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    体が硬い人のための柔軟講座 (NHKテキスト 趣味どきっ!)

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    中野 ジェームズ修一 (講師),日本放送協会 (編集),NHK出版 (編集)

    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

まちさんのレビュー一覧

投稿者:まち

14 件中 1 件~ 14 件を表示

紙の本あかちゃんのゆりかご

2002/03/05 12:55

ミルクのにおいがする、幸せなゆりかご

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 生まれてくる赤ちゃんのために、お父さんがゆりかごを作りました。シンプルで美しいゆりかごです。それに、おじいちゃんがペンキで色をぬり、動物の絵を描いてくれました。それから、おばあちゃんが色とりどりのきれを縫い合わせて、ベッドカバーにしてくれました。もうじきお兄ちゃんになる男の子も、紙でゆらゆらゆれる、モビールをつくってくれました。本当に美しいゆりかごになりました。あと足りないのは、そう、赤ちゃんだけです。
 こんなにみんなから待ち望まれ、見守られて、生まれてくる赤ちゃんは、なんて幸せなんでしょう。赤ちゃんは、ちゃんと生まれてきました。その可愛らしさで、美しいゆりかごをつくってくれたみんなに、お返しをしています。ばらいろでふっくらしたほっぺたをして、ミルクのにおいをさせて、くうくうのどをならして。美しいゆりかごの中、キルトのベッドカバーにくるまれ、ゆらゆらゆれるモビールの下で、赤ちゃんは眠ります。
 たとえば、小さな子どもでも、自分に新しく弟や妹が生まれる前にこんな絵本に出会ったら、もっと幸せな気持ちになるでしょう。少し大きくなって、学校で嫌なことがあったとしても、この絵本を見たら、“ああ、自分もこんな風に赤ちゃんのときを過ごしたのかな”ということを思い出して、元気が出るに違いありません。
 みんなが、このゆりかごの赤ちゃんを通して、幸せになるといいなと思いました。

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紙の本キャベツ姫

2002/05/21 16:28

カッとして、相手にひどいことを言ってしまうことがあります。それで相手がそのとおりになってしまったら…

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 昔々あるところにおこりんぼうで口の悪い王さまがおりました。おきさきのことは「おいぼれのめんどりめ!」、おしゃれの好きな王子は「へなちょこのくじゃく男!」、そして、美しいけれどおとなしいために結婚ができない姫は「いくじなしのぼんくらキャベツ!」としょっちゅう怒鳴り散らしていました。ところがあるとき王さまは、悪たれ口がすべて本当になるという魔法をかけられてしまいます。気をつけていても、イライラしたりカッとすると、嫌な言葉が口をついてしまい、その悪たれ口のままに、おきさきはおいぼれためんどりに、王子はくじゃくに、そして姫はキャベツ姫に姿を変えてしまいます。王さまが泣いて後悔しても、後の祭りです。さて、その魔法をとくことはできるのでしょうか。
 華麗で幻想的な世界を描くエロール・ル・カインが創作した物語は、ユーモアの中に少しの毒が隠されています。英語では、キャベツに「まぬけな人」「無気力な人」という意味があって悪口になるそうです。その一方で、「赤ちゃんはキャベツ畑のキャベツの中で生まれる」という言い伝えもあるので、ル・カインはそこからイメージして物語を紡いだのかもしれません。
 どんな殿方の求婚にも「侍女といた方が気楽です」と拒んでいたおとなしいお姫さまが、最後だけはきっぱりと決断をするのも、読んで気持ちが良い結末となっています。

