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  3. 吉田 豊明さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年8月)

吉田 豊明さんのレビュー一覧

投稿者:吉田 豊明

7 件中 1 件~ 7 件を表示

21世紀も米国の世紀,米国だけが軍事,経済,文化の3つのパワーを備える

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 著者のアルフレード・ヴァラダンは,ブラジル生まれで,現在,フランスに在住。パリ政治学院教授として政治経済学,国際関係論を務めるほか,ポルトガルの国際研究所の研究員を兼任したり,専門分野の雑誌の編集にも携わる。本書は,当初,フランス語で出版されたが,次に英語で「Twenty-first Century Will be American」(1996)と訳されて出版されたものを翻訳した。
 著者は,「21世紀はアメリカの世紀になる」と確信している。その理由として,ソ連が崩壊したあと,米国だけが地球全体の調整役となり,ワシントンだけが世界のどこにでも介入できる特権を持っている。さらに世界でもっとも巨大で豊かな市場を持ち,最新技術と合わせて石油,資本,映像の莫大なフローを持っていることで経済的覇権を握っていること,文化的にも米国文化は,あらゆる文化を統合する能力を持っていると指摘する。
 3部で構成される本書は,まず第一部「新たなアメリカン・ドリームの構築」で,建国以来,WASPを中軸に築かれてきた共和制が戦後,大量な移民の流入で崩壊する過程を取り上げ,新しい米国が文化の変容により,人類のあらゆるコミュニティーの融合を管理できるようになるだろうと,予測する。アラブの紛争などを抱えた世界情勢一般では,イデオロギーの対立が解消したあとは,「文明」の対立,民族,コミュニティーの対立が深刻な問題になるという見方が一方であるなかで,地政学的に米国に限ったとはいえ,著者ヴァラダンの見解は大胆である。
 第二部「アメリカ政治の変容」は,ホワイトハウスの影響力が増大し,「世界のアメリカ」が登場する背景を解説する。ホワイトハウスの権力が強まっていくのに対して,議会,政党政治は衰退するという。米国の首都ワシントンが世界の首都として,勃興期を迎えるだろうという。
 第三部「世界規模の民主主義帝国建設」で,著者はここで言う民主主義帝国とは,米国が世界の中心軸になることだとしている。それは自転車の車輪のように,中心は世界の中心部から離れているが,相互依存関係という多数のスポークを通じて固く結びついているという形を想定している。帝国という言葉を使っているが,イメージしているのは,古典的な覇権主義ではない。
 第三部では,このほか米国の経済力の分析をしている。コンピューターなどの情報技術力,石油などの資源を背景に,米国経済はイノベーションの力もあるので,景気変動を理由とする衰退論は当たらないとして,ここでも米国に対する見方は楽観的である。
 英語版の序文で,著者は「アメリカは世界と一体化しようとしているし,また,世界もアメリカと一体化しようとしているのだ」と書いているが,この本は,21世紀が良かれ悪しかれ「アメリカン・システム」が地球上を覆う時代になると予見している。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本アメリカの巨大軍需産業

