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  3. 藤森 敏雄さんのレビュー一覧

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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

藤森 敏雄さんのレビュー一覧

投稿者:藤森 敏雄

11 件中 1 件~ 11 件を表示

痴呆高齢者の問題行動を分析し,援助の方法をマニュアル化。痴呆高齢者に対応するための配慮に満ちている

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 東京都老人総合研究所の主任研究員で,特定非営利活動法人(NPO)全国高齢者ケア協会の理事長でもある鎌田ケイ子氏が,痴呆(ちほう)高齢者のケアについてまとめたものである。
 1〜4章は痴呆ケアについての考え方をまとめたもので,以下の章の導入部にあたる内容である。5章は,「精神症状への対応」として,被害妄想や夜間不穏・不眠などへの具体的な対応法をチャート式にまとめている。さらに6章では「問題行動への対応」として,徘徊(はいかい),失禁,不潔行為など,問題行動について,状況別に具体的対応法を示している。第7章の「施設ケアの展開」では,痴呆高齢者が入院または入所した場合のアセスメントの仕方からケアプランの作成,生活ケア,身体ケア,家族への支援,退院(所)に向けての援助まで,課題と対応方法を幅広い視点からまとめている。
 痴呆高齢者の本質を理解して,本人の生活の課題解決を支援するという姿勢が貫かれており,援助者として痴呆高齢者に対応するための配慮に満ちている。病院または施設の看護婦や介護者が,痴呆高齢者の看護や介護で行き詰まったときに,解決の糸口となる本であろう。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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睡眠についての基礎知識から,睡眠についての悩みまで,幅広く解説

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 睡眠に関して,脳科学の研究者と睡眠障害の治療を行う臨床医の2人の専門家が執筆した本。堅苦しくなく,短い読み切りスタイルでまとめられ,しかも専門的な内容も含まれている。
 第1章では,寝だめができるのかなど素朴な疑問に答える形で,睡眠についての基礎を解説している。もちろん寝だめはできないわけだが,例えば,加齢とともに「睡眠を作り出す力もそれを維持する力も衰えている」そうだ。非常に興味深かったのは,風邪をひいたらなぜ眠くなるのかという疑問に,免疫物質のサイトカインが「深いノンレム睡眠を引き起こ」し,さらに「レム睡眠の出現を妨げる方向に働」くということで,風邪をひいたときに眠くなったらぐっすり眠るのがよいという理由を説明している。
 第2章の「人はどういうふうに眠りを科学してきたのか」では,睡眠に関する科学的研究について,アルファ波など脳波の話や自律神経と睡眠の関係などについて解説。眠っている時に電話がかかってくるなどして起こされたときに,心臓がどきどきするのは,心房細動が起こる可能性があるなど要注意といった,恐い話も含まれている。
 第3章「あなたはなぜ眠れないのか」と第4章「専門医に聞く睡眠力を高めるためのポイント」は,どちらもQ&A形式で,睡眠に関連した悩みに応える内容となっている。例えば,不眠の悩みから不眠の状態が慢性化する精神生理性不眠症について,日本では「慢性不眠症のほとんどがこのタイプではないか」と指摘,専門医による適切な治療の必要性について強調している。また,各種の睡眠障害について説明しているが,睡眠時無呼吸症候群の治療法として効果が高い,経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)について,筆者のクリニックで行っている治療の実例を交え,保険適用の問題や適用などについて分かりやすく説明する。さらに,快適に眠るための寝具や環境,アロマセラピー,入眠効果のある「ツボ」など,幅広い疑問にも答えている。
 睡眠の悩みや疑問を解消するのに,気軽に読めてある程度の回答が得られる良書といえる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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看護および介護労働に携わる労働者の垂直分化の是非と労働条件について鋭く批判

