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レビューアーランキング
先月(2017年8月)

丸山正明さんのレビュー一覧

投稿者:丸山正明

4 件中 1 件~ 4 件を表示

イタリア家具・インテリアのアルフレックス社に魅せられデザイナーから家具職人に転身する自分探し半生記

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者は,自分の感性を信じてやりたいことをどん欲に追求する。人生の活躍期である30歳代にイタリア家具・インテリアの魅力を,同時にイタリア生活の楽しさを日本人に伝えることに生きがいを求め,自らも楽しんでしまう。
 著者は,家業の医者を継がずに,わがままを通して商業デザイナーとなり,本田技研工業の宣伝広告を手掛けるデザイン会社に就職し,本田が4輪車のスポーツカー進出に立ち会うなど,充実したデザイナー生活を送る。しかし,宣伝広告づくりでは製品開発に最初から参加できない不満を感じ,1960年代当時に日本の男性ファッションの歴史を変革し始めていたヴェンジャケットに入社し,宣伝・販売促進に邁進(まいしん)する。同社を率いる石津健介氏に挑戦し続けるための自己主張の仕方を学ぶ。
 海外旅行で外国の生活を知った結果,日本人の貧相な生活様式に耐えられなくなり,気に入ったイタリアの生活様式に飛び込む。家具職人の素人であり,ほとんどつても無いのに,イタリア・ミラノ市に行く。漫然と歩き回って,ショーウインドーに飾られていたアルフレックス社のソファに魅せられる。人づてになんとか無給の“丁稚奉公”としてアルフレックス社の工房に潜り込む。結果的に,自分の希望をかなえてしまう行動力と強運にあきれるだろう。
 見かけは質素だが,人生を常に豊かに暮らそうとするイタリア人気質に触れ,モダンファニチャーの家具職人として成長していく。家具のアイデア・設計側と試作側の攻防などを通し家具開発を学ぶと同時に,イタリア人的合理主義も学ぶ。
 その後,同社の日本での製造権・販売権を得て,アルフレックス社の日本代表に就任し,イタリア家具・インテリアの伝道師を務める。開業時の資金を援助してくれたのは,石津健介氏だった。その後,同社の切り回しなどは,ベンチャー企業の育て方の実践教育編でもある。
 本書は,細部に出てくるイタリア人気質と生活様式の面白さは読みごたえがある。著者の生き方を通して,異文化との出会いが楽しめる。もう一つは,これをやりたいと思ったら,必ずやり遂げる意思の前には,ほとんどの困難が解消する不思議さのあることが,人生訓である。本書の体裁や紙面デザインも楽しめる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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大学・研究機関の技術を直接ビジネスへ

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 日本の大学発ベンチャーを調査研究しているグループの一員である著者は、日本が学ぶべき手本はベンチャー企業の創業が急増しているドイツと主張、その実態を具体的に解説する。

 経済産業省のいわゆる「平沼プラン」では、大学発ベンチャー企業を3年間に1000社起業させたいと、支援政策を次々と打ち出している。大学発ベンチャーが注目される理由は、大手企業同士の製品・サービス事業が国際的な大競争時代を迎え、現在の事業の強化にしか手が回らない状態に陥っているため。このため、次の事業シーズは外部から導入せざるを得ない。事業シーズの供給先として期待されているのが大学発ベンチャーだ。

 現在の米国の繁栄は、大学の研究成果を基にした大学発ベンチャーが新規事業を創設したのが主な原因と分析されている。例えば、インターネットのWEBブラウザーソフトは米イリノイ大学から生まれるなど、IT(情報技術)やバイオテクノロジー、材料を中核としたナノテクノロジーなどの開発競争が激しい分野では、大学の研究成果をいかに早く事業に直結するかを競っている。1980年代のように、大学や自前の中央研究所が発見したシーズを、期間をかけてニーズとマッチングさせて事業化する悠長な時代は終わった。大学発ベンチャーが育てた事業を買収・合併(M&A)し、急成長させる時代を迎えている。

 90年代後半になると、ドイツでは大学発ベンチャーが1年間に約700社と米国の約2.5倍も誕生し始めた。2001年は850社に達する見通し。大学や公的研究機関が研究資金を企業などの外部から集められる仕組みや、若手研究者の採用期間を限定する任期付き採用、東西ドイツ融合による高学歴者の就職難などの国内状況がうまく作用し、ベンチャー企業による産業振興が成果を上げ始めている。

 著者は、ドイツは大学の仕組みなどが日本に似ているため、ドイツの産官学連携の研究開発体制を学べという。日本企業の構造改革の進め方を示唆する解説になっている。

(丸山正明/東京工業大学大学院非常勤講師)

