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鵜沼一郎さんのレビュー一覧

投稿者:鵜沼一郎

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III号突撃砲短砲身型

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 『III号突撃砲短砲身型1940-1942』という、ズバリそのもの的で、気持ちいいほどに超ストレートなタイトルの本書は、III号突撃砲短砲身型という奇怪な兵器の魅力を余すところ無く伝えた一冊。

 突撃砲という摩訶不思議な固有名詞を聞き慣れない、いたって正常な御仁のために、ちょいとこやつの説明をしておこう。

 突撃砲とは、装甲で防御された機動力のある砲兵。カンタンにいえば、戦車の車台に大砲を乗っけて、装甲で囲ったというシロモノのことである。
 「それじゃぁ、戦車と変わんないじゃん!」と、貴兄はおっしゃるかもしれないが、こやつにはあの戦車特有の、クルクル回転する砲塔が無いのである。だからして、生産性が極めて高く、低コストで量産が効くというメリットがあるのだ。更に砲塔が無いから車高が低く、敵戦車に発見されにくく、弾も当たりにくいというオマケまで付く。

 実際、1941年の7月末に、対ソ、ウマーニ戦で、ミヒャエル・ビットマン戦車長率いるたった一両のこの車両、つまり」号突撃砲短砲身型が、17両ものT-26を相手に奮戦。わずか30分の戦闘で7両を撃破するという離れ業をやってのけている。
 オリンピックなら金メダル!お相撲なら横綱!兵隊の位でいうなら大将なんだな。う〜ん!恐るべしIII号突撃砲……。でもって、こんなことをのうのうと書きつづる、恐るべしオタクのワタシ……。

 かようなIII号突撃砲短砲身型の四方山話、悲喜こもごもの開発とバリエーション、戦闘能力、突撃砲部隊の戦術運用と編成についてや、敵国戦車に対していかに有効な対戦車兵器であったか等々、本書はこってりと解説し、その実像に迫っている。

 繊細なカラーイラストはこの手の書籍の独壇場。『世界の戦車イラストレイテッド』というシリーズの名に恥じない重厚な仕上がりを見せている。
 48ページ+カバーという仕上げに対して、1300円+税という価格設定がたまにきず。
(鵜沼一郎・イラストレーター)

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