2001/05/01 22:19

頻発する地域紛争,冷戦構造が崩れても米国の国防予算は3000億ドルを超える。産・軍癒着の構造を鋭く分析

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 1989年のベルリンの壁崩壊から10年の間に,米国の軍需産業は,有力企業が合併に次ぐ合併を重ね,大きく変貌する。そのなかでロッキード・マーチン,ボーイングの2社が100位までの会社の受注額の3分の1を占めるところまで独占が進んだ。一方,国防予算は,3000億ドルを上回った89年をピークに,漸減傾向を辿ったが99年,2000年では増勢となり,再び3000億ドルを超える趨勢にある。
 著者の広瀬隆氏は,我が日本の国家予算の4割にも達する巨額の米国の国防費に群がる軍需産業企業と政府(ホワイト・ハウス),議会関係者の微妙な利害関係を具体的なデータに基づき執拗に追跡する。古くは,日本の占領下で活躍したマッカーサー元帥が引退後の51年から55年までレミントン銃の製造会社,レミントン・ランド会長であったし,その後任のリッジウエイ将軍が銃器のコルト・インダストリーズの重役であったことなどを例証。
 2001年になってからの動きでは,軍事色の強いシンクタンク,ランドコーポレーションを例に,理事長だったラムズフエルド氏がブッシュJr.政権の国防長官に就任したことなど,産業界とホワイト・ハウス,軍関係の「出入り」を指摘している。 
 また,日本でのロッキード,グラマン事件も実は,この構造のなかで進められたもので,軍需産業を統括するCIAと国務省,国防総省が承認した上で,ホワイト・ハウスの国策として航空機の輸出が強行されたと解説している。
 軍需産業の癒着については,アイゼンハワー大統領が「産・軍複合体」問題を取り上げて警告して以来,米国の政治・経済の構造上の課題となっている。殊に世界の警察官として,中東をはじめとした紛争国に介入する場合,新しい兵器の実験の場として使ったり,武器輸出の機会とするならば,この構造上の問題が誰しも気になってくるだろう。 著者は,現在の産・軍の結びつきが大統領では制御仕切れないほどのシンジケート集団になっている,と警告している。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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世界最大のカード会社,VISAカードを実質的に創業した男のユニークな企業組織論。「混沌と秩序」が根底に

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 VISAカードは,世界中で使われている有名なカード。カードの発行枚数は10億枚,年間利用額は1兆6000億ドルに達するという。ところがこのカードを発行する企業,ビザ・インターナショナルの企業組織が実にユニーク。本書の説明によると,「ビザは,組織的には1団体だが,内部にはさまざまな役員会を抱えている。その役員会は担当する地域や役割については絶対的な権限を持っているが,役員会間の上下関係はない」という。それは人体などの生物体と同じように,部分が全体を掌握する必要がないし,全体も部分を把握する必要がないからだという。
 本書の著者は,ビザの実質的な創業者デイ・ホック(Dee Hock)。ホックはこのユニークな組織を「混沌(こんとん)と秩序の組織」と名付ける。ホックは,いわゆるビジネス・エリートではない。米国の地方の小さな消費者金融会社のサラリーマンから身を起こした。その後,転職を重ねたあと,常に既存の組織とぶつかりながら,自らの組織論を編みだして,ビザ・インターナショナルを世界一のカード会社に育てあげるのだが,その過程を細かく描いている。
 ホックが若いときから既存の組織について,抱いていた疑問は3つあった。第1は「なぜ,組織は次第に問題を処理できなくなるのか」。第2は「なぜ,個人は,自分が所属する組織と対立し,疎遠になっていくのか」。第3は「なぜ,社会,生物圏はますます混乱していくのか」ということだった。ホックはこの疑問を解くために,詩,哲学,経済学,生物学などの分野の本を広く読みあさり,そのうえに自らのビジネス体験を積み重ねていった。
 この本の随所に経営者がハッとする格言が出てくるのも面白い趣向。最後にその1つを紹介する。 「名声は,エゴがもたらす偽の金(きん)だ。衣服と同じようにすぐにすり切れて時代遅れになる」。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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発足間もない米ブッシュ政権を分析,アジア安全保障戦略などにより日本は同盟国として大きな存在になる

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 著者は,ブッシュ大統領の就任式にも出席(第1部1章),新政権の最新情報をまとめている。著者のスタンスは,ブッシュの自叙伝「ジョージ・ブッシューわたしはアメリカを変える」の翻訳者であったことも手伝ってか,かなりブッシュ寄り。日本で選挙中に伝えられていた「ブッシュは,人柄は良いが頭が悪い」というような評判は,ニューヨーク・タイムスなど左翼リベラル派のジャーナリズムが言っていることで,偏見であるという。
 新政権の外交政策のうち日米関係に焦点をあてると,新政権は米国の外交がヨーロッパからアジアにシフトしているとの認識の下に,日米同盟こそアジア太平洋地域の平和と繁栄の基礎と考えているという。その新しい日米同盟では,日本は集団的な自衛権の行使を認めるよう求められるだろう,として日米関係はこれまでの「バーデン・シェアリング」(負担の共有)から「パーワー・シェアリング」(権力の共有)に前進すると予言する。
(C) ブッククレビュー社 2000