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髪をきゅっとひっつめて、メガネをかけた愛想のないつんつく先生が、ときどきとってもかわいらしい!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 つんつくつるこ先生率いる「つんつくえん」の子どもたちが遠足にでかけました。山の中の一軒家には、15人みんなの分のスープが用意され、15のベッドがありました。ところがそのとき、つんくま先生率いる「つんくまえん」の15ひきのくまたちが、やっぱり遠足で山の家めざしてやってきたのです・・・。
 人間の子どもたちが遠足で山に出かけるのなら、きっとくまの子たちも遠足に行きたいにちがいありません。つんつく先生が山の中で道に迷うように、つんくま先生だって道に迷うかもしれません。つんつくえんの子どもたちがわあわあきゃあきゃあ騒ぐように、くまの子たちだって、わあわあきゃあきゃあ騒ぐのでしょう。
 山の中で、ばったりくまに出会うのはとてもこわいことです。もし出会ってしまったら、つんつく先生は子どもたちを守るために闘ったでしょうし、つんくま先生もくまの子たちを守るため、つんつくえんのみんなを襲ったかもしれません。でも、幸運なことに、そんなことは起こりませんでした。実は起こっていたのに、起こらなかったのです。(それは、読んでみてのお楽しみ)。それは、つんつく先生の人徳なのでしょう。ふふふ。グリムの昔話の『さんびきのくま』をほんのちょっとかくし味に使っているのも、楽しいしかけになっています。
 髪をきゅっとひっつめて、メガネをかけた愛想のないつんつく先生がときどきとても愛らしく感じるこの絵本は、これまでに『つんつくせんせいどうぶつえんにいく』のみでしたが、今回この『つんつくせんせいとつんくまえんのくま』と、『つんつくせんせいととんがりぼうし』が仲間入りしました。

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きみの詩のよさを、わかってくれる人が、きっといるはずだ。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

しっかり者のロッティーとちょっととぼけたハービーは、市場でこんなポスターをみつけました。“詩をよんで、ケーキをもらおう ごじまんの詩をよんでみませんか?一等賞にはケーキをさしあげます”。
ハービーははりきって詩をつくります。ABC順、食べもので詩をつくろう。もう一等賞になってケーキをもらったような気分です。でも、ハービーがつくるのは、こんなのばかり。
”クッキーが・・こっこからだしてと こえをあげ“。これが詩なんでしょうか??でも、ハービーはどんどん詩をつくります。
コンテストは、さんざんでした。ぜんぜんうけず、ハービーはしょんぼりと帰ります。とにかくもう、どこでもいいから、かくれてしまいたくなります。
ところが、ハービーの詩の良さを、わかってくれる仲間がいたのです。「ねえ、ハービー、もっときかせてよ。」うれしくて、ハービーはAからZまで全部詩を披露します。なにより、そのうれしさを伝えたい相手は、もちろんロッティーでした。

なんともいえず、洒落た雰囲気の絵本。ちょっとくたびれた時に食べる、ふんわり甘いお菓子のようだ。『ロッティーとハービーの絵本』シリーズの最新刊。

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そう、ハチミツは甘い、本も甘い。読めば読むほど甘くなる!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まわりの人はすらすら読める本が、自分にとってなんだかわからないものだとしたら、どんなにつらいことでしょう。主人公の女の子、トリシャにとって、字は、くねくねした形に見えるだけのものでした。おじいちゃんやおばあちゃんに読んでもらうのは大好きなのに、自分で読めないなんて。「わたし、みんなとちがうのかな」「あたまがわるいのかな」。友だちにもいじめられます。転校しても状況は同じ。「あかんぼみたいな読み方、するなよなー」。いじめっ子たちのことばが、突き刺さります。
そんな中で、奇跡は起こりました。フォルカー先生との出会いです。背が高くておしゃれなフォルカー先生(ネクタイもシャツの色もいろいろ。なによりも、顔の表情が素敵)は、どの子が一番かわいいとか、勉強ができるとか気にしていないようでした。トリシャの描く絵がすばらしいことをほめてくれ、トリシャがいじめられていること、なぜいじめられているのかを見抜きます。そして、国語の先生とも組んで、放課後、不思議な方法で読み書きの特訓をしてくれます。そう、トリシャのための特訓です。とにかく、字、字、字。ことば、ことば、ことば…。なにがなんだかわからなかったトリシャも、だんだん楽しくなってきます。何ヶ月もその特訓を続けた後、トリシャは分厚い本を、意味を考えながら読めるようになります。魔法みたいに、すらすらと。ぱあっと光が差し込むみたいに。
作者のパトリシア・ポラッコは、『チキン・サンデー』(邦訳:福本友美子訳 アスラン書房)、『彼の手は語り継ぐ』(邦訳:千葉茂樹訳 あすなろ書房)などの作品がある絵本作家です。殊に『チキン・サンデー』を最初に読んだときの、衝撃を今思い返します。主人公の女の子の視線が優しく鋭く、独特のものがあったのです。このLD障害児の物語が、ポラッコ本人の子ども時代の実話ということで、合点がいきました。トリシャ=ポラッコは、たとえ文字が読めなくても、その底に流れるものをじっと黙って見つめることができる子どもだったのでしょう。うれしくてたまらない時に流れるなみだを、早いうちに知ったのでしょう。
「読める幸せ」を感じているトリシャの表情を見ていると、文字が読める、書けると思っている自分が、いったいなんだというのかな、トリシャの半分も、ものごとを感じることができないのかもしれないと、思うのです。
日本LD学会会長の上野一彦氏の、LDの子どものまわりにいる大人へ向けた文章が巻末にあります。

