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  3. 白石 文昭さんのレビュー一覧

白石 文昭さんのレビュー一覧

投稿者:白石 文昭

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本幕末維新陰の参謀

2001/01/31 18:16

幕藩体制維持で苦闘した2人,明治維新を推進した2人−−4人の生き方はビジネスマンにもヒントを与える

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 政治や企業経営のあり方,人の生き方などについて,歴史からなにがしかのヒントを得ようと,多くの人々が試みてきたし,また,そのための著作もまさに世に“はんらん”状態。こうした中で本書の著者,童門冬二氏は組織や人間を過去の歴史と現在の2つの側面から巧みに分析し,描く手法が評価されている。
 本書は幕末から明治維新にかけて活躍した4人の人物−−幕政改革に取り組んだ老中・阿部正弘,藩政改革で苦闘し挫折した南部藩家老・楢山佐渡,公武合体を推し進めた公家・岩倉具視,土佐藩家老や明治政府の大臣を務めた後藤象二郎をとりあげている。著者によれば,企業社会にたとえると,前者2人は大会社の維持のために改革の中心となって活躍し,後者2人は大会社に見切りをつけて新しいビジネスに挑戦しようとした人物である。
 この中で著者がスペ−ス的にも最も力点を置いて描いているのは,楢山佐渡である。楢山佐渡は家老を自分を含め2人体制としたが,著者はこれを企業経営という視点でとらえれば「リストラ企業における総務部長2人制」と位置づける。また,一般に情報の分析から問題点の摘出,思考,結論,決定に至る過程で「演繹法」「帰納法」の2つの方法があることを,楢山佐渡による南部藩運営にからめてふれる。そして現在のような動乱の世に生きる組織のリ−ダ−にとっては,「この演繹法と帰納法による決断の仕方が,実はその組織を生かしたり殺したりしてしまう」と強調する。
 本書は全般に政治,ビジネスなどとの接点の視点を随所に織り込みながら,歴史小説としての面白さを十分,維持している。若干,残念なのは,幕末維新に登場した多くの人物の中からなぜこの4人を選んだのかの理由がよくは分からない。また,4人の人物描写の「詳細度」(背景説明も含めそれぞれに割いた字数)がアンバランスだ。
(C) ブッククレビュー社 2000

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紙の本日本の企業家群像

2001/05/08 22:18

明治以降,企業生成や新事業分野開拓,新市場創出に尽力した経済人の足跡と経済・産業史のおさらいに好適

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 本書は,明治期の岩崎弥太郎,渋沢栄一らから,2001年前半現在の中内功氏,鈴木敏文氏に至る経済人17人の足跡と経営哲学・戦略などについて,7人の学者が分担執筆した7つの章で構成。企業の生成や新しい事業分野の開拓と新しい市場の創出に貢献したことが,取り上げられた17人に共通する点であり,本書の編者によると「企業家の革新に焦点をあてて,その歴史的意義を明らかにしようと努めた」という。
 17人は,いずれも極めて著名な人物であり,読み手がその人物についてそれなりの知識を持っている場合には,本書の記述の内容・量に物足りなさを感ずるだろう。しかし,17人の人物の足跡,経営哲学・戦略を新しい視点から詳しく知ろうという目的ではなく,この経済人の群像と明治から現在までの経済・産業史の骨格を改めて「おさらい」しようとの気持ちで読むのであれば,簡便な書である。
 7つの章とも2人,あるいは2グル−プの人物について記述し,その共通性や対比に言及しているが,章によってはやはり「分析不足」の感がしないでもない。その点,第6章では「井深大・盛田昭夫」対「本田宗一郎・藤沢武夫」の4氏が多くの読者にとってまだ記憶に新しいことを意識してか,足跡については簡単な記述にとどめたうえで,両グル−プの「同時性・共通性」「革新的企業者活動の条件」について,他著からの引用も含めてしっかりと分析しており,読みごたえがある。
 章にもよるが,エピソ−ドの発掘や他著からの引用の巧みさが目を引く。たとえば,2代・鈴木三郎助の長男・三郎が芸者を役者,医者,新聞記者など,情報の受発信の上で要となる「者のつく人」の1つと想定した話がその1例(第2章)。また,鮎川義助がドイツから大豆との交換で機械を輸入しようと画策したところ,ヒトラ−から「豆はいらん。そんなことより日本は天皇制を守ってゆけ」と一喝された(第3章)−−といった具合である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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日本企業のブランド戦略は欧米より4〜5年遅れており,経営トップ自ら再構築し,企業価値を創造すべきと説く

