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先月(2017年6月)

山本  範明さんのレビュー一覧

投稿者:山本  範明

1 件中 1 件~ 1 件を表示

日経コミュニケーション1999/6/7

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 インターネット上で同じ趣味や価値観を持つ者同士で形成する「好縁社会」が,近隣や村といった「地縁社会」や,職場での人の集まり「職縁社会」に取って代わる存在になり得る——。著者の一人である経済企画庁長官の堺屋氏は,こう主張する。
 日本人は,集団とのつながりに精神的なよりどころを求める傾向がある。戦前にその中心的な役割を担っていたのが地縁社会であり,戦後の高度成長期には職縁社会が取って代わった。そして今,職縁社会が好縁社会にバトンタッチしようとしているという。
 本書タイトルの「楽市」は,インターネットを指す。だれでも簡単にメッセージを発信できるインターネットを,だれでもいつでも商売ができる「楽市楽座」という織田信長の経済自由化政策に例えているのが面白い。
 好縁社会での活動の一つとして,インターネット小説の共同制作を提案する。インターネットでは,文章を書く人はテキスト・データを,写真を撮るのが好きな人は写真だけを,互いに持ち寄れる。本書付属のCD−ROMは,インターネット小説作品を収めている。
 インターネットによって,新しい社会ができることは間違いないだろう。ただ,好縁社会が,地縁社会や職縁社会と同じように,精神的なよりどころとしての役割を果たせるだろうか。
 電子メールでは相手に自分の意思を完ぺきに伝えるのは不可能——。こうした技術的な課題だけならまだいい。深刻なのは,インターネット上の特定の好縁社会が他の社会に悪影響を及ぼす可能性があることである。
 一つの好縁社会に閉じこもると,外とのコミュニケーションが減り,ルールやマナーといった価値観が外界とずれてしまう恐れがある。オウム真理教が好例だ。
 確かに,インターネットの拡大で,入手できる情報は多くなった。ただ,それだけ個別情報に触れる時間も長くなりがち。マスコミなどの大衆情報に触れる人や時間が少なくなる分,社会全体に共通した価値観も希薄化するのではなかろうか。
 こうした問題点は,あまり触れていない。最近の政府月例経済報告のようで“ネアカ”すぎる感じもある。
 もっとも,堺屋氏の目的は,本書で社会論を論じることではなさそう。むしろ,“どのように好縁社会を作っていくか”という視点で読むべきである。
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