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野村 誠さんのレビュー一覧

投稿者:野村 誠

5 件中 1 件~ 5 件を表示

「IT+製造業」という国家戦略で日本は必ずよみがえると説く「ものづくりナショナリズム」の伝道書

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 ものづくりナショナリズム」の第一人者が自信喪失の日本人に投げかける警世・啓蒙の書。
 経済のサービス化や情報化がいかに進もうとも,価値を生む源泉はものづくりにしかない。一貫して「工本主義」を唱えてきた著者の目には,高品質な日本製品を世界に供給してゆくことが「世界の要求」だと映る。工作機械,ロボット,携帯電話用のリチウムイオン電池など,とりあげた実例には瞠目(どうもく)させられる。しかし,副題は「日本・IT大国への道筋」。従来型の製造業を中心とする産業構造を墨守せよといっているわけではない。「進歩とは変わること」であり,「金型製造のように『熟練』をコンピューターにインプットすることが可能になりつつある」。要は「技術蓄積に適した日本的経営と,スピード対応力に優れたITエコノミーの両立」だと主張する。
 ものづくり軽視の無責任な風潮を作り出しているとしてマスコミを非難する一方,規制緩和などを通じて貿易黒字を解消し,円高を是正すること,非貿易財の高コスト体質を是正する新サービス業の登場が「製造業の競争力」維持のために必要と述べるあたり,やや我田引水の感も与える。だが,著者の本音は「モノ」そのものではなく,ものづくりの過程で最も典型的に培われてきた日本の「ヒトづくり」の重要性にあるのだろう。「不労所得を礼賛する安易な風潮」を批判し,「子供達にものづくりの楽しさを伝える教育を」と説く第2章「ものづくりは人づくり」にその気持ちは集約されている。
 議論は農業,公共事業,物価高,高齢化,エネルギーにまで広がり,問題は必ず解決できるという強い信念に学ぶべきところは少なくない。できあがった仕組み(CALSやSCM)より,むしろ仕組みを開発する過程こそが日本企業の大事にしてきた強みだとの主張にも説得力はある。
 ただ,日本人の課題は「何を作るか」という構想力の不足だという的確な指摘に接すると,必ずしも楽観主義を貫きにくい気もしないではないのだが。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本どうなる日本のIT革命

2001/01/07 18:16

「IT時代」を理解するための平易,懇切,かつバランスの取れた解説書

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 IT革命論花盛りの昨今だが,これが真に「革命」なら,その渦中に居るわれわれ現世代にはその全貌がとらえ切れなくて当たり前なのかもしれない。事実その多面性,現在進行形での急速な変化と展開を一冊の書物で描き切ることはほとんど不可能と言っていいだろう。
 本書はしかし,技術工学,ビジネス・経営論,経済学を含む幅広い視点から今日の我が国IT事情を平易にバランス良く紹介した一般読者向けの解説書として格好の一冊であろう。
 経済分析では定評の日本経済研究センターらしく,「生産性パラドクス」,「ネットワーク効果」 ,「収穫逓増性」といった経済理論上のエッセンスをやさしく解説する一方,「アマゾン・ドット・コム」や「楽天市場」等個別企業レベルのE-コマースの実例も豊富。
 奇抜な新理論や斬新な発見こそ見あたらないが,今後の我が国のIT化にとって不可欠なポイントは適切に指摘されている。例えば,単にIT投資に金をつぎ込むだけでなく「経営が変われるかどうか」が鍵だということ,IT消費とは「デジタルライフ」というライフスタイルの実現なのだということ。さらに,はやりの「デジタルデバイド」論に対し,格差拡大は過渡的な現象であり,むしろITが老人や障害者,遠隔地域,小企業など弱者の武器となることを強調したり,いわゆる「中抜き」現象を中間業者の消滅ではなく「再編成」だと捉えるなど,俗説を的確に否定している点も評価されよう。
 形式的にも各節冒頭のポイント列挙,豊富で見やすい図表,英略語中心の用語解説,コラム記事の挿入など親切な工夫が施されている。
 欲を言えば,第一に,随所にみられる日米比較が場合によっては過度な米国モデル礼賛論に取られる恐れがあること,従ってナスダックの株価調整・経常赤字・負の貯蓄率など米国のアキレス腱への言及や欧州との比較も欲しいところ。第二に50年,100年の単位で見た資本主義そのものの歴史的推移とか,グローバリゼーションとの関係など,人類史的視点からの「IT革命」というとらえ方もやや物足りない。「日本のIT革命」というタイトリングの限界とも言えようが。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ITとeコマースのもたらすビジネス革命,それは「顧客主導型企業」

