶対のおすすめは田中康夫論。最初にここから読めばこの本のおもしろさを存分に味わえる。また、立花隆に対してどのように切り込んでいくのかはとても興味深かった。よくぞ、ここまで書いたなあとびっくり。多くの書評や雑誌記事、文献を渉猟して読み解いていく方法論は著者の『文章読本さん江』でもおなじみのもの。いったいいつ寝ているのだろうか、と思うほど仕事の虫である著者だからこそ出来た、ユーモアのたっぷりつまった職人芸の世界。ぜひ一読を。

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紙の本立花隆のすべて 下

2001/04/13 19:53

「知」の巨人は努力の人

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本が最初に出たのは1996年11月、「文藝春秋11月臨時増刊号」だった。この時、すぐに買って読み、大変刺激を受けたことをなつかしく思い出す。この臨時増刊号を読んでしばらくの間、いろいろなひとに喋り捲った記憶がある。それがようやく文庫になって登場した。4年半も前のものだが、あらためて読み直してみてもやはり面白い。そして刺激を受ける。どこにそれほどまでの魅力があるのだろう?
 まず第一に有名な「猫ビル」探検記に読者は興味をかき立てられる。立花隆の仕事場を、たっぷりの写真と文章で覗き見することができる。「猫ビル」自体もカッコイイが、3階建、地下2階の利用の仕方。建坪は27平方メートルだから、とても狭い。各階はワンルームであるが、とにかく3万冊以上の蔵書と資料が、きっちり整理されびしっと詰まった重量感がなんともいえない。ものかきを生業としている人なら羨ましくてよだれが出るかもしれない。ここで現代の最先端をゆく仕事が続々と生み出されてきた。
 第二に読みでがあるのは、五人のライターによる立花隆へのインタビュー、「ぼくはこんな風に生きてきた——徹底ロングインタビュー——」である。
「橘隆志」が「立花隆」になるまで(聞き手・湯川豊)、「田中角栄研究」と「日本共産党の研究」(聞き手・小林峻一)、なぜ「宇宙」へ、そして「脳」へ(聞き手・中野不二男)など、立花隆の原点を知るうえで欠かせないものばかり。
 そしてなによりもおかしいのが、妹尾河童が書いた『幻の「たちばな」しんぶん』。これは立花隆の長女の薫さんが編集長で、1988年6月から約1年間だけ発行された(それも限定12部)、立花家の一日を日刊紙にしたもの。7月22日の「おしっこ特集号」が再録されているが、立花隆自身がかいたイラスト入り、おしっこの話。科学的?で楽しい話で、もっと読みたい!と読者は思うはず。
 この本の後半には「立花隆を読む——超人的な探求と思索の成果をそれぞれの分野で活躍する二十人はこう読んだ」という立花隆の著作の書評集。これも読み応えがある。
 立花隆は「百のことをインプットしてもアウトプットは一である」、と語っているが、その姿勢が質の高い超人的な仕事を成し遂げてきた秘訣ではないかと思う。常に勉強し続ける努力の人だ。時間は無限ではない。頭がクリアなうちにやり遂げておきたい仕事は山ほどある。だから、そのために不必要なことや遊び時間はカットする、ということのようだ。ちょっと真似してみようかな。

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紙の本立花隆のすべて 上

2001/04/13 19:50

「知」の巨人は努力の人

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 この本が最初に出たのは1996年11月、「文藝春秋11月臨時増刊号」だった。この時、すぐに買って読み、大変刺激を受けたことをなつかしく思い出す。この臨時増刊号を読んでしばらくの間、いろいろなひとに喋り捲った記憶がある。それがようやく文庫になって登場した。4年半も前のものだが、あらためて読み直してみてもやはり面白い。そして刺激を受ける。どこにそれほどまでの魅力があるのだろう?
 まず第一に有名な「猫ビル」探検記に読者は興味をかき立てられる。立花隆の仕事場を、たっぷりの写真と文章で覗き見することができる。「猫ビル」自体もカッコイイが、3階建、地下2階の利用の仕方。建坪は27平方メートルだから、とても狭い。各階はワンルームであるが、とにかく3万冊以上の蔵書と資料が、きっちり整理されびしっと詰まった重量感がなんともいえない。ものかきを生業としている人なら羨ましくてよだれが出るかもしれない。ここで現代の最先端をゆく仕事が続々と生み出されてきた。
 第二に読みでがあるのは、五人のライターによる立花隆へのインタビュー、「ぼくはこんな風に生きてきた——徹底ロングインタビュー——」である。
「橘隆志」が「立花隆」になるまで(聞き手・湯川豊)、「田中角栄研究」と「日本共産党の研究」(聞き手・小林峻一)、なぜ「宇宙」へ、そして「脳」へ(聞き手・中野不二男)など、立花隆の原点を知るうえで欠かせないものばかり。
 そしてなによりもおかしいのが、妹尾河童が書いた『幻の「たちばな」しんぶん』。これは立花隆の長女の薫さんが編集長で、1988年6月から約1年間だけ発行された(それも限定12部)、立花家の一日を日刊紙にしたもの。7月22日の「おしっこ特集号」が再録されているが、立花隆自身がかいたイラスト入り、おしっこの話。科学的?で楽しい話で、もっと読みたい!と読者は思うはず。
 この本の後半には「立花隆を読む——超人的な探求と思索の成果をそれぞれの分野で活躍する二十人はこう読んだ」という立花隆の著作の書評集。これも読み応えがある。
 立花隆は「百のことをインプットしてもアウトプットは一である」、と語っているが、その姿勢が質の高い超人的な仕事を成し遂げてきた秘訣ではないかと思う。常に勉強し続ける努力の人だ。時間は無限ではない。頭がクリアなうちにやり遂げておきたい仕事は山ほどある。だから、そのために不必要なことや遊び時間はカットする、ということのようだ。ちょっと真似してみようかな。

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