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『法学セミナー』さんのレビュー一覧

投稿者:『法学セミナー』

8 件中 1 件~ 8 件を表示

新しい倫理的主題を問う

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 日本に来てニニ年というスペイン語教師が、日本人学生の無表情・無反応が未だに怖いと評者に話してくれた。しかし他方で数こそ増えてはいないが、少年の凶悪犯罪が起きている。本書の著者はこうした現象を、日本が貧困と抑圧が少ない自由で豊かな近代都市社会を実現したために、旧来の倫理規範の枠組みが必然性を失い、生の具体的な目的意識を実感しにくくなった結果だとして、この「退屈と空虚と焦燥の時代」にあらゆる倫理的主題を根源から間い直す必要があるという。
 本書が扱う一〇のテーマはどれも魅力的だ。このほか、生の目的、自殺、「私」と「自分」探し、愛、不倫、売春(買春)、死刑、戦争責任の問題が平易な言葉遣いで語られる。
 ただ、未成年の自己決定という社会的能力を高める方法や、むやみに人を殺さなくても済む共同体の模索にも具体的に立ち入って欲しかったが、無気力・無感動・無目的と言われる今日的若者のみならず、日常彼らと接する大人達にとっても、焦眉の緊急課題に対する好個の一冊だ。(C)日本評論社

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憲法の「原点」から「現点」を照らす

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 来年は日本国憲法が制定されて五五年、大日本帝国憲法の年月に匹敵する。現代の五五年は、飛行機もコンピューターもなかった近代初期の一〇〇年以上分に相当するだろうし、この五五年の間に生を受けた世代は七割を超える。そうだとすると、日本国憲法はわれわれの間に十分な基盤をもつはずであるが、憲法政治の「現点」は、そうはなっていない。昨年の重要法案の無審議的成立が思い出される(今年「八月一五日」には「通信傍受法」が施行された)。そこで、いっそのこと憲法を改正してしまえという動きに対し、それだからこそ憲法の「原点」に立ち戻れというのが、本書である。本書の特徴は、憲法の「原点」から徹底して憲法の「今」にこだわるところにある。ダイオキシン・いじめ、日の丸・君が代、KAROSHI、寺西事件等(第2部)、この「原点」から「現点」をという姿勢は、「未来を信じよ」という末川イズムにも通じよう。第1部は「小型憲法体系書」であり、また全編資料でビジュアル化の工夫もある。(C)日本評論社

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誰が誰をなぜ迫害したか

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 ヨーロッパの中世から近世にかけて、悪魔と結託して害をなすと考えられた「魔女」(男の場合もあるが、それは少数なので、著者はこの言葉を用いる)が裁判による迫害の対象になったことは周知の事実だが、最近では魔女の系譜をヨーロッパの非キリスト教的な地下水脈の中に求める見解も唱えられている。しかし著者は、そのようなアプローチはロマン主義的で魔女狩りの歴史的な実像に即していないと考える。
 著者は魔女狩りが最も大規模に行われた一六−一七世紀のドイツに焦点を当て、具体的な事件の記録を通して、「誰が魔女を告発し、誰が裁いたのか」、「告発された人はどういう人だったのか」、「告発されたような罪は本当に犯されていなかったのか」という三つの問題を考察する。そこから示唆されるのは、魔女狩りは権力エリートや知識人よりも、民衆の中から迫害の要求が起こることが多く、そして人が単一の生活圏の中だけで暮らし、名誉や評判が重視される村で起きやすいということだ。実態を知るための好著だ。(C)日本評論社

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法律

2000/12/11 12:12

進化論とゲーム理論から見た法

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 本書の帯には「進化論の視座から免疫的システムとして法システムをモデル化しゲーム論をメイン・ツールに法と社会の相互作用のパターンを分析する」と書かれている。本書を読むとこの紹介は正確なのだが、まだ読んでいない人にとってはよくわからないセろう。
 本書は三章に分かれ、第一章では法システムの構造をミーム(文化遺伝子)進化論によって解明する。第二章では民事司法制度の短い性格づけのあと、事実認定と法判断の方法を規範的に述べる。第三章では主としてゲーム論の枠組みと知見を用いて、社会秩序の形成を説明する。
 著者は社会科学の外的視点から法を見ているためか、注解釈学者の内的視点に慣れてきた読者には親しみにくい発想も多いが、それだけに新鮮だ。
 著者の具体的な主張をここで紹介する余裕はないが、各章の冒頭を初め多くの場所で明瞭に箇条書きされているので、大変理解しやすい。ただし、よく出てくる数式の理解を読者に求めるのはやや酷なのではないか。(C)日本評論社

