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服部 桂さんのレビュー一覧

投稿者:服部 桂

4 件中 1 件~ 4 件を表示

IT大国アメリカの真実

2001/03/29 18:16

米国のIT産業全般を整理するのに適したガイドブック

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 日本では2000年,「IT革命」がブームになったが,その春先に米国は,IT関連株が値崩れを起こし,その影響が年末には日本にも及んできた。現在のIT産業の行く末は,予断を許さないものになった。本書はまだ米国のIT産業が元気な2000年のはじめ,『爆発するeコマース』という題で企画された。だが,時間が経つにつれてその方向性を軌道修正せざるを得なくなり,結果的にいろいろ苦労の跡がみえるものになった。
 本書は12章で構成され,米国のITに関して,日常生活,ドットコム企業,eマーケットプレイス,影の部分,eガバメント,人材育成,技術開発戦略,ユビキタス戦略,産業拠点,インターネット2,将来予測,日本への提言,というキーワードの章が並び,順序よく論が展開される。まず前半の5章は,著者が米国でITを利用する,生活シーンの紹介から始まり,消費者向けBtoCサービスの動向,アマゾン,eベイ,プライスラインなど大手サービスの紹介,ブリック&モルタルといわれる従来型企業の参入,成功しているBtoBの例としてeマーケットプレイス,そしてネット詐欺や著作権の問題,主な統計や白書などによってまとめている。すでに日本でも多く報じられている,米国の現状を確認する域を出るものではない。後半の各地のIT教育やITを中心にすえた産業拠点の現状などは,日本ではあまり紹介されていないので有用なデータとして活用できるだろう。将来予測の章は,各所の統計データの羅列に終わっている。日本への提言を行う最終章は,教育に対する提言はいいにせよ,日本型インターネット2の構築提言などは具体性を欠く。
 著者はシンクタンクに勤務,現在は米国に在住し,大学にも所属している立場で,米国の現状が日本に十分伝わっていないと感じて,本書を執筆することになったという。確かに米国の生活の中におけるIT利用の紹介はあるが,感想文的な記述が多い。著者の意図はわかるが,これらの事例がどれだけ日本の現状に参考になるかの手がかりは,明確には示されていない。
 残念ながら現在,「ITといえば米国」という発想で,米国のeコマースの先進事例を報告すれば済む時期はすぎている。いろいろな報告書やレポートからデータを持ってきて,あれもこれもあるというだけで本を作っても説得力はない。むしろこうした内容は,雑誌で最新のものを即座に伝えるなら意味があるが,本にすれば鮮度が落ち,元の記述を変更したり言い訳をしたりせざるを得なくなる。本の題材として選ぶなら,データの羅列でなく,急速に進む市場の動向に左右されないような,きちんとしたアナリシスやITを理解するための新しい方法論を展開した方がいいだろう。とはいえ,最近の米国のITに関する白書として読めば,それなりに有用な使い方もできる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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コンピュータによるコミュニケーションの可能性全般を探った力作

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 本書は電子ネットワークを介したコミュニケーション(CMC)を個人やグループ間のコミュニケーションとしての利用から分析し,そこから家族,組織,さらには世界的なスケールのシステムにまでその影響を読み解くことで,新しい社会や人間のあり方を模索しようという大きな構想を元に書かれている。全体の構成を大雑把に紹介すると,まず第1章と第2章が『ヴァーチャル・コミュニティ』をキーワードにした電子ネットワークの理念と基本的要素をイントロとして紹介し,第3章から第7章がCMCの実際に即したトラブル,孤独,自己と他者,実社会との関わりなどのトピックを扱い,第8章と第9章がグローバル化やアジアに目を向けた国家や文化の問題を取り上げ,第10章が可能世界として捉えた電子ネットワークの展望を披露するものになっている。
 CMCを使った実験結果や個々のネットワークで生じたさまざまな問題や事例は,システムについての細かい論議はないが充実しており,著者の研究を通した具体的な成果としてこの本の中心を成すものと思える。その前後にはインターネットの歴史から,カウンターカルチャー,SF,スター・トレック,コミケ,ピカチュウ,アジア映画にまで言及があり,NPOやNGOのあり方や各国の情報政策についての紹介もありと,ありとあらゆるレベルのものを貪欲に取り込もうとした幅の広さと,意気込みを感じる。細かいトピックについても,かなりたんねんに調べられており,資料やテキストとしての価値は高いだろう。
 インターネットを中心に展開される電子ネットワークによるコミュニケーションは,日常生活に浸透し始め,もはやその全体像を距離をおいて客観的に観察することは難しくなってきている。現在では電子ネットワークがわれわれのリアリティを形成する要因,もしくは世界の認識を可能にする新しいレンズとして機能し始め,純粋に外的なものとして論じられなくなっているからだ。そうした電子ネットワークの作る社会を読み解くには,歴史を辿る時間的経緯や,ミクロからマクロに至る空間的スケールを一通りおさらいする必要があるが,さらにそこに新しい論を展開するには,この整然と階層化されていないノンリニアな新しいメディアをどういう視点からどういう構成で捉えていくかが重要なポイントになる。この本は著者のここ数年の講義録をベースに構成していったものと思えるが,リニアに展開される論は少々委員会の調査報告書のようであり,盛りだくさんではあるものの,レベルの違うキーワードがところ狭しと並んでおり,これらを一つのビジョンとして読後感に結びつけることが難しい。そして最終的にはこれらを電子ネットワークの持つ役割をゲームというキーワードに還元し,ゲームのシミュレーション性を可能世界と結びつけ,ゲーム間の確執を超えるメタ・ルールという世界のデザイン論にまで行き着くが,結局は人生における希望という凡庸な論で終わっている。筆者はこうした事例を通して,これらによって変わらない人間を描きたかったのだろうが,そのためには次の本を期待したい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本情報の表現と伝達