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 公的介護保険制度が発足して,制度上の問題点や経済的な影響について研究した書籍は多く出版されている。本書は,医療や介護の現場に携わる看護婦やホームヘルパーの労働条件や資格制度による垂直分化といった労働問題を中心に,調査結果を引用しながら論評しており,類書にはない視点を持っている。介護労働に携わることを希望している人や,労働問題に関心を持っている人が読者対象になろう。
 ホームヘルパーに代表される介護職員の雇用形態や給与の実態,および健康状態など,労働条件全般についてさまざまな資料をもとに分析している。さらに,看護と介護という本来であれば非常に近接する業務を資格制度によって分離していることの背景や,その与える影響などについても,鋭く問題点に迫っている。
 医療や医療経済,看護,労働問題など幅広い分野の研究者,22人が執筆に当たっており,多面的な分析となっている。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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介護保険施設の生き残り戦略を,地域中核的施設の経営者が提言

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 全体を三浦文夫氏が監修し,立正大学社会福祉学部教授の小笠原祐次氏と日本生命財団高齢社会副支部長の中西茂氏が編集,10施設(群)の社会福祉法人や医療法人の理事・理事長・施設長が介護保険施設の具体的な運営について議論している。登場する施設関係者は,いずれも医療や福祉に関心を持った人なら一度は聞いたことがあり,医療施設や福祉施設を中心として地域で中核となるような施設群を作っている。
 それぞれの施設の生い立ちについて説明した後,各施設の蓄積を活用していかに介護保険制度に対応しようとしているか,さらに危機感を持ちながら今後の施設運営をどのように考えているかに触れている。いずれの施設の話も読みごたえがあり,施設関係者にとっては参考になると思われる。
 例えば,介護療養型医療施設を経営する広江病院を中心とする医療法人養和会の理事で社会福祉法人養寿会の理事長の廣江研氏は,「介護療養型医療施設の経営戦略−介護保険を生かし,生き残るために」と題して療養型病床群の経営についてまとめている。そのなかで,療養型病床群が生まれてきた経緯,医療施設と介護保険施設になった場合の収益面の比較,介護療養型医療施設と医療療養型病床群の今後の経営環境と生き残るための対策——と,幅広く解説を加えている。最後に,同グループは地域で中核的な施設群を形成しているにもかかわらず,介護療養型医療施設にとってのこれからの数年間について,「従来の医療機関の常識から脱却し,一般企業並みのリストラクチャリングを行うのには最大のチャンスでもあると思う」と締めくくっているのは印象的である。
 また,特別養護老人ホーム神港園しあわせの家施設長の高谷育男氏は,ユニットケアの考え方で痴呆(ほう)進行度が近似した利用者同士をいっしょに生活させるという方針をとっていることを説明。大部分の介護保険施設で行っている「大規模混合処遇」に代えてユニットケアを導入する場合の得失について議論を進めている。
 また,小笠原氏は,特別養護老人ホームを中心とした施設サービスについて経営戦略を簡潔にまとめているが,介護サービスの展開にあたって規模のメリットより範囲のメリットと呼ばれる多角経営のメリットを生かす必要があるという非常に重要な指摘をしている。
(C) ブッククレビュー社 2000

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条文順に重点事項をまとめたきめ細かな社会保険労務士試験受験の基本書

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 平成12年度の社会保険労務士試験は,記述式が選択性に変わるという大きな変化があったが,合格率は8.6%と前年より上昇したものの,相変わらず狭き門になっている。受験生はまず,基本書と過去問題集を購入して準備することになる。
 本書は,早稲田社労士セミナーが編集・執筆した基本書で,以前は「社労士マスターシリーズ」という書名だったのを,2000年受験用から一新した。全体は労働基準法,労働安全衛生法・労務管理その他の労働に関する一般常識ほか5分冊になっており,定評のある過去問の,「なにがなんでも合格社労士過去問1,2」とセットになっている。
 書評用に見た労働基準法では,全体を15章に分け,さらに法律の条文など出題事項を出題codeとして39に分けて整理している。章の構成は,出題codeごとに過去7年間の出題傾向を分析,出題codeの説明では法律の概要を説明し,解説として施行規則や通達,判例などが必要に応じて記述されている。多色刷りではないが,アイキャッチなどのビジュアルに工夫がこらされており,大変に読みやすくできている。出題codeごとのまとまりが分かりやすい点にも,工夫がこらされている。版型はA6版とコンパクトで,持ち歩くにも適当である。
(C) ブッククレビュー社 2000