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昆虫バイオ工場

2001/01/25 12:15

昆虫が持つタンパク質高分子合成機能を利用し,人間の体内物質に似た有用物質をつくるバイオ工場リポート

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 カイコを利用し,天然にはほとんど存在しない人間のホルモンなどの有用物質を効率的に合成する“昆虫バイオ工場”が実現間近になってきた。動くバイオ工場としては,これまで利用されてきた大腸菌では小さ過ぎるし,マウスなどの哺乳類の家畜では大き過ぎるため,昆虫が現在注目されているのである。
 昆虫のなかでも,カイコやミツバチは最も家畜化された昆虫であり,飼育法が確立済み。特にカイコは絹をとる養蚕業が発達し人工飼料などの育成技術が高度に完成されており,有用なタンパク質をつくる昆虫として利用する開発が進んでいる。カイコの幼虫は,ふ化してから1カ月間で約1万倍にまで急成長する優れたタンパク質合成能力を持ち,合成したタンパク質を貯蔵する能力も兼ね備えている。
 カイコを昆虫バイオ工場に変える仕組みは,カイコに感染するウイルスが持つ遺伝子の調整領域(「プロモーター」と呼んでいる)を利用する。ある遺伝子の調整領域が特定のタンパク質を大量に合成させ始めるきっかけになるものを見いだし,昆虫バイオ工場化させている。この調整領域(プロモーター)探しが世界中の研究者によって精力的に進められてきた。カイコのウイルスは,種特異性が強いので人間には感染しないことも,使いやすい利点になっている。さらに,有用なウイルスの大量増殖やカイコにウイルスを工業的に大量に注射する方法など,生産効率を高める応用開発も進んでいる。
 別の生物の遺伝子が染色体に挿入された組み換え動物を形質転換生物と呼ぶ。これまでは,昆虫ではショウジョウバエだけが,形質転換可能だったが,最近はカイコの形質転換化のメドが立ち,種の壁を超えてまったく別の性質を持つ絹糸をカイコにつくらせる研究開発も進んでいる。カイコが元来持っている絹糸というタンパク質以外のタンパク質を合成できる可能性が出てきたといえる。
 本書は,第1章とプロローグは,初心者向けにかなりかみ砕いて説明している。その後の章は,かなり歯ごたえがある。バイオ最前線を理解するハードルと思って,着実に読み進んでみよう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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副題にあるとおり「起業ゲームの勝利者たち」シリコンバレーの主人公は桁外れの大金持ちとして君臨

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 もしシリコンバレーが国家だったら世界の12位以内に入るほど豊かな地域である。1970年までは静かな片田舎だったシリコンバレーは,現代の黄金狂時代を迎えて100万ドル以上所有している億万長者が約25万人も住み,ある調査によれば毎日64人の億万長者が誕生している金持ちの町である。シリコンバレーに集まって来る20歳そこそこの若者は,「自分は,人間の生き方を一新させるすごいアイデアを持っている」と信じて乗り込んで来る。こうした自信過剰の若者たちにとっての神様は当然,起業ゲームの勝利者であるビル・ゲイツやマーク・アンドリューセン,ラリー・エリソンなどである。
 インテルがマイクロチップを出荷し始めてから,シリコンバレーは野心あふれる起業家とベンチャー・キャピタル志向の金持ちがさらに大金持ちになるための町に突き進んでいった。第四章の「スター誕生」は,インテル設立からアップルコンピュータ誕生までのシリコンバレー開拓史をしっかり解説する。第五章の「華麗なる賭け」以降が,桁(けた)外れのお金持ちの実態編となる。オラクルの創設者のエリソンは,2000年に日本風の木クギだけで建てている4000万ドルの豪邸を楽しみにしているという(本書の原書は1999年米国で発行)。この豪邸は3軒目の豪邸で,所有する車はマクラーレンのオープンカーなど5台に自家用ジェット機3台と曲芸飛行機数機まで所有する。実は,車はフェラーリを2台持っていたが,スピード出し過ぎで燃やしたとのうわさである。豪華ヨットの「さよなら号」も所有し,アメリカズカップのベテランのヨットマンを雇っているなど,わがままな金持ちとして振る舞っている。シリコンバレーでの強引な仕事の進め方と表裏一体なのである。
 シリコンバレーで活動するベンチャー・キャピタルの代表格のKPCBは,14億ドル以上の資金を抱え,ベンチャー企業約300社とつきあってきた。こうしたベンチャー・キャピタルの中からも,桁外れのお金持ちが次々と誕生している。伝説のアーサー・ロック,ジーン・クライナー,トム・パーキンスなどの成功例を簡潔に解説する。鼻持ちならない金持ちの所有欲を直接的に書き続ける。このシリコンバレーの金銭感覚は異常だと思うが,異常だと感じる人は,シリコンバレーでは主人公にはなれない。これも厳然たる事実である。金銭感覚と起業ゲーム好きに関心が高い人に薦めたい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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