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 バブル経済の崩壊後,日米企業の「経営レベル」の差(もちろん日本企業の劣位)に関する書籍,論文は少なくない。本書も著者の意図はともかく,結果的にはその種類に属する。横書きで,数多くの図表を用い,先端企業の実例を徹底的に紹介・分析しており,表現はあくまで客観的であり,冷静である。しかし,読み方(解釈の仕方)によっては,もしかしたら,どう解釈しようとも,本書は,多くの日本企業が経営の基本戦略の面で欧米,特に米国の企業にかなり引き離されてしまったと思わせる内容である。
 著者は,企業がブランドを用いてどんな素晴らしいキャンペ−ンを行っても,「戦略顧客の購買行動を誘引し,結果として企業利益に結びつかなければ何の意味もない」し,日本企業のブランド戦略は「欧米企業に比べ4〜5年の遅れがある」とする。しかも,ブランド戦略を考えるうえで,インタ−ネットの急速な普及,ネットベンチャ−の出現,金融機関の経営環境の激変,各企業グル−プの連結ベ−スでの利益創出等々の動きを重視する。著者はこれらの視点も含め,ブランド戦略を従来の考え方よりもはるかに幅広くとらえている。また,ブランド戦略に関する欧米企業の成功例をいくつも紹介しているが,日本企業についてはソニ−以外は「成功例」ではなく「挑戦例」として若干,触れているだけである。
 インタ−ネットとの関係について,著者は「特長はブランド戦略を生かし,リスクには万全の態勢をもって臨む。そうした全社的体制を構築できるか否かは,ひとえにトップマネジメントの力量にかかっている」とする。とすれば,成功例の少ない日本企業の現状については,お寒い限りということになってしまうが------。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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企業の成長・発展のためには,経営者の倫理的価値観,ビジョン,窮理の思想などが不可欠と強調

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 ビジョンや危機管理体制のない経営,倫理観に欠ける経営者,等々−−−−日本では特にバブル経済の崩壊後,これらの点がいつも指摘されてきた。そして,いわば”負の遺産”を解消できないまま,日本の多くの企業,日本経済は新世紀を迎えてしまった。
 こうした状況下,ソフトバンク・ファイナンス社長でもある著者は20世紀末ギリギリの時点で,経営者に「強い志」がなければ何事も達成できないし,伸びる会社はどこが違うかという視点から本書を著した。本書を貫く流れは,「論語」をはじめとする中国古典の名言と,英語・コンピュ−ター・企業会計の「3つの言語」といった,一見,妙な組み合わせによるものである。
 それは著者が若いころから「論語」などの中国の古典に触れて,多くを学び,倫理的価値観を形成できたとの確信を持つ一方,約5年半の在米,約4年半の在英生活と世界56カ国を旅した経験による信念に基づくからである。さらに野村証券在籍時や現在の役職による体験からも「3つの言語」の必要性を痛感している。
 中国古典の名言や内外の名経営者の言動を紹介しながらの経営論に,特に目新しいところは感じられない。ただ,「日本の多くの企業は,科学的な経営を一貫して怠ってきた−−−−」「日本の雪印のような事件をアメリカ企業が起こしたら,おそらく,その企業は生き残ることさえ難しい状況に追い込まれる」等々の”断定”には,一種の小気味の良さがある。また,経営者の「際限のない欲求は身を滅ぼす」とし,尊敬するソフトバンク社長の孫正義氏についても「この点に気をつけなければならない」と指摘するところが面白い。
 「3つの言語」の必要性を強調し,「デジタル財は変動費がほぼゼロに近い」などという一連の主張は,まさにインタ−ネット時代で活躍する著者の姿を彷彿(ほうふつ)とさせるが,「インタ−ネット時代だからこそ,ますます倫理的価値観が求められる」と結んでいる。
(C) ブッククレビュー社 2000