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20世紀は政府と企業の時代。21世紀は非営利組織が爆発的に伸びる。P・F・ドッラカー編さんの未来書

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 本書は,世界的に著名な経営学者,P・F・ドラッカーの未来シリーズ,第三弾として発刊された。原題「THE COMMUNITY OF THE FUTURE」の翻訳。ドラッカーは,本書のなかで自ら序章「都市を文明化する」でペンを取り,そのなかで,太平洋戦争中(1943年)の著作,「産業人の未来」で,大企業共同体を提案し,それが戦後の日本で一時的に実現したけれど,その日本企業もいまは問題解決能力を失っていると回顧している。
 ドラッカーは,現段階では,非営利組織のみがわれわれが必要とする共同体の巨大な多様性(教会,専門家の団体,ホームレス支援からスポーツ・クラブまで)を提供できるのだと説く。そしてこうした非営利組織のみが人々にボランティアになる機会を与え,これにより個人は, 社会に秩序をもたらす領域と社会に変化をもたらす領域の2つに接触することができるという。
 ドラッカーの意図を受けて,このテーマで続く寄稿者は,レスター・C・サロー,スティーブン・R・コヴィー(「七つの習慣」の著書で日本では知られている)など著名な経済学者,経営コンサルタントなどに加えて,ナチスの強制収容所の体験を持つ,ノーベル平和賞受賞者のエリー・ウィーゼルなど,各分野の専門家で,多様な価値観を持つ異色の識者がそろっている。
 そのなかでも特にユニークと思われるものとして,第十章の「仮想共同体論」,第十一章の「職場に共同体をつくる」を紹介しよう。仮想共同体論は,「バーチャル・リアリティ」の著者,ハワード・ラインゴールドによるもので,ラインゴールドによると,1968年の時点ですでに専門雑誌の記事でオンライン上の仮想共同体が「仮想共同体は,共通の立地に基づくものではなく,共通の関心に基づくものになるであろう」と論じられていたという。また,ラインゴールドは章の終わりに「仮想共同体は,交流に参加しているとわれわれに思わせるように欺く,美しい幻想に過ぎないのだろうか。あるいは,それは社会的領域の再誕生への第一歩なのか」と書き,この共同体がまだ不確かな存在であることを認めている。
 第十一章の企業コンサルタントのビフォード・ピンチョーの議論は,AT&T,アップルなどの企業を例に,共同体の形成の可能性を論じており,組織内に共同体を創造するには,次の6つの段階があるという。1)共通の目標の設定,2)ギフト・エコノミーのサポート,3)共通の環境を整える,4)平等性の追求,5)営利を追求しない部署をつくる,6)安心,保障,愛情を提供する。
 一見,最近,日本企業がリストラのためにあえて捨ててきた政策を改めて取り上げている感じだが,ピンチョーは,知識産業が21世紀の生産性を達成するためには,企業が共同体として繁栄することが大前提だと説いているのが注目される。
 ノーベル平和賞のエリー・ウィーゼルによる最終章は,極めて高尚な理念である。20世紀が多くの戦争(世界戦争,民族,宗教)の犠牲になってきたとして,21世紀を迎えるわれわれの義務は,弱く,しいたげられ,孤独で,病み,絶望している人との連帯であるとしている。
(C) ブックレビュー社 2000

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クレジットカードがいつ,どのような経過で生まれたか。ダイナースクラブの誕生から始まる米国の歴史を描く