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 米国の「ニュー・エコノミー」の繁栄を目の当たりにして,今やわが国でも官民あげて「IT革命」の大合唱だ。事実,IT投資は拡大テンポを強め,いわゆるネットベンチャーのみならず在来型の大企業にもB2C,B2Bのeコマースに本気で取り組む動きが出始めている。
 しかし,ITで企業の何を変えるのか,何が変わるのか,それがどこまで明確化されているだろうか? ただ流行に乗り遅れないため,あるいは単なる合理化のための技術的手段としてのIT投資でありeコマースではないのか? 米国ではITが経営革命や新しいビジネスモデルと結びついたからこそ,ダイナミックな経済の活性化が生じたのではないか。
 ソニーやヒューレット・パッカードなどをクライアントにWeb戦略のエキスパートとして名声を確立してきたこの著者の目には,その米国企業さえまだIT革命の本質とそれにふさわしいビジネス戦略が見えていないと映っている。その戦略とは「顧客主導型企業への変身」ということだ。現在の米国でも,かつての日本のお株を奪うほど顧客志向の経営がもてはやされている。しかし,彼の主張するのは,単なる顧客のご機嫌取りと囲い込みではない。経営そのものを顧客に委ねる覚悟で,企業のあらゆる部門が顧客の生の声を聞けという。
 この本は,こうした顧客主導型企業を実現するためのWebサイトの作り方,CNO(チーフ・ネット・オフィサー)やWebチームのあり方を解説し,実例を紹介した実務的なマーケティング論である。しかし,著者自身が描いている米国における「E-カスタマー」の創造画は2010年のものである。現在の日本に,「E-カスタマー」の名にふさわしい顧客がどれだけ存在するのかと考えると,今すぐ役立つガイドブックと言えるかどうか。オープンでインタラクティブなITネットワークは消費者主導のきわめて競争的な市場を生み出す。こうした大きな時代の流れをミクロなビジネスの視点から描いた「文明論」としてこそ一読の価値が高いと言えるかもしれない。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ユーロ誕生のインパクトを国際通貨体制,EU内部の制度的インフラ,金融市場の対応の各面から分析

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 鳴り物入りで共通通貨ユーロが導入されてからはや一年半。ユーロ・レートはほぼ一貫して軟化,この間の減価率は対ドルでも対円でも2割を超えている。いわゆる「ユーロフォリア」はすっかり過去のものとなった。では通貨統合(EMU)は失敗だったのか? 決してそうは言えない。
 ユーロ経済は98年のロシア金融危機の影響などを克服し,今2000年の成長率は3%を上回る可能性が十分だ。社会保障や労働市場面での構造改革の進ちょくが遅々としていると言われながらも,失業率は独仏を含めほぼ全加盟国で明らかに低下傾向を見せ始めた。統合化の進む資本市場を背景に国内外,域内外を問わぬ企業の合併・提携など,産業の活性化,IT革命への対応も進み始めている。
 99年1月,正にユーロ誕生とともに刊行された本書は,行政,金融実務,アカデミズムのいずれか1または2の立場から国際金融に携わってきた7名の専門家が97年から98年にかけて行った共同研究(EMU研究会)の成果である。最終的には7名それぞれの個人論文の体裁をとっており,手法も主張も必ずしも一貫したものではないが,それだけに多面的な事実と見通しを提供している。
 内容的には大きく3つの視点から,ユーロのもつ意味を検討している。第一は「国際通貨としての地位」(第1,5,6章)。時間はかかるが,ドルに並ぶ基軸通貨となる可能性をもっているという著者達の主張は,大幅ユーロ安の現時点でも決して説得力を失っていない。第二は「通貨統合実現の制度的インフラ」(第2,3,4章)。各国税制の調和,労働市場改革におけるオランダとフランスの事例比較,欧州中央銀行(ECB)の政策運営の枠組みなどについて,手際よくファクツを紹介している。第三に「金融市場の対応」(第7章)を市場別,参加者別にミクロな視点から検討。現在進行形の欧州金融再編の激流をかなりの程度先取りした見通しを描いている。
(C) ブックレビュー社 2000