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介護福祉士が学生の介護実習の指導法を幅広く解説

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 介護福祉士の介護実習について,現場で介護業務や相談業務にあたっている大阪府介護福祉士会の有志が中心となり執筆した。後書きには完成に2年間かかったとあるが,介護福祉士の養成施設や希望者が増える中で,時機を得た企画といえよう。
 書名は「マニュアル」となっているが,単純なハウ・ツウものではない。実習生受け入れにかなり積極的な施設でないと,困難と思われる実習オリエンテーションと実習前教育をはじめとして,介護計画の作成に実習生を参画させる方法,通所や訪問介護の実習についても言及している。
 第3章では,コミュニケーション技法,身辺介護,家事援助など,ともすれば何気なく行ってしまう介護・援助業務について,要素に分解して具体的な注意点や考え方を細かくまとめている。第4章では,医療類似行為を含め,医学的な問題がある場合の対処方法,精神に障害のある利用者に対する介護法,トラブルへの対応をまとめており,現場で判断に困る場合の対応法として役立つと思われる。
 実習指導者はむろんのこと,実習を受ける学生や施設の職員が介護のあり方について学ぶ上でも非常に参考になると思われる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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社会とのかかわりを指標化し,ケア・マネジメントへの活用を提唱

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 高齢者の痴呆を防止したり,活動的な生活を送るためには,社会とのかかわりを持ちつづけることが必要であり,逆に社会とのかかわりを持ち続けている高齢者には活動的な人が多いということは,経験的には語られている。しかし,社会とのかかわりを客観的にあらわす数値化された指標が開発されていないし,さらに個人の社会とのかかわりと健康状況について長期間追跡した研究が少ないため,実際にこれを証明するのは難しかった。
 本書は,長年この分野に活発に取り組んでいることで注目されている国立身体障害者リハビリテーションセンターのグループで,社会適応システム開発室の研究員である安梅勅江氏が書き下ろした著書である。
 全体の構成は,「第1部 理論編:社会との関わりを指標化する意味」と「第2部 実践編:社会関連性指標の活用法」に分かれている。
 第1部ではまず,ケアの実践において社会とのかかわりの状況を指標化することの意味,さらに発達理論やエイジングの理論からして社会的なかかわりについて検討することの重要性を強調している。
 こうした前提となる理論的な記述に続き,人と社会のかかわりを指標化した社会関連性指標についての説明が始まる。同指標は,家族や家族以外と話をする機会についてや新聞やテレビなどの情報への関心の程度など,18項目からなる質問票に対象者または調査員が記入し,それを生活の主体性,社会への関心など5領域に分けて評価するもの。この指標を使って10年間のコホート研究を行った結果,社会関連性は健康状態の変化と関連し,将来の身体の活動能力や死亡率にも関連することが分かったという。
 第2部では,社会関連性指標を実際の調査に使用する方法や,ケア・マネジメントのアセスメントやケア・プラン作成,介入,評価,フィードバックといった一連の流れに利用する方法といった実践での活用法を詳しく説明している。さらに,社会へのかかわりが少ない人に対してどのような介入を行うかについて,高齢者のおかれた状況別に作成した説明用の資料の実例や,地域住民を対象とした地域ケア・マネジメントへの活用事例も示しており,幅広い活用法を提示している。
 クライアントに社会とのかかわりを広く持ってもらいたいと考えている福祉関係者に参考となろう。
(C) ブッククレビュー社 2000

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ソーシャルワークの原点に戻り,介護保険,児童福祉など社会福祉の今日的問題を論議