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紙の本検証介護保険

2000/12/11 12:07

介護保険制度の問題点を衝く

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 介護保険制度が本年四月からスタートしている。「介護の社会化」等のキャッチフレーズのもと、鳴り物入りで制度は導入された。しかし、ふたを開けてみると、新しい制度の下でサービスを受けられないどころか、これまで受けていたサービスまで受けられなくなるといったケースが続出している。介護サービス業者も多数名乗りを上げ、派手な広告展開で集客を狙ったが、その多くは事業縮小を余儀なくされ、労働問題にまで発展している。
 本書は、要介護認定、ケアマネジメント、負担増、在宅サービスと福祉労働、福祉施設、医療サービスと医療施設、サービス利用者の権利擁護の観点から、制度の問題、矛盾点を明らかにする。著者は、介護保険の給付抑制的な仕組みが、サービスを受けられない者の増加、民間事業者によるサービス不足を引き起こし、結果的には制度破綻の可能性があることを指摘する。
 著者の問題分析の切り口は明快であり、制度の仕組みを学びたい読者にとっても最適の一冊であろう。(C)日本評論社

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デリバティブ市場に欠けているもの

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 「デリバティブ市場でおこっている問題は、極めて難解と目されているデリバティブ商品に起因するものではない。それは複雑なリスク管理手法のせいなどではなく、もっぱら旧態依然とした内部管理方法に内在する弱点によってもたらされたのである。」冒頭に掲げられたフィナンシャル・タイムズの一文が、現代の金融市場で生じる様々な問題の根源的欠陥を物語っている。本書はデリバティブ取引についてのリスク・マネージメントを最新の金融工学の視点から説き起こそうとするものではない。むしろ、その手法があまりに簡易なために最先端の研究者には思いつかなかったのではないかと皮肉るほどである。問題はデリバティブ商品の複雑さではない。本書は組織のリスク・ビジョンを明確にし、組織内の階層・部署のリスク対策を構造的に確立し実施する全過程についてリスクに対する新たな認識とリスク・カルチャーを組織全体に根づかせる全体的な視点こそ重要であると指摘する。喫緊の課題に対処する一冊である。(C)日本評論社

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家裁調査官が分析する少年非行のいま

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 「いきなり」型の非行は、それまで問題性を指摘されたことのない「いい子」が引き起こすとされ、最近世上を騒がせている。家庭裁判所調査官の著者は、子どもたちがどのような生活史をたどったのかに着目し、「いい子の非行」をいくつかの類型に分け、その原因を探っている。そのうち、一〇の症例をあげて紹介しているのが本書だ。著者は、非行を犯しても、被害者への同情心もなく、加害意識の薄い少年が目立つことに着目し、親とも面接をすることによって、「よい子」の作られ方を探っていく。この本は、家裁の調査官が、非行少年に対してどのように調査の方針を立て、調査し、それを分析するかという、一般に知られることのない仕事の内容を知るための書として読むと大変興味深い。
 少年法が改正され、「厳罰化」に向けた流れが具体的なかたちをとることになった。調査官が深く関与する現在の少年司法と、今後のシステムと、どちらが社会的に「よい」システムか。ぜひ本書を読んで考えてほしい。(C)日本評論社

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紙の本「憲法大好き」宣言

2000/12/11 11:27

日本国憲法の根ざすもの

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 両院の憲法調査会の審議も回を重ねているのだが、今ひとつ盛り上がりに欠ける憲法論議。もう国民的論議の対象になりえないのだろうか? 対談と講演録を急いでまとめたうらみはあるが、最近珍しい、直球勝負の「護憲派」の本である。佐高信と福島瑞穂が、男女平等、金融破綻とその処理、自自公連立など、政治と憲法の関係をスピード感あふれる鋭い舌鋒でさばき、現在の憲法をめぐる国会論議が、いかに党利党略であり、詭弁に満ちているものであるかを、小気味よく暴露している。
 本書で価値があるのは、日本国憲法の価値観は、占領軍によって「押しつけられた」ものではなく、戦前、選挙権をかちとっていた女性の存在や、自由民権運動など、日本の民衆の一つの流れとして在ることを再確認させるところだろう。帝国議会から戦後に至る国会の憲法論議をまとめた『憲法の国会論議』(樋口・大須賀編、三省堂)を合わせて読むと、その水準の高さと今との落差に、読者は驚くだろう。(C)日本評論社

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