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紙の本ブルックフィールドの小さな家

2001/12/25 16:27

『大草原の小さな家』主人公、ローラの「かあさん」を覚えていますか。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 『大きな森の小さな家』『大草原の小さな家』など、インガルス一家の物語(ローラ・インガルス・ワイルダー作 1972年福音館書店)に登場する、ローラの「かあさん」を覚えていますか。とうさんと共にローラたち姉妹を育て、小さな家を切り盛りする、やさしくてしっかりもののかあさん。この本は、あの「かあさん」キャロラインが少女だった頃を物語にしたものです。 
 アメリカが独立して70年足らずの若い国だったころ、森や草原で覆われたウィスコンシンで、キャロラインは、おかあさんとおばあさん、5人の兄弟と暮らしています。おとうさんは事故で亡くなってしまいましたが、みんなでバターをつくったり、畑仕事をしたり、力を合わせて生きています。日照りや霜で作物がだめになってしまうとその冬は食べるものがなくなってしまいますし、朝食のホットケーキが小麦粉でなくトウモロコシ粉の時もしょっちゅう、バターやシロップがないときもあります。教会にはいていく、たった1足しかないくつに穴があいてしまって、悲しい思いをすることもあります。でも、小さな妹までもが家族の中で自分の役割を持ち、おかあさんを助けて生きていく姿は、清々しく美しいのです。中でもキャロラインの、背筋が伸びたまっすぐな視線にハッとさせられます。
 クリスマスに、たった1本もらったミントキャンディの味を想像してみましょう。
やっと手に入れた小麦粉でパンを焼く生地をこねて、天日に入れるわくわくした気持ちを思い描いてみましょう。
そうしたら「おかあさん、手伝わせてくれて、ありがとう」というキャロラインの言葉が、もっとわかるかもしれません。
 作者のマリア・D.ウィルクスは、子どもの頃に『大草原の小さな家』シリーズを読んで夢中になり、西部開拓史に興味を抱いて、インガルス一家、ワイルダー一家の人々について当時の資料や家族が書いた日記や手紙などをもとに詳しく調べ、このキャロラインの物語(続いて6冊出るとのこと)を書き上げました。『大草原の小さな家』シリーズはもちろん、ほかのアメリカ開拓史などと併せてお読みになると、現代のアメリカの状況と照らし合わせることが出来て、面白いかもしれません。

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紙の本十二歳

2002/06/18 12:30

今12歳の人は、これから12歳になる人は、どう読むのだろう。

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 小学6年生のさえは、ポートボールの学校内代表メンバーに選ばれ、毎日練習に励んでいる。みどりちゃんやカナちゃんなど同性の友だちと一緒にいるとクラスの男の子たちが子どもっぽく見えるくせに、あこがれの直人先生が何げないひとことを言うだけでドキドキしてしまう。ぼうっとしているように見える木下さんが実はハッとするようないい絵を描くことや、寝たきりになってしまったおばあちゃんが突然怖いことを口走ること、急に右足が痛くなったこと、などなど、さえの学校生活や家族との日々のエピソードが積み重ねられていく。そう、一見関係なさそうな出来事のひとつひとつが、さえの12歳の1年間をつくっていくのだ。 
 12歳の頃、何をしていただろうかと、ふと考える。12歳をとっくに通り過ぎてしまった私は、読みながら、胸が苦しくてたまらなかった。小学校6年生。一般的には“子ども”なんだろうけれど、これを読むと、ああそうだよな、子ども扱いされてムッとしたことがあるじゃないか、そんなことも忘れてしまっている、と自分の12歳の時を思い返す。
 大事件は起こらない。それなのに、読みながらドキドキが止まらない。それは、日常を送る中で、「わたしは何かになれるのかな」と立ち止まったり、物事を確かな目で見つめるさえの視線に、読者は釘付けになるからだろう。誰にでもある心の揺らぎが丁寧に丁寧に切り取られている。小さな出来事のひとつひとつが額縁に入れられている。そんな好感の持てる現代の物語は、多くはない。
 柏葉幸子や斉藤洋、森絵都、たつみや章などを輩出した講談社児童文学新人賞受賞作品。もう一度、ところどころを読み返したい作品だ。

