サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 櫻井秀勲さんのレビュー一覧

レビューアーランキング
先月(2017年4月)

櫻井秀勲さんのレビュー一覧

投稿者:櫻井秀勲

4 件中 1 件~ 4 件を表示

これほどまでに女性を知り尽くした男、専門家の私も驚き!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

結婚に関する本は山ほどあるが、そのほとんどは精神論で、中心は「そうしてはいけない」「それは間違いだ」といった、道徳第一のものも少なくない。しかし、それができなかったり、不安になったり、あるいはまた現実に悩みを抱えているから、本に解答を求めようとするのだ。だから読んだあと、かえって読者は不満をふやしてしまうことになる。

 この本の著者はまだ36歳だ。27歳のとき夫人と知り合い結婚したのだが、それ以来の悩みを実に率直に語っている。私は女性問題の専門家だが、はっきりいって、女性心理や悩みの掬い方は、私をはるかに超える。これなら女性読者は安心して読めるし、問題解決の糸口をつかめるだろう。

 私は書評では人にすすめながら、心の中では迷っていることがある。
しかし本書だけは、100%安心して推薦できる。それというのも、著者が真剣で、控え目なところに共感ができるからだ。

 この著者はプリマリタル・カウンセリング(結婚前のカウンセリング)を学んだ牧師のようだが、もともとゴスペルの歌手でもある。それだけに具体例を豊富にもっているので、それを読むだけでも勉強になる。念のためにいうと、牧師的なお説教ではなく、結婚カウンセリングで貫いているので、その新鮮な解決法が役に立つだろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

谷崎潤一郎最後の十二年

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 かつてナポレオンの女中は、主人がどれほど偉い人物であるかを知らなかったというエピソードがあるが、往々にして、あまりに身近に仕えた人が主人公の素顔を描くと、ひどく嫌みのある内容になるものだ。
 ところがこの伊吹和子は、驚くほど抑制のきいた文章で、文豪との日常を素直に克明に語ってくれている。日本エッセイストクラブ賞にふさわしい貴重な記録といえるだろう。題名の『われよりほかに』は『雪後庵夜話』の中の一節「我という人の心はただひとりわれより外に知る人はなし」からとったようだが、むしろ、自分よりほかに谷崎潤一郎を知っている人がいようか、という自信と愛情に溢れているように思える。
 伊吹和子は24歳のとき『潤一郎新訳源氏物語』の原稿の口述筆記者として谷崎に迎えられた。このとき六十六歳だった谷崎は死の間際まで、結局彼女を離さなかった。谷崎は若い頃、佐藤春夫に妻を譲るという、猟奇的な事件を起こしている。その後『細雪』のモデルといわれた松子夫人と結婚するのだが、それだけに彼の私生活はこれまで謎に包まれていた。
 その最大の理由は、中央公論社のお抱え作家と思われるほど、作品のほとんどをこの一社に集中してきた。谷崎邸に親しく出入りする他社の編集者は、皆無といっていい。さらに谷崎は伊吹和子を「谷崎源氏」終了のあと、中央公論社の社員にしているが、この間のいきさつは本書にくわしい。どちらにしても秘密が漏れないようになっていただけに、この本はどの一章をとっても興味しんしんだ。
 特に本書の第一のおもしろさは、京都潺湲亭(せんかんてい)と伊豆雪後庵(せつごあん)の谷崎の書斎内を、見取り図でくわしく出しているところだ。谷崎と伊吹がどういう位置に座り、どういう家具が置かれていたかまで克明に記憶している。また松子夫人たちのいる母屋とは隔絶しており、そこがまた読む私たちの想像をふくらませる。
 第二のおもしろさは『瘋癲老人日記』や『夢の浮橋』など晩年の名作をつくった過程や谷崎本人の考え方が、克明に記されている点だ。すでに作家として落ち目になってきた時期の文豪の肉声だけに、かえって生々しい。
 谷崎は引越魔だった。恐らく十回を越えているだろう。中でも死の前年、七十九歳で湯河原に湘碧山房と名づけた邸を新築している。ここでの執筆を考えていたのだが、わずか五ヵ月ほどの棲み家となってしまった。この稿を私が書き終えた直後、友人の不動産屋から、谷崎の熱海のかつての別荘が売りに出ているので、見に行かないかと連絡があった。あまりの偶然に驚くのみだった。(櫻井秀勳/評論家)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本オリエンタル占星術

