サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 伊藤 雅俊さんのレビュー一覧

伊藤 雅俊さんのレビュー一覧

投稿者:伊藤 雅俊

1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本小倉昌男経営学

2000/11/13 21:15

日経ビジネス1999/10/25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

久しぶりに生きた経営の本を読ませてもらった。著者であるヤマト運輸元会長、小倉昌男氏は今さら説明するまでもなく、許認可行政に屈しないで規制の壁を打ち破り、宅急便を世に送り出した人だ。
 実は小倉氏と私はともに大正13(1924)年の生まれである。この世代はお上に頼ろうという気持ちを持ち合わせていないせいか、お互い行政に反発することが多かった。ことに小倉氏は筋の通らないことには徹底して闘った。相手が許認可官庁の運輸省ということもあったのだろう。
 そういえば、一昨年、経営の一線を退いた小倉氏の日本財団理事への就任を、運輸省が拒むという一件があった。運輸省にすれば、それほど手強い相手だったのかもしれない。
 本書は、経営難に陥った運送会社を宅急便という商品によって成功に導いた記録であり、同時に気骨ある経営者、小倉氏の経営論である。
 宅配サービスは今でこそ日本人の生活にすっかり定着しているが、かつてこの分野は郵便小包の独占市場で、民間企業の参入など考えられなかった。小倉氏が社内で構想を発表したときも、役員全員の反対に遭ったという。
 たしかに、私が知る限りでも、かつての運輸業界にはサービスや顧客満足という考え方が乏しかったと思う。トラックの運転手が普通の消費者を相手に営業するなど、考えられなかった。
 そんな運輸業界の常識を覆すヒット商品を小倉氏はどのように育てたのか。私はそれを本書から教えられた。小倉氏は「セールスドライバー」という言葉をつくり、「ただ物を運ぶだけでなく、集金や接客などをこなしてほしい、言わば寿司屋の職人のように働いてもらいたい」と現場の社員に説いたという。さらに「サービスが先、利益は後」という優先順位もつけた。社員にとって何が一番大切なことなのかをはっきり示したのだ。目先の売り上げばかりを追う経営者には、こんな真似はできないと思う。
 小倉氏は最後に経営者の10の条件を説いている。「戦略的思考」「身銭をきる」など、すべてなるほどと思えるが、やはり目が行くのは「行政に頼るな」「政治家に頼るな」というくだりだ。もしかしたら、小倉氏にとって規制は事業を進めるうえでの原動力だったのかもしれない。だが、もしも規制がなかったら、宅急便は今以上の成功を収めていたのではないだろうか。
 行政に守られてきたさまざまな業界が、本格的な競争にさらされようとしている。今日、本書の持つ意味は大きいと思う。
(C) ブッククレビュー社 2000

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示