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先月(2017年8月)

長谷川 真実さんのレビュー一覧

投稿者:長谷川 真実

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本したしむ熱力学

2001/04/05 18:16

初学者向けの体裁をとりながら,実際には“再学習者”を強く意識した熱力学の教科書

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 18世紀半ばに起こった産業革命の原動力になった熱力学は一般に,電磁気学,力学と並ぶ「古典物理学」に分類される。熱+力学という古めかしい呼称とあいまって,この情報通信時代にくすぶった印象を与えるが,実際には「宇宙」や「地球環境」などの考察に必須となる「進化を続ける現役の学問」なのである。
 しかし,熱力学の修得に挫折した理工系出身者も少なくあるまい。基本用語の「エントロピー」の概念からしてわかりにくいし,自由エネルギーだって一義ではない。数式もたっぷり登場する。そういう面々が改めて,熱力学の“概念(考え方)”を学ぶにはぴったりの教科書である。もちろん,学ぶ意志さえあるなら初学者でもついていける。
 熱力学には平衡系と非平衡系の2系統がある。現代にホットな話題を提供しているのは非平衡系熱力学の方である。「この宇宙は限りなく無秩序に近づく」とする平衡系熱力学の世界では説明し切れない「生体の自己組織化」「結晶成長」などの現象を“ゆらぎ”で説明する。1977年,生物界の自己組織化現象の研究から導いた「散逸構造理論」でノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンが大御所的な存在である。
 さすがに初学者クラスがいきなりこの領域に踏み込むことには無理がある。本書はその前段階である平衡系熱力学をわかりやすい言葉で解説している。平衡系で熱力学の基本概念を咀嚼(そしゃく)した後,非平衡熱力学への関心が湧いたらしめたもの。難しい数式に頼ることなく,宇宙の行く末,時間の不可逆性,生命の意味などなど,現代科学の精髄に近づくこともできるだろう。この分野の良書はかなりある。
 プリゴジンの世界まで跳躍しないとしても,本書を読めば,熱力学の4法則はしっかりわかる。少なくとも,エネルギーを供給しなくても永久に仕事をし続ける「第1種の永久機関」や,外部から得た熱を100%の効率で仕事に変換する「第2種の永久機関」が存在し得ないことを理解しておいて損はない。この手の“発明”が世の中には多すぎる。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本有機フリーラジカルの化学

2001/03/18 22:16

合成化学への応用に軸足を置いて,有機フリーラジカル反応の基礎から応用までを解説

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 フリーラジカル反応の解説書と言えば,医学,生理学,生化学,薬学系が通り相場。免疫不全や発ガンに関与する悪玉ラジカルの酸素ラジカルや,窒素ラジカルなどの無機ラジカルを取り上げた本がほとんどである。ところが本書は,フリーラジカル反応を選択性が悪い「汚い反応」であるとして毛嫌いしがちな有機合成化学の土俵で論じている。
 解説のレベルは,学部学生でもついて行ける程度にこなれている。とかく難解になりがちな内容に親しみを持たせるため,導入部にはフリーラジカルによるビタミンEの破壊と,ビタミンCによるビタミンEの再生機序を配置,化学の根元から環境へのリスクを取り除く「グリーンケミストリー」の可能性で締めくくった構成は秀逸。
 著者は,分子の立体配座解析法の確立でノーベル賞を受賞した故バートンに師事,バートンが睡眠時間を1日4時間に削って79歳6カ月の生涯を閉じるまで情熱を燃やした,「きれいな」フリーラジカル反応研究の衣鉢を継ぐ。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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紙の本化学超入門

2001/03/18 22:16

中学生の知識で大学基礎教養レベルの化学が理解できる,化学が好きになる「実生活での自習書」

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 中学,高校,大学で教鞭をとる現役の教師や教官がチームを作って書き下ろした“化学のおさらい”。編著者の左巻健男氏によると「想定読者は,仕事で化学と向き合わざるを得なくなったビジネスパーソン。ほとんどの人は中学の化学が嫌いだっただろうから,自習の需要があるはず」。
 著者は全員,教科書や教養書の執筆経験が豊富なだけに構成はロジカル。表現は平明ながら中身は深い。何より,ホットな話題に引っかけて化学を展開するので,読者を飽きさせない。ノーベル賞を受賞した白川英樹博士が開発したポリアセチレンもさっそくコラムで取り上げながら,ソリトンという比較的新しい概念をさりげなく盛り込むあたりは手練れの仕事。
 受験用の化学に辟易した向きも,本書で語られる「実生活の化学」なら消化不良は起こしにくいはずだ。仮に,30年前の理系大卒が本書のページをくったとすると,自らの知識の剥落と劣化にいやでも気がつくはず。こんな読み方をしても良い本である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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流体計測の汎用ツールとなったPIV(粒子画像流速測定法)を扱った,本邦唯一の解説書

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 PIV(Particle Image Velocimetry)は,流れ場の中の粒子画像から作ったベクトル分布図をもとに,流体の状態を解析する代表的な非接触式光学計測法。レーザー装置と,コンピューターによる画像処理技術の発達により,そのシステムは企業や大学などの研究開発現場に急速に浸透している。しかし,PIVの原理や基盤技術まで心得て使いこなしている技術者・研究者はそれほど多くはないだろう。画像処理技術の常として,基礎知識の有無で,得られる結果が大きく異なる。可視化情報学会「PIV研究会」の主要メンバーである訳者・監修者らが,「相関法PIV」の教科書として世界的に高く評価されている原書の翻訳を急いだ理由である。
 本書は大学院生クラスの読者を想定して,PIVの基盤技術,数学的基礎から応用までを,学者らしい厳密さを維持しながら懇切丁寧に解説している。企業の開発現場にある技術者にもおおいに役立つ。本書は後半で「ステレオPIV」と「デュアル平面PIV」の2種類を解説しているが,現在,実用化されている技術はステレオPIVの方。デュアル平面PIVは原書の著者グループが手がけるのみだが,全体の比重はステレオPIVの方に置かれているため,「日本語版唯一のPIV教科書」としての価値は減殺されない。
(C) ブッククレビュー社 2000

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