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紙の本春がすみやまからとどきました

2002/05/14 14:56

春と一緒に、すてきな幼年童話がとどきました。

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 もんたさんは、けものみちの上にたつ、古い家に住んでいます。そこへある日、大きな箱が届きます。あけてみると、なんとこぐまが眠っていました。うひゃあ!もんたさんは驚きますが、こぐまは目をさましません。くうくう、眠っています。そのうち起きだしてきて、おなかがすいたと言い出します。もんたさんが夕ごはんを出すと、こぐまは釜のなかのごはんまで全部かきこみました。そのうえ、台所にあったソーセージ、キャベツ、にんじん3本、納豆3パック、牛乳を1本、ばりばりごっくん呑み込みました。それでも、「こんなんじゃ食べたとはいえませんよ。ぼくはくまなんですからね」なんて言っています。しばらく一緒に暮らしてから、もんたさんはこぐまを山に帰すことにしました。そこで、もんたさんは山にすむいろいろな動物たちから、熱烈な歓迎を受けます。
 今年のように前のめりでやってきたような春に読むのには、ぴったりの物語です。寒い冬をがまんしてきた動物たちにとって、春はなによりも待ち遠しいものでしょう。
 絵本から物語へうつる年頃の子に読んであげると、きっとこぐまの気持ちがわかるでしょう。さしえもおはなしを支えて、やさしく、春の香りを伝えています。

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願えば叶う、きっと。生きていくために、男性になりきりとおしたシャーロットの実話を基にした物語。

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父母を馬車の事故で亡くしたシャーロットは、孤児院で育った。女の子であるため他の子どもよりいじめられ、ひどい状況の中働かされた。それでも、シャーロットは希望を失なわなかった。自分の土地を持つこと。そこで自分の馬を飼うこと。そう、夢があったから。その手首にはいつも古い手綱が巻き付けられていた。赤ん坊の頃、事故現場でもずっと握りしめていたその皮ひもは、シャーロットのお守りだった。
12歳になったある日、大好きな馬の世話を禁じられたシャーロットは、ついに孤児院を脱走する。男の子になりきって、“チャーリー”となり、エベニーザ親方のもとで馬の世話をする仕事につく。馬の世話は、誰にも負けなかった。仕事を認められ、腕の良い駅馬車の御者として働き、どんな困難にも負けず、ついに夢を実現する。女性に参政権が無かった時代のアメリカで、男のまま生き、死ぬまで女であることを明かさず、実は投票もしていたという、シャーロット・ダーキー・パークハーストの実話を基にした物語である。
まるで、荒馬に乗り全速力で駆け抜けたような読後感がある。読み始めたら途中では止められない、それがシャーロットの人生だ。止まったら倒れてしまう、だから走り続けなくてはならない。苦しいことも困難なことも、それがなんだというのだろう。乗り越えなくては生きていけないのだ。やりたいことが叶えられないのだ。こんなに元気の出る骨太の物語は、そうそうない。前向きに生きることを忘れそうなとき、この物語に出会って欲しい。

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ゆうれい出したら3億円

2001/12/25 16:32

びっくりさせたら遺産が入る?

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 いつも陽気で楽しい、僕らの大好きなおじさんが亡くなった。貧乏だと思っていたのに、実は大金持ちだったんだって。しかも、その遺産を、僕と妹に全部くれると遺言が残された。ただし、その条件が変わっている。昔、おじさんをひどい目にあわせたホテルの女主人におじさんのゆうれいを出して、びっくりさせること、だって。おじさんって、死んでからもなんだかふざけている。
 妹と一緒にそのホテルに出かけた僕らは、その女主人− カトリーナがとってもいい人だということを知る。美人だし、大げさなくらいやさしい。でもおじさんのゆうれいを出してびっくりさせなきゃ、遺産はもらえない。あの手この手でゆうれいを出そうとしているうちに、僕たち以外にもこのホテルにしのびこんでいる誰かがいるらしいことに気がつく。それはいったいだれ?そして、どうしておじさんは死んだ後までカテリーナをびっくりさせようとしたのだろう。
 色男だったおじさんの、昔の恋物語が次第に明らかになっていく様子が、シャレている。
 恨みをもったゆうれいが出るホテルは嫌だけれど、こんな物語がかくれているホテル・カテリーナに泊まるのは悪くないかもしれない。