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セブン-イレブンが始め,いまや米国にも広がった「単品管理」を軸に,流通革命,情報革命を徹底検証

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 米国のQC(品質管理)活動が戦後,日本の製造業分野で採り入れられ,やがて日本で付加価値をつけ,米国の産業界はそれを逆輸入した。もう,昔の話である。一方で,日本の流通業界はかつて「暗黒大陸」とさえいわれ,流通ビジネスの技術やシステムを米国から学んできた。こうした中で,米国生まれの「ユニットコントロ−ル」とは全く違う内容の「単品管理」という発想・手法が日本で誕生した。この「単品管理」は英語でも「TANPINKANRI」と呼ばれている。本書によれば,そのルーツはセブン-イレブンである。
 筆者が自ら,本書には「セブン-イレブン・ビジネスを支える不易なるものを追い求めながら,一方で最新のニュースも盛り込んでいる」と記していることからも分かるように,筆者のセブン-イレブンと,その創業者である伊藤敏文氏への「思い入れ」には並々ならぬものがある。
 本書によれば,「単品管理」が指向しているのはマーケティング活動の高い効果性を企図するものであり,「単品管理」はPOS(販売時点情報管理)による単品動向把握のテクニックではなく,顧客,生活のニーズを把握し,個々人の生活にまで踏み込んでいくための出発点となる道具だという。もちろん本書は「単品管理」を軸に,セブン-イレブンの「進化ぶり」を詳述しているが,内容的には,個人の生活・消費活動や価値観の変化とビジネスへの影響,マーケティング,情報革命など,非常に幅広い。
 各章,各項の重複部分もあり,読み手によっては多少,イライラするかもしれないが,この「重複部分」を場合によっては読みとばしても,なぜか「流れ」はうまくつながる。随所にエピソードも散りばめられており,飽きずに,また肩も凝らずに読み続けることができる。            
(C) ブッククレビュー社 2000

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「生涯一商人」と歴史学者の対談を通じて描く,日本での市場経済の歴史とその意味

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 「商い」は人類の始まりとともにあり,江戸時代には市場経済の基礎が築かれていた−−イトーヨーカドー・グループの創業者である伊藤雅俊氏が2人の歴史学者と個別に対談した結果,こんな見方が生まれた。明治維新後,西洋の文化が輸入され,同時に市場経済が発展したというのが,これまでの一般的な見方だった。
 まず,網野善彦氏との対談編では,(1)「百姓=農民」ではない,(2)商いを成立させるうえで女性の力が非常に大きかった,(3)日本での商業の歴史は非常に古く,縄文時代から交易が始まっていた形跡がある−−などの結論を引き出した。これらはもともと「網野史観」といわれるものだが,伊藤氏が「商人」としての視点から,いろいろな問題点を指摘し,問いかけをした結果の答えなので,新鮮味のある結論となっている。
 縄文時代の製塩土器が出土しているが,大きな土器で塩を焼くのは,塩を自給のためだけではなく,最初から売るためにつくったことになる,という指摘も興味深い。
 斎藤善之氏との対談編では,「武士的存在」でもあった商人の実態,天領米を安全,かつ円滑に運ぶルート,天明ききん後に伸びた「北前船」,権力と離れ台頭した「尾州廻船」,妻が支えた商家の経営−−など,多くの具体的なテーマについて論証している。
 この中で斎藤氏は「船を操り全国的な商業活動を展開した」商人たちを「海商」と呼び,非常に詳しく述べている。その具体的な解説は,短編の歴史小説的な面白さがある。 
 本書で気掛かりな点は,日本で市場経済がいつから存在したかという肝心の論点が整理し切れていないことである。「中世に市場経済が存在していた」「江戸時代にはすでに市場経済が存在していた」「江戸時代,商人たちは市場経済を創造した」などなどの表現を,どう結びつければよいのだろうか。
(C) ブッククレビュー社 2000

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江戸幕府や各藩には時に「名総務部長」がいて「経営の妙」を発揮し,危機を乗り切った