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崩壊寸前のバブルにも見える米国経済の好調。その調整は不可避だが,クラッシュは回避か

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 2000年5月で景気拡大連続記録110カ月と記録更新中の米国経済。失われた10年をかこつ日本,ユーロ統合に光明を求め模索する欧州,国際金融危機の波に弄ばれた新興経済諸国をしり目に独り勝ちの様相さえ漂う。本書は,証券系シンクタンクの若手(30代)研究員たち4人がさまざまな角度から,この米国経済繁栄の背景とそのサステナビリティー(持続可能性)を検討した研究成果だが,同時に一般読者向けの分かりやすい米国経済論となっている。
 メインテーマは,端的に言って「いまの米国経済は崩壊寸前のバブルなのか?」というこの1~2年誰もが抱いている懸念だが,実のところこの疑問に答えるには最低3つの異なる側面に注目する必要があろう。
 第1は実物経済面の需給バランス,すなわち景気過熱の問題だ。本書では,第1章「インフレ無き長期拡大の要因は何か」,第2章「ニューエコノミー論は正しいか」がこの面を論じている。「ニューエコノミー」論には比較的懐疑的で,急にそれほど大きな革命的変化が起きているわけはないというのが筆者たちの立場だ。IT投資熱やベンチャー・キャピタル(VC),資産担保債権(ABS)等の金融面での革新に,国際市況の安定などの幸運が重なった結果が90年代の長期拡大だとする。
 第2は異常な高水準を続ける株価という金融経済の側面。第3章「1990年代の株高基調はまだ続くのか」は,(1)株式保有者構造の変化,ミューチュアルファンド・確定拠出型年金・ストックオプションなどの市場需給要因,(2)企業収益などの「ファンダメンタルズ」,(3)金利低下傾向などを肯定的に評価しながらも,「米国内でニューエコノミー論が説得力を持たなくなれば自ずと株価は修正に向かう」,「事態をソフトランディングさせる条件は次第に希薄になっている」と警告している。
 筆者は,本書発行の99年3月時点で「循環論が正しいか,構造変化論が正しいかは99年中に判明しよう」と書いている。この答えは結局2000年に持ち越しとなった感があるが,第1~3章を通じて,ニューエコノミー論,というよりむしろ,インターネット・ビジネスの急速な広がりなどミクロな現場でのIT革命そのものへの注目がやや不足しているのが,いまとなっては惜しまれるところだ。
 第4~7章は,「経常収支赤字」,「ドルレート」,「財政の黒字転換」等の側面から米国経済の中期的ファンダメンタルズという第三の側面を論じている。ここでは,米国産業の資金吸収力(投資家にとっての魅力),圧倒的な経済規模と基軸通貨ドルの地位を基盤として,米国が世界の資金再配分機能の中心的役割を担い続けるという現状肯定論の色彩が強い。
 類書の尽きないアメリカ経済論だが,真摯な事例の紹介,比較的平易な理論的分析,ユニークな主張が適度にバランスした1冊である。
(C) ブックレビュー社 2000

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