2000/09/13 18:15

情報のディジタル表現の基礎とその「なぜ」。高校教科,情報の教科書を検討する討論内容を受けたテキスト

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 本書は2003年から始まる高等学校普通教科「情報」で使われる教科書を検討するため,情報処理学会で討論された内容を受けて書かれたテキスト。初等中等学校の教員ばかりか,情報教育にかかわる大学関係者や専門家の読者も想定している。
 全体は5章で構成され,第1章「情報社会を考える」では情報が歴史的にどう扱われたか,第2章「記号と数値のディジタル表現」では文字やコード化やディジタル演算の基礎,第3章「アナログ情報とディジタル情報」ではアナログとディジタルの得失,第4章「ディジタル表現の活用」では画像処理や通信からデータ圧縮など,第5章「情報とは何か再考」では全体のまとめ,付録ではHTMLの解説もされている。
 著者は従来の教科書がハウツーに偏重しており,「なぜ」を説くことが必要だと説くが,本書は基本的なハウツーは要領よくまとまっているものの,「なぜ」までをバランスよく説くことには成功していない。
(C) ブックレビュー社 2000

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紙の本情報メディア工学

2000/07/10 09:16

メディア全般を考えるキーワードや人間工学的項目もカバー。コンパクトで分かりやすい教科書

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 この新世代工学シリーズは,大学の新しいカリキュラムに対応して,学期の間に十分内容をこなせるようなコンパクトで分かりやすい編集を行い,幅広い分野をカバーしようとしたもの。このシリーズは,他に「信号処理」「システム工学」「メカトロニクス」などの話題で構成されている。大学ノートサイズで本文以外に書き込みスペースを設け,100数10ページの体裁は,こうした意図を反映しよく考えられた造りになっている。
 さて本書「情報メディア工学」は,「情報」という言葉と「メディア」という言葉を融合した造語だが,情報はそれを伝えるメディアと不可分であるという認識から,その両者を総合的にかつ工学的にとらえようという言葉だ。マクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉を引くまでもなく,同じ情報もそれが紙の印刷物で伝えられるか電子メディアで伝えられるかによって,受け取る人の印象や受け取り方も異なる場合がある。つまり,大きな文脈でメディアをとらえようとするなら,情報自体の論理的な存在とそれを感じ理解する人間固有の五官を通した認識,またそれを伝える形態としてのメディアを併せて理解することが必要となり,それを情報メディアという言葉で論じようというわけだ。
 情報メディア工学の定義や範囲が示された後,人間の知覚の仕組みから始まり,言語,画像,音楽や感性までを含めた,いわゆるマルチメディアを論じるときに必要となる人間工学からデジタル処理の技法までオムニバス式に並び,教科書としてはコンパクトに広い範囲をカバーしているが,広すぎる範囲のものを情報メディアの名の元に無理やり並べてしまった感もある。ところどころに入ったコラムが,無味乾燥になりがちな教科書的構成にアクセントを添えているが,どちらかというと事典的。いわゆるマルチメディアに興味がある人に全般的な基礎知識を与えることには成功しているが,情報メディアという造語による新しい分野をまとめようとする意気込みは功を奏してはいない。
(C) ブックレビュー社 2000

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