サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 松本 厚治さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年4月)

松本 厚治さんのレビュー一覧

投稿者:松本 厚治

3 件中 1 件~ 3 件を表示

先進国化を目指しての構造改革が一時挫折した韓国,金大中政権の政策は着々と成果を上げているという

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1990年代に著者が経済雑誌に寄稿した幾つかの論稿に手を入れ,書き下ろしの体裁にした。詳しく書き込まれており,3件のインタビューをはじめ要人の発言が数多く盛り込まれ,臨場感のある内容のものに仕上がっている。しかし基本的には,その時々に書かれた独立の論文の寄せ集めの感は免れず,90年代全体を統一的視点から捉え直したものではない。この時代,韓国が先進国への急速な接近から一転して経済危機に陥り,21世紀初頭の今なお新たな発展の方向を模索中という,劇的な変化のあった時であることを考えれば,その総括的な分析が期待されるが,それに答えるような内容のものとは言い難い。時代の語り部の記録といった趣だ。
 たとえば,歴代政権が取り組んできた財閥改革と,それへの財閥の反応にかなりのページが割かれている。何回も同じことが繰り返されているような印象を与え,10年を通観してどのような方向に向かっているのか,何が変わり何が変わらないのか,流れが見えてこない。金大中大統領のイニシアチブを高く評価しているが,2001年前半の時点では財閥改革は停滞状態に陥っているとみなさざるを得ないのが実情。韓国金融産業に改革的変化が起きたとしている点(P220以下)についても,これはどう見ても過大評価である。エピソードは豊富だが,通時的比較と構造の分析が手薄なためか,その時々の事件の印象に引きずられているようなところが,ないとはいえない。
 日韓経済摩擦について日本側の逃げ腰を批判している。これも構造的な問題が捉え切れていないからではないか。在日韓国人の執筆者にしばしば見られるように,一方的に韓国側の言い分に組しているように見うけられるが,韓国の識者の実態認識もかなり改まったはずで,その点についての目配りがないのが惜しまれる。
 分析の書としては物足りない。しかし,時代の語り部が淡々と書き残した記録として見れば,それなりに価値のあるものである。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

IT分野での急速な技術進歩などによる経済的繁栄の陰で進行する,アメリカ社会の不平等化の状況を描き出す

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 アメリカの繁栄の裏側で進行している社会的不平等化を,精彩ある筆致で描き出す。生産性は着実に上昇し,経済は急速に拡大してきたにもかかわらず,実質平均時間給は2000年末までの四半世紀の間,低落を続けている。同じ期間,最も低い給与階層に属する人々の半数以上が給与を減らす半面,上の階層に昇る人々は激減し,階層の固定化が露わになっている。アメリカ経済の長所として,リストラの受け皿になる労働市場の柔軟性がよく語られるが,転職すると大幅に給与が下がるという現実がある。一般のホワイトカラーは人減らしにおびえているのに,CEO(最高経営責任者)など競争社会の勝者の報酬はどこ吹く風と高騰している。
 もともと大きかったアメリカの階層間格差が,このようにさらに拡大している状況を,多くのデータをもとに詳細に分析。それが数字の羅列に終わっていないのは,アメリカに居住していた著者の経験や見聞の裏打ちがあるからで,説得力に富む内容である。
 市場経済の徹底がアメリカ経済を活性化する一方,この種の問題が生まれているのは,なおざりにできないことである。このような結果となった背景として,本書はITを中心とする「急速な技術進歩の展開」を最有力説としてあげている。一応の観察ではあるが,それほど書き込まれているわけではなく,この点の分析は不十分である。
 「ベンチャー企業がアメリカを救った」とする第7章は,1997年以降の事情を書き足したものだが,この認識は怪しくなっているし,90年代前半までの状況をもとに書かれた6章までの本体部分のトーンとややなじまない。内容の統一性という観点からは,ない方がよかった。
 アメリカでも同種の視角に立って「ウィナー・テイク・オール」(一人勝ち)が書かれているが,本書も一面的な市場化・IT化信仰に一石を投ずるもので,一読の価値がある。読み易く,アメリカ経済の見落とされやすい影の一面に豊富なイメージを与えてくれる好著。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本韓国IT革命の勝利

2001/02/20 18:16

何よりも大胆な規制緩和により,韓国のIT化は日本のはるか先を行くことがよく分かる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 タイトルは韓国のIT(情報技術)革命だが,その内容は全体の半分にすぎない。残りは金大中大統領の業績,地域主義の是正,行政や財閥の改革から,南北首脳会談まで取り上げており,この部分のITとの関係はあまりない。本来なら,表題は「最近の韓国政治経済事情—IT革命を中心に」とでもすべきだろう。
 200ページ余の本にこれだけの内容をつめこめば,分析が浅くなり結論だけを急ぐ態のものになるのは無理もない。通商白書は「通産」白書で押し通し,三星もGを落としてSAMSUNと表記する。金融や財閥の改革も今は停滞しており,この本の楽観的な評価は少し度が過ぎるように思う。即席で炊き上げたビビンバ(韓国式まぜご飯)のような感じの本で,雑な点も少なくない。
 しかし,無価値な本とも言えない。内容は一面的だが単純明快で,それがある種の迫力を生んでいる。著者が指摘しているように,日本はアメリカのIT化にばかり目を向けてきた。隣国が情報化に真剣に取り組み,成果をあげていることがこの本から自ずと伝わってくる。それが規制の撤廃で実現したとすれば,とりわけ日本政府にとって反省を迫られるべき点も多いはずである。
 著者はIT問題だけに集中すべきだったと思う。韓国が日本に先行し,勝っているというのが結論だが,IT化は今後様々な展開が予想され,今勝ち負けを言うのは早い。むしろ規制緩和の効果や副作用などを日本の先例としてきちんと分析できていれは,インパクトの大きい本になっただろう。しかし,この内容でも大して高い本ではないし,買って損はない。日米しか見ていない一部の日本人に別の視野を与える上でも,こういう本が出たことは悪くない。
(C) ブッククレビュー社 2000

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示