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レビューアーランキング
先月(2017年4月)

浦木 康雄さんのレビュー一覧

投稿者:浦木 康雄

3 件中 1 件~ 3 件を表示

「自由化」と「情報革命」により,世界経済は後戻りできない不確実性の時代に移行

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 1970年代の変動相場制への移行を発端として,その後の資本取引の自由化と情報革命の進展により,世界経済は著しくグローバル化している。本書はこの時期の資本主義の変容を,国際通貨システムの側面から歴史的に捉えた優れた著作である。一般読者を対象としたわかりやすい記述に徹しているが,内容的には前著「世界経済史—覇権国と経済体制—」の続編にあたる。
 著者はまず,グローバルな金融取引の多くがドル建てで行われるなど,「グローバル化」というのは実は世界のアメリカ化ではないかと問い,さらに制度面の「自由化」と「情報革命」による情報量の増加が不確実性を増大させている点を指摘,これらを「グローバル化時代」の2つの逆説であるとして,この時代の性格を特徴づけている。
 第1章「パンドラの箱は開けられた」では,情報革命,グローバル化,自由化,社会主義圏の崩壊など,時代の基調をなす大きな動きを,具体例や統計を使って丹念に跡づけている。第2章「債務を抱えた基軸通貨国」では,基軸通貨国としてのアメリカの強さと純債務国という特異性をあらゆる角度から分析する。第3章「途上国への資金の流れ」では1980年代以降頻発する,途上国の通貨危機が主題であり,自由化の順序,短資規制やIMFの対応の間違いなどを論じる。
 第4章「円とユーロの行末」では,国際通貨としてのユーロと円の将来についての評価を下す。ユーロについては,通貨統合に現実性がないとする経済学者の見解に反し,政治的動機が推進力となって経済通貨統合が確実に前進し,世界経済の勢力関係を大きく変容するとしている。一方,円については日本経済の対米依存と自立的外交方針の欠如から,円の国際化や東アジア経済通貨統合構想には悲観的見通しを述べている。終章は「グローバル資本主義といかに共存するか」と題し,危機は再発しうる,というのが著者の警告である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001

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外国為替市場の最新知識

2000/11/08 12:15

NY連銀出版の外国為替市場の概説書。取引の実際と基礎理論,最新の動向をバランスよく解説

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 今日,世界の外国為替市場では毎日1兆5000億ドルにものぼる取引が行われているという。この文字通り巨大でグローバルなマーケットでは,貿易決済,国際投資,投機,リスクヘッジなどの取引が行われ,あるいは近年のアジア通貨危機,ヘッジファンドLTCMの破綻,ドルに挑戦するユーロの出現など世界経済の大きな出来事が演じられている。
 本書は,これらの舞台となっている外国為替市場の成り立ち,取引のしくみ,基礎となる金融理論,変化の動向を最新の統計を交えて分かりやすく論じている。
 著者は,IMF理事,NY連銀副総裁などを務めた外国為替市場のスペシャリスト。
 本書の内容は市場の構成,市場参加者,主要商品,ディーリングの実際,リスク管理,中銀の役割り,国際通貨制度,為替相場決定理論,今後の展望より成っているが,直先取引からスワップ,オプションなど最新金融商品に至る主要商品の解説とディーリング・ルームの雰囲気まで伝わってくるディーリングの実際に力点が置かれている。この種のテキストにありがちな無味乾燥な記述と異なり,実務に即した丁重な語り口は専門家でない読者にとってはありがたい。ただ,各種オプションの解説などはスペースの制約もあって初学者が完全に理解するにはやや無理があるように思われ,興味のある者はさらに専門書に就けばよいだろう。
 本書により外国為替市場の全体像を学んでの印象は2つ。このマーケットは徹底したグローバルスタンダードの支配する世界であること。また,コンピューター技術革新のマーケットへの影響の大きさ(電子ブローキングによる取引形態の変化,高度の金融商品の族生等々)である。これらは結局,米国のマーケット支配の強化に結びつくのではなかろうか。翻訳は平明でわかりやすい。
(C) ブッククレビュー社 2000

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19世紀末から今日に至る国際通貨システムの歴史を通して,為替レートペッグ制の可能性を問う

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 最近のアジア通貨危機や現在進行中のヨーロッパ通貨統合など国際通貨システムにかかわる問題,特に,いかにして為替レートを安定させるかという問題は,グローバル化の進行する世界経済にとってきわめて重要かつホットな課題である。経済理論や政策論争など種々のレベルで活発な議論が行われているが,今後の方向性は必ずしも明らかでない。しかし顧みれば,これは国際マーケットの成立とともに古い問題であり,国際通貨システムの歴史的変遷をたどり,今日の問題の所在を巨視的な視点でとらえなおしてみることは意義のある作業ではなかろうか。
 本書は帯に示すごとく,「国際通貨システム,国際資本移動研究の第一人者(カリフォルニア大学バークレイ校教授)による国際通貨システムの通史であり,経済学からだけでなく,国際政治学からのアプローチも援用しながら,19世紀末から現在まで約100年間の歴史を描写」 しており,この目的にはうってつけのテキストである。常識を覆すような歴史的事実の紹介も多く刺激的で,国際通貨システムの発展のダイナミズムについての著者の論旨も明解である。
 本書の構成は国際資本市場の発展に対応して,次の4部からなる。
(1)金本位制(19世紀から第一次世界大戦まで)
(2)金本位制の再建と崩壊(戦間期)
(3)ブレトンウッズ体制(アジャスタブルペッグ下にあった第2次世界大戦後の25年)
(4)変動レート制から通貨統合へ(1970年代以降)
 歴史分析は詳細にわたるが,著者の視点は為替レートペッグの維持を可能とする条件は何か,また,その条件が時代とともにどのように失われてきたかという点にあり,国際資本移動のレベル,資本規制,通貨当局の取りうる政策手段,国際通貨協力等のファクターが検討される。 その中でペッグ制崩壊の契機として強調されているのが,第1次大戦以後の政治,経済状況の大きな変化である。
 19世紀の金本位制は必ずしも安定したシステムではなかったが,政府通貨当局が通貨の安定を最優先課題として政策手段を総動員しえたことが制度を支えた前提であった。しかし,第1次大戦以降,世界的な参政権の拡大,労働組合や議会内の労働政党の台頭など政治情勢の変化は,もはや通貨当局に対内均衡を無視して対外均衡のみを追求することを許さなくなった。これが為替ペッグ制を維持する条件を損ない,戦間期に金本位制度を,また1970年代にはアジャスタブル・ペッグ制を崩壊せしめ,変動相場制への移行を余儀なくした大きな要因であるとする。ちなみに,著者は前著で,21世紀にはいかなるペッグ制も維持することはできず,変動相場制か通貨同盟かいずれかの選択しかないと主張している。
 本書は,巻初と巻末にポランニーを引用しているのに象徴されるように一種の文明論,20世紀経済論として読むこともできる。      
(C) ブックレビュー社 2000

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