2002/03/12 22:15

愛のバイブルとして活用できる本

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 最近は月がブームになっている。一つには夜型社会になったため、月が身近に感じられるようになったこともあるが、満月に月経がはじまったり、満月に生まれる赤ちゃん(愛子内親王など)が多いという、女性に深い関係がわかってきたからでもある。
 また私たちはふつう、西洋占星術で牡羊座とか双子座といっているが、これは太陽の位置が誕生時にその星座にいたということで、これでは12通りの性格や運命しかないことになってしまう。そこで月の運行が重要になってくる。自分の誕生日に、月がどの星座に泊まっていたかを知らないことには、その人自身の運命が出てこないのだ。
 偶然にもこの考え方が中国にも古くからあり、宿曜経(すくようきょう)という仏典に、日曜から土曜までの七曜と、月の位置を知る二十七宿を組み合わせた占術がつくられていたのだ。この二十七宿とは、月の満ち欠けが二十七.三日で一巡するということを、古代人はすでに知っていたとみえて、この宿曜占星術でいくほうが、西洋占星術より具体的になる計算となる。
 この『オリエンタル占星術』は、古い宿曜道を新しく蘇えらせて、非常にわかりやすく運命、相性などを解説してくれている。ちなみに私はもともと太陽占星術では魚座だが、月の占星術だと乙女座となり、どちらも「女」がキーワードになっていて、私が女性関連の仕事についたのが誤りでなかったことを証明してくれているが、この本で占うと「軫宿(しんしゅく)」となる。著者の水晶玉子氏によると「新しもの好きでマスコミに向く。女宮(乙女座)に属するので女性を相手にした仕事に向く」とある。
 みごとに私の運命をいい当てている。あなたもぜひ一度この本を広げて、自分自身の人生を占ってみてはどうだろう?相当の確立で当たることを保証しよう。
 この本は「FRaU」という女性誌に連載したものをまとめたようだが、たしかに女性読者に向いている。
 とはいえ、私は独身男性によくいうのだが、こういう本を読んで、相手の女性の性格や運命を先に知っておけば、すぐ仲よくなれるし、簡単に口説けるのだ。もてない男ほど、読む本の種類を間違えている!
 女性もそうで、ただ読んで、自分の性格を知るだけでは、まったく意味がない。仮に3人つき合いたい男性がいるとしたら、その生年月日から、最適な人を選び、積極的にアプローチすることだ。この本はその意味で、机の上に置いておき、愛のバイブルとして、新しい相手が出るたびにかつようしたほうがよい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本しゃばけ

2002/01/09 22:15

「『しゃばけ』は日本的あやかし(妖)の世界」

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 題名だけ見たのでは、さて「しゃばけ」とはなんのことだろう?と思う人が多いのではあるまいか。娑婆気と書いたほうがわかりがよさそうだ。「あいつはあの年して、まだしゃばっけがある」と使うが、この小説の主人公は、江戸時代の十七歳の若だんなである。この少年ともいっていい、若だんな一太郎はふつうの人間ではない。
 あやかし(妖)たちを味方につけている、なんともふしぎな薬種問屋の大店の一粒種なのだ。両親に溺愛されているが、身体が弱くて、すぐに寝込んでしまう。そんな若だんなを、なぜか二人の手代が、自分たちの身を賭して守っている。
 この奇妙な光景にいったんはまり込んでしまうと、途中で読むのをやめられなくなる。なにしろ屏風の中からも、小鬼たちが出てきて一太郎に味方するのだ。ドイツには森の妖精たちと戯れる小説が何篇もあるが、この『しゃばけ』には、日本的なあやかし、妖怪たちが続々と登場する。
 内容はある夜、街をひとり歩きしていた一太郎が、人殺しを目撃してしまう。ところが翌日聞いたところによると、どうも自分が目撃した死体の状況と大分違っている。二人の手代は心当たりがあるのだが、犯人は目撃した一太郎を襲撃してくると予想するのだが‥‥‥。
 もうこの辺まで読み進めると、読者もあやかしの一人(いや一匹というべきか?)になって、若だんなを応援したくなってくるだろう。なにしろ筆が軽妙で、かわいらしい。ユーモラスというよりは、愛嬌のあるとぼけた味わいといったほうがいいかもしれない。
 話は次第に複雑になり、連続殺人事件となって、犯人は若だんなに焦点を当てくる。その理由がまた奇想天外で、日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞をとっただけのことはある。
 この作者は漫画家の出身だという。それだからというわけではないが、活字を主としてきた作家志望者では、こんな発想は湧かないだろう。江戸時代には鬼などを戯画した大津絵が大流行した。この『しゃばけ』の表紙も大津絵を模したようにも思えるが、古くから日本人は鬼と共生してきたのだ。
 だから鬼の中には、人になりたがり屋も出てくる。この畠中恵という作者の頭の中には、人も鬼も一緒に棲みついているのではなかろうか? そうでなければ、これだけ愛情をこめて、あやかしたちを活躍させられないからだ。いまの人間共より、この作中で活躍するあやかしたちのほうが、よほど純真で魅力がある。(評論家、櫻井秀勲)

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

4 件中 1 件~ 4 件を表示