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 歴史,経営・ビジネス,国家・組織論,危機管理論,人物評伝,人生論−−。いろいろな要素を併せ持つ不思議な書である。読み手の解釈の仕方,価値観,人生観によって,どのような本にもなる。
 戦国時代の武将の動き,あるいは戦争を企業経営に擬して論ずることが時々あるが,戦争や幕府・藩の運営と企業経営とは本来,次元が異なるものだと思う。だが,筆者はまず,幕府や各藩を企業と仮定し,たとえば徳川幕府=徳川日本株式会社,水戸藩=株式会社水戸書店,加賀藩=加賀合資会社,赤穂藩=浅野塩業株式会社などととらえる。そのうえで,これらの「企業」の総務部長に擬した人たち−−女性も含め歴史上の有名人物の各局面での対応ぶりを多くのエピソ−ドをまじえながら紹介,徳川幕府や各藩が危機にどう対処し,乗り切ったかを軽妙に描いている。読み進むうちに「幕府・各藩=企業」という設定に,何の抵抗も感じなくなる。
 日本の少なからぬ企業,そして国そのものも,いろいろな危機に直面している。本書で紹介している「名総務部長」が現在,存在すれば,あるいは先人たちの対処ぶりを学べば,現在の危機にもっと的確に対応できるというわけだ。
 もっとも,筆者は総務部長の職域・責任の範囲を一般にいわれる総務部長のそれよりも,はるかに広く想定している。徳川幕府で家康・秀忠・家光に仕え,最終的には大老になった土井利勝まで,総務部長として登場する。したがって,たとえば「真の総務部長の優秀のモノサシ」は「インフォーマルな,それも突発的な,機密性のある仕事が飛び込んだときに,それに対応し,処理する能力があるかどうか」となる。総務部長の職域・機能について改めて考えさせられる。
 また,各藩の地域特性,産物,人間の気質が異なるのは「大名家のCI(コーポレート・アイデンティティー)」だとの見方も面白い。
(C) ブッククレビュー社 2000

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横河電機の終身雇用,人員削減なしのコストの抜本的削減。そこに新しい日本的経営のヒントがある

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 日産自動車の2001年3月期の業績が急回復する見通しとなった。カルロス・ゴ−ン社長による強力なリストラ推進による効果だが,日本の経営者の中には「日本人経営者ではあれだけドラスティックなことは難しい。しがらみがないからできたのだろう」という声もある。
 また椎名武雄・日本IBM最高顧問は,日本経済新聞に9月に連載した「私の履歴書」の中で「外資には退社や中途入社が多いというイメ−ジがあるだろうが,私が社長を務めた時代の離職率はほぼ1%台で推移した」と,誇らしげに回顧している。
 「経営の再構築」という意味でのリストラが当たり前の時代になり,個々のビジネスマンにとっても「転職」が珍しくなくなり,終身雇用制も崩れ始めてきた。それでも日産自動車のリストラ推進をめぐっては,上記のような見方もあるし,まして椎名氏の社長在任中は「外資らしくないこと」が,日本の経営者にとって誇りでもあった。
 こうした中で,本書が取り上げた横河電機が1975年以来,続けてきた“挑戦”は確かにユニ−クである。「老社員は宝だ」として,終身雇用を73年の第1次石油ショック後も貫いたし,最近では自主廃業した山一証券の元社員を積極的に採用した。
 一方で,雇用削減を伴わずにコストを根本的に削減しようという「新幹線発想」を打ち出したり,経理部を廃止するなど,いろいろな手を打った。経理部の業務は関連会社にアウトソ−シングし,社員も出向させたが,元経理部員は物理的に同じ場所,同じ机に座っていた。ただ「机と机の間には“見えない線”」があっただけという。だから横河電機では異動先の関連会社を「子会社」とは言わない。
 本書が一般のいわゆる「リストラ」を「不当解雇」と断ずる姿勢や,時折見られる感情移入が過ぎる表現はいささか気になるが,横河電機の経営哲学とその実践ぶりを生き生きと,そして分かりやすく描いていることは確かだ。美川英二・前社長の若い頃の話をはじめ,随所にエピソ−ドが散りばめられており,ビジネス書としてだけではなく,一つのノンフィクションものとしても,興味深く読める。
(C) ブッククレビュー社 2000

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