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田中 淳一郎さんのレビュー一覧

投稿者:田中 淳一郎

3 件中 1 件~ 3 件を表示

現代観光地理学

2001/05/10 22:17

全世界レベルで,観光地と観光の実態を理論的に説明している希少な学術書

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 今は懐かしい地域振興策,「リゾート法」の指定第1号となった宮崎・日南海岸リゾートの中核施設「シーガイア」が倒産してしまったことは記憶に新しい。残念ながら,あの巨大でモダンな施設は,宮崎を目的地とする観光客のニーズに似つかわしくなかったのだろう。シーガイアに限らず短命に終わってしまった諸施設の開発計画時に,もしも本書があればこんなことは多くなかったかもしれない。本書に目を通すと,そんな思いにかられる。
 本書は,観光客の行動と観光地の成り立ちをワールドワイドに学問としてとらえる。これまで,世界で長年にわたって研究されてきた,さまざまな観光に関する学術的研究成果を,あらためて整理し分析している。たとえば,観光地開発をいくつかのモデルで紹介しているが,なるほど観光客の行動と関係のない余った金の遣い道としてのリゾート開発は出てこない。短命な観光地開発が,投機的なものではなかったにしても,本書が指摘するような外国人旅行客の市場,行動,国内旅行者のニーズなどを把握していただろうか。
 おそらく本書には,世界的な観光業に従事している人たちから見れば,当たり前の観光や観光地についての結論がいくつか並んでいる。しかし,観光の現状を理論的に再認識したいということなら一読の価値は大きい。島・海浜・都市型リゾートについては特筆もの。
 さて,本書は観光地理学の翻訳論文だが,地域研究と国際関係が専門の訳者によると,地理からみた観光研究の文献としては,世界的に最も権威のある書なのだそうだ。訳者の思い入れも相当なようで,500ページ余りの大量な論文を,翻訳にありがちなわかりにくい言葉も,いい回しもなく訳してある。個人的には,海外旅行のマーケットは欧米とくにアングロサクソンの人々にあること,そして日本,台湾がそこに台頭しはじめていること,また観光産業においては,階級的なニーズの違いを,当然のことのように認識していることに気付かされた。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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いかんともしがたい日本農業の,厳しい現実をあらためて直視させられる

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 アジアの国々のなかには,農産物を日本に輸出することを,自国の経済発展のための重要な“国家戦略”として積極的に取り組んでいるところがあるという。米国など先進農業国も,ずっと前からそうしてきていたはずだ。日本の消費者も,価格が安くて品質がよければそれを歓迎する。ここ数年,この流れが顕著で,輸入農産物がどんどん日本に入ってきている。日本の農産物市場のパイが同じなら国産は減る。 こうした状況のなか,本書は,日本農業の発展を期待する立場から,日本農業がこのまま輸入農産物に押し切られてしまうのではないか,という危機意識のもとに出版された。とくに,農産物の中でもネギやトマト,パプリカといった16種類の野菜1つひとつについて,輸入品と国産品の量や価格,品質の違いなどをに時系列で分析,国産野菜については個々の栽培技術や経営環境の現状ついて詳しく紹介しているのが特徴である。
 かつて輸入野菜は国産の不作や端境期を埋める性格が強く,品質も二の次だった。しかしここ数年の間に,強力なコストパフォーマンスをもって国産野菜と見間違うような商品として常時輸入されたり,輸入野菜によりまったく新しい市場を創り出すなど,国産野菜にとって大きな脅威が広がってきているのだという。
 本書は,それを打開するための,主に生産現場への提案にまで及んでいる。だが,残念ながら,そこには目新しいアイデアはほとんどない。輸入野菜の脅威に対する方策の大抵は,農林水産省や農学者が従来から唱えてきたことの延長線にある,コスト削減やニーズへの適合,補助政策の積極活用といった,正論である。本書の執筆陣である農業界の専門家たちは,期せずしていかんともしがたい日本の農業の厳しさを知らしめている。まただからこそ,もっと多くのさまざまな立場の人が,日本の農業について知り,考える必要があることも思い知らされる1冊である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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古城巡りの旅をしているかのように,日本各地の城と歴史を興味深く学べる

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 姫路城に代表される中世の名城もたくさん登場する本書だが,弥生時代の吉野ケ里遺跡から江戸時代末期の品川台場まで,はたまたアイヌの城「チャシ」から琉球の「グスク」まで,日本の隅々まで広がる城を日本の長い歴史とともに紹介しているところが興味深い1冊。時代や地域によって,目に見えて「形」が変化する城それぞれの歴史を知ると,政治や宗教文化など概念的な歴史をたどることよりも,日本の歴史の広大な時間と空間を実感してしまうのは私だけであろうか。
 さてまずは,地元の城や訪ねたことのある城の歴史を読んでみたい。そして,ある1つの城の歴史を読むと,それがほかの城の歴史にリンクしていることに気付く。例えば,上野沼田城で紹介される真田信之の「鬼嫁」の逸話は,義父昌幸が居城の信濃上田城に帰還中の歴史の一コマになっている。リンクする歴史物語を追っていけば,書上城巡り旅行が楽しめるという寸法。
(C) ブッククレビュー社 2000

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