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佐野 正人さんのレビュー一覧

投稿者:佐野 正人

財政赤字の累積が将来の日本をつぶすというのは根拠のない俗説。リチャード・クー氏による財政出動擁護論

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 2001年度末に政府が抱える長期債務は666兆円。国内総生産(GDP)の1.3倍で,先進国では最悪の水準である。過去10年間,バブル崩壊後の経済を支えるため何度となく財政出動を繰り返してきた結果である。このまま財政の劣化が進めば,いずれ日本経済そのものが痛んでくるとの危機感が台頭し,財政建て直し論も勢いを取り戻してきた。
 これにあえて異論を唱えたのが本書である。これまでの政府の財政出動はすべて正しい。橋本内閣がやった緊縮財政こそ間違いだった。財政再建論を自信満々に切って捨てる筆者の論拠は,今の日本経済がバランスシート不況という泥沼に落ち込んでいるという基本認識にある。バブル崩壊で資産がはげ落ち負債が大幅に超過した状態にあっては,企業は借金減らしを最優先するから金利をいくら下げようと,需要は出てこない。ならば財政で需要を作ってやるしかないという論法である。マネタリズムを一蹴(いっしゅう)し,今こそケインズの出番だという主張は長期金利が1%台に低迷していることでさらに確信を深め,こういう財政赤字なら需要不足を埋める「良い財政赤字」だというタイトルにつながっていく。ちなみに「悪い財政赤字」とは,民需が満たされているのに過剰な財政支出で長期金利を高騰させ,民間の資金調達に支障をきたすような財政赤字のことになる。
 こうした主張はこれまでにも何人かのエコノミストによって展開されてきた。政府債務の累増について著者は「国民に対する国債の償還は国民の財産になる」と将来の危機感を退けているが,これも目新しい主張ではない。財政論に限定すれば,膨張政策がもたらす財政規律の喪失や既得権の温存など,論争点はさまざまに出る。しかし日本経済の構造分析,病巣の本質,これへの政策対応といったマクロ論ではさすがに説得力を持つ。すぐれた書き手による「わかりやすい日本経済白書」として評価しなくてはなるまい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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増税路線への道標。消費税率の引き上げ,所得税の課税最低限の引き下げなどに言及

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 2000年7月に政府税制調査会が出した中期税制答申の普及版。税調答申としては異例の,400ページ近くに及ぶ分量で,税制が抱える課題の総集編。いわば「税制白書」である。
 「21世紀に向けた国民の参加と選択」の副題を付け,税制に対する国民の理解を呼びかけた体裁をとっているが,いうなれば増税を容認して欲しいということである。巨額の財政赤字,税収の伸びの鈍化,累増する社会保障コスト。もはや減税の余地はなく,近い将来の増税を視野に置くしかないと訴える。
 消費税,所得税,相続税,事業税と増税のメニューが並ぶ。それぞれに展開する増税の論理は税制の勉強になるが,賛成するかしないかは読者の判断である。
 しかし,いずれにしろ知識は共有しなくてはならない。税制は当局任せで,自分は知らなくていいでは済まなくなってきたのは事実。その意味では啓蒙の書でもある。
(C) ブッククレビュー社 2000

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