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先月(2017年4月)

鹿島敬さんのレビュー一覧

投稿者:鹿島敬

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日本経済新聞2000/4/9朝刊

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 女性社員の職場での位置付けがどう変化してきたかを、明治にまでさかのぼって検証した労作である。興味深いのは、少なくとも明治期にあって、女性社員は男性社員と「交換」が可能な存在だったという指摘だ。当時、女性の職場への参入に対して、男性の職を奪うのではないかという「敵意」が存在し、それは両者の仕事に明確な線引きがなされていなかったからではないかという。
 今は、男性と女性の職域に大まかなすみ分けが成立し、そのため中高年男性の失業が女性のせいといった議論はまず成立しない。では、女性の職場での地位低下にもつながりかねない「交換可能」から「不可能」へという転換はいつごろ起きたのか。著者は、明治期、戦時下、戦後の女性事務職の変遷をたどりながら、ジェンダーの視点、すなわち男性事務職との比較の中から浮き彫りにする。
 結論を言えば、女性向けの仕事である女性職が顕著になるのは六〇年代以降。高度経済成長期がターニングポイントになっている。戦前までは男性事務職の勤続年数も長期化していなかったが、六〇年代に入るとそれが目につく。同時に男性には「一人で家族を養うこと」が期待されるようになり、女性事務職には結婚、出産のために早期退職のプレッシャーがかかりだす。やがて男性の仕事は「判断事務」、女性は「作業事務」という区分けも生じる。
 著者は膨大な資料を渉猟しながら、その変遷を綿密にたどる。戦時下の女性労働の位置付けがどんなものであったかなども、面白く読める。女性労働の積極的活用が説かれ、仕事そのものの女性仕様への転換まで検討される。有事にあっては男性の代替労働力、平時は家庭維持責任の期待と、時代の節目節目にあって、女性がほんろうされる姿が浮かび上がる。
 あえて注文を出せば、九〇年代以降の女性事務職の実態にもメスを入れてほしかった。年齢による区分け、有期雇用という名の性別分離が進行する現実は、本書で展開してきた尺度とは別の視点のジェンダー論が必要にも思える。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000

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