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紙の本おやゆびひめ

2001/12/18 10:43

温度を感じる絵本

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 花の中から生まれたおやゆびひめは、愛らしくてうつくしく、親指くらいの大きさしかないので、クルミのからをゆりかごにしてもらって、幸せにくらします。ところが、ヒキガエルの親子にさらわれて、カエルの息子のお嫁さんにさせられそうになります。やっとそこから逃げだし、野ねずみのおばあさんのところにいきますが、そこではもぐらのお嫁さんにさせられそうになるのです。可哀想なおやゆびひめ!
 死にかけたツバメを助けたことで、無事助かって南の国へ行き、花の王子と幸せな結婚をするのですが、それまで、この小さな女の子は、とんでもない者たちから求婚されつづけ、苦しい思いをします。ヒキガエルの息子の、どでーんとしたみにくさ、お金持ちで物知りだというもぐらの傲慢さ。親切だと思った野ねずみのおばあさんでさえ、「そのお方はあたしよりいいくらしをしていてね、大きな広間をいくつももっているし、美しい黒ビロードの毛皮にくるまっているんだよ。あのお方と結婚できりゃ、そりゃあいいくらしができるだろうよ」と強引にもぐらとの結婚をすすめるのです。アンデルセンの物語の底に流れる「生きていくことってたいへん!」ということが、感じられる一節です。
 物語をより強めているのが、ここのところ出版が相次いでいるスウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフの絵です。ヒキガエルやもぐらのひやりとするような冷たさ、うって変わってツバメと一緒に南の国に飛んで、花の天使と出会う場面の幸せな暖かい空気など、絵が温度までも伝え、物語にぴたりと沿って流れていきます。
 こういう絵本は、幼い子だけのものではなく、年齢が上にいくに従って見方が変わっていくのでしょう。子どもの頃見た絵本を、なんとなく知っているつもりだった物語を、後になって手にとるのは面白いと思いました。

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箒に乗ってハリーを応援しに行こう!!

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 自分の両親が自分の幼い時に殺されて、その犯人や手下たちがいまだに自分を狙っているとしたら、どんなに怖いだろう。しかも、その犯人は皆が名前を出すのさえ恐れる「例のあの人」。13才になったばかりのハリー・ポッターは第1巻目から、その恐怖と闘ってきた。その目に見えない恐怖はこの3巻目ではさらに強大となって、ハリーに襲いかかる。
 今回は、「例のあの人」の弟子で、吸魂鬼(ディメンター)たちの支配する世にも恐ろしい要塞監獄「アズカバン」を脱獄したという、シリウス・ブラックがハリーの命を狙う。シリウス・ブラックはハリーの両親の親友で、ハリーの名付け親だったのに裏切ったらしい。(実はこの人物は第1巻にも登場している)。しかしハリーの両親の生前、その死の真相など、過去を知るものたちの話が断片的で、少しずつみな違っていて、話が二転三転する。結末に、いつものとおり大どんでん返しが待っている。本当の裏切り者は意外な姿で身近なところにいた———。
そこにたどりつくまでの、まるでちょっとずつかじるチョコレートのような物語が楽しい。ダーズリー家の面々、ホグワーツ校の仲間、先生たち。「久しぶり!元気だった?」と声をかけたくなる。おいしそうなもの、あやしいもの、気持ち悪そうなもの、いろんなお菓子やアトラクション、妖怪が手を変え品を換え登場してくる。その中には、次に繋がる伏線がいっぱい潜んでいるので、もう、気が抜けない。おおよそ1年に1巻というペースはじれったいけれど、ハリーたちの成長を見届ける大叔母のような気分で次巻を待ちたい。でも、『ハリー・ポッター裏話』を出す前に、早く4巻を書いてーと思うのは私だけではないはず。
 書店の売れ筋コーナーには大人の本しかなかったのに、この『ハリ・ポタ』のおかげで、他の児童書(それもやけに分厚いファンタジーもの)が平積みされるようになった。通勤電車の中で、OLさんが読んでいる姿を見かける。小学5年生の子が一晩で読んじゃったという話を聞く。どれも、一過性のことなのかもしれない。ブームってこんなことなのかもしれない。でも、面白い児童書が多くの人の目に留まることは嬉しい、な。