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 愛知県立大学文学部社会福祉学科の教官が分担して書き上げた社会福祉に関する解説書である。中心となった編集・執筆者は,中田照子(現在は同朋大学社会福祉学部教授),大和田猛(現在は青森県立保健大学健康科学部社会福祉学科教授),大曽根寛の3氏。分野は社会学と法律学,心理学と幅広く,社会福祉政策とソーシャルワークの関係をあらゆる角度から説明している。
 全体的には学問体系を説くというより,「はしがき」にあるように,各執筆者が今日的な問題についてまとめた論文を集めたという色彩が強い。記述方法が完全に統一されているわけではないが,掘り下げ方に個性がある。さらに引用文献はオーソドックスな単行本が多く,広く知識を得ようとする学生や研究者,ソーシャルワークを実践する者にとって利用価値が高いと思われる。
 児童福祉に関しては,1948年の児童福祉法の成立時にさかのぼり,保育所と幼稚園の2元化が進められた経緯から始まり,児童福祉法が改正に至った社会的環境の変化や,行政の対応や地域のエンゼルプランの策定状況,社会福祉政策へ与える影響など幅広く解説する。
 第1部第3章の「社会福祉政策と実践方法の総合的視点」と第4章の「高齢者福祉政策と社会政策」では,かつて行われた社会福祉本質論争や高齢者福祉と社会政策に関する議論の流れを説明。さらに,「介護保険制度はいってみれば要介護認定の申請から決定通知までの行政手続過程とケアプラン作成依頼からサービスの提供までのケアマネジメント過程によって構成され,政策と実践が相互に共同して展開されるものである」と本書のメインテーマである社会福祉政策とソーシャルワークの関連について解説している。
 第2部「介護保険をめぐる政策と実践」では,介護保険制度や成年後見制度の総括的説明に加え,介護保険制度下でのケアマネジメントとコミュニティーワークのあり方について解説を加えたうえで,今日,ソーシャルワークに必要とされる役割を議論している。
 ソーシャルワークにかかわる人が大学などで学んだ福祉の原点に戻って,現実の業務を考え直すきっかけとなりそうである。
(C) ブッククレビュー社 2000

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介護保険のもとで,医療・福祉施設の増改築の可能性を設計・経営の両面から詳しく解析

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 介護保険の導入やその他の制度改革により,医療や福祉施設を取り巻く環境は大きく変化した。状況に対応するため,適切な時期に適切な設備投資を行うことが必要で,その判断材料が求められている。本書は,設計事務所と医療を中心としたコンサルタント事務所の代表を兼務する野口氏と,ヘルスケア施設設計に携わってきた中田氏の共著。中田氏が社長を務めるメドックス設計は今年で30周年を迎えた。
 設計とコンサルティングができるという著者らの強みが発揮されているのが,「第2部 ヘルスケア施設の企画と設計」である。人間ドック,療養型病床群,老人保健施設などの医療施設や特別養護老人ホーム,ケアハウスなど福祉施設,計9種類の施設について,施設内容,マーケティング戦略,今後の展開に続き,建築費や土地取得費,機械・設備費用などの事業計画や開設後10年間の事業収支,実際の施設の平面図と写真が示されている。施設の増改築に必要な数値が概算できる。さらに,建物や設備ごとの耐用年数や各種補助金,管理のコストについても言及,経営を考えた施設づくりとは何かを追求している。
(C) ブックレビュー社 2000

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感染症の危険にさらされている現代人に,ワクチン接種による予防法の再認識を提唱する

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 筆者が本書で繰り返して強調していることは,「質がよく効果のあるワクチンを作るということは医学の領域。それを使うかどうかは医療政策上の問題」ということである。
 タイトルになっているインフルエンザワクチンについて言えば,流行を予測して副作用が少なく効果の高いワクチンの開発が進行している。また,同ワクチンでは「血液中の抗体は,症状を軽くするのには役立っても発症を防ぎきることはできない」ため,米国では感染経路に沿って鼻腔にワクチンを注入する方法が試みられている。2回接種で90%以上に有功という結果が出ているという。
 しかし,問題はそれをどのように使うかということである。小学生に接種して感染を防ぐという方法はあまり効果をあげなかった。そのためワクチンの接種者数は,日本では1988年以降激減しているのに対して,アメリカでは増え続けている。米国では大規模な研究によって,インフルエンザワクチンとともに肺炎球菌ワクチンを高齢者に接種することによって,肺炎で入院する高齢者が7割減少することが判明した。これを受けて両ワクチンの接種が勧められているためだ。
 99年冬には,わが国で高齢者の死亡が相次いだため逆に,インフルエンザワクチンの不足が社会問題化したのは記憶に新しい。それでも米国と比べると,対策が不十分だと批判する。その前年,98年のいわゆる感染症新法によって,健康状態のよくない人に接種を止めることを明文化した。「健康状態の悪い人ほど……予防接種が必要であると考えられる」と疑問をはさむ。米国では,高齢者とインフルエンザにかかると危険な基礎疾患のある人にむしろ同ワクチンの接種を強く勧めているという。さらに,国民自身も国まかせにせず,正しい情報から判断して,「わが身を感染から守り,社会の負担を軽減するという発想が必要」と強調する。
 本書の中では,小児の感染症,特にハシカについてや,性行為感染症,高齢化と感染症の関係についても言及している。将来の問題として,ブタやヒヒの組織を人に移殖する試みが始まっている。それ自体は移植臓器の不足を解消する可能性があるが,動物由来のウイルスや動物細胞に内在するウイルスなどの新しい感染症が広がる危険性を指摘。付録で,感染症ごとの特徴と予防法をまとめた感染予防マニュアルもあり,全体的に簡潔でわかりやすい。
(C) ブックレビュー社 2000

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“第2の薬害エイズ”とされるヤコブ病患者の家族の闘病記録と大津裁判での緊迫のやり取り

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 「第1章 異変」にそえられた扉の写真から,引き込まれるように読んだ。当時41歳だった谷たか子さんが体調を崩して入院,震える手で「ゆうべはこわいゆめをみた。わたしのゆめをぜんぶけそうとしている」と記したメモである。縦書きと横書きが混在し,文字も乱れている。快活だったたか子さんは,このメモを最後に文章を書けなくなり,意識もはっきりしなくなる。大学病院でようやく診断がついた。イギリスから始まった狂牛病騒ぎで一般人にもその病名が知られた致死性の痴呆症,クロイツフェルト・ヤコブ病だったというのである。
 ヤコブ病はプリオンという感染性の蛋白粒子によって伝染するとされ,初期は軽い痴呆症状であるが,次第に言語障害や意識障害などが起こって痴呆症が進み,最終的にはまったく動くことができなくなる。有効な治療法は現在のところはない。
 夫である三一さんは,狂牛病をきっかけに発足した厚生省の研究班の新聞記事を目にした。ヤコブ病患者の中に,脳の開頭手術の際に医療材料であるヒト乾燥硬膜の移植を受けた患者が含まれていたという内容である。たか子さんは1989年に,脳外科で手術を受けていた。これが原因と直感した三一さんは医師の紹介状を開封する。そこには硬膜移植を受けていたことが記述されていた。
 三一さんが友人と開催した勉強会で,硬膜移植の危険性について米国立防災センター(CDC)が87年に警告し,危険性の高い製品については回収を指示していたことが判明。大津市や厚生省,硬膜の輸入会社を訴えることになった。大津訴訟の第1次提訴である。厚生省が乾燥硬膜の使用停止と回収を通知したのは97年3月,提訴の4カ月後である。
 筆者は毎日放送のディレクターで,98年3月に「映像90 薬害ヤコブ病 谷たか子の闘病記録」を制作した。同ドキュメンタリーは,評価が高く,数々の賞を受賞したほか,厚生省に対する国会質問に引用されたり,小渕前首相の答弁でも言及されたほど。続編である「映像90 薬害ヤコブ病 見過ごされた警告」も含む取材過程で収集した膨大な資料をもとに執筆した。
 本書は,数多くの文献や取材を積み上げて論理を展開している。ヤコブ病を含む脳や神経の難病を研究するため,厚生省が設置していた遅発性ウイルス研究班の報告書のすべてに目を通した筆者は,外科手術がヤコブ病感染に影響を及ぼしている危険性を同研究班では認めていたにもかかわらず,CDCの警告を反応できなかった研究者と厚生省について責任を糾弾している。
 圧巻なのは,大津訴訟の裁判における生々しいやりとりである。国側の証人として立った脳神経外科の教授は,硬膜が使用禁止になっても手術は不可能ではなかったことや,汚染した硬膜によってヤコブ病患者が発生したことが脳神経外科医にとっても「痛恨」の事件だったと感想を述べている。ヤコブ病などのプリオン病の権威が,米国における警告を重大なことと認識しなかったことの責任を問われている様も,印象的である。
(C) ブックレビュー社 2000

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