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 本書は,アメリカのクレジット産業の生い立ちを綴った原題,「The creditcard industry:A History 」を翻訳したものである。著者のL.マンデルは,現在,米コネティカット大学教授で,本書は,クレジットカード業界に精通している著者の友人,スペンサー・ニルソン(クレジットカード業界で,「ニルソン・レポート」を発行)の勧めと協力取材で執筆されており,業界情報に極めて通じている。特にダイナースクラブの創業者となったアル・ブルーミングデールとのインタビューなど,業界の歴史を紐解くうえで,重要なドキュメントが含まれている。
 米国では,20世紀に入ったあたりから,少数のホテル,石油会社,百貨店によって発行されているハウスカード(house-specific card )があった。これらのカードの目的は,掛け売りのある顧客の本人確認と,顧客の購入記録をとる仕組みを加盟店に提供することだったという。
 現在のサードパーティによる汎用カード(third party universal card)は,1949年のダイナースクラブの設立から始まる。本書では,1949年のある日,ニューヨークの著名なレストランに集まった三人の男,アル・ブルーミングデール(有名な百貨店ブルーミングデールの創始者の孫),その友人のF・マクナマラ,弁護士ラルフ・スナイダーの紹介から汎用カード誕生の経緯を解き始める。
 ダイナースクラブの誕生で,消費者と加盟店との仲介者となり,消費者にはクレジットを拡販し,加盟店には消費者を紹介し,その両者から手数料をとるという商業的な仕組みが世界で初めて出現した。この仕組みのなかで,汎用クレジットの会社の関心は,ハウスカードのように,商品を売ることや顧客のロイヤリティを高めることではなく,純粋に金融ビジネスとして収益をあげることであり,ここにあたらしいクレジットビジネスが生まれたわけである。
 本書では,しかし,ダイナースクラブが切り開いたT&E(トラベル&エンタティンメントの分野で,ダイナースが独占的に突っ走ったのは,わずか7年の短い期間だったという。アメリカン・エクスプレス,カルテ・ブランシェといった強力な追随者がでてきたからである。また,1960年代には,バンカメリカカード(BankAmericard),マスターチャージなど金融系のカードがほぼ同様のサービスをすることになり,カードビジネスは収益性で問われることもでてきて特に金融系で整理統合が進む。1976年にバンカメリカードが現在のVISAに名称を変更し,世界市場で優位に立つ。
 ATMの登場,電子マネー時代の到来とクレジット産業をめぐる技術革新はめまぐるしいものがあるが,このあたりについては本書では,訳者の前書きならびに巻末の「日本のクレジット産業の課題」(経済評論家,阿達哲雄)でカバーしている。
(C) ブックレビュー社 2000

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ソニー自叙伝 第2版

2000/07/10 09:17

「ソニー神話」となった井深・盛田の出会いから始まったソニーの技術開発の系譜を描くドキュメンタリー

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 本書は,ソニー株式会社広報センターが創立50周年を記念して,従業員ならびに関係者に配られた「GENRYU源流」をベースに編さんされた。したがってソニーの関係者にとってソニーの企業史の「正史」となるもので,外部の読者にとってもこの書で初めて明らかにされる内容であり,参考になる。
 物語の初めは,神戸の民家の屋根に登って鬼瓦にアンテナを取り付けている少年の話。1925年(大正15年),東京・芝浦でラジオの実験が始まったのをキャッチしようと躍起になっているところから始まる。
 この少年,井深大が早稲田大学にはいり,「学生発明家」として大活躍,卒業後の戦時中は,周波数継電器を発明する。この関係で軍の研究会に出席したところで,海軍技術中尉,盛田昭夫と出会う。ソニー神話の初めの部分であるが,ドキュメンタリー・タッチで淡々と描く。
 井深・盛田の東京通信工業(ソニーの前身)設立の経緯は,いまのベンチャー企業の創業時以上に金集めに苦労している。戦後の混乱期,ベンチャー企業に投資しようという銀行もなかった。二人の親戚・家族友人のネットワークでともかく,創業資金をかき集める。
 このあと華やかに展開される技術の系譜は,テープレコーダー,トランジスタ・ラジオ,ポータブル・テレビ,トリニトロン・カラーテレビ,小型テープレコーダー,家庭用VTR,8ミリVTR「ハンディカム」,ウオークマンと続くが,その一つひとつの開発に,井深・盛田がいかにかかわったかがわかる。
 技術以外の経営のことで,ソニーの飛躍のポイントとなったブランド・ネーム「ソニー」の決定と,米国市場での積極的なマーケティング,資金調達を米国証券市場からできるようにした1961年のADR発行などの経緯も詳述されている。
 最終章は,ポスト井深・盛田。大賀・出井コンビが創業50周年を期して,組織を大改革し,創業の精神に立ち返ろうと社内に訴えている。
(C) ブックレビュー社 2000

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