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あの、“ぐうたら王”と“ちょこまか王女”が帰ってきたよ。

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 ある国に、とってもなまけものの王さまがいました。王さまが好きなのは、食べることと寝ること、それに金貨を数えること。その食べる量、メニューをご覧ください。“生クリームをのせたあついココア”“カゴいっぱいの白くてやわらかいパン”“五個のたまごとベーコンをいっしょにやいたベーコンエッグ”“トリの丸焼きが一羽”“バタークリームケーキ”。どうです、これが朝ご飯なのです。続いてお昼ご飯は子豚の丸焼きほか、どっさりいろいろ。その上、333人も召使いがいるので、王さまはなにもすることがありません。大臣からの報告は眠りながらぼんやり聴くだけだし、昼寝にいくときでさえいすのついた輿で運んでもらいます。こんなに食べて、なにもしないで、病気にならない方がおかしいですよね。そして、国もめちゃくちゃになっていきます。王さまを心配しているのは、むすめのピンピ王女だけでした。ピンピは王さまの病気を治すにはどうしたらいいか、その答えを森の中に探しにいきます。
 20年程前の小学生の頃、この物語の学研版『ぐうたら王とちょこまか王女』が大好きでした。(同じ装丁のシリーズに、作者はそれぞれ違いますが『ちいさなスプーンおばさん』『リンゴの木の上のおばあさん』『町かどのジム』などがありましたので、ご存知の方もいるかな?)王さまの食べるごちそうの数々を想像して、それだけでおなかいっぱいになったり、元気いっぱいのピンピ王女がちょこまかちょかまか活躍するのに、一緒になって飛んだりはねたりしていました。けれど、子ども心に、本当は王さまがちっとも幸せでないこともわかりました。本当においしい“ごちそう”は、白くてやわらかいパンでもバタークリームたっぷりのケーキでも子豚の丸焼きでもないということ。本当のたからものは金貨や宝石ではないこと。
 元気でかしこい王女ピンピの活躍と併せて、これはどこかの国の架空のおはなしではないということが感じられます。前の版より版も字も小さくなってしまって残念ですが、(タイトルも“ぐうたら王”の方が良かったのになー)小学校低学年くらいの年齢から楽しめます。もちろん、大人の方にも(ダイエット本としても?)グーです。

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紙の本パパと10にんのこども

2001/05/29 12:07

新しい「お父さんの絵本」の登場です。

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子どものせわで目がまわりそうなんだけど、ひとりになったらさびしくなった…。新しい「お父さんの絵本」の登場です。

 パパには、10人の子どもがいました。毎日、10人分の朝ご飯をつくって、起こして、食べさせて、お皿を洗って、小さなパンツとシャツと靴と靴下をはかせて、学校に送り届けて、やっとパパは会社に行くことができます。帰ってきても、お風呂、夕食、そして、おやすみのキスを10回…。目が回りそうになります。そこで、ある日、ひとりで船にのって旅に出ることにしました。ところが、パパは、ひとりではちっとも楽しくないのです。
 無精ひげをはやし髪はぼさぼさ、ちょっとくたびれた感じのパパが、一生懸命子どもたちの世話をする姿が、なんともいい味を出しています。そう、子どもを育てるってたいへんなんですよね。でも、やっぱり子どもたちのところに帰ってきてしまうなんて、子どもって魔法のような魅力をもっているのでしょう。10人の子どもたちの、やんちゃですばしっこそうな表情が、まるでパパをもてあそんでいるように見えます。
 それにしても、このお父さんちょっと頑張りすぎかもしれません。体は大丈夫かしらん。この、いたずらそうな10人のためにも無理しないでくださいね、とエールを送りたくなります。そして、日本のお父さんたちも、ぜひ子どもと一緒に絵本を楽しんでいただきたい、その手始めにこの絵